テレビやCMなどさまざまな場面で活躍している「ナレーター」。声優と間違えられることも多いですが、ナレーターは物語の語り手であり、声優は人物などの声をつけることから“声の俳優”と呼ばれています。もちろん広い意味では声優もナレーターも同じ職業だとも考えられるでしょう。 ナレーターは主に養成所やスクールに所属しながら仕事をはじめていきます。収入は歩合制がほとんどのため年収は人によってさまざま。そのため最初はさまざまな仕事に挑戦していくことが大切です。 今回はそんなナレーターの仕事内容を深堀ってご紹介します。興味のある方はぜひナレーター業の門をたたいてみてくださいね。
ナレーターは、声を使ってさまざまな情報を伝え表現する仕事です。「声を使う仕事」というと声優を思い浮かべる方は多いかもしれませんが、実はナレーターも隠れた人気を誇る仕事のひとつなのです。
ナレーターの具体的な仕事には下記のようなものがあります。
あらためて探してみると、ナレーターの声を聞かない日はないというほど、私たちにとって身近な職業なのがわかりますね。プラスな見方をすると、それだけナレーターの活躍の場が用意されているということです。
大きな仕事ですとアニメや海外映画のアテレコ、テレビ番組のナレーションなどから始まり、最近ではYoutubeで公開されている動画のナレーションなど。ナレーターが必要とされる場面は多いのです。
ナレーターは特別な資格や免許がなくても仕事をすることができます。しかし、だからと言って誰でもなれるほど甘くないのがナレーターの世界です。
声優と多少異なるのは、演技力があっても情報が正確に伝わらないことには意味がない、という点でしょう。
ナレーターの仕事に興味がある方の中には「昔から絵本を声に出して読むことが好きだった」という方も多いのではないでしょうか。
自分が大きくなってからも小さい子どもに読み聞かせをするのが得意だったり、想像力が豊かであったり、自分が知らないことも調べて学ぼうという姿勢を常に持っている人には向いている仕事といえます。
人前に立つことが苦痛ではなく、どちらかというと好きであるという方もナレーターの素質があるかもしれません。
次に、ナレーターになるための主な方法をご紹介しましょう。
上記のどの方法にせよ、ナレーターとして仕事を掴むには自分から売り込む姿勢が大切です。人気のナレーターでない限り、待っているだけでは仕事が来ないのがこの業界の特徴でもあります。
また就職という概念はあまりなく、あるとしたら声優プロダクションやイベント製作会社、ナレーター事務所に所属するといった形になります。
所属した場合は、その会社や事務所を通してきた依頼やオーディションから仕事を紹介してもらう形になります。その際、仕事を選ぶとなかなか仕事は決まらずに時間だけが経過してしまいます。
最初のうちは仕事は選ばず、それがたとえナレーターではなく声優の仕事であっても引き受けていくことで経験を積むことができるでしょう。
独学や持って生まれたセンスだけで多くの仕事をこなせるほど、ナレーターの仕事は簡単ではありません。声優業界同様、養成所に通いながらオーディションを受け続け、ナレーターとして大成していく方の方が多いのです。
ですのでこれからナレーターを目指すという方や、なかなかよい仕事がもらえないと思っている方は、ナレーター養成所に通うことをおすすめします。
これらの養成所・スクールはナレーター育成やナレーターの仕事に強いと言われています。
それぞれ入所する方法や受験料、年間の受験料などは異なるのでその点をしっかりと比較検討してから入所申し込みをしてくださいね。
また年齢制限も設けられているようです。これも養成所・スクールによって異なりますが、30〜40歳あたりが入所可能な年齢の上限となっています。
養成所やスクールではなく、専門的な知識を身に付けながら技術を磨くことのできる大学への進学も検討してみましょう。たとえば大学のひとつに「日本大学芸術学部・放送学科」があります。
日本大学・放送学科には、声優界で大活躍している小野大輔さんが過去に在籍していました。彼もアニメの枠にとどまらず、ナレーション・ラジオのパーソナリティー・歌手活動・テレビ番組の出演と幅広く活動しています。
放送学科では7つの専門分野を実習形式で学ぶことができます。
企画力・構成力・演出力・技術力・発信力を身につけ、放送に関する幅広い知識を学びたい方におすすめです。将来、ナレーターの仕事以外にも「脚本家やディレクターの仕事もしてみたい」という人は、放送学科について調べてみる価値ありです。
上記の学校以外にも、現在では通信講座でナレーターの勉強ができるところもあります。興味のある方は、ぜひ調べてみてくださいね。
正直なところ、ナレーターの平均月収や年収を正確にデータ化したものは存在しません。なぜなら「ナレーション」と呼ばれる仕事は、ナレーターのものだけではない場合が多いからです。
ナレーターがおこなう仕事を、声優や俳優・タレント・アナウンサーがおこなうことも少なくないため、「ナレーターを専業にしている」という人を特定することが難しい現状があります。
会社員のように月収制のシステムで働いている人はあまりいません。基本的には、仕事1本に対して報酬が決まっている「歩合制」で支払われることがほとんどです。
声優の給与体制とほぼ同じと考えると分かりやすいため、「5分でわかる声優の仕事」という記事も合わせて読んでみてくださいね。大体のイメージが掴めるかと思います。
人気の上昇とともに、頑張れば頑張るほど収入が増えるシステムである分、仕事がなければ収入は0という厳しい世界でもあります。
たくさんのオファーが来るような人気ナレーターとなれば、1000万円以上の年収を稼ぎ出す人もいることでしょう。実力勝負の世界なので、日々の鍛錬が大事になってきます。
前述したように、年齢制限のある養成所は多いです。低くて30歳、高くても40歳までの方なら入所条件をクリアしており、入所のための受験を受けることができます。
そのため社会人や未経験から一念発起しナレーターを目指すなら、なるべく早い段階がよいでしょう。
ただ養成所のレッスンには夜のレッスンや、土日におこなわれるレッスンもあります。ですので社会人として働きながらナレーターを目指すという生活も可能です。
ナレーターという仕事のやりがいは、自分の参加した映画やCMなどの作品が後世まで残ることですではないでしょうか。「ナレーターなしでは成立しない」と言われるような存在感を発揮する仕事に関わることもあるでしょう。
そのために意識したいことはいくつかあります。
これをすれば確実に仕事がもらえるというわけではありません。これらはあくまでもナレーターという仕事をするにあたって最低限、意識したいことです。
ナレーターは実力の世界です。声での表現力が一流であることはもちろんですが、意外にも重要になってくるのがコミュニケーションスキルと、演出家の意図を汲み取り反映させる能力です。
これらを意識することえ、また「あなたに頼みたい!」と指名され、オファーをもらえることもあるでしょう。そういった仲間たちと一緒に仕事をすることに、大きな喜びを感じるナレーターは多くいるようです。その仕事が大きな影響力を持つものであったり、後に人気の作品ともなれば、喜びはひとしおですね。
- 著者
- ["齋藤 孝", "安住 紳一郎"]
- 出版日
難しいことをわかりやすく伝えたい、面白い話をより一層面白く話したい、といった目的を持つ人にぴったりの内容になっています。
ナレーターや声優を目指す方はもちろん、社会に出てから話し方の重要性を痛感したという方にもおすすめできるです。話し方の本質を知りたい方は、ぜひ手にとってみてください。
- 著者
- 明日香, 金丸
- 出版日
実際に耳で聴きながらトレーニングをすることで、結果をすぐに感じることができるとの声も。
ナレーターを目指していなくても、社会人と聞き取りやすい発声の大切さは切り離せないもの。プレゼンや面接などにも役立つボイトレ法を習得してみてはいかがでしょうか。
- 著者
- ["川村 元気", "小野 大輔"]
- 出版日
どれだけ大変な仕事かを感じながらも、物語に引き込まれてしまう小野さんの声遣いに感嘆してしまうはず。声や言葉の聞き取りやすさ、感情の込め方に注目して聞いてみてください。
プロの表現力や発生方法などを真似しながら独学でも技術を磨いていきましょう。
今回はナレーターのなり方、活躍している場所などを解説しました。ナレーターという枠にとらわれず、さまざまな案件に挑戦し実績を残していくことができれば、それらの収入だけで生活することも可能です。
ただしアナウンサーや俳優といった、すでに人気のある人たちがライバルに控えていることは覚悟しておきましょう。
自分がナレーションしたCMやテレビ番組が放送されたときの喜びは計り知れないはず。本気でナレーターの仕事をしたい方は、声優やアナウンサーの仕事も調べてみると就職へのヒントが見つかるかもしれません。