公務員試験の参考書は数多く出版されており、どの参考書がおすすめなのか、どうやって勉強すればいいのか悩んでいる人も多いかと思います。 この記事では、公務員試験の参考書の選び方や勉強法を解説し、おすすめの参考書を15冊紹介します。ぜひ参考書選びや公務員試験の勉強に役立ててください。
行政府や省庁などの国の運営に関わる職員として仕事をしたいと考えている人は、国家公務員試験を受験するかと思います。
国家公務員試験は職種によって受験科目や試験の内容が異なるため、それぞれの職種に応じた勉強をするための参考書が必要です。
職種には、政策の企画などをおこなう総合職や事務作業を担当する一般職、特定の行政分野を担当する専門職があります。
国家公務員独自の試験として、働きたい省庁を訪問して自己PRをする官庁訪問があるので、その対策も欠かせません。
公務員のなかでも、国や市区町村の運営以外の、専門的な分野の職種で働きたい人もいるでしょう。
薬剤師や医師、保健師や看護師などの「医療職」、学校の先生や大学教授などの「教育職」、特許庁の審査官などの「専門行政職」、警察や消防士などの「公安職」などです。
このような職種は、大学での専攻や自分の専門分野を生かせることが特徴です。特に専門性の高い分野では、それぞれの職種によって試験の内容が異なるので、その職種専用の参考書を購入して勉強しましょう。
都道府県や市区町村にある、市役所や公共施設などの職員として働きたいと考えている人は、地方公務員の試験に対応している参考書を選ぶ必要があります。
地方公務員の職種はさまざまで、市役所の職員だけでなく、警察官や消防士、学校の事務などがあり、それぞれの職種ごとに試験内容も異なります。
地方公務員は公務員全体の8割程度を占めているので、皆さんが目指す公務員は、地方公務員の場合が多いかもしれません。
地方公務員は、自治体によっては他の自治体と異なる採用方法を取っていることもあるので、自分が働きたい地方の公務員の試験内容をしっかりと調査してから参考書を選びましょう。
地方公務員試験は、受験者の学歴や経歴によって試験の難易度が異るため、それぞれの難易度にあった参考書を選ぶ必要があります。
地方公務員試験の難易度は、高校卒業程度の学力や学歴を持つ人が対象の「地方初級」と、大学卒業程度の学力や学歴を持つ人が対象の「地方上級」の2種類です。
「地方初級」は「地方上級」に比べて試験範囲が狭く、一般的な教養を問う問題が多いのが特徴です。
数字や文章のスキルを測る「一般知能」や教養を問う「一般知識」、そのほかにも、作文やグループディスカッションが出題される可能性があります。それぞれの対策がしっかりとできる参考書を選びましょう。
「地方上級」は「地方初級」の職員に比べて、幅広い業務に取り組みたい人が受験する試験です。
一般教養などの対策に加え、法律や経済、行政に関する問題の対策が必要です。また、専門的な職種を受ける場合は専門分野の対策も欠かせません。それぞれの対策ができる参考書を選びましょう。
受験する自治体によって、公務員試験の内容が異ることはご理解いただけたと思います。そのため受験する自治体がどのような試験なのかをしっかりと調べてから、参考書を選ぶ必要があります。
一般的な受験内容は、「筆記試験」「面接」「小論文」です。
「筆記試験」は、公務員試験の1・2次試験に多く採用されており、主に5択の問題が多く出題されます。
参考書は選択肢が多く、筆記試験の科目別に出版されているもの、選択肢と解答解説がセットになっているもの、記述式を採用している自治体に対応しているものなどがあります。
「面接」は、自治体ごとで受験形式が異なるので、受験しようと思っている自治体や試験方式を把握したうえで参考書を選びましょう。
基本的な物事の考え方や発想力がチェックされるものもあれば、受験する自治体のイベントやニュースなどについて聞かれることもあり、両方の対策が必要になります。
「小論文」は、公務員試験のなかでも重要で、準備をしていなければ点数を取ることができない科目です。
そのため、小論文の参考書を選ぶ基準として、基本的な文法構成から論文の書き方までが解説されており、演習問題が充実しているものをおすすめします。
公務員試験対策の参考書は、先ほど紹介した職種や内容だけでなく、科目ごとに対策できるものも多く発売されています。
そのため、苦手な分野や力を入れたい分野がある人は、科目別の参考書を使用して受験対策しましょう。
公務員試験の問題のなかでもかなりの数を占める「数的処理」、長文問題のため解答に時間がかかる「文章理解」、歴史や文芸、地理、思想などの暗記が必要な「人文科学」、物理や科学、生物、数学などの理系科目が多く出題される「自然科学」、政治や経済、法律、国際問題などが多く出題される「社会科学」、法律関係の専門分野を受験する方にとって重要な「民法」など、各科目に集中して勉強できる参考書も多くあります。
公務員試験の勉強法として、質が高い参考書を3周解くことをおすすめします。
同じ参考書を3周することで記憶が定着し、苦手な箇所がはっきり分かるからです。参考書を1回解いただけで別の参考書に移ってしまうと、記憶が定着しないまま忘れてしまう可能性が高いでしょう。
おすすめは、練習問題にマークを付けて、迷わずに解答できた場合は2周目では目を通す程度、分からなかった問題は2周目でしっかりと復習する方法です。
そうすることで、2周目、3周目になるにつれて、1周する時間を短縮しながら、効率的に勉強することができます。必ずしも3周することが大切なのではなく、自分に合った参考書をしっかりと理解することがポイントです。
先述した同じ参考書を3周する方法のなかで、間違えた問題は解説を読んで正しく理解することを常に意識して、参考書を読み進めましょう。
記憶が曖昧だった部分や解答できなかった部分は、参考書の問題を少し変えた問題が出題された場合も正解できない可能性が高いです。
参考書の解説を読んでも内容の理解に不安が残る人は、高校の教科書にまでさかのぼって、内容を完璧に理解できるまで勉強しましょう。
また、公務員試験までに残されている時間にもよりますが、完璧に理解できている内容の解説を何度も読むことは時間の無駄ですので、分からなかった問題の理解に注力しましょう。
ここからは公務員試験におすすめの参考書をまとめて紹介します。
参考書の特徴を紹介するので、興味があるものや自分に合っていそうだなと思う参考書があれば、ぜひチェックしてみてください。
- 著者
- 畑中 敦子
- 出版日
公務員試験で最重要科目といわれる数的処理のなかでも、苦手な人が多い数的推理の分野でベストセラーの参考書です。
公務員試験対策の講師として有名な畑中敦子と公務員試験対策塾「LEC」による、速解テクニックや分かりやすい解説が特徴です。
キャラクターのワニが随所でつまずきやすいポイントや補足事項などを分かりやすく解説しており、楽しく勉強できます。
- 著者
- 上野法律セミナー
- 出版日
公務員試験の教養試験は、十数科目が出題されます。その合格ラインである得点率60〜70%を確実に取れるように、試験によく出る項目をまとめた一問一答形式の参考書です。
暗記が重要な教養試験対策として、重要語句の欄には赤シートで消える文字が書かれているうえ、持ち運びしやすいコンパクトサイズなので、移動時間にも活用できます。
巻末には本番の試験と同様の5択問題が掲載されているので、実力チェックにも役立つでしょう。
- 著者
- 資格試験研究会
- 出版日
数的推理を初めて勉強する人向けの参考書です。公務員試験を徹底的に見直して、これまでに出題された問題を厳選し、その解き方を分かりやすく丁寧に解説しています。
長年数学や算数の分野から遠ざかっていた人に向けた内容となっているため、公式などを復習しながら問題に取り組めます。
高卒レベルの試験から、大学院卒レベルの試験まで幅広く対応しており、数的推理が不安な人にもおすすめです。
- 著者
- 東京リーガルマインド LEC総合研究所 公務員試験部
- 出版日
公務員試験の科目のうち、判断推理と図形の過去問をたくさん解くことができる問題集です。
2020年に実施された公務員の本試験問題や、なかなか手に入れることが難しい地方上級の過去問が収録されています。
大手資格スクールのLECが選定した必修問題と実践問題が掲載されており、順番に解くことで知識の定着と解法パターンの習得ができます。
受験先の自治体の傾向分析、解法を丁寧に解説している講義ページ、試験直前に復習するための直前復習ページも掲載されており、メリハリをつけて学習できる1冊です。
- 著者
- ["上野法律セミナー", "上野法律セミナー"]
- 出版日
膨大な出題範囲の教養試験から特に重要な内容がまとまっており、選択式の問題に対応できる知識習得を目指す参考書です。
短時間で一般常識の知識を深め、合格に必要な得点力を身につけたい方におすすめです。
過去問がそのまま掲載されているわけではなく、文章量が多い本試験の問題を再編集しています。すぐに出題テーマが理解できるように工夫されており、効率よく学習できます。
- 著者
- 資格試験研究会
- 出版日
平成10年から令和元年まで、地方初級の教養問題から厳選した過去問を350問掲載している問題集です。
地方初級の教養問題の出題傾向や難易度の理解、自身の実力の把握に最適です。
都道府県や政令指定都市の本来公開されていない問題についても、受験者からの情報を基に再現して掲載しています。
- 著者
- 資格試験研究会
- 出版日
公務員試験に出題される多くの白書や公的な統計、官公庁の政策、政治や経済の動向などを学習できる、時事問題対策の定番参考書です。
試験によく出題される時事問題を想定した「でる文」で、実践力を鍛えることができます。各章末には「出る文穴埋めチェック」がついており、受験前の総復習にも利用できます。
時事の知識は、小論文や面接、集団討論にも役立つため、ぜひ1冊持っておきましょう。
- 著者
- ["麻生キャリアサポート", "資格試験研究会"]
- 出版日
高卒程度公務員試験の全科目を1冊で対策できる問題集です。
高卒の国家一般職や地方初級、市役所初級、警察官、消防官、国家専門職、特別職などの職種に対応しており、内容も教養試験や適性試験、面接、作文試験をカバーしています。
科目ごとに出題傾向を理解でき、勉強方法のアドバイスも書かれているのでスムーズに学習できます。
- 著者
- ["公務員試験専門 喜治塾", "公務員試験専門 喜治塾"]
- 出版日
公務員試験対策塾「喜治塾」の公務員試験を知り尽くした講師陣が、知っておくべき過去問と身につけておくべき解答を伝授している問題集です。
章のはじめには出題傾向と学習のコツが書かれており、どのように勉強すればよいかわからない方にもおすすめです。
暗記量を増やすのではなく、しっかりと理解することを重視しており、公務員試験で問われる理解力と応用力を鍛えられます。
- 著者
- L&L総合研究所
- 出版日
地方公務員試験で出題され、合否を分けるともいわれている適性試験で高得点を獲得できるように、最新の出題傾向に合わせた問題を多く掲載している問題集です。
適性試験のなかでも、正答率に差が出る複合問題を徹底的に勉強することができるので、マスターすれば周りと差をつけられるでしょう。試験直前に内容をひと通り確認したい場面にも最適な1冊です。
- 著者
- ["公務員試験予備校EYE", "公務員試験予備校EYE"]
- 出版日
公務員試験の科目のうち、社会科学と人文科学、自然科学の要点を一問一答式で学習できる参考書です。
公務員試験予備校「EYE」の講師陣が過去の出題傾向を徹底的に分析して、よく出題される内容をまとめているため、効率的な学習ができます。
社会科学や人文科学、自然科学は覚える内容が多く、学習が大変だと感じている方におすすめです。
- 著者
- 伊藤塾
- 出版日
公務員試験に最短で合格するための、効率的な勉強法が掲載されている参考書です。
公務員試験の勉強をはじめようと考えている人や、現状の勉強法に不安を感じている人におすすめです。公務員試験対策で長年の実績がある伊藤塾が執筆しており、ムダなく効率的に受かるコツや勉強スケジュールの立て方、筆記試験の合格ラインまで得点する方法など、メソッドが充実しています。
知らないと損をする最新の出題傾向や、小論文や面接での必勝法も掲載されている、読んでおきたい1冊です。
- 著者
- 資格試験研究会
- 出版日
高卒程度の初級公務員試験の「一般知識」を、短時間で効率的にマスターするための参考書です。
過去の出題傾向を徹底的に分析し、試験で頻出の分野に絞って勉強することができるので、時間がない方やほかの科目に勉強時間を割きたい方におすすめです。
難しい単語や語句は図やイラストを用いて分かりやすく解説しています。
- 著者
- TAC公務員講座
- 出版日
大卒程度国家一般職公務員試験の過去問を平成29年度から令和元年度の3年間分掲載している過去問題集です。
本番さながらの問題配列で、さらに問題は冊子から取り外すことができるので、本番を想定した模試形式で学習することができます。
受験ガイドや年度別の出題分析表など、公務員試験受験に役立つ情報も満載です。
- 著者
- 資格試験研究会
- 出版日
公務員試験の勉強をはじめた人で、判断推理を勉強してみようと考えている人や、判断推理が苦手な人におすすめの参考書です。
公務員試験に繰り返し出題される判断推理の問題を厳選して掲載しており、この参考書の内容をマスターすることで、効率的に実力が伸ばせます。
問題の解説は非常に丁寧で、誰にでも扱いやすい解法や時間のかからない解法が分かりやすく掲載されています。
この記事では、公務員試験の参考書選びの詳しい説明から、おすすめの勉強法の紹介、公務員試験対策におすすめの参考書を紹介しました。
公務員試験は出題範囲も広いうえ、倍率も高いことから合格することは難しい試験です。
そのためにも自分に合った参考書で、モチベーションを維持しながら勉強することが大切です。この記事をもとに選んだ参考書が、皆さんの公務員試験の勉強に役立つことを願っています。