5分でわかるシューフィッター!認定資格の内容は?年収や活躍できる転職先などご紹介!

更新:2021.12.4

足に関する知識と、足合わせの技術を持つシューフッティングの専門家シューフィッター。近年では、足に合った靴と疾病予防が関係しているという認識から、需要が高まりつつある職業でもあります。人の足は左右で形が違うことがほとんどです。そうした際にシューフィッターは情報を正確に把握し、足に合う靴を見立てます。専門家として働くには認定資格の取得がおすすめです。 本記事ではシューフィッターの仕事内容や就職先、年収など詳しく解説していきます。また、シューフィッターに関する書籍もご紹介させていただきます。シューフィッターという仕事を知るきっかけとなれば幸いです。

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シューフィッターの仕事とは

シューフィッターとは

シューフィッターとは「お客様の健康管理の一翼を担うとの自覚に立って、足に関する基礎知識と靴合わせの技能を習得し、足の疾病予防の観点から正しく合った靴を提案するシューフィッティングの専門家」のことをいいます。

シューフィッターの主な仕事

シューフィッターの仕事は主に3つあります。

  • 靴を見立てる
  • よりよい靴作りのため制作会社にアドバイス
  • 講演会など

ひとつ目は、お客さんの足に合わせて靴を見立てる仕事で、シューフィッターの仕事の中心ともいえるものです。対象となる方の足の大きさや形、左右のサイズなどさまざまな情報を把握したうえでお客さんの足に合った靴を選択します。

靴を選択するだけでなく選択した靴がより快適にはけるように中敷きなどを使用して微調整をしたり、一定期間が経過した後で、靴の履き心地などを確認し、アフターケアを施したりします。

また、既製品では対応が困難である場合には医療機関と連携をして治療用の靴を使用できるようにアプローチをすることもあります。

2つ目はお客さんからの靴に対しての意見や、サイズ感などさまざまな情報を靴の制作会社にフィードバックし、よりよい靴が作れるようにアドバイスをしたりします。

3つ目は靴に関する知識の啓発です。自分の働く店の店頭を使ったり、地域の施設などを使って講演会をおこない、お客さんに足に関する情報や靴選びについての情報など正しい情報を伝えていくことも仕事となります。

シューフィッターが活躍できる就職先

シューフィッターの就職先は靴の専門店や百貨店などが多い傾向にあります。シューフィッターはシューフィッターの資格を取得してから就職するというよりも先に、靴に関連する会社に就職し、そこで働きながらシューフィッターの資格を取るという方が多いようです。

他にも理学療法士として働きながらシューフィッターの資格を取得して、リハビリの時に履く靴や、疾病と付き合いながら使用しやすい靴の選定に関わったりもしています。また看護師として働きながら資格を取得し、足の病気で悩む方の靴選びのサポートに関わったりしている人もいます。

シューフィッターの平均年収

シューフィッターの収入は働く企業によって異なりますが、相場は年収500万円程です。百貨店になるとさらに収入は上がり、年収700万円前後となります。また、シューフィッターとして顧客から指名されるようになるとプラスで報酬がもらえるということも多く、頑張った分だけ収入が上がり働き甲斐のある仕事といえます。

他の職業をしながらシューフィッターの資格を取得し、プラスで手当てがつくということもあるようです。余裕があれば資格取得を目指すとよいでしょう。

シューフィッターになるには。認定資格取得のススメ

シューフィッターになるためには、シューフィッターの資格を唯一認定している「一般社団法人足と靴と健康協議会」の認定資格を取得することが必要となります。

取得した資格は3年ごとに更新が必要となるのですが在宅で更新試験は受けられるので、忙しい方でも資格を継続保有できるところがポイント です。

シューフィッターの資格はそのレベルによって資格が細かく分かれており、徐々にステップアップしていけるように制度を整えています。

初級:プライマリーコース

まずシューフィッターの初級の資格がプライマリーコースで、このコースを修了すればシューフィッターと名乗ることができます。

資格取得は以下の方が対象となっています。

  • 靴の製造や販売、足に関連する事業でトータル3年以上の実務経験がある
  • 医師、理学療法士、義肢装具士、フットケアや足に関する医療関係業種や足と靴に関する学校の在学している

これに該当する方も、3年間の実務あるいは修学年数が必要となりますが、パートやアルバイトでの期間も年数に含むことが可能です。

3日間のスクーリング講習を受講をすることに加え、スクーリング最終日の確認テストと、在宅課題の問題集の正解率60%以上、10足分のフィッティングトライアルチェックシートの提出をし、50人分の足型計測の審査に合格することで資格認定されます。

上級:バチェラーコース

このプライマリー資格を取得した方が次に受けられるのが上級のバチェラーコースで、プライマリーコースよりより高い専門性が求められます。

9カ月間の間に9日間のスクリーングという名の講習全てを受講し、6課目の課題提出、クリアしたうえで認定試験に合格することで認定されます。

修士:マスターコース

バチェラーコースのさらに上級資格が修士のマスターコースとなり、2年間かけてアシや靴についてさらに掘り下げて学び、最終的には自分で自分の足に合った靴の作成をおこないます。

専門性の高い2つのコースも

これらのコースのほかに、さらに専門性を高めたいという方向けに2つのコースが用意されています。こちらのコースは、シューフィッターとして認定を受けている方でなければ受講することができません。

1つは、幼児や子どもの足や靴に特化した「幼児子ども専門コース」です。もう1つは高齢者に特化した「シニア専門コース」で、高齢者の疑似体験などもおこない、高齢者に対する理解も深めていきます。

両者ともスクーリング2日間受講修了 し、ペーパーテストの解答正解率70%以上で認定されます。

足と靴と健康協議会では、理学療法士、義肢装具士、フットケアや医療従事者といった足と靴に関する業種に携わっている方へシューフィッターの資格取得をおすすめしています。これらの資格をお持ちの方も、シューフィッターに興味のある方は資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

シューフィッターの仕事が分かる短編集

著者
足と靴と健康協議会
出版日

シューフィッターが実際に働く中で経験してきた体験談を短編集としてまとめた1冊です。

前半は短編集、後半は実際にシューフィッターとして働かれる方がシューフィッターの視点から靴選びのポイントを詳しく解説するという構成になっています。

読んだ後には心が温まるお話が多く収録されています。この本を読むことでシューフィッターという職業が社会から重要視されているということがあらためて分かりますので、シューフィッターの資格取得を考えている方にはぜひ読んでいただきたい1冊です。

シューフィッターが選んだ靴を履いて人生が変わった方のお話を見たら自分もシューフィッターに靴選びをお願いしたいと思われるかもしれません。

シューフィッターを目指す方におすすめの1冊

著者
足と靴と健康協議会
出版日

婦人靴、紳士靴、子ども靴、シニア靴、ウォーキングシューズとさまざまな分野で活躍するシューフィッターの方々が実際に自分の働く現場で体験したことを語っている1冊です。

先ほどの書籍と異なる点は、シューフィッターが靴を選ぶ方の年齢が幅広いことです。さまざまな現場におけるシューフィッターの事情を知ることができるので、シューフィッターを目指す方には、今後の働き方を知る上でも参考になるのではないでしょうか。

シューフィッターのいる全国のショップリストも載っているため、本を読んだ後は実際にシューフィッターのいるお店へ足を運んでみたくなるかもしれません。

シューフィッターとして働くことをあらためて考える

著者
美智子, 久保田
出版日

日本初の女性シューフィッターが女性の目線で靴を買う側、売る側の目線に立ってそれぞれのポイントをまとめています。

著者は、現在シューフィッターの資格認定をする足と靴と健康協議会において、上級資格であるバチェラーコース講師を務めている方です。ほかにも全国で講演をしたり、さらには海外でも指導をおこなったり、国内外で活躍するシューフィッター業界のプロフェッショナル。

プロフェッショナルならではの視点から足と靴の健康について書かれており、シューフィッターを目指している方だけでなく靴選びに悩んでいるという方も参考になるのではないでしょうか。

シューフィッターとして特に靴の販売に携わりたいという方は、ぜひ一度読んでみてください。


多くの方が自分の健康を意識し、靴や歩行にも注目をし始めている昨今。シューフィッターの需要はますます高まると考えられます。 

上級資格や専門コースも用意されており、どんどんレベルアップをしていくこともできる資格ですので、長きにわたって靴の世界に携わりたいという方は資格を取得してみてはいかがでしょうか。 

今回ご紹介した本でシューフィッターの資格を取りたいという方だけでなく、普段自分の靴選びに悩んでいるという方もシューフィッターのお仕事の魅力を知って頂ければと思います。

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