マリンスポーツのなかでも人気のスキューバダイビング。海が綺麗な観光地などで体験したことのある方は多いのではないでしょうか。全国さまざまな場所で体験できるため、年代問わず人気のスポーツになりつつあります。 そんなスキューバダイビングに欠かせないのが、指導や安全を守ってくれるインストラクターの存在です。インストラクターには公的な資格なしで就職することができますが、命に危険がおよぶ可能性もあるスポーツのため多くの方が講座を受け、資格を取得しています。 今回はそんなスキューバダイビングインストラクターの仕事について詳しく解説。興味のある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
海中アクティビティを安全に楽しむのに欠かせないのがスキューバダイビングインストラクターの存在です。
しかし、実はスキューバダイビングを楽しんだり、指導したりする上で必要な公的資格はありません。しかし楽しい反面、一歩間違えれば命が失われる可能性も。危険性をともなう仕事なので、多くの方は適切な技術を身につけるために資格を取得しているのが実情です。
まずは一般的なダイビングの指導やガイド業務があげられます。スキューバダイビングのやり方を指導をしたり、見所を案内したりすることが主な仕事内容です。また、インストラクターとしてお客様を安全に案内することが大切になってくるため、当日の天気を確認したり貸す器材の点検をしたりするのも必須です。
その他には、陸上業務も欠かせません。実はスキューバダイビングインストラクターの仕事の6割~7割は陸上での業務です。ダイビング用品のレンタルやお客様の送迎などをおこなうこともあります。また、ツアーのコーディネートもインストラクターの仕事です。
またライセンスを取得するための指導をおこなっているインストラクターもいます。スキューバダイビングの資格を取得するために海やプールで実技指導をおこなったり、知識を座学で講義することも業務内容のひとつなのです。
命の危険もあるスポーツのため、正しい知識の伝達が重要になります。
土日や夏休みなど世間の人の休みはスキューバダイビングインストラクターにとって繁忙期です。そのため、冬は比較的時間があることが多く、有給消化などもしやすいでしょう。
また、小さい規模で経営しているところも多いため社員になるとレンタル業務からダイビング指導、ツアーまでひとりで手掛けることも珍しくないため、朝早くから夜まで働くことも少なくありません。
季節による働き方のメリハリはあるものの、就職先の規模によって働き方には多少の違いがあるようです。
地域によって差はありますが初任給は12~13万円ほど、年数を重ねても18万円ほどであるのが一般的なようです。ただ、夏などの繁忙期は月収が他の月と比べて高くなります。それでも他業種に比べて平均年収は低く、週末のみなどの副業としておこなっている方も多いようです。
まず、スキューバダイビングを始めるには「Cカード」を取得する必要があります。Cカードとはダイビングの技術や知識を証明するためのカードです。このカードを持っていることで世界共通のサービスを受けることができます。
Cカードの取得方法は大きく分けてふたつあります。ひとつはダイビングショップやダイビングスクールに通って中期~で取得する方法で、もうひとつは沖縄などのリゾート地で短期集中型で取得する方法です。講義の内容は学科の勉強、プールでの講習、海での実践演習と安全に楽しくスキューバダイビングをするためのカリキュラムが組まれています。
Cカード取得にかかる費用は約4万円から10万円ほどです。ただし、安すぎる場合はウェアや器材のレンタル代が含まれていないこともあるのでよく確認しましょう。また、価格で決めるよりも安全にダイビングをおこなうために質の高い授業を提供してくれるスクールを選ぶといいでしょう。
スキューバダイビングインストラクターの資格には、いくつか種類があります。すべて取得するとなると遠い道のりになりますが、より幅広い指導・レベルの高い指導をおこなうには複数の資格取得を検討してもよいでしょう。
命の危険もともなうスポーツなため、指導する立場にある方は正しい知識の習得が必須です。今回はスキューバダイビングインストラクターのコースなども用意している「PADI」の内容から、コースのご紹介をしていきます。
ダイバーになるためのコースであり、スキューバダイビングの基礎を学ぶ重要なコースです。ここでCカードを取得します。Cカード取得後はインストラクターの引率なしでダイビングを楽しむことができます。
ナビゲーション練習や18メートルより深い海への潜水などより応用的な技術をつけるコースです。オープンウォーターダイバーコースでは行けない深度のスポットにもぐったり、ナイトダイビングを楽しんだりとより幅広いダイビングを楽しむことができます。
さまざまなダイビングスキルを身につけることができるので、よりダイビングを楽しみたい人におすすめのコースとなっているようです。
お客様が安全にダイビングを楽しむためにトラブルへの対処法を学びます。溺れている人のレスキュー方法など命を守るためには欠かせない講習です。
講習では披露したダイバーや負傷したダイバーの救助方法など、現実に役立つ知識を実践的に学びます。ただダイビングを楽しむだけでなく、安全なダイビングをおこなうためにはどうするべきか? 安全を意識しながらのダイビングや、周囲を注意しながらのダイビングができるようになります。
特にインストラクターを目指す方には欠かせないコースですね。
Cカードを持つダイバー向けのファンダイビングツアーのガイドができるようになるのがこちらのコースです。
主にお客様への対応を学びます。お客様の引率の仕方を学びつつ、先輩インストラクターの負担を減らす方法なども学びます。このコースを修了するとお客様のガイドや講習などのアシスタントとして働くことができ、プロのスキューバインストラクターを名乗ることができます。
講習は最短でも10日間おこなわれます。ダイブ本数も40本以上、潜水の深さは40mとコース内容も本格的に。
インストラクター試験を受ける前の講習です。自分のスキルを見つめなおしたり、お客様へ講習をするにあたって適切であるかのチェックをしたりします。
ここまでの過程を経て、初めてインストラクターの試験を受けることができます。この試験では学科(知識)、プールや海での教え方など総合的に判断します。試験に受かったらゴールではなくスタートとして知識や技術の更なる向上を求めていく必要があります。
コースの費用は5万円〜20万円とレベルがあがっていくにつれ高くなっていきます。すべてのコースを受講しようとするとトータルで50万円近くの金額になってしまうので、必要だと思うコースのみの受講でもいいかもしれません。
初級・中級・上級の1コースずつの受講など、自分なりにアレンジしてスキューバダイビングインストラクターとしての知識を身に付けていきましょう。
スキューバダイビングインストラクターは給料が高いわけではありません。そのため、心から海が好きで海の仕事にかかわりたい人には向いているでしょう。
スキューバダイビングインストラクターはダイバーの命を預かって安全に楽しくガイドをするという使命があります。そのため、安全にガイドできるよう気を遣える人は向いているといえます。
スキューバダイビングインストラクターはたくさんのダイバーとかかわる機会があります。そのため、人とかかわることが好きな人には楽しい職場だといえます。
スキューバダイビングは知識を知っているだけでは上手になりません。より多くの実践が必要となります。そのためには実践で使えるテクニックを覚え、イメージトレーニングをしておくことが重要となります。
基礎知識や実践で使える知識について詳しく解説している本がこちら。
- 著者
- 博之, 野田
- 出版日
野田博之氏著作の『 DVD付 DVDで学ぶはじめてのダイビング (よくわかるDVD+BOOK)』という本です。この本では基礎知識についてわかりやすくまとめてあるほか、分かりにくい部分はDVDで解説するなど初心者にも分かりやすくまとまっています。
スキューバダイビングを始めたばかりの人にはおすすめの1冊となっているのでぜひご覧ください。
スキューバダイビングをやってみたいけどなかなか一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか。気軽にスキューバダイビングに触れたいという方におすすめの本がこちら。
- 著者
- 吉岡 公威
- 出版日
- 2014-11-07
井上堅二氏、 吉岡 公威氏著作の『ぐらんぶる(1) (アフタヌーンKC)』という本です。
こちらはスキューバダイビングをテーマにした青春漫画です。実際にやってみるのは勇気がいるという人もぜひ気軽に手に取ってみてくださいね。
スキューバダイビングはきれいな海や魚など自然の素晴らしさを感じられるスポーツです。しかし、それと同時に一歩間違えば命の危険もあるような危険な面もあります。
安全に楽しくスキューバダイビングを楽しむためにぜひ知っておいてもらいたいマニュアルを掲載している本がこちら。
- 著者
- 後藤 ゆかり
- 出版日
後藤 ゆかり氏著作の『潜水事故に学ぶ安全マニュアル100 (マリンダイビング増刊) 』という本です。
この本では実際にあった潜水事故からこのような事故を起こさないための予防法や対処法について詳しく解説しています。100もの事例を通して事故を起こさないためにはどうしたらいいのか考えていきましょう。
今回はスキューバダイビングインストラクターについて解説しました。日本中の場所で活躍できる反面、一歩間違えば命の危険もあるような責任感のある仕事であることを意識していきましょう。
最後にご紹介した3冊の本はスキューバダイビングを始めたい方やインストラクターになりたい方におすすめの本となっているのでぜひご覧くださいね。