国民の健康に対する関心、知識の向上によって需要が増してきているサプリメントアドバイザー。 資格を取ることで多様な働き方ができ、就職だけでなく転職などにも役立つ資格です。サプリメントアドバイザーの資格のみだと高収入は望めませんが、他の資格と併用することで年収がアップします。 サプリメントアドバイザーがどんな資格なのか、また、資格を取得することでどんな働き方ができるのか、資格取得方法などサプリメントアドバイザーについて詳しく解説していきます。 さらにサプリメントアドバイザーを志す方に読んでいただきたい書籍もご紹介しますので参考にしてみてください。
サプリメントアドバイザーとは、サプリメントや健康食品を購入したいと考える方に対して専門家の視点からその方の栄養状態などを評価したうえで適切なアドバイスをおこなう職業です。
厚生労働省でもサプリメントを選ぶ時の正しい情報を得るためにサプリメントアドバイザーを活用することを啓発しており、需要は高い職業だといえます。
日本では聞きなれない資格かもしれませんが、サプリメントの先進国ともいえるアメリカでは、古くからサプリメントアドバイザーとして活躍されている方もいらっしゃいます。
サプリメントアドバイザーの仕事は、サプリメントを購入しようと検討している方などにどのサプリメントを使用すべきか適切なアドバイスをおこなうことを仕事としています。
そのためサプリメントアドバイザーが働ける場所はサプリメントを購入できるところであるドラックストアや薬局、サプリメントを製造販売している企業のお客様相談センターなど。なかには消費者センターで働きながら使用されたサプリメントについてのアドバイスをおこなっている方もいるようです。
また、 医師や看護師、薬剤師といった医療系の資格を保有している方がサプリメントアドバイザーの資格を取得し、病院など医療機関でサプリメントの選び方についてアドバイスをおこなっているという方もいらっしゃいます。
実は、サプリメントアドバイザーだからという理由で収入に影響するということではないので、働かれているところによって得られる収入は左右されます。サプリメントアドバイザーの資格を持っているから収入が上がるということはほとんどありません。
たとえば薬剤師の資格とサプリメントアドバイザーの資格を取得していると600万円前後の年収であるものの、サプリメントアドバイザー以外の資格を持たずにドラッグストアなどで働かれていれば年収は300~400万円程度と推測されています。
サプリメントアドバイザーの資格のみでの就職というよりも他の資格と併用したり、働いている場所でサプリメントの知識が必要となるためにサプリメントアドバイザーの資格を取ったりされる方が多い傾向にあります。
サプリメントアドバイザーになるためには認定資格を取得することが必要となります。
サプリメントアドバイザーの資格を運営しているのは日本臨床栄養協会と日本ニュートリション協会の2つの団体です。
一般社団法人日本臨床栄養協会とは、1979年医師、栄養士などによる臨床栄養の研究、研鑽を重ねるために設立され、2001年9月よりサプリメントアドバイザーとしての資格認定を始めています。
日本臨床栄養協会が主催する「サプリメントアドバイザーの認定資格」を取得するには、まず日本臨床栄養協会へ入会しなければなりません。入会後、通信教育の受講(40単位認定)または学術大会(年1回開催、10単位認定)へ参加して計40段位を取得後、認定試験を受けることで資格を得ることができます。
合格率は2019年のデータで58.5%としています。日本臨床栄養協会の認定資格取得者は42.9%がサプリメントアドバイザーとして一から学ばれた方ですが、それ以外では薬剤師が約12%、管理栄養士が約8%と医療系資格取得者で資格を取られている方も多いことが特徴です。
参照:日本臨床栄養協会
日本ニュートリション協会は日本で初めてサプリメントアドバイザーの 育成事業を始めた団体です。日本ニュートリション協会のサプリメントアドバイザー資格は完全通信教育制で、すべての課題をクリアすることで認定資格を得ることができます。
日本ニュートリション協会のサプリメントアドバイザーは地域は限定されるのですが、就職や転職のサポートなどバックアップが充実しているという特徴があります。
サプリメントアドバイザーの資格は食品系の企業の方などサプリメントをつくる側の方や、薬剤師、ドラックストアで働かれている方、通販の会社の方など販売側の方に資格取得者が多い傾向にあります。
その他にも医師や看護師、栄養士などの医療系の資格取得者も自分の働いている職場で知識を活かすためにサプリメントアドバイザーの資格を取得されています。
完全通信教育なので働きながら取得できるのが大きなメリットですね。
参照:日本ニュートリション協会
- 著者
- 桑原 弘樹
- 出版日
サプリメントを栄養補給、トレーニング、ダイエットに活用しようと考えている方に向けてサプリメントにまつわる疑問などを詳しく解説している1冊です。
専門用語も多く、少々難しく感じてしまう内容も多いかもしれません。ですが、お店などでよく見るサプリメントもたくさん出てくるため、普段から身近にあるサプリメントの活用方法が分かり、とても勉強になるでしょう。
筆者は大手食品会社でサプリメント開発に携わってきた方で、プロスポーツ選手に対して、サプリメントの知識や活用の仕方を含む独自のコンディショニング法に基づいた指導を行いながらスポーツ方面で活躍されている方です。
実際にサプリメントを開発されてきた通称サプリメント博士の視点からのサプリメントにまつわる情報はためになる内容ばかりです。
まずサプリメントについて勉強したいという方にはぜひ読んでいただきたい1冊です。
- 著者
- 忠司, 田村
- 出版日
サプリメント業界を知り尽くした著者が、サプリメントの実態を明かしたうえで、本当に効くサプリメントの見分け方、選び方について、できるだけわかりやすく伝えてくれている1冊です。
サプリメントの種類は膨大ですので、購入する方もどのサプリメントが自分に合っているのか、どのサプリメントで自分の得たい効果が得られるのか迷ってしまいます。アドバイザーとしてより正しい知識を伝えるために活用していきたい内容になっています。
医療機関(医師、歯科医師)に限って提供を行っている、サプリメントメーカーの代表をされている方が著者のため、医療×サプリメントの知識を得られるのではないでしょうか。
- 著者
- ["久保 明", "合田 敏尚", "志村 二三夫", "篠塚 和正", "青江 誠一郎", "石見 佳子", "石原 俊一", "池田 秀子", "梅垣 敬三", "脇 昌子", "日本臨床栄養協会"]
- 出版日
サプリメントの機能や情報などが細かく書かれており、参考書として活用していける1冊です。
先ほどご紹介したサプリメントアドバイザーを育成する団体が作成している本でもあるため、サプリメントアドバイザーになるために正しい知識を得たいという方にはもちろん、サプリメントアドバイザーに興味があってどのような内容かを知りたいという方にもおすすめです。
各項目ごとにその分野の第一人者が分かりやすく解説しているという点も魅力的なポイントになります。サプリメントについて深い知識を得たい方はぜひ活用されてみてください。
サプリメントを扱う業界で働かれている方は、正しい知識を普及するためにも取っておきたい資格であるのではないでしょうか。 資格を取得したことによって直接収入や就職へつながるケースは少ないものの、資格を持っている信頼感で職場から重宝されることは間違いないでしょう。
サプリメントに関する情報はネット上でもあふれていますがより深い専門的な知識を得たいという方は、まずはご紹介した書籍を読んでみてはいかがでしょうか。