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肉を極める6冊。今日からはじめる肉マニア道

更新:2017.1.6 作成:2017.1.6

肉を料理するのが好きだ。 肉を焼くのが好きだし、肉を煮込むのも揚げるのも好きだ。ひき肉を練り、塊肉を切る。おいしい肉の料理法について語り始めれば朝までだって平気だ。今回は、そんな肉の魔力に取り憑かれてしまった人たちに送る、肉料理を極める6冊をお送りします。

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肉にハマったら最初に読むべき、不動の入門本

肉料理は「和食」や「中華」「家庭料理」といったジャンルと違い、入門本がほとんど存在しない。それは、肉料理というジャンルが、レシピよりも小さなコツや繊細なテクニックが求められる領域であるため、「手軽で簡単」が求められる入門家庭料理本と趣旨が合わないのかもしれない。私も肉に目覚めた当初は読みにくいプロ用の書籍を見ながら、もう少し簡単でコツだけを端的に教えてくれる本は無いものかと思っていたものだ。
著者
松浦 達也
出版日
2014-11-27
本書はそんな肉に目覚めた初心者を救うための1冊。

「ハンバーグ」「ステーキ」など肉料理の定番を35種類網羅しており、1つ1つのレシピに「なぜ美味しくなるのか」というポイントがロジカル&シンプルに書かれている。さらにコラムでは、肉料理の歴史や料理科学にも触れており、肉に興味を持ち始めた人が押さえておきたい情報もきちんと網羅している。まずは、この1冊を手に肉料理道を歩み始めてはいかがだろうか。

飲み屋でも使える肉雑学の知識本

大人の肉ドリルが「肉レシピ」の入門本であるのであれば、こちらは「肉雑学」の入門本。全ページカラーで写真がふんだんに使われており、文字が苦手な人も楽しく読める作りになっている。しかしライトな本と侮るなかれ。

この本の真髄は、その網羅している範囲の広さ。牛肉、豚肉、鶏肉といった一般的に流通している肉だけでなく、羊、馬、猪、イノブタ、ヤギ、シカ、ウサギ、シチメンチョウ、ガチョウ、ホロホロ鳥、ハト、ウズラなどなど、最近話題になっているジビエなどの「トレンド肉」の情報もしっかりと抑えている。
著者
肉食研究会
出版日
2012-09-20
さらに流通の現状やブランド化の仕組みといった、社会学的・経済学的な側面からも肉に迫っているのが本書の素晴らしいところ。ニュースや新聞で見かける肉関連ニュースなどを読み解くのにも、本書で得た知識が役に立つだろう。料理を作らないけど、美味しい肉を見極めたいという人にも、ぜひ読んでもらいたい1冊。

ステーキに取り憑かれた男が見た「人と食肉」

この本を一言で例えると「肉バカ旅本」である。

ステーキを食べるためだけに世界7カ国を旅した著者は、とにかくウンチクが熱い。というか、しつこい。このくらい熱量持ったオヤジと一緒に肉を食べに行ったら、うんざりしそうではあるが、本書はアメリカのエッセーらしい、ライトでウイットに富んだ文体で気軽に読ませてくれる。
著者
マーク・シャツカー
出版日
2015-01-23
世界中のステーキを求めて牧場主、三つ星シェフ、科学者等に取材した男が最後に行き着いたのは、自分で牛を育てて食べる事だった。肉に取り憑かれた男の旅エッセイは、世界各地を回り、考古学や歴史の文化に触れ、自分で育てる体験ルポを経て「人と食肉」を考えさせるドキュメンタリーとしてまとまっていく。あとがきのステーキの焼き方も実用的で大変楽しい。

世界のメジャーな肉料理をまるっと網羅

インターネットで調べにくい料理というのがある。海外の特に英語圏でない料理は、言語の壁もあってなかなかレシピを探し出しにくい。たとえば、フランスのコック・オー・ヴァン、ベトナムのフォーボー、モロッコのタジン・ビル・ミシュ・ミシュなどなど、検索しても日本語で出てくるのは1〜2レシピ。ちゃんとおいしいかどうか、以前海外で食べた味が再現されてるのかどうか判別をつけることさえ難しい。
著者
ニコラ フレッチャー
出版日
2016-09-08
本書は「海外で食べた、あの国の肉料理」の作り方がかなり網羅されている。その数、実に300種類。

プロ用ということで、基本的な肉のポーションは1キロ単位。調理時間も、長いものだと数日かかるものもあるが、1つ1つの作業工程はわかりやすく良いレシピが並んでいる。パーティ映えするようなメニューも非常に多く、この本のラインナップのどれか一つでも出せたら、その会のヒーローになれることは間違いないだろう。

日本のパテカン第一人者の手がける「絶対失敗しないシャルキュトリー」レシピ集

シャルキュトリーとは、フランスの加工肉の呼び方のこと。ハム、ソーセージ、パテ、レバーペースト、コンフィなどなど、これらは全て「シャルキュトリー」として括られる。数年前から都内でもワインブームなどにあわせて非常に人気が出ている分野だ。本書の著者、荻野シェフはそのシャルキュトリーブームの火付け役ともいう方で、日本人の口に合う「パテドカンパーニュ」を作り出した天才だ。
著者
荻野 伸也
出版日
2014-09-05
本書はそのノウハウを惜しげもなく披露している。例えば、日本人には少し匂いが強すぎる豚レバーではなく鳥レバーを使い、レデュクションという火を通した野菜のつなぎを入れる。そのやり方も詳しく解説している。プロ用の本には珍しく分量が非常に正確で、作業手順も写真付きで解りやすい。かつて私がシャルキュトリーに挑戦した時、本書のレシピを参考にいろいろなシャルキュトリーを作ったが、初回でもほぼ失敗なしで作れたことには大変恐れ入った。シャルキュトリーの旨さに目覚めて自作したいと思ったら、この本を思い出して欲しい。

丸鶏を解体するところから極める

肉料理にハマっていくと、だんだんと加工前の肉に触れたくなる。パックに入った薄切り肉を買うよりは塊肉を調理直前にスライスしたい。ひき肉はスーパーでひいてあるものでなく、自宅でミンチにしたい。そして、極め付けは「丸」を自分でさばきたいと思うようになってくる。

しかし、当然自宅でさばくところからできる肉は限られている。身近なスーパーで購入できるものとなると「鶏肉」以外の選択肢は正直むずかしいだろう。
著者
出版日
2016-03-24
本書はそんな鶏肉を徹底的に追及した1冊だ。

さばき方も部位ごとに切り分ける方法はもちろん、つぼぬき、丸鷄を1枚に開く方法、ガラの掃除までしっかりと網羅されている。さらにこの本は他の肉本と違い、だしの取り方を丁寧に解説しているところも素晴らしい。和食の「鶏だし」、イタリアの「ブロード」、フランスの「フォンドヴォライユ」「コンソメ」「ジュ」などなど、世界各国の鶏だしを1レシピずつしっかり載せている本は他にあまり見ない。鶏ガラスープの素を使っていた料理を、ちゃんととった鶏だしに置き換えると天地ほどの差を感じることができるだろう。

週末、丸鷄を1羽買って豪快に振る舞ってみてはいかがだろうか?

以上、肉を極める6冊。年末年始、肉料理を作る人も多いと思うので参考にしていただけたら幸いです。