5分でわかる栄養教諭!年収は公立・私立で異なる。仕事内容や資格の有無など疑問を解説!

更新:2021.4.8

現代で注目されている教育のひとつに食育というワードがあがるように、子どもたち栄養のとり方や食事習慣の指導は社会の重要な課題です。そんな問題について、食事や栄養という観点から子ども達と関われる職業が栄養教諭です。栄養士など、他の栄養系の職種と混同されがちですが、担う役割は違います。栄養教諭がどんな仕事をしているのか、栄養系職種と何が違うのかと疑問に思っている方は少なくないでしょう。 本記事では、そうした栄養教諭に関する仕事内容、就職先、年収事情などの疑問にお答えしていきます。栄養教諭を目指す方にぜひ読んでいただきたい書籍もご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。

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栄養教諭とは。制度化された背景

栄養教諭とは平成17年に制度化された職業で、小学校や中学校で食に関する指導や学校給食の管理を仕事とします。

栄養教諭が制度化された背景

栄養教諭は食生活を取り巻く社会環境の変化を契機に制度化されました。食生活の多様化が進むことによって、朝食をとらない、ひとりで好きなものだけ食べるなど、子どもの食生活の乱れが指摘されてきました。

これを受け、子どもが将来にわたって健康な生活していけるよう、栄養や食事について自己管理をする能力や、望ましい食習慣を子どもたち自身が身につけていくことが必要となりました。

この教育に携わるのが、栄養教諭という職業なのです。

参考:栄養教諭制度の概要

栄養教諭とほかの栄養職種との仕事の違い

栄養教諭の制度自体は平成17年からですが、その前から学校給食はありますよね。制度ができる平成17年より前はどうしていたかというと、学校栄養職員が主に給食の管理をしていました。

今も学校栄養職員の方はいらっしゃいますが、この方たちがおこなう業務は給食の管理のみです。食に関する指導や教育関係の仕事はすべて栄養教諭の仕事となっています。

栄養士や管理栄養士との仕事の違い

栄養という言葉のつく職業はほかにも栄養士や管理栄養士などさまざまな職業があります。栄養教諭とこれらの職種との違いは教育に携われるかどうかというところです。

管理栄養士や栄養士などは、献立の作成や衛生管理といった学校給食の管理に携わることはできるのですが、教育に携わることはできません。

学校のなかで食に関する教育を生徒や保護者にすることができるのが栄養教諭という職業なのです。

栄養教諭の仕事内容

栄養教諭がおこなうメインの仕事は主に2つです。

食に関する指導

1つは食に関する指導です。

肥満や偏食、食物アレルギーなどに悩む児童生徒に対する個別指導をおこなったり、学級活動や教科、学校行事の時間に学級担任などと連携して、集団的な食に関する指導をおこなったりします。

他の教職員や家庭・地域と連携した食に関する指導を推進するための連絡・調整をおこなうこともあります。

特に最近では病気関連の指導だけでなく、好き嫌いをなくすことや食べ物の生産地、野菜の作り方を知るための指導を栄養教諭が担う学校も多くなっています。

そのため、生徒に野菜の栽培や栄養と食に関する調査・発表してもらう、保護者へ家庭の食生活のアドバイスをするなど、生徒や保護者と積極的に関われる仕事を立案しておこなう栄養教諭が増えている傾向にあります。

学校給食の管理

もう1つは、学校給食の管理です。栄養面を考慮して学校給食の献立を考えたり、味付けの調整をしたりするほか、給食の衛生管理や検食もおこないます。

また、給食を作るにあたりどの食材をどのくらい仕入れるかなどの物資管理もおこないます

栄養教諭の年収

栄養教諭の給料は、採用先が公立学校か私立学校かによって異なります。公立学校の場合は養護教諭と同じ扱いとなります。

公務員のため昇給賞与や福利厚生は充実しています。私立の場合は、その学校の扱い方によって異なるため給料については一概にはいえません。

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栄養教諭になるには。必要な資格

栄養教諭になるためには、栄養教諭普通免許状(専修、一種、二種)のいずれかを取得することが必要となります。

栄養教諭教諭普通免許状の種類の違い

栄養教諭教諭普通免許状の専修、一種、二種の違いは、免許状を取るために学ぶ環境にあります。

専修は、大学院で栄養教諭になるために学ばれてきた方が取得できる資格です。修士の学位と管理栄養士の免許も取得するのに加えて、一種免許状授与の所要資格に加えて必要な単位数である24単位の取得が必要となります。

一種は、大学で栄養教諭になるために学ばれてきた方が取得できる資格です。学士の学位と管理栄養士免許または管理栄養士養成課程修了し、+22単位を取得することが必要となります。この大学の学位は、管理栄養士を養成する大学でもよいため、栄養教諭の免許状取得のため最も選ばれるルートになります。

二種は、短期大学で栄養教諭になるために学ばれてきた方が取得できる資格です。準学士の称号と栄養士免許の取得+14単位の取得が必要です。

資格を取ったら絶対に就職できるの?

栄養教諭という職業は、教諭、つまり先生ではありますが、各学校に必ず配置しなければならないというような決まりはありません。

そのため都道府県によって栄養教諭を配置できる人数が異なります。平成27年度の最新のデータによると、全国の学校への栄養教諭の配置人数は5356人となります。

都道府県単位で考えると、栄養教諭として自分の居住する自治体で確実に求職をされるということでもないため、働ける人数は少なく、狭き門であるといえるでしょう。

また、学校内でひとりしか採用されないため、自分の裁量がすべてとなります。そのため責任もありますし、他の人と悩みを共有できない、仕事の忙しさを他の職員に理解してもらえない、どこまで介入すべきかなど、さまざまな思いを抱えて仕事をされている方もいるのが現状です。

とはいえ、子どもが好きという方や食育に興味があるという方にとっては子どもに直接職という分野で関われて子どもの考え方や生活にアプローチをできるということで、やりがいのある仕事であるといえるでしょう。

栄養教諭のお仕事についてさらに詳しく知りたいという方におすすめの1冊

本書では、栄養教諭の歴史的背景や制度の概要など、栄養教諭に関する情報を多岐に網羅しています。特に、栄養教諭の仕事の醍醐味でもある栄養教育という部分に焦点を当てている1冊です。

小中学生という時期の成長発達に必要な栄養、公衆衛生、生活習慣病について、日本の食文化など、12章のなかで栄養と教育についての情報を詳しく載せています。

新卒で栄養教諭になった方だけでなく管理栄養士あるいは給食職員として働いていたなど、栄養の分野で働いていた経験のある職員からも好評な1冊です。

栄養教諭の道を考えている方にはまず読んでいただきたい本となります。

食育って何?という方に読んでもらいたい1冊

これから栄養教諭の道に進もうと考えている方でも、子どもと関わった経験が少ない方や、子育て経験がない方は、食育という言葉を聞いてもあまりピンとこないかもしれません。まずは、食育がどのような教育なのかを知るところから始めましょう。

本書では、食育に関してよくある質問をまとめ、解説をしています。食育とは何かということはもちろん、子どもや保護者が食に関してどのようなことに悩んでいるのかが分かり、将来に活かしていける内容がもりだくさん。

この本の著者は管理栄養士で2児の父親でもあります。栄養関係の職のプロフェッショナルの視点、そして父親の視点から食について考えられています。どの立場の方が読んでも分かりやすい1冊です。

栄養教諭が書いた学校での食事が分かる1冊

東京家政大学附属女子中学校で、栄養教諭のお仕事をされている方が書いた本です。この学校ではランチルームという場所で給食を食べるのですが、その給食の献立作成をしているのがこの本の著者です。

現場で働いている方の視点から、作成した学校給食のメニューを家庭でも作れるように掲載しています。一見、ただのレシピ本のようですが、現代の子どもの味の好みや日本の伝統的な食文化の継承、受験やスポーツなど、体に与えたい栄養についても網羅されているメニューは参考になります。

家庭では見られなくなった食文化や行事食などを伝えていくのも栄養教諭の仕事です。実際に現場で働く栄養教諭は、どのような観点で献立を作っているのか。自分でも実際にこの献立を参考に家庭で作ってみてもよいかもしれません。

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他の栄養系の資格と異なり、栄養教諭は子どもたちに食の大切さを直接伝えられる仕事です。

栄養教諭になるために、栄養系の資格を取得して一旦別の場所で働いてからさらに資格を取る方も多く、人気がある職業です。採用人数は少なく、就職は狭き門ですが、やりがいがある仕事といえるでしょう。

この職を志すならば、早いうちから対策をとっておくことが必要です。今回ご紹介した本も職業を知るというために参考にしてみてください。

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