5分でわかるフードアナリスト!資格取得後の年収や気になる就職先などを解説!

更新:2021.12.4

「お米マイスター」や「野菜ソムリエ」など、食に関する資格の数は年々増えています。フードアナリスト®︎も食に関する資格のひとつです。なかでも、メディアへの進出や情報を発信することにやりがいや喜びを感じる方におすすめの民間資格となっています。 普段から食べ歩きが好きだったり、料理をすることが好きな方はもちろん、評論家のような仕事に興味がある方にもフードアナリストはぴったりの資格です。 今回は、資格に関する詳しい情報をはじめ、取得後の年収や業務内容の幅などを解説します。記事の最後には食と科学の面白い関係を紹介した書籍もご紹介します。ぜひ記事と合わせてチェックしてみてくださいね。

ブックカルテ リンク

フードアナリストとは

フードアナリストとはどんな職業か

フードアナリストとは「日本フードアナリスト協会」が認定している「フードアナリスト®︎」の民間資格を保有する人のことで、全国には資格保有者が約1万2000人います。フードアナリストの職業の概要は、日本フードアナリスト協会の公式HPにて以下のように記載があります。

食の情報と情報発信の専門家。食の情報を収集・分析することにより、食の情報に精通し、食の魅力を発信するプロフェッショナル。

(引用:日本フードアナリスト協会HP

食に関する知識だけでなく、体系的な専門知識を身に付けているのがフードアナリストです。

民間資格の特徴としては、食材・最新のレストラン・食文化・食のトレンド情報など、食の魅力や感動を知ることができます。4〜1級のレベルのうち、フードアナリスト1級に関しては、「味を把握し表現すること」ができないと合格できない内容となっています。

座学だけでなく、実際に自分の舌を使って学ぶことも重要な資格といえるでしょう。

フードコーディネーターや栄養士との違い

フードコーディネーターは、料理の開発・演出・運営などで活躍しますが、フードアナリストはそれらを評価して情報発信することに強みを持っている食のスペシャリストです。食の「評論家」や「分析家」というとわかりやすいかもしれませんね。

味はもちろん、お店の雰囲気や接客を通して総合的に評価し、格付けすることができる知識や技術を学びます。そして、それを発信することを目的としています。そういった特徴からか、モデルや美容家が取得するケースも多数出てきているようです。

フードアナリストの平均年収

資格保有者の平均年収データがないため、同じ「食の分野」で活躍する、フードコーディネーターやフードスペシャリストの平均収入や就職先を例に、フードアナリストの収入をみていきましょう。

食品関連企業の正社員として就職した場合の想定平均年収は300〜600万円です。大手食品メーカーであれば、安定したお給料とボーナス・手当なども期待できるでしょう。

フードアナリスト®︎認定資格の取得者のなかにはフリーランスで活動している方もいるため、収入にはかなりばらつきがあります。

たとえば、フリーランスでも本を出版した場合には、印税収入やそれにともなうイベント出演料などの収入も見込めます。しかし、まったく仕事がなければ無収入であることも覚えておきましょう。

 

フードアナリストが活躍できる就職先

食に関して、「知識」「教養」「マナー」などを総合的に取得することができるフードアナリストは、飲食に関して多角的に仕事に携わることが可能です。

メディアへの出演機会も少なくなく、食事と美容を結びつけて仕事に活かすこともできます。インスタグラマーのように誰でも見ることのできるメディアで発信し続けることで、各業界から声がかかることも珍しい話ではありません。

日本フードアナリスト協会HPには、メディア掲載実績も記載されているので、ぜひ参考にしてみてください!(参照:メディア掲載実績ページ「日本フードアナリスト協会HP」)

ミステリーショッパー

飲食店のサービスの質や、商品の質を改善するべく調査する仕事です。いわゆる覆面調査員をおこないます。メイン業務として扱っている会社もあり、採用情報もHPに掲載されているので、興味がある方は各社の情報をチェックしてみてください。

商品開発

大手食品メーカーなどに入社し、開発業務などに携われる可能性があります。

プロモーション担当

フードアナリストの目線を活かし、どうすれば商品が売れるのか、アプローチ方法を考える仕事を担当することもあります。

食に関する記事や本の執筆

食に関する本を出版したい場合、出版社に持ち込む方法もありますが、出版できるかどうかの保証はありません。フリーランスとしてレストラン巡りをした感想や自分の考えをWEBや雑誌などで書いている方は多くいます。それらが編集者の目にとまり、書籍化へ繋がるルートを叶える方向で考えるとよいでしょう。

タウン誌のレストラン情報を担当するといったケースもあります。

食に関するコメンテーター

自分独自の目線や知識を活かし、バラエティ番組や情報番組の食べ物コーナーなどでコメントする仕事です。現代人の食生活は近年では社会問題として注目されつつあります。そうした背景もあり、食に精通しているコメンテーターの需要は高まってきています。

飲食店のプロデューサー

たくさんの味を知り、お店を見てきた経験を活かし、新たに飲食店を興そうとしている方にアドバイスをする仕事です。

講師として活動する

企業や各種セミナー、認定校において登壇する仕事です。食や飲食店・サービス・接客に関する内容で講義をすることが多く、需要のある仕事といえるでしょう。

フードアナリスト®︎の認定資格とは

フードアナリスト®︎の認定資格を取るには、フードアナリスト協会のカリキュラムを修了し、検定試験に合格することが必要です。カリキュラムの受講方法は数種類あるため、社会人や学生も取得しやすいのが特徴です。

フードアナリスト®︎認定資格の取得方法

フードアナリスト®︎は、以下の4通りの方法で資格取得が可能です。

  1. 対策講座を受講する
  2. 通信講座で受講する
  3. 検定試験を受験する
  4. 提携校・認定校・指定専門学校に通学する

3の検定試験は、全国7都市において年4回試験が開催されています。独学で学び取得を目指したい方は、この試験を受けて合格することで取得が可能です。

フードアナリスト®︎認定資格の階級

フードアナリスト®︎認定資格には4つの階級があります。上位階級に関する資格を取得すれば、よりやりがいのある仕事に携わることができるでしょう。

4級:フードアナリストに必須の基礎知識を備えた基礎レベル
3級:最新の食情報を学ぶ中級レベル
2級:プロへの登竜門
1級:高いレベルのテイスティング能力が求められ、「どんな味がするか」ということを正確に把握して表現できる

引用元:日本フードアナリスト協会

フードアナリスト®︎認定資格の概要と難易度

フードアナリスト®︎認定資格の試験日は、日本フードアナリスト協会のHPにて毎年公開されています。

試験日は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7都道府県。受験料は全階級7000円となっています。

難易度は比較的高く、以下の通りです。

  • 4級:60%
  • 3級:30%
  • 2級:10%
  • 1級:10%

4級、3級に関しては選択問題のみですが、2級では記述問題もおこない、1級では記述問題、実技、面接もおこなわれます。そのため階級があがるにつれ難易度が高くなるのです。

フードアナリストに向いている人

食の専門家であるフードアナリストには、一体どんな人が向いているのでしょうか。特徴をご紹介します。

食べ歩きが好きな人

話題のレストラン・カフェ・スイーツ店のチェックも、フードアナリストとしては欠かせません。さらに観察するだけでなく、「ここをこうしたらもっと売れるようになりそうだ」と、自分なりの分析をしておくことも必要です。

料理をするのが好きな人

見たり・食べたりして評価するのがフードアナリストの主な仕事ですが、まったく料理ができないのに知識だけあるという方は受け入れられにくいでしょう。

もちろん、一流シェフほどの実力をつける必要はないかもしれませんん。しかし、作るのが大変・難しい・時間がかかる……といった、作り手の気持ちも知っておきたいところです。

トレンドや食に関する社会問題などに敏感な人

たとえば、食材である野菜を作っている「農業」に関する問題について知っておく、最近のデパ地下の様子を常にリサーチしているなど。自分の足を使って得る幅広い調査や分析が、この仕事には必要となります。

SNSの活用が上手い人

どんなに正当な評価や鋭い意見を持っていても、発信することができなければフードアナリストとしての活動が成り立ちません。企業に就職した場合は、むやみに情報を流すことは難しいですが、フリーで働く場合にはブログやSNSをうまく活用することで活躍が期待できます

ワンランク上のスペシャリストを目指したい方へのおすすめ本

著者
清貴, 南
出版日

体によいものへの意識が高まる現代では、料理の美味しさやお店のおしゃれさのほかに、食材の安全性や輸入国情勢を見抜く力も求められています。特にフードアナリストのようなプロには一歩踏み込んだ知識が必要となってきています。

安ければ、美味しければなどの一見ポジティブに見える売り文句。その裏を読む力を付けたい方には、非常におすすめの1冊です。より優れたフードアナリストを目指したい方はぜひ手に取ってみてくださいね。

はじめて検定にチャレンジする人向けテキスト

著者
日本フードアナリスト協会
出版日

フードアナリストを目指す方のなかでも「まずは4級からチャレンジしてみよう」という初心者向けのテキストです。検定試験を主催している「日本フードアナリスト協会」が制作に関わっているため、安心感もありますね。

食と化学は切り離せない?おもしろ目線の書籍

著者
["チャールズ・スペンス", "長谷川 圭"]
出版日

食べ物を食べて「美味しい」と感じるまでには、どんな思考がくり広げられているのか。ちょっと科学的な視点から、食に関する知識を付けたい方におすすめの1冊です。最新科学で解き明かされてきた、味覚に関する研究結果を見ることができます。

 


相手を評価するには、それなりの知識と経験がなければ、発信した情報にも説得力を持たせることができません。フードアナリストは、とくにその要素を必要とする資格です。今回ご紹介した書籍は、科学的な視点から食に関するデータをとり、本にしているものもありました。

自分が得意な分野を絞って、ブログやSNSで評論を発信することで注目を浴びるケースもあります。フードアナリスト資格保有者として、今後メディアへの進出を考えている方は、ぜひSNSを利用して自分の考えを伝えてみてください。

本格的に資格に挑戦したい方は、フードアナリスト4級から挑戦してみてくださいね。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る