2021年4月より放送予定の『珈琲いかがでしょう』。原作ファンから激推しされていた中村倫也が主演を務めることが発表され、大きな話題を集めています。 生きがいに悩んだり、生活にストレスと感じたりしている【働く大人】に特におすすめ!この記事では、本作の魅力やおすすめエピソードを紹介していきます。
2021年4月よりテレビ東京系にて放送が始まる、コナリミサトの『珈琲いかがでしょう』。移動珈琲屋の店主・青山一が行く先々で出会う、人生に挫折した人々の心を一杯の珈琲で癒していく人情珈琲ストーリーです。その店主を中村倫也が演じ、その他メインキャストとして夏帆や磯村勇斗の出演が決まっています。
漫画は2014~2015年まで、「WEBコミックEDEN」にて連載。「このマンガがすごい!2019」 オンナ編第3位にも選ばれています。
2018年には「アニメビーンズ」にてタテアニメとして配信もされました。主人公の青山一の声を務めたのは、原作漫画の愛読者という斉藤壮馬。原作の温かい雰囲気がそのまま、アニメとなって再現されています。
新しい環境で仕事や人間関係に悩んだり、コロナウイルスの影響でいつもとは違う生活にストレスと感じている人たちがほっと一息つけるような心温まる作品です。読み終える頃には、きっとあなたも珈琲を飲みたくなるでしょう。
雑貨を卸している会社で、発送を担当している垣根志麻。祖父からの教えで義理と人情を大切にする彼女は、取引先に送るお礼状を手書きで送っていました。しかし、上司からはテンプレートでいいから、効率よく仕事をしてほしいと言われてしまいます。
社内でも浮いた存在になり、自身の信念が揺らぎ始めていた志麻。そんなある日、街中でたこマークが一際目立つ移動珈琲屋に出会います。
一杯一杯を丁寧に、手間をかけて淹れる店主の青山一。「私もこんな風に仕事ができたら」。彼の姿に感銘を受けた志麻は、もう一度仕事に向き合ってみようと決心しますが……。
- 著者
- コナリミサト
- 出版日
移動珈琲屋「たこ珈琲」の店主。常に笑顔で爽やかな印象から「王子様」と呼ばれていますが、じつは元ヤクザという過去を持っています。あることがきっかけで、移動珈琲屋を始めたらしく……。
青山のどんな時でも笑顔を崩さず動じない佇まいとビジュアルから、原作ファンの間で「もし実写化するなら絶対に中村倫也で!」という声が多数挙がっていました。ドラマのキャストが発表された際にはTwitter上が歓迎の声で賑わいました。
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「義理、人情、誠実、丁寧」をモットーにしている真面目で不器用なOL。雑貨を卸す会社で発送を担当しています。誠実に仕事に取り組んでいますが、上司からも周囲からも評価されず心が折れかけていた時、たこ珈琲に出会い常連になります。
夏帆については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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青山の過去を知る謎の男。ヤクザの組員で、組からの依頼で姿を消した青山の行方を探しています。
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ヤクザをしていた青山の人生を大きく変え、珈琲の淹れ方を教えてくれた人物。青山と出会った後、亡くなってしまいます。青山の過去に大きく関わっている重要な人物です。彼がどのような人物で、青山に影響を与えたのか、この記事の後半のセクションで解説していきます。
『珈琲いかがでしょう』の最大の魅力。それは青山が淹れる一杯の珈琲で、登場人物が救われていく姿です。
たこ珈琲にやってくるお客さんは、みな人生に迷ったり傷ついている人ばかり。青山はそんなお客さんたちに、一杯の珈琲を振る舞います。一杯一杯丁寧に心を込めて淹れる青山の珈琲は、お客さんの心にスーッと入り込み癒してくれるのです。
青山は店を訪れるお客さんが、何か抱えていることにすぐ気づきます。それでも、決して無理に事情を聞き出そうとはせずに、彼らが話してくれるのを静かに待ちつづけるのです。話を聴いてからも多くは語らず、代わりにヒントになりそうなことを一言添えて珈琲を提供します。
あくまで直接の解決になるようなことはしないところが本作の魅力。人は悩んだり傷ついている時、ただ静かに話を聴いてほしいもの。青山の行動にはそんな思いが込められているのでしょう。
ここからは『珈琲いかがでしょう』のおすすめエピソードを2つ紹介します。
ベランダにはベージュ一色の洗濯物、毎日同じことを繰り返す無難で変わり映えしない平凡な日々。「二杯目:死にたがり珈琲」は、そんな日々に嫌気が差し、死のうとしたアラサー女子が主人公です。ドラマでは貫地谷しほりが演じます。
何とかそんな日々を変えたいと、いろいろ計画しますが行動に移せない彼女。このまま、ただ時間が過ぎていくことに恐怖を感じていました。
彼女が抱えていたこの恐怖。おそらく誰もが一度は、経験したことがあるのではないでしょうか。しかし、その恐怖は少しだけ違う見方をするだけで、意外と変わるもの。
青山はたった一振りガラムマサラをかけて、カフェオレがチャイのようになったことを通して、そのことを密かに伝えていました。
平凡だと思っていた日常は、少し違う見方をするだけでガラッと変わる。読んでいて、「ああ、なるほど」と気づきのあるストーリーになっています。
「五杯目:神経衰弱珈琲」では、神経をすり減らした3人の女性が登場。先行き不安な売れない漫画家、空気を読みすぎるキャリアウーマン、DV彼氏から離れられないATM彼女と、3人はそれぞれ、誰にも打ち明けられない悩みを抱えていました。
真夏のある日、偶然公園に居合わせた3人のもとに、たこ珈琲が現れます。キンキンに冷えた氷が淹れたての珈琲により溶けていくさまを、ただひたすらに見つめる彼女たち。一口飲んだら止めることができないほど、のどや体全体に染み込んでいく青山の珈琲に、すっかり虜になります。
そして、飲み終えた頃には先ほどまで頭の中を占領していた悩みを、冷静に見つめ直すことができるように。珈琲に含まれるカフェインが真夏の暑さを吹き飛ばし、ごちゃごちゃになっていた彼女たちの頭の中をクリアにさせてくれたのです。
私が今まで悩んでいたことは、そんなにも悩むことだったのだろうか?時には距離を置いて冷静になることの大切さを教えてくれます。
どんな時でも笑顔を絶やさず、お客さんの話を静かに聴いて手を差し伸べてくれる青山。心が傷ついた人たちを救ってくれる救世主のような彼ですが、人には決して言えない過去を抱えていました。
青山は5年程前までヤクザの組員をしていましたが、ある事情で組を抜ける際にお世話になった組長と対立していた組長を殺害していたのです。
青山が組を抜けようと決めた、ある事情。それは、道端で出会った1人のホームレス・たこじいさんに淹れたもらった一杯の珈琲でした。彼はこの時飲んだ珈琲このをきっかけに、人の心を取り戻します。
しかしその後、たこじいさんは死去。青山はたこじいさんの意志を引き継ぐため、組を抜けて珈琲屋を始めようと決意します。そんな時にタイミング悪く、組長同士の話し合いの中で事件が起きてしまったのです。
じつは、この組長殺し事件。本当の犯人は青山ではありません。彼はある人物を守るために、すべての罪を背負っただけだったのです。このある人物については本作の結末に関係してしまうので、ここでは明かしません。ぜひ、実際にお手に取って確認してください。
- 著者
- コナリミサト
- 出版日
ドラマ化決定から、注目が集まり重版もされている『珈琲いかがでしょう』。ドラマ化発表前から、原作漫画には再販をしてほしいという声が挙がっており、2019年にようやく新装版の発売がされました。
作者のコナリミサトは、自身のTwitterで版元にリクエストをしてくれた読者に感謝の言葉をイラストとともに投稿。本作が多くの読者から愛されていることが伝わってきました。
新装版には書き下ろしの漫画も収録されているそう。数年ぶり見れる青山たちの姿を見ようと多くの人が買い求め、書店では品切れが続出しているそうです。
- 著者
- コナリミサト
- 出版日
『珈琲いかがでしょう』の作者・コナリミサトの代表作といえば、2019年にドラマ化された『凪のお暇』です。
恋人や会社の同僚など、周囲の人に気を遣って生きてきたOL・大島凪が、すべてをリセットしてゼロから新しい人生を始めていくストーリー。文化庁メディア芸術祭マンガ部門にて優秀賞をとるなど有識者からの評価も高い作品です。アラサー女子が抱えるリアルな描写に、「私もリセットしたい」「胸に刺さる」と多くの女性から共感を集めました。
- 著者
- コナリミサト
- 出版日
- 2017-06-16
コナリミサトは2004年ファッション雑誌「CUTiE」にて『ヘチマミルク』が掲載され、漫画家デビュー。2014年に「WEBコミックEDEN」にて『珈琲いかがでしょう』の連載がスタートします。
彼女が描く作品は、人間関係や仕事、家族など、生きていくうえで誰もが抱えるさまざまな悩みを、リアルに描いており、最後には心を少し軽くしてくれる、温かくてほっとするストーリーが魅力です。
『珈琲いかがでしょう』や『凪のお暇』で描かれる食事シーンが好きという方には、コナリミサトの『ひとりで飲めるもん!』もおすすめ。誰もが憧れるようなスペックのOL主人公が、どんな街にもあるようなチェーン店でとにかくさくっと飲む!そんなあらすじのグルメ漫画です。「映え」を気にした料理などではなく、なんでもないけど「いい」と思えるものに愛着を感じる主人公の気持ちのいい飲みっぷりに、スカッとした気持ちになれることでしょう。
- 著者
- コナリミサト
- 出版日
- 2019-02-15
『珈琲いかがでしょう』で主演を務める中村倫也も、メインのキャストとして実写化ドラマに出演していた『凪のお暇』。その詳しい内容は、こちらの記事でも紹介しています。
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傷ついたお客さんたちの心にスーッと入り込んでいく、青山の珈琲。かつて自分がたこじいさんに救われたように、自分も珈琲で誰かを癒してあげたいという想いが込められているからなのでしょう。
読み終える頃には私たち読者も登場人物と同じように、心が軽くなり笑顔になれます。ぜひ、珈琲を片手に読んでみてはいかがでしょうか。