夏帆は名作女優!実写化した映画、テレビドラマの原作から魅力を紐解く

更新:2021.4.20

10代前半から女優として活躍する夏帆。デビュー当時は、清純な女の子を多く演じていた彼女も、今では大人の魅力を放つ女優として成長しています。これまで数々の映画やテレビドラマに出演し、幅広い役柄を演じてきました。 そんな彼女の出演作のなかでも実写化された作品を中心に、夏帆が演じた役柄と作品について紹介します。

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夏帆のプロフィール

まずはプロフィールを紹介していきます。

夏帆(かほ)は、1991年6月30日生まれ。東京都出身です。2004 年に、テレビドラマ『彼女が死んじゃった。』にて女優デビューを果たします。その後、三井のリハウスのCMに出演する「リハウスガール」に抜擢されるなど一躍注目されることに。

若手女優の跳躍台として人気のドラマ『ケータイ刑事 銭形零』では、4代目ヒロインを務めました。2007 年公開の初主演映画『天然コケッコー』では、日本アカデミー賞を始めとする数々の新人賞を受賞しています。

2015年に公開された映画『海街diary』には三女・千佳役で出演。この作品は第68回カンヌ映画祭のコンペティション部門に出品され、レッドカーペットも歩きました。そして、2019年の公開の映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』では、第34回高崎映画祭にて、最優秀主演女優賞を受賞。女優だけにとどまらず、164cmと長身で細身なことから、LOWRYS FARMやオンワード樫山などのファッションブランドのモデルなども務めています。

そんな夏帆の性格に関して、以前共演した星野源は「男気のある人」と語っています。特技も陸上や水泳、クラシックバレエといったアクティブなものが多いようです。近年ではすっかり大人の女優として活躍。2020年公開の「Red」では、妻夫木聡と濃厚なラブシーンを演じたことでも話題となりました。  
 

映画やドラマに引っ張りだこの夏帆。出演作品一覧

ますます大人の女優として輝きを放つ女優・夏帆。10代前半から芸能活動をしていることもあり、これまでの数多くの作品に出演してきました。さまざまな作品に引っ張りだこの夏帆の出演作品を一覧で紹介します。

【映画】

『ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密〜銭形姉妹への挑戦状』 (2006年)

『ナイスの森 The First Contact』 (2006年)

『小さき勇者たち GAMERA』 (2006年)

『ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀〜決闘!ゴルゴダの森』 (2007年) 『天然コケッコー』 (2007年)  原作『天然コケッコー』

『東京少女』 (2008年)

『うた魂♪』 (2008年)

『砂時計』 (2008年)  原作 『砂時計』

『劇場版 TRICK 霊能力者バトルロイヤル』 (2010年)

『きな子〜見習い警察犬の物語〜』 (2010年)

『任侠ヘルパー』 (2012年)

『箱入り息子の恋』 (2013年)

『劇場版 タイムスクープハンター-安土城 最後の1日-』 (2013年)

『パズル』 (2014年)  原作『パズル』

『海街diary』 (2015年)  原作『海街diary』

『ピンクとグレー』 (2016年)  原作『ピンクとグレー』

『高台家の人々』 (2016年)  原作『高台家の人々』

『22年目の告白 -私が殺人犯です-』 (2017年)

『東京ヴァンパイアホテル 映画版』 (2017年)

『予兆 散歩する侵略者 劇場版』 (2017年)

『伊藤くん A to E』 (2018年)  原作『伊藤くん A to E』

『あおいろなおしに』 (2018年)

『友罪』 (2018年)  原作『友罪』

『ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-『カナリア』』 (2018年)

『ビブリア古書堂の事件手帖』 (2018年)  原作「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ

『きばいやんせ! 私』 (2019年)  原作『きばいやんせ! 私』

『ブルーアワーにぶっ飛ばす』 (2019年)

『Red』 (2020年)  原作『Red』

『劇場版 架空OL日記』 (2020年) 原作『架空OL日記』

『喜劇 愛妻物語』 (2020年予定) 原作『乳房に蚊』

『MOTHER マザー』 (2020年予定)

【テレビドラマ】

『彼女が死んじゃった。』 (2004年) 原作『彼女が死んじゃった。』

『愛し君へ』 (2004年)  原作『解夏』

『世界の中心で、愛をさけぶ』 (2004年)  原作『世界の中心で、愛をさけぶ』

『ケータイ刑事 銭形零』 (2004年)

『ケータイ刑事 銭形零 2ndシーズン』 (2005年)

『21世紀の観覧車』 (2005年)

『エンジン』 (2005年)

『恋する日曜日 セカンドシリーズ 『僕の森』』 (2005年)

『女王の教室』 (2005年)

『西遊記』 (2006年)  原案『西遊記』

『プリマダム』 (2006年)

『東京少女 ショートフィルム道 『眺める少女』』 (2006年)

『4姉妹探偵団』 (2008年)  原作「三姉妹探偵団」シリーズ

『かるた小町』 (2008年)

『ホームレス中学生』 (2008年)

『ホームレス中学生2』 (2009年)  原作『ホームレス中学生』

『いいんだぜ! イケ麺そば屋探偵 <Episode5>』 (2009年)

『オトメン(乙男)〜夏〜』 (2009年)

『オトメン(乙男)〜秋〜』 (2009年)  原作『オトメン(乙男)』

『獣医ドリトル』 (2010年) 原作『獣医ドリトル』

『私が初めて創ったドラマ 『僕と彼女と僕と蝿』』 (2010年)

『外交官 黒田康作』 (2011年)

『ブリザード』 (2011年)

『カレ、夫、男友達』 (2011年)  原作『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

『ラッキーセブン』 (2012年)

『さくらいろ』 (2012年)

『係長 青島俊作2 事件はまたまた取調室で起きている!』 (2012年)

『リアルパートナー』 (2012年)

『ヒトリシズカ』 (2012年)  原作『ヒトリシズカ』

『終電バイバイ』 (2013年)

『みんな!エスパーだよ!』 (2013年) 原作『みんな!エスパーだよ!』

『悪霊病棟』 (2013年)

『世にも奇妙な物語 '13秋の特別編 『水を預かる』』 (2013年)

『24時間女優 -待つ女-』 (2013年)

『海の上の診療所』 (2013年)

『OLカナのおじさん観察日記。』 (2013年)

『お先にどうぞ 牛丼篇』 (2013年)

『宮本武蔵』 (2014年)  原作『宮本武蔵』

『信長協奏曲』 (2014年)  原作『信長協奏曲』

『インテリワードBAR 見えざるピンクのユニコーン』 (2015年)

『夢を与える』 (2015年)  原作『夢を与える』

『黒崎くんの言いなりになんてならない』 (2015年)  原作『黒崎くんの言いなりになんてならない』

『わたしのウチには、なんにもない。』 (2016年)  原作『わたしのウチには、なんにもない。』

『ラヴソング』 (2016年)

『ディアスポリス 異邦警察』 (2016年)  原作『ディアスポリス 異邦警察』

『植物男子ベランダー SEASON3』 (2016年)  原作『ボタニカル・ライフ 植物生活』

『キッドナップ・ツアー』 (2016年)  原作『キッドナップ・ツアー』

『かもしれない女優たち2016』 (2016年)

『楽園』 (2017年)  原作『楽園』

『架空OL日記』 (2017年)  (映画と同様)

『東京ヴァンパイアホテル』 (2017年)

『伊藤くん A to E』 (2017年)  (映画と同様)

『下北沢ダイハード』 (2017年)

『予兆 散歩する侵略者』 (2017年)

『監獄のお姫さま』 (2017年)

『グッド・バイ』 (2018年)  原作『グッド・バイ』 

『デザイナー 渋井直人の休日』 (2019年)  原作『デザイナー 渋井直人の休日』

『白い巨塔』 (2019年) 

『いだてん〜東京オリムピック噺〜』 (2019年)  

『潤一』 (2019年)  原作『潤一』

『アフロ田中』 (2019年) 原作『アフロ田中』シリーズ

『ひとりキャンプで食って寝る』 (2019年)

『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』 (2019年)

清純派から演技派へ。等身大の女優・夏帆の魅力

デビュー当時から順調に活躍し続ける女優・夏帆。10代の頃は、彼女の持つ清楚なイメージから、可愛らしい女の子の役柄を多く演じてきました。自身の代表作ともいえる初主演映画『天然コケッコー』や「ケータイ刑事」シリーズなど、今なお制作姿のイメージが強く残っている人も多いのではないでしょうか。

そんな彼女も高校を卒業した頃から、それまでやったことのないような役にチャレンジしていきます。テレビドラマ『みんな!エスパーだよ!』では、初めて茶髪の不良少女を演じました。その後もWEBドラマ『東京ヴァンパイアホテル』での本格アクション、映画『ピンクとグレー』でのラブシーンなど、さまざまな役柄を経験。

映画『きばいやんせ!私』や『ブルーアワーにぶっ飛ばせ』では、等身大の女性の悩みや成長を清々しいほどに振り切って演じています。また、主演映画『Red』では、揺れ動く女性の心理、大胆なラブシーンなど実力派女優としての貫禄をみせてくれました。

2020年現在、そんな彼女もデビューから15年。清純派から演技派と呼ばれる女優へと成長を遂げています。中学生から成人になるまでの夏帆の成長をみることができる、最新写真集『帆風だより2006-2011』もおすすめです。

著者
山本 絢子
出版日

映画やドラマ、写真集と活躍する夏帆の魅力を紹介していきました。次からは、出演作品のなかでも、原作から実写化された作品をピックアップ。夏帆の演じた役柄やみどころなどを紹介していきます。 

【映画原作】『天然コケッコー』 (2007年)

 

『いつもポケットにショパン』などで知られる漫画家・くらもちふさこの漫画『天然コケッコー』。自然豊かな田舎町を舞台に、そこで生まれ育った少女・そよを主人公とした青春物語です。くらもちふさこといえば、1980年を中心に人気を博した少女漫画家。繊細なタッチで、登場人物の心理描写を巧み描き、後の少女漫画界に大きな影響を与えました。

 

 

原作の設定そのままに、くらもちふさこの世界観を損なうことなく見事に映像化されています。本作で、そよを演じるのが夏帆です。オーディションでは、5歳の女の子のエチュードで戸惑う彼女の姿がそよそのものだったとのこと。デビュー間もない彼女の瑞々しい演技が堪能できます。

 

著者
くらもち ふさこ
出版日
2012-02-01

 

【映画原作】『砂時計』 (2008年)

 

累計700万部以上を売り上げた芦原妃名子の少女漫画が『砂時計』です。2007年にテレビドラマ化され、2008年に映画化されるとノベライズも刊行されました。

 

両親の離婚がきっかけで、母親の故郷・島根に引っ越すことになった主人公・杏。そこで、母は杏を1人残し亡くなってしまいます。孤独な彼女を支えたのは、島根で出会った初恋の相手・大悟でした。

 

14歳の杏と大悟の物語から、12年間にわたる2人の純愛を描いたラブストーリーです。夏帆は、14歳時の杏を演じています。原作では、杏が12歳からの14年間を描いていて、映画版とは出演者たちの設定などが違います。漫画、テレビドラマ、映画とそれぞれ違う作品として楽しめます。

 

著者
芦原 妃名子
出版日

【映画原作】『パズル』 (2014年)  

 

『パズル』は、『リアル鬼ごっこ』で一躍ベストラー作家の仲間入りをした山田悠介のサスペンス小説です。2007年にはテレビドラマ化され、漫画化もされています。

 

 

とある有名進学校で、女生徒が屋上から飛び降りるという事件が起きます。その後、同じ学校の特進クラスが、兵装した集団に占拠されてしまいます。彼らの要求は学校に隠されたパズルを探し出すこと。パズルを完成させなければ、次々と人が殺されていくというのですが・・・・・・。

小説と映画では、内容がかなり違います。小説にあるこのパズルと探すというデスゲームは、映画では採用されず、よりホラー的な演出が色濃くなっています。小説には、サスペンス要素とハラハラドキドキの展開の面白さに、思わず引き込まれてしまう魅力があります。

夏帆が演じるのは、主人公の中村梓。映画冒頭で飛び降り自殺を図り、未遂に終わる女子高生です。これまでの夏帆の役柄とは違う、心に闇を抱えた梓を体当たりで演じています。

 

著者
山田 悠介
出版日
2007-06-23

【映画原作】『海街diary』 (2015年)

 

『万引き家族』でパルムドールを受賞した是枝裕和監督が映画化した『海街diary』は、吉田秋生のベストセラー漫画が原作です。文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞やマンガ大賞も受賞し話題に。舞台化もされています。

 

 

鎌倉で暮らす香田家三姉妹。ある時、母と離婚し家を出た父が亡くなったことを知ります。長女の頼みで葬儀に出席するため、次女と三女は父が最後に住んでいた山形へ。遅れて長女も合流します。そこで異母妹のすずと出会い、鎌倉で一緒に暮らすことなる四姉妹の物語です。本作で夏帆は、マイペースで掴みどころがない三女の千佳を演じています。これまでとはまた違う雰囲気の役柄です。

四姉妹はそれぞれ性格も違います。すずに関しては生まれ育った場所も違います。しかし、徐々に姉妹になっていくさまは、漫画も映画もどちらも温かく心打たれます。

 

著者
吉田 秋生
出版日
2007-04-26

【映画原作】『ピンクとグレー』 (2016年)  

 

ジャニーズ事務所のアイドルグループNEWSのメンバー・加藤シゲアキが、2012年に発表した処女作が『ピンクとグレー』。芸能界で活躍する加藤が自身と同じ芸能界を舞台として、2人の青年の成功と挫折、それぞれの人生を描いた物語です。

 

 

夏帆は2人の青年の幼馴染であるサリーを演じました。本作でもイメージを一新し、ケバケバしいビジュアルにも臨んでいます。またラブシーンを演じたことでも話題となりました。

映画版では、原作を大胆にアレンジ。小説の構成を変え、オリジナルの仕掛け、書かれていないエピソードを盛り込み映画ならではの展開がなされています。小説は小説としての着地点、映画は映画ならではの表現という共存関係を保っている作品といえるでしょう。

 

著者
加藤 シゲアキ
出版日
2014-02-25

【映画原作】『高台家の人々』 (2016年)

 

『ごくせん』や『デカワンコ』の原作者として知られる森本梢子の同名ラブコメディ漫画『高台家の人々』。森本梢子は、自身の作品が数多く映像化されている人気漫画家のひとりです。

 

 

主人公・平野木絵は、1人妄想することを楽しみとしている地味なOL。そんな彼女が、人の心を読むことができるイケメン高台光正と出会います。バカバカしいながら楽しい妄想をする人絵に惹かれていく光正。順調な関係を続ける2人でしたが……。

本作で夏帆は、高台家の長女・茂子の同級生・斉藤純を演じています。純は10年間、光正を思い続けている獣医です。しばらく過激な役柄が多かったこともあり、ほっと安心できるようなキャラクターを演じています。

木絵の明るい存在は、光正だけでなく高台家の人たちにとっては大事なものとなっていきます。そんな彼女のキャラクターが漫画でも映画でも最大の魅力といえる作品です。

 

著者
森本 梢子
出版日
2013-09-25

【映画原作】『伊藤くん A to E』 (2018年) 

 

柚木麻子の直木賞候補にまでなった連作短編集が『伊藤くん A to E』。2017年にテレビドラマ化された後、2018年に映画化されました。

 

 

容姿端麗のボンボンですが、性格に問題ありの男、伊藤誠二郎。彼に振り回される5人の女性たちの物語です。ドラマでは、そのうちの1人、矢崎莉桜を主軸に展開されていきます。

ヒット作はあるものの崖っぷちのアラサー脚本家・矢崎。自身の講演会の参加者の恋愛話を聞き、再起をかけた新作脚本のネタにしようと目論みます。彼女たちの話に登場する共通の名前「伊藤」。やがて同一人物であることを知る莉桜でしたが……。小説は、矢崎を含めた5人の女性の物語の短編連作となっています。また違った視点で楽しめます。

夏帆は、テレビドラマ版から登場。3年間、伊藤に片想いしたあげく、処女は重いとフラれてしまう神保実希を演じています。派手で男好きする親友の聡子に伊藤を寝取られるという役柄。不器用な大人たちが本当の自分に気付き、新たな一歩を踏み出す、そんな作品です。映画『天然コケッコー』で共演した岡田将生と再共演し、大人になった2人の俳優の成長にもご注目です。

 

著者
柚木 麻子
出版日

【映画原作】『友罪』 (2018年)

 

『友罪』は、『天使のナイフ』で江戸川乱歩賞を受賞しデビューした薬丸岳のベストセラー小説です。薬丸は少年犯罪をテーマにした作品も多く、本作もそのひとつ。

ジャーナリストの夢を諦め町工場で働く益田は、同期の鈴木と親しくなります。どこか翳のある鈴木と少しずつ心を許していく益田。しかしある事件をきっかけに、鈴木が17年前の連続児童殺傷事件の犯人なのではないかと疑いを抱き始めます。

 

 

夏帆が演じる藤沢美代子は、元カレに付きまとわれているところを鈴木に助けてもらいます。しだいに鈴木に惹かれていく美代子。AV出演を強要された過去を持つ女性という難しい役柄でした。

心を許した友が殺人犯だったらという答えの出ないテーマに挑んでいる『友罪』。人間の本質を描く究極のヒューマンドラマです。

 

著者
薬丸 岳
出版日
2015-11-20

【映画原作】「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ (2018年)

 

シリーズ累計680万部突破の文芸ミステリー小説『ビブリア古書堂の事件手帖』。三上延の人気ライトノベルシリーズです。メディアミックス展開として、漫画化やテレビドラマ化もされています。 

 

 

鎌倉に佇むビブリア古書堂。その店主は、極度の人見知りながら、本の知識と鋭い洞察力を持つ篠川栞子です。そこへ、祖母の遺品である夏目漱石の「それから」を持って五浦大輔が訪れます。映画版では、原作の第1巻に含まれる第1話夏目漱石の物語と第4話の太宰治の物語を中心に、2冊を結ぶ過去と現代の秘密を解き明かしていきます。

夏帆の役柄は、若かりし頃の大輔の祖母・五浦絹子。50年前、田中喜雄と秘密の恋をしていたことが栞子の推理にとより明らかになっていきます。人には知られてはいけない恋ながら、田中に惹かれていく絹子を繊細に演じています。

この物語の魅力は、本が結ぶ人の縁ではないでしょうか。時を超えてもなお息づく人の心を本が繋いでくれる、そんなノスタルジックな作品です。

原作をもっと知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズの魅力を紹介!【ネタバレ注意】
 

 

著者
三上 延
出版日
2011-03-25

【映画原作】『きばいやんせ! 私』 (2019年)

 

『きばいやんせ!私』は、脚本家・映画監督として活躍する足立紳原作、工藤晋著作の小説です。2019年に映画化されました。「きばいやんせ!」とは、鹿児島弁で「頑張れ!」という意味の言葉。そんな鹿児島県が本作の舞台です。

 

 

週刊誌に不倫写真が掲載され、左遷されてしまう女子アナの児島貴子。投げやりになっていた貴子でしたが、郷里である鹿児島県の祭りを取材するうちに、彼女の中で何かが変わっていきます。地元の人々や同級生の橋脇太郎との交流を通じて、自らの人生を取り戻していく物語です。

主人公・貴子を演じるのが夏帆。毒舌でくだを巻くような台詞が多く、彼女の新たな一面をみることができます。なくなりつつある伝統的な祭りの再興と自分の人生を見つめ直す女子アナの再生をかけた物語は、読者にも元気を与えてくれます。  
 

 

著者
["工藤 晋", "足立 紳"]
出版日

【映画原作】『Red』 (2020年)

 

『ナラタージュ』などで知られる直木賞作家・島本理生の官能小説が『Red』です。刊行されるや否や、そのセンセーショナルな内容に島本理生の新境地と謳われ話題となりました。

 

 

誰もがうらやむような幸せな生活を送っているはずの主婦・村主塔子。ある日、友人の結婚式で、10年ぶりに昔の恋人・鞍田と再会します。行き場のない想いを抱えていた塔子は、しだいに鞍田に惹かれていくことに。しかし鞍田には塔子にも話せない秘密がありました。職場で塔子に好意を示す同僚の小鷹、塔子の夫・真との間で揺れ動く塔子は・・・・・・。

夏帆が演じるは主人公の塔子。結婚生活に行き詰る主婦、昔の恋人との情事など難しい役柄を見事に演じています。映画版ではオリジナルの結末が。塔子がいかに「自分」として生きていくのか、それは読者それぞれに答えがある作品なのかもしれませんね。

原作をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

島本理生『Red』妻、母、自分…。「女」を描いた恋愛小説【ネタバレ注意】
 

 

著者
島本 理生
出版日
2017-09-22

【映画原作】『架空OL日記』 (2020年)  

 

お笑いタレントながらマルチな才能をみせるバカリズムが、銀行に勤めるOLになりきり書き綴ったブログ。そのブログのその人気に火が付き、書籍化されたのが『架空OL日記』です。2017年には、主人公・私をバカリズムが演じ、脚本も担当したドラマが放送。2020年には満を持して映画化されました。

 

 

先輩、後輩関係なく仲良しの5人組を中心にくり広げられるOLの世界。自宅でも更衣室でも職場でも、彼女たちの本音を覗きみることができます。「女の朝はやることが多い」、「月曜日はみんないつもより性格が悪い」など共感を呼ぶ内容ばかりだったドラマ版。映画でも変わらないテンションで進行していきます。

夏帆は、テレビドラマ版から映画版にも出演。バカリズム演じる私の同期・藤川真紀、通称「マキちゃん」を演じています。「私」と価値観の近いのがマキで、どうでもいい話で盛り上がることができる仲良しです。クールな性格で、ハマっていることは体を鍛えること。OL界最強の女を目指しています。

どこにでもいそうなOLの彼女たちに共感し、笑い、ほっとする。その場に自分もいるような錯覚を覚えてしまう、そんなひと時を与えてくれる不思議な作品です。

原作をもっと詳しく知りたい方は、魅力を紹介したこちらの記事も合わせてご覧ください。

原作『架空OL日記』の面白い魅力3つ!バカリズムが再びOL役!【映画化】
 

 

著者
バカリズム
出版日
2013-05-02

【映画原作】原作『乳房に蚊』 (2020年予定) 

『百円の恋』や『嘘八百』の脚本で名をあげた足立紳が、脚本・監督を務めたのが映画『喜劇 愛妻物語』。原作は、足立の自伝的小説『乳房に蚊』です。

売れない脚本家・豪太とチカは、結婚10年目を迎えた夫婦。一人娘のアキと3人で暮らしています。ろくな稼ぎがないためチカからも冷たく当たられる豪太に、一千一隅のチャンスが。ある映画の企画を依頼され、家族でシナリオハンティングに向かいます。しかし、別の一行が映画化の話を進めていました。

夏帆が演じるのは、豪太とチカの大学時代の共通の友人・由美。由美の知る豪太とチカは、どんな激しく罵り合おうとも、どこか笑ってしまう夫婦。そんな夫婦のやりとりを面白おかしく描いたコメディ作品です。

原作をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

『乳房に蚊』ダメ男のレス事情が面白い!結末までの魅力をネタバレ【映画化】
 

著者
足立 紳
出版日
2016-02-25

【テレビドラマ原作】『彼女が死んじゃった。』 (2004年)  

ビジネスジャンプに連載されていた『彼女が死んじゃった。』は、一色伸幸原作・おかざき真理作画の漫画です。これを原作として、2004年にテレビドラマ化されました。そのドラマの脚本を原作者・一色伸幸が担当しています。

自殺した女性・石井ゆかり。彼女は、最後に一夜をともにした安西ハジメの携帯に自分の番号を登録し、消えてしまいます。ゆかりの遺した携帯を頼りに、彼女の妹・玲子、自称婚約者・良夫、ハジメの3人はゆかりの自殺の謎を辿ることに。彼らが辿りつく真実とは……。

漫画は未完で終わっているため、ドラマとはまた違った結末に。ドラマに描かれるゆかりがハジメを選んだ理由を知ると切なくなるそんな珠玉のラブストーリーです。デビュー間もない夏帆が出演している本作。ゆかり役を演じたのは木村佳乃でしたが、その少女時代を夏帆が演じています。

著者
["一色 伸幸", "おかざき 真里"]
出版日

【テレビドラマ原作】『解夏』(2004年)

さだまさしの短編小説『解夏』が原作となっているテレビドラマが『愛し君へ』です。同じ原作で、小説と同名タイトルで映画化もされています。「解夏」とは仏教用語のこと。僧が夏の一定期間修行し、その期間を「夏」とよびます。「解夏」とは、修行の最終日に修行が明けたことを意味しています。

短編集の中の最初の物語が解夏です。小説では、小学校の教師をしていた隆之が視力を失っていく病に冒され、故郷の長崎に帰郷します。恋人との将来に思い悩む彼のもとに、かつての教え子たちからの手紙が届くといった物語です。

テレビドラマでは、タイトルの変更だけでなく、出演者の設定も変更されています。主人公は小児科研修医の女性・四季。彼女が支えようとする視力を失っていく俊介の職業はカメラマンです。夏帆の役柄は、吉江彩菜という入院患者の子どものひとり。四季が担当する余命わずかな史也の想い人を演じています。  

もともとの小説『解夏』というタイトルは何を意味しているのか。実際に読んで確かめてみてください。

また、ポイントを解説しているこちらの記事も合わせてご覧ください。

小説『解夏』5つのポイントをネタバレ解説!失明の恐怖と戦う、感動の物語
 

著者
さだ まさし
出版日

【テレビドラマ原作】『世界の中心で、愛をさけぶ』 (2004年)  

2001年に発売されてから、異例のロングセラーを続けた片山恭一の恋愛小説が『世界の中心で、愛を叫ぶ』です。通称「セカチュー」は、漫画、映画、テレビドラマ、ラジオドラマ、舞台とさまざまなメディアで展開されていき人気作品となりました。

主人公の朔太郎は、地方に住む高校2年生。彼には、アキという同級生の恋人がいました。しかし、彼女は病に冒され死んでしまいます。初めて知る喪失感。最愛の人を失くすということ。10代にしてそれらを知った彼は、十数年が経っても彼女のことが忘れられません。そんな朔太郎は、新しい恋人とアキとの思い出がつまった郷里を訪れるのでした。

夏帆は、朔太郎の妹・芙美子を演じています。原作では、一人っ子の朔太郎でしたので、ドラマオリジナルのキャラクター。人が人を思い愛することの尊さを教えてくれるラブストーリーです。

著者
片山 恭一
出版日

【テレビドラマ原作】原案『西遊記』 (2006年)

中国の明の時代にまとめられた伝奇小説が『西遊記』です。中国四大奇書のひとつ。明確な著者は判明してませんが、呉承恩といわれています。

花果山の石から生まれた孫悟空。彼は、72通りの変化の術を使うことができ天空で大暴れしていました。そんな悟空を弟子にした三蔵法師は、インドへ教典を取に行く旅に彼を連れていきます。そこに、猪八戒や沙悟浄も加わり、みなでインドを目指すのでした。

古いお話ではありますが、個性的なキャラクターとエピソードの面白さなど、子どもから大人まで楽しめるエンターテインメント作品です。これまで何度もドラマ化されており、1978年版、1994年版に次いでの2006年版となります。

2006年版ドラマは、原作の『西遊記』をモチーフにダイナミックな改編がなされています。キャラクターも独自のものがほとんどです。夏帆は第1話のゲスト出演となり、杏花というキャラクターを演じています。

『西遊記』をもっと楽しむことができる、こちらの記事も合わせてご覧ください。

『西遊記』に関する意外な7の事実!男なのに妊娠、ダメダメな登場人物たち?
 

著者
["呉 承恩", "小沢 章友", "山田 章博"]
出版日

【テレビドラマ原作】原作「三姉妹探偵団」シリーズ (2008年)

赤川次郎の人気ミステリー小説「三姉妹探偵団」シリーズが原作のテレビドラマが、『4姉妹探偵団』です。「三姉妹探偵団」シリーズを原作としたテレビドラマは何度か作られています。映画化もされており、その際には『四姉妹物語』として脚色されました。

佐々木家の三姉妹は、突然自宅が火事に見舞われてしまいます。みな無事に逃げ出したものの、父親の部屋からは妊婦の焼死体が発見されてしまいます。三姉妹が父の無実を信じ、真相を突き止めるため奔走する物語です。

2008年版ドラマでは夏帆が主演しています。原作にオリジナルの長女を追加し、4姉妹という設定に変更されました。夏帆の役柄は、佐々木家4姉妹の末っ子夕里子です。すぐに事件に首を突っ込むため周囲を心配させてしまいます。そんな夕里子を夏帆がキュートに演じています。

著者
赤川 次郎
出版日

【テレビドラマ原作】『ホームレス中学生』 (2008年) (2009年)

お笑いコンビ・麒麟の田村裕の自伝的小説『ホームレス中学生』。自身の幼少期から相方の川島に出会うまでの物語です。大ベストセラーとなりメディアミックス展開されました。2008年から放送されたテレビドラマ版では、原作と登場人物や名前、設定など多少の改変がされています。

田村裕の中学2年の始業式、兄や姉と一緒にいたところ、父から「解散」と告げられます。その日から、公園を根城として生活を始めることになる田村少年。そんな中、周囲の人たちの好意により、兄弟3人で暮らせるようになるのでした。みなに励まされ、田村少年がNSCに入所するまでを描いています。夏帆は、主人公・田村裕の姉、田村幸恵を演じていました。

あまりに悲惨な実話であることから笑えないのではと思いきや、そこはさすがお笑いタレント。思いっきり笑わすと同時に、切なく涙する場面も。そんな笑って泣けるエンターテインメント作品です。

テレビドラマの評判もよく、2009年には続編『ホームレス中学生2』が放送されました。キャストもそのまま続投しています。 

著者
麒麟・田村裕
出版日

【テレビドラマ原作】原作『オトメン(乙男)』(2009年)

大人気漫画『オトメン(乙男)』は、「別冊花とゆめ」に連載されていた菅野文原作の作品です。「オトメン(乙男)」とは、乙女の心を持った男性のこと。可愛いものが好きで料理や裁縫なども得意とし、さらに男らしさも備えた男性のことをいいます。2009年には新語・流行語大賞の候補にも上がりました。

主人公の正宗飛鳥は、高校2年生。文武両道の上、容姿端麗な申し分のない男子です。一方で、料理や裁縫が得意で、可愛いものやスイーツが好きな乙女な部分も持ち合わせるいわゆる「オトメン」。そんな飛鳥が、可愛らしい容姿とは反対に男気溢れる転校生・都塚りょうに一目惚れしてしまいます。そんな2人が巻き起こすラブコメディです。

夏帆はヒロインの都塚りょうを演じています。主演の岡田将生とヒロインの夏帆のコンビは、原作のイメージそのままでした。ドラマでは、新しい試みとして、『オトメン(乙男)』の全話を『オトメン(乙男)〜夏〜』と『オトメン(乙男)〜秋〜』に分けて、放送枠を途中で変更するという形をとっていました。

原作やキャラクターをもっと知りたいという方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

漫画「オトメン」が無料!3人のイケメンの秘密を最終回までネタバレ紹介!
 

著者
菅野 文
出版日

【テレビドラマ原作】『獣医ドリトル』(2010年)

『獣医ドリトル』は、夏緑原作・ちくやまきよし作画による漫画です。原作の夏緑による小説版も出版されています。2010年にテレビドラマ化もされました。

「獣医はビジネス」が口癖の主人公・鳥取健一。通称ドリトル。病気の動物たちはもちろんのこと、その飼い主の心までの治療してくれる敏腕獣医です。夏帆が演じる三島ユイは、第8話のゲスト。彼女はなんとペットの安楽死を依頼しにやってくるのですが……。

ドリトルがビジネスにこだわるのは、動物を診ることだけを理想とした父の病院が破綻したため。獣医もビジネスとして成立しなければ、動物を助けられないと考えています。誤解されがちなドリトルですが、ただ動物を助けたいという彼の信念に感動を覚える物語です。

著者
["ちくやま きよし", "夏 緑"]
出版日

 

【テレビドラマ原作】『思いわずらうことなく愉しく生きよ』(2011年)

江國香織の恋愛小説『思いわずらうことなく愉しく生きよ』を原作とするテレドドラマが『カレ、夫、男友達』です。本作は、女性ファッション雑誌「VERY」にて連載されていました。

犬山家の三姉妹が、それぞれの問題を抱えつつ、思い思いの価値観に従い生きているさまを描いた物語。テレビドラマでは、三姉妹の設定が微妙に変わっています。そんな中、夏帆が演じるのは、三女の育子です。

彼女の問題は、恋愛というものを理解できないこと。男は繁殖のために必要なだけで、愛するという行為は無駄だと思っています。原作の育子は、ドラマよりももっと奔放に描かれています。

「人生は考え抜くものじゃなく、生きるもの」という次女・治子の言葉がこの物語の本質なのかもしれません。

著者
江國 香織
出版日
2007-06-01

【テレビドラマ原作】『ヒトリシズカ』 (2012年)

『ストロベリーナイト』などで知られる誉田哲也の小説『ヒトリシズカ』は、同名テレビドラマの原作です。誉田哲也原作は映像化されることが多く、テレビドラマ「姫川玲子」シリーズや映画『武士道シックスティーン』、『ジウ』などがあります。女性を主人公とした作品が多くみられます。

5つの殺人事件が次々と発生。それぞれの事件を警察が追っていると、ある1人の少女の存在が浮かび上がります。果たして彼女は何者なのか。闇の中に隠された真相とは。謎の少女・伊東静加を巡るサスペンスストーリーです。

主人公・静加を演じるのが、夏帆。これまで彼女が演じてきた役柄のなかでも異色のキャラクターです。つかみどころがないミステリアスな静加は、女優・夏帆としてのチャレンジとも受け取れます。静加という女性は非常に不思議なキャラクターです。この物語の最大の魅力であり、最大の謎かもしれません。ぜひ、その目で確かめてみてください。

著者
誉田 哲也
出版日
2012-04-12

【テレビドラマ原作】『みんな!エスパーだよ!』 (2013年)

 

『デトロイト・メタル・シティ』の若杉公徳のサイキックコメディ漫画『みんな!エスパーだよ!』。これを原作とし、テレビドラマ化や映画化がされました。

 

 

平凡な男子高校生・鴨川嘉郎。そんな彼が、ある日突然、超能力に目覚めてしまいます。時を同じくして彼の周囲の人間にも異変が起こり始めていくのですが……。本作で夏帆が演じるのは、嘉郎の幼馴染でヤンキーの平野美由紀です。ドラマ版のオリジナルキャラクター。髪を茶色に染め、跳び蹴りを披露するなど、驚いた視聴者も多かったのでは。これもまた夏帆の新境地といえる作品でしょう。

漫画のくだらなさをドラマ版ではさらにパワーアップさせています。心地いいまでのバカバカしさにかえって清々しい気持ちになれる、そんな魅力的な作品です。 
 

 

著者
若杉 公徳
出版日

【テレビドラマ原作】『宮本武蔵』 (2014年)

1935年に発表された吉川英治の小説『宮本武蔵』。2003年にNHK大河ドラマ『武蔵MUSASHI』や2014年のテレビ朝日開局55周年記念ドラマスペシャル『宮本武蔵』の原作となっています。

二刀流の開祖である剣豪・宮本武蔵の剣士としての成長を描いた物語です。このテレビ朝日の『宮本武蔵』では、武蔵の強さの裏側にある弱さや悔しさなど、より人間としての武蔵を浮き彫りにしています。 

夏帆は本作で、武蔵にひそかに思いを寄せる朱美を演じています。武蔵の幼馴染である本位田又八が関係を持ってしまうお甲の娘です。可憐な少女であった朱美は、一途に武蔵を思いながらも、やがては遊女に身を落としてしまう女性。
 

吉川英治の描く宮本武蔵は、後の映画やドラマ、漫画などの武蔵像に多大なる影響を与えています。最も親しまれている宮本武蔵がそこにあります。

著者
吉川 英治
出版日
2013-01-28

【テレビドラマ原作】『信長協奏曲』 (2014年)

小学館のゲッサンに連載されていた石井あゆみの漫画『信長協奏曲』。フジテレビ開局55周年プロジェクトとして、2014年にテレビアニメ化、テレビドラマ化、2016年には実写映画化されました。

普通の高校生サブローが、ある日戦国時代にタイムスリップしてしまいます。そこで出会った織田信長は、なんとサブローに瓜二つ。そんな中、織田信長の身代わりを務めることになるアブローが、天下統一を目指し奮闘する姿を描きます。

現代っ子のサブローと武士道精神の戦国武将たちのギャップが本作のみどころのひとつ。そんなドラマで夏帆が演じるのは、ゆき。信長の正室・帰蝶の侍女ですが、実際の正体は上杉謙信の女忍。ドラマでは、朝倉義景の間者として登場します。サブローの人柄に惹かれ心が揺れるゆきを瑞々しく演じています。

テレビドラマ版では各キャラクターの設定を、原作から変更している箇所が多くあります。オリジナルのキャラクターも登場するので、原作の漫画と比べてみると、より楽しめることでしょう。

著者
石井 あゆみ
出版日
2009-11-12

【テレビドラマ原作】『夢を与える』 (2015年)

綿矢りさの小説『夢を与える』を原作に、WOWOWで連続ドラマ化されました。綿矢りさは、2003年に発表した『蹴りたい背中』で芥川賞を受賞しています。

母親の夢のため子役モデルとして活躍する少女・夕子は、大手事務所に所属し念願のブレイクを果たします。急速にスターダムに上り詰める夕子でしたが、スキャンダルに巻き込まれてしまいます。それでも強くたくましく成長していく主人公の姿を描いた物語です。

夏帆の役柄は、B級アイドルのミイ羽。性格的に芸能界に向かない夕子にとっては、ミイ羽との交流が支えてなっていきます。さまざまな役を経験している夏帆が、B級アイドルの悲哀などを見事に演じています。

芸能界が舞台ということもあり実際の俳優たちが演じることで、小説の世界をよりリアリティをもって表現することができます。非常に映像化に向いている小説なので、原作を読んでからテレビドラマを見ると、さらに楽しめることでしょう。

著者
綿矢 りさ
出版日
2012-10-05

【テレビドラマ原作】『黒崎くんの言いなりになんてならない』 (2015年)

『黒崎くんの言いなりになんてならない』は、別冊フレンドに連載されていたマキノ原作の青春恋愛漫画です。テレビドラマ化ののち映画化もされた人気シリーズ。

高校デビューを果たした主人公・赤羽由宇。充実した毎日を送る中、足りないのは恋愛だけです。そんな由宇が憧れる白王子こと白河タクミといつも一緒にいる黒崎晴人。ある日、晴人を怒らせてしまった由宇は、罰として絶対服従させられることに。果たして由宇の恋の行方は!?2人の男子の間で揺れ動く女子高生の胸キュンラブストーリーです。

スペシャルドラマとして放送されたドラマ版は、映画版の前日単となっています。夏帆が演じたのは、ドラマ版にのみ登場の鈴音。黒崎くんと白河タクミの幼馴染です。鈴音の登場に、由宇、黒崎、タクミの関係が微妙になっていくという重要な役柄を演じました。

著者
マキノ
出版日
2014-06-13

【テレビドラマ原作】『わたしのウチには、なんにもない。「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至ります』 (2016年)

イラストレーターのゆるりまいが自身のブログにて紹介した写真が「モデルルームのようになにもない」と話題となり、コミックエッセイ化されました。極度の断捨離に至るまでの著者と家族のエピソードを盛り込んでいます。そんなエッセイを原作とし、整理整頓コメディとしてドラマ化されました。原作はあくまでコミックエッセイなので、ドラマ化するために脚色されています。

主人公のまいは高校時代の失恋がきっかけでモノを捨てる快感に目覚めます。一方の祖母や母は捨てられない人たち。「片付け」や「捨て」の中にあるさまざまな物語をコミカルに描いた作品です。

まいを演じるのは夏帆。今回の役柄はなんと「捨て変態」というもの。そんな変わった役であろうが、可愛らしくコミカルに演じています。

著者
ゆるりまい
出版日
2013-02-28

【テレビドラマ原作】『ディアスポリス 異邦警察』 (2016年)

 

『ディアスポリス 異邦警察』は、講談社のモーニングに連載された漫画です。原作は、漫画家のすぎむらしんいちと脚本家のリチャード・ウー。過激な内容であるため実写化は不可能ではと言われ続けた作品ですが、連載から10年経ち、テレビドラマ化と映画化がなされました。

 

 

東京に密入国している外国人は15万。彼らは独自の秘密の組織「異邦都庁」を作っています。そこには、弱い立ち場の人たちを助けるための裏警察官「ディアスポリス」も存在しました。主人公・久保塚早紀はそこで働く唯一の警察官。そんな彼の活躍を描いた物語です。漫画で表現されている作品の世界観が魅惑的で、実写版での再現度の高さが話題となりました。

夏帆はこの中で、第5話と第6話に登場する高宮翔子を演じています。原作にもある「フェアウェル・マイ・チェリー」篇に登場。元マルハ銀行に勤務し、久保塚の部下、鈴木の元彼女です。あやしい動きをするこの物語の重要な役割を果たす役柄をクールに演じています。

 

著者
["すぎむら しんいち", "リチャード・ウー"]
出版日

【テレビドラマ原作】『ボタニカル・ライフ 植物生活』 (2016年)

いとうせいこうのエッセイ『ボタニカル・ライフ植物生活』。タイトルを『植物男子ベランダー』に変更したドラマが、NHK BSプレミアムで放送されました。SEASON1~SEASON3まで製作されるほど人気シリーズに。

自身の住むマンションで、自分勝手に植物を育てるバツイチ中年男性ベランダー。彼の何気ない日常を描いています。物語のほとんどがベランダで展開され、植物相手の一人芝居です。

夏帆はSEASON3の第7話にゲスト出演しています。主人公が以前勤めていた会社の先輩・茂木のSNSフォロワーとして登場。SEASON1から存在はほのめかされていました。今回ようやく茂木たちと対面することに。

原作のエッセイでは、あくまでベランダで植物を育てる著者の植物生活日記です。ドラマでは、主人公とその周囲の人たちとの交流も描かれています。

著者
いとう せいこう
出版日
2004-02-28

【テレビドラマ原作】『キッドナップ・ツアー』 (2016年)

角田光代による児童文学小説の『キッドナップ・ツアー』。この原作をもとに、同名タイトルでテレビドラマ化されました。

小学5年生の女の子ハルが主人公。夏休みの初日から、失踪中の父にユウカイされてしまいます。肝試し、キャンプに自転車泥棒までさせられるはめに。だらしなくお金もない父としっかり者の娘のひと夏のユウカイ物語です。夏帆は、ハルの母・キョウコの妹役・ゆうこちゃんで出演。仕事で忙しいお母さんの代わりにハルの面倒をみてくれ、ハルにとっては友達のような存在です。

父は、たとえどんな人間であろうが娘を愛しています。ユウカイなどという形しかとれない父親の屈折した愛情表現をきちんと受け止めている娘・ハル。2人の交流に心が温まるそんな物語です。 

著者
角田 光代
出版日
2003-06-01

【テレビドラマ原作】『楽園』 (2017年)

ベストセラー作家・宮部みゆきの大ヒット小説『模倣犯』の9年後を描いた作品が小説『楽園』です。2017年、WOWOWにてテレビドラマ化されました。

模倣犯は、事件の被害者と加害者の両者の視点で描き、犯罪とはいかなるものかリアルに物語っていました。その中で登場するルポライター・前畑滋子を主人公に、新たな事件の真相を追っていきます。

この作品で夏帆が演じるのは、長女の茜を殺害した土井崎夫妻の次女・誠子です。誠子は滋子に、なぜ両親が茜を殺害したのか知りたいと依頼します。なかなか難しい設定の役柄ですが、今回もまた安定の演技力で演じています。 

この作品は単なるミステリーではありません。事件に潜む家族や周囲の人間の心のありさまを描いたヒューマンミステリーです。

著者
宮部 みゆき
出版日
2010-02-10

【テレビドラマ原作】『グッド・バイ』 (2018年)

 

太宰治の遺作にして未完の小説『グッド・バイ』。それをモチーフに書かれたのが羽生生純の同名漫画です。この漫画がドラマ化されました。漫画の『グッド・バイ』では、現代の設定に置き換えられています。

 

 

偶然、高校時代の先輩である別所文代と久しぶりに対面した主人公の田島毛。彼には妻子がいるにも関わらず、清算しなければいけない愛人が複数いることを文代に相談することに。すると、彼女は田島の話が、太宰の未完の書『グッド・バイ』に似ていると告げます。その小説を参考にし、愛人たちと別れる決意をする田島でしたが・・・・・・。田島がいかに最低に女性たちと別れていくのか、その様子が面白おかしく描かれていきます。

夏帆はこの田島の先輩・別所文代を演じます。最低なモテ男の田島をどこか憎めず、面倒をみてしまう姉御肌な文代。夏帆は、田島とのユーモアたっぷりの会話劇を面白おかしく演じ、最高のコメディエンヌっぷりを披露しています。

 

著者
["羽生生 純", "太宰 治"]
出版日

【テレビドラマ原作】『デザイナー 渋井直人の休日』 (2019年)

 

漫画家でもありコラムニストの渋谷直角。『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』などで知られている彼の漫画『デザイナー渋井直人の休日』がテレビドラマ化されました。50代の独身デザイナー・渋井直人の気ままな日常を描いた物語です。

ふだんはスマートな渋井ですが、女性の前だと右往左往してしまいます。そんな彼はちょっと笑えて、ほっこりするおじさん。そんな渋井をつい応援してしまいたくなるような作品です。

 

 

夏帆は、渋井が出会う女性の1人、編集者の高田を演じています。実は、原作者のファンだとのこと。第1話と第2話にゲスト出演しています。高田は、渋井に好意を寄せられる魅了的な女性。クールでありながら可愛らしい面も見せつつ演じています。 
 

 

著者
渋谷 直角
出版日

【テレビドラマ原作】『潤一』 (2019年)

 

井上荒野の恋愛をテーマとした連作短編小説『潤一』。2019年、テレビドラマ化されました。

26歳、無職で宿なしの潤一。気の向くままに誰とでも関係を持つような青年ですが、女性から憎まれることなくとにかくモテるのです。原作は潤一が関係を持つ女性たちはなんと、14歳から62歳までの9人。それぞれの女性たちと潤一との刹那の愛を描いた連作です。

 

 

ドラマは原作から6つのお話をピックアップ。夏帆が出演しているのは、第2話の環の物語です。28歳のOLの環は、妹の夫で漫画家の晴明のアシスタント兼不倫相手です。そんな微妙な立場の揺れ動く女心を巧みに演じている夏帆。理屈ではわからない、何かしらの感情を揺さぶれるような物語です。

原作をもっと詳しく知りたいという方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

『潤一』5の魅力をネタバレ!9人の女と潤一の、官能的で刹那的な恋愛小説
 

 

著者
井上 荒野
出版日
2006-11-28

【テレビドラマ原作】『アフロ田中』 (2019年)

 

のりつけ雅治の「アフロ田中」シリーズは、田中の状況に合わせながらタイトルを変更し、ビックコミックスピリッツに連載され続けている人気漫画シリーズです。2012年に映画化、2019年にはテレビドラマ化されていることからも、長年愛されていることがわかります。

 

 

アフロヘアーの田中を中心とした脱力系ギャグ漫画。これといったストーリーラインがあるわけでなく、どうでもいいような話にゆるいオチで毎回完結型の物語です。テレビドラマ版では、『さすらいアフロ田中』のエピソードを中心に描かれています。

ヒロインのマキを演じる夏帆。田中が参加した合コンで2人は出会うことに。田中だけでなくマキも恋愛には不器用ではありますが、徐々に近づいていく2人でした。幅広い役柄を演じている夏帆ですが、今回は10代の頃の初々しい彼女を彷彿とさせるさらさらロングヘアー。不器用な2人が愛らしい物語です。

原作をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

「アフロ田中」シリーズを全編ネタバレ!最高としか言えない青春漫画ドラマ化
 

 

著者
のりつけ 雅春
出版日
2010-09-30

さて、夏帆の出演作のなかでも原作のある作品を紹介してきました。これまでの作品をみていくと、夏帆の女優としての成長と成熟ぶりがよくわかります。それと同時に、彼女の選ぶ作品の幅広さと面白さに驚かされます。本当にいい作品に出会えている女優ですね。映像作品をみる際に、原作の存在を思い出してください。どちらも楽しむことで、新たな発見があるかもしれません。

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