5分でわかる個性豊かなカワセミの仲間たち!

更新:2022.5.25

美しい鳥として認識されているカワセミ。一度はその姿をフィルムに収めたいというファンが非常に多いです。大きなクチバシからなるユニークなバランスの体形、独特の生態や行動はゆるキャラのように愛されポイントがたくさんあります。実はその仲間たちも美しく個性的な鳥たちばかりです。今回はカワセミの仲間たちを紹介しつつ、その可愛さにどっぷり浸かれるような本を紹介したいと思います。

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カワセミ

 

 

体全体が輝かしい青色、お腹の部分はオレンジ色で、その美しさから「渓流の宝石」と呼ばれている鳥です。

世界には95種類もカワセミの仲間(ブッポウソウ目カワセミ科)がいて、日本には3種類生息しています。

日本全国で見ることのできる代表的なカワセミです。都心でも自然の多い場所であれば見ることができます。

体長17cmほどで意外にもカワセミ科の中では一番小さいです。

日本にいるカワセミの仲間は基本的に魚を食べます。水面が見える木などに留まりダイビングして魚を捕まえます。この時に役立つのが体の3分の1ほどある長い嘴です。この嘴は水や空気の抵抗を減らすために鋭い四角すいの形をしています。そのためカワセミが水に飛び込む際は水飛沫がほとんど上がりません。

この抵抗減らすことのできる構造は、走行の抵抗を減らすために新幹線の先端などに活用されています。身の回りの人間の技術にカワセミの嘴の利点が使われているのは面白いですね。

繁殖の時期はカップルになるためにオスがメスへ餌をプレゼントする求愛給餌という行動も見られ、プレゼントする魚が大きければ大きいほど成功確率が上がるようです。

また長い嘴は、餌を取るためだけに活用されるだけでなく、巣穴を掘る際にもうまく使われます。水辺近くの土の崖にこの嘴と脚を使って50cm~1m程の横穴を掘って巣を作ります。この時カワセミは嘴だけでなく短い足を使ってスコップのように穴から土を掻き出します。

繁殖期は春と夏、主に3~8月で、1年に1~2回繁殖します。
カワセミは縄張り意識が強いため、繁殖期以外は単体で暮らしています。

アカショウビン

カワセミとは対照に美しい赤色の鳥です。

全長27cmとカワセミよりも一回り大きく、その燃えるような美しい赤色の羽から、「 火の鳥 」と呼ばれることもあります。また繁殖期と梅雨が重なり、雨が降る時に鳴くことが多いことから、雨を呼ぶ鳥とも言われています。他にもアカショウビンには肩書きがいくつもあります。

東南アジアの広い範囲に生息し、日本には夏鳥として渡来して全国で繁殖します。
日本で見ることのできるカワセミの仲間の中では、アカショウビンだけが渡り鳥です。

水辺の近くで魚やサワガニなどの水生生物を捕食することが多いですが、昆虫や両生爬虫類も幅広く捕食することもあります。水辺から離れた森林に生息することもあり食性は幅広いですが、求愛行動はカワセミと同様です。

子育てに関しては、崖やキツツキの古巣を使って営巣します。また、亜種のアカショウビンでは、スズメバチの古巣を使った営巣記録が報告されています。
 

ヤマセミ

白と黒のまだら模様で、大きな冠羽が特徴的な鳥です。

カワセミと対比して水量の多い山地の渓流に生息することからヤマセミの名前がつきました。

留鳥として日本全国に分布していますが、国内において遭遇する確率は低いとして有名です。

全長は38cmとカワセミ類の中で日本では最も大きく、鳩ぐらいの大きさです。

魚類は約20 cmの大きさまで捕まえることができ、カワセミよりも狩りの能力に長けています。捕らえた魚はカワセミ類お馴染みの、くわえたまま木の枝や岩の上に止まり、多くの場合は魚を枝や岩に何回も叩きつけて弱らせ、魚を頭から飲み込みます。
単独で強い縄張りを持ち、警戒心も強い上に 極めて気性が荒いとされています。

 

番外編:ワライカワセミ

 

 

ワライカワセミはオーストラリアに生息し、カンガルー、コアラ等と並んで国を代表する鳥となっています。

一般的な日本にいるカワセミの倍は大きいそうで、カワセミ類の中でも最大のデカさを誇ります。また、日本に生息しているカワセミと比べても色も目立つ色ではなく特徴的な嘴も短く太いです

 

カワセミとの大きな違いがもう一つ。ワライカワセミは水に飛び込みません。
カワセミの時に紹介したような魚は捕まえず、木の上から虫や爬虫類を見つけ捕食します。(カワセミ同様にオスからメスへの求愛給餌は行うようです)

ワライカワセミも縄張り意識が高く、この笑い声は一般的には敵の侵入を仲間に知らせていると考えられています。自然界においては夜明けや夕方に鳴くことが多いようです。また群れでいるときは、1羽が鳴き出すと他の個体も共鳴するそうです。

 

アカショウビンのおすすめ本「アカショウビン―琉球の紅」

著者
啓人, 福田
出版日

自然写真家・福田啓人に撮影されたリュウキュウアカショウビンの写真集。炎のように美しいアカショウビンの生態や躍動感のある姿が収められています。「琉球の紅」という耳に残るキャッチコピーが好奇心をそそります。

 

カワセミのおすすめ本「世界のカワセミハンドブック」

著者
大西 敏一
出版日

世界のカワセミが70種類も掲載されているまさにカワセミに特化した一冊。
美しい姿はもちろんですが、地域別にまとめられていたり、珍しい種類も載せられているのでカワセミ好きにはオススメです。

 

カワセミのおすすめ本「にっぽんのカワセミ」

著者
矢野亮
出版日

カワセミの細かい生態と写真が掲載されていて、カワセミの魅力がたっぷり詰まった一冊になっています。鳥類界でなぜカワセミが絶大な人気を誇っているのか、その理由が伺える内容です。

 

 


カワセミはもちろんですが、カワセミの仲間たちの色使いやその容姿には芸術性を感じます。魅力的な本とともにカワセミの世界にぜひ飛び込んでみてください。

 

 

 

 

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