サバンナと呼ばれる草原地帯には、多くの動物が暮らしています。サバンナにいる動物で最も人気がある動物を「ビッグファイブ」と呼び。ライオン、ヒョウ、ゾウ、バッファロー、そしてな”サイ”です。今回はシロサイの生態、そしてサイにまつわる書籍を紹介します。
シロサイはウマ目サイ科シロサイ属に分類されるアフリカに住む草食動物です。
普段は穏やかな性格で、1日の半分を草を食べて過ごします。
シロサイやクロサイが一般的によく知られていますがサイは世界に5種類存在しています。
シロサイはサイのなかで最も大きな種類になります。そのなかでもキタシロサイとミナミシロサイの2亜種が存在しています。
シロサイの全個体数の約93%が南アフリカ共和国に生息していると言われています。
体長4m、重さ3tを超えます。角は長いもので1.5m近くになるそうです。ゆっくり移動しているイメージですが、危険を感じた際は最高時速50kmにもなります。
サバンナなどでは、たびたび泥浴びを見かける姿を見かけることが多いですが、肌の乾燥を防ぎ寄生虫を落とすなど皮膚の健康を保っています。
サイの象徴ともいえる大きな角。一見骨のようにも思えるこの角ですが、実際はケラチン質の集合体です。これは人間の爪や髪の毛、ヒゲと同じタンパク質からできています。
自然界のサイはこの角の形を自分で整えます。木や岩などの固いものに角を自分でこすりつけて、余分な部分を削っています。動物園などでは飼育員が定期的に削っています。
シロサイは縄張りのために特定の場所に大きな糞の山を作ります。この糞の山を使ってオスとメスはコミュニケーションをとっているようで、メスはオスの糞の山の匂いをかぎ、オスの年齢や、強さなどを判断することができるそうです。
そのため、オスはメスが匂いを嗅ぎやすいように、糞の山を蹴tたりすることで匂いを広げる作業もするようです。
また、逆にメスもそこに自分の糞を残すため、オスはそこからメスの情報を収集します。これは、他のオスにとってもライバルの情報を知ることができる材料になります。
サイは視力が弱い分嗅覚やが優れているため、このような行動をとってコミュニケーションをとっているのといわれています。他にも聴覚が優れており、筒状の大きな耳は全方位に向ける事ができます。
どちらもアフリカに生息しているサイ。色で種類が分けられているように思われがちですが、どちらも同じ色をしています。
一番は口の形が違うということです。シロサイは横に口が広がっており、顔を地面に近づけて、草刈機のように草を食べます。
一方クロサイは、低い木の葉や枝を食べるために口が尖った形になっています。
ではなぜ、シロサイという名前が付けられているかという疑問が出てくるのですが、シロサイは現地の言葉で幅広いを意味する「“wijde”」などと呼ばれていました。これが英語のホワイトと間違えられたために、シロサイとなったのではないかと言われています
専門家によるとあと20年後にはサイが絶滅してしまうのではないかと言われています。
かつてはアフリカに50万頭もいたサイですが、現在は3万頭もいないと言われています。今でも毎日2頭のサイが殺されているそうです。
その最大の原因は人間による密猟にあります。古くからサイの角は、中国やベトナムなどアジアでは、がんなど様々な効能がある万能薬と信じられ、高値で取引されているといいます。
医学的にその効果は証明されていないにも関わらず、いまだに多くのサイが犠牲となっているのです。現在は密猟者に殺される前に、先に角だけをとってしまう方法などの対策流など、保全活動の努力により密猟が減少し、サイの個体数は年々回復傾向にあるといわれています。
- 著者
- 味田村太郎
- 出版日
2014年から初代ヨハネスブルク支局長としてアフリカ30か国以上で取材してきた味田村太郎氏。第8回子どものための感動ノンフィクション大賞受賞作品です。サイの生態を紹介しながらも、サイが直面している危機を伝えています。サイの子どもを保護する「サイの孤児院」や、科学技術による「復活プロジェクト」などの取り組みを紹介されています。野生動物に対してしっかりと向き合うべき課題を学ぶことができます。
- 著者
- 出版日
- 2016-05-21
動物研究の第一人者ともいえる今泉忠明氏が監修し、動物から植物、菌まで、幅広い生き物のユニークでちょっとざんねんな特徴をまとめています。「小学生がえらぶ! ”こどもの本”総選挙」で2回連続1位を獲得し、NHK Eテレ(教育テレビ)でもコーナーがあるほど大人気の一冊です。
最強の動物とも言われているサイですが、全ての種類のサイが絶滅危惧種に指定されています。動物園でサイを見ることがもしかしたらできなくなるかもしれません。まず、日々その危機に迫られていることを理解することが大切なことです。