投資は推し活♡「私には無理」を覆す、日本一カンタンな【推し活投資】の始め方

更新:2023.10.28

「手元に資金がないとできない」「難しい経済知識が必要」……全くの初心者にとってそんなイメージのある投資ですが、「1日10分、10万円から挑戦できる企業の推し活だよ」と説明されたらどうでしょうか。 この記事では、株式投資を“推し活”になぞらえてPOPに学ぶことができる『恋と推し活とショッピングに学ぶ知識ゼロからの女子株』(著:松下りせ)から、投資の考え方について解説した章を再編集してご紹介します。

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著者
松下 りせ
出版日

“推せる”銘柄の魅力はなに?投資の前に強みを言葉にしてみよう

候補となる企業をよく調べて本当に“推せる”会社が見つかったら、投資の計画を立てて、実際に投資をしていきましょう。

推し活株式投資のステップは、次の通りです。

①“推し”の候補となる企業に出合う

②“推し”の候補を調べて見定める

③“推し”の成長シナリオを作り、投資の計画を立てる

④実際に、“推し”の企業の株を購入する

“推し”の候補となる企業に出合ったら、今度はその会社のことをより深く知りましょう。

しっかりとリサーチしてその会社の魅力が分かったら、その企業の株はあなたにとって“推し”銘柄に昇格するはずです。

 

推し活では、“推し”を見つけたら、その“推し”についてどんどん知りたくなるものです。

それと同じ感覚で、魅力的な企業を見つけたら、その会社のことをもっと知って、追いかけてください。

その会社が目指すビジョンに心から共感したり、一緒に希望を感じたり、応援したくなったら、いよいよその会社の株を購入し、一緒に成長を楽しみましょう。

 

株を買うということは、自分の大切なお金をその会社に投じるということ。

お金の大切さを知っているからこそ、投資する先をよく知り、納得した上で推したいですよね。

投資を始める上では、投資対象をよく知ることが何よりも大切です。

そこでこの章では、“推し”の候補を見定めることと、“推し”の成長を予測し、投資の計画を立てることについて、お伝えしていきます。

 

“推し”候補の魅力を自分の言葉で語ってみよう

“推し”の候補となる企業が見つかったら、その企業についてよく知り、本当に推せるのかを確認する必要があります。

株式投資において、“推し”の候補が投資対象になるかを見定められている状態というのは、その企業の魅力を自分の言葉で説明できることを指します。

 

株式投資の世界では、「銘柄の良し悪しは自分で判断できないけれど、成長する株が知りたい」という人がたくさんいます。

でも、成長する株を知っていれば儲かると考えている人は、投資で継続的にうまくいくことはありません。

投資で利益を出すには、特定の銘柄を購入し、最終的にはそれを売るタイミングも自分で決めなくてはなりません。

成長する株を知っていたとしても、その銘柄についてよく知らなければ、売るタイミングを見極めることができません。その会社の強みや魅力について、しっかりと自分の言葉で説明できるくらい理解しているからこそ、その銘柄をいつ売るのかを決めることができるのです。

株式投資で持続的に成功するには、自分が心から「推したい」と思える企業に投資をすることが大切です。

実際、ハナミラ(※著者が主宰する、女性向けの株式投資スクール)の受講生を見ても、投資がうまくいっている人は自分が心から良いと思った企業の魅力を自分の言葉で語り、投資をしています。

それは、その企業の「推しポイント」、つまり「株を購入する理由」を語れるということです。

 

推し活でも、自分がなぜそのアイドルグループが好きなのか、みなさん語ることができますよね。

例えば、私の友人は人気バンドグループのGRAYを心から愛しています。

その魅力を聞くと、「実力派でかっこいいし、メンバーがみんな仲良くて魅力的なんです!この動画を観てください!みんなでゲームしてる姿が本当に楽しそうなんですよ〜」と自分の言葉でGLAYの強みや魅力を語ってくれます。

あなたの周りの推し活をしている人も、みなさん「なんとなく」とか「友人の付き合いで」といった理由で推し活をしていませんよね。

一人ひとり、“推し”の魅力を言葉にして、人に伝えることができているはずです。

 

株式投資でも、「なんとなく」「有名な投資家が薦めていたから」「知っている社名だったから」といった理由で銘柄を決めるのはNGです。

そうではなくて、具体的な理由を挙げて、「だから、私はその会社がいいと思う」と説明できるようになる必要があるんです。

 

“推し”の企業の魅力を語るには、なにを調べればいい?

自分の言葉で“推し”の企業の魅力を語るためには、その企業のことをきちんと知らなくてはなりません。

その企業の売上高や利益はどのくらいで、同じ業界のライバルと比べてどうか。

その企業の商品やサービスにはどんな独自性や強み、魅力があるのか。

その企業はこれまで、どんなペースで成長してきたのか。

その企業のトップは、どんなビジョンを描いているのか。

その企業のトップは、株主に対してどんなメッセージを発しているのか。

その企業の経営陣や社員は、メディアでどのように取り上げられているのか。

 

あなたが「推したい」と思う企業について、過去や現在、将来に関する情報をなるべく集めてみましょう。

 

昔のように新聞や雑誌をくまなく読む必要はありません。

インターネットで検索すれば、ある程度の情報は集まるはずです。上場企業は株主に対する説明責任もあるので、企業のサイトの中でも、いろいろな情報を発信しています。

社長や経営陣、社員がインタビューを受けている記事があるかもしれません。

そういった情報を可能な限りネットで検索して、目を通してみましょう。

 

加えて、自分や周りの人の実体験が得られると、さらにいいでしょう。 

私の体感だと、ネット上から分かるその会社の情報は、全体の3割くらいです。

百聞は一見にしかずと言いますが、自分の経験を通して得た知見以上に強いものはありません。

だからこそ、知見がある分野で“推し”の銘柄を見つけるのがいいのです。

 

ネット上の情報や自分や友人の経験から得た情報を集めてしっかり知った上で、その企業のことが好きになったり、強い魅力を感じるなら、その会社は間違いなく、あなたの“推し”になります。

自分の言葉で魅力を語れる“推し”銘柄を見つけていきましょう。

 

ポテンシャル=将来の時価総額“推し”の企業の未来の姿を予測しよう

自分の言葉で魅力を語れるようになったら、今度は“推し”の成長シナリオを作ってみましょう。

「成長シナリオ」なんて言うと難しそうに思うかもしれませんが、“推し”の企業の魅力や強みを自分の言葉で語れるようになる、つまりは「推せる理由」が明確になっていると、その企業が将来、どのように成長するかも予測ができるはずです。

 

例えば、結成して間もない日本の男性アイドルグループがあったとします。

知名度はまだ低いけれど、あなたがこのグループを「素敵だからきっと大きくなる」と思ったとします。そのような“推し”を見つけたとき、多くの人が、その対象が将来、どのくらい大きくなるのか夢想するのではないでしょうか。

数年後には、国立競技場でライブをしているかもしれない。

誰もが知ってるヒット曲を連発して、お茶の間で愛されるアイドルグループになっているかも。世界デビューして全米ツアーをしたらうれしいなぁ。

そんなふうに思っているかもしれません。

 

“推し”が日本の男性アイドルグループなら、同じような日本国内のほかの男性アイドルグループと比べているかもしれません。

SMAP、嵐、関ジャニ∞、KAT-TUN、King & Prince……。

知名度のあるアイドルグループを眺めながら、こんなふうに考えるはずです。

「SMAPや嵐のような超人気グループになるのは難しいかもしれない」

「でも、知名度が高くてファンも多い、NEWSやKAT-TUNのようなグループにはなれるかも!」

もしかしたら、“推し”のポテンシャルを「曲もダンスもすばらしいから世界で通用するはず!」と考えて、世界的に活躍してきた男性アイドルグループのBTSと比べるかもしれません。

“推し”のグループがどこまで成長するのか、似たようなアイドルグループと比べながら、成長の可能性を考えると思います。

 

“推し”の企業の将来の時価総額を予想してみよう

同じように、株式投資でも、“推し”の企業のポテンシャルを考えたり、ほかの会社と比較することで、“推し”の企業が今の時価総額から将来、どれくらい成長するのかを予測することができるようになります。

“推し”の企業がこのまま順調に成長したらどんな企業になりそうか、成長規模をイメージしていきましょう。

“推し”単体で予想するだけでなく、例えば“推し”の企業がIT企業なら、ライバルとなる別のIT企業と、食品メーカーなら同じようなサービスを提供する別の食品メーカーと比べていきます。

時価総額を予想することは、とても重要なポイントです。

「ここまで成長するはずだ」という目標がないと、無計画に投資をすることになり、投資で成功することが難しくなります。

 

どんなに成長する企業でも、株価は上がったり下がったりを繰り返しながら上昇していきます。

目標となる時価総額がないと、目先の株価の上下に一喜一憂してしまい、得られるはずだった利益を逃したり、ムダな損失を被ってしまいます。

 

「株価が1・3倍になったからうれしくて売却したけれど、その後もどんどん株価が上がって3倍になった。あのとき、売らなければよかった」

「買った後に株価が急に下がってしまった。驚いて売ったけど、数カ月後には持ち直してぐんぐん上がっていった。なぜあのとき、売ってしまったんだろう」

あなたの“推し”企業は、現在の時価総額から30%しか成長しないのか、それとも2倍になるのか。

成長した姿を想定して投資をしていると、焦ったり、根拠のない理由で株を売ってしまうことがありません。

「株価が1・3倍になったけれど、この先2倍になるはずだから持っておこう」

「私が考えていた目標の時価総額に到達した。これ以上成長するか分からないから、一旦、ここで株を売っておこう」

こんなふうに、目標となる時価総額があれば、目先の株価のアップダウンに動揺せず、安心して投資ができます。

 

“推し”の成長が見通せて初めて投資の計画が立てられる

目標となる時価総額がないと、自分の資産をどのくらい“推し”の企業に投資するべきなのか、自分の資産がどのくらい増える可能性があるのかが分からないままになります。

 

比較対象と比べて、“推し”企業の現在の事業内容や時価総額はどうなのか。

事業が成功したら、どのくらい成長する可能性があるのか。

 

こうした予測ができて初めて、自分の資産をどのように増やしていくかという計画が立てられます。

もちろん、予想はあくまでも予測でしかありません。

“推し”の企業の将来の時価総額をピタリと当てることは、プロでも難しいはずです。

それでも、“推し”企業の将来の姿を思い描くことが大切なのです。

この先、100倍に成長する可能性のある企業に投資をしようとしているのか。

時価総額が2倍にはなるけれど、それ以上は成長が見込めない企業に投資をしようとしているのか。

自分の“推し”企業がどれくらい成長するかを考え、シナリオを作っていきましょう。

著者
松下 りせ
出版日

※この記事は2023年4月19日に刊行された『恋と推し活とショッピングに学ぶ知識ゼロからの女子株』の一部に再編集を加えたものです。

本書は、投資に少しでも興味を持っている方にとって、きっかけとなる1冊です。実践するうえでの専門書としてではなく、投資を始める際に大切な心構えを学ぶ書籍として最適でしょう。

専門用語が全く使われていないため、まるでエッセイのようにさらさらと読めるのもポイント。“推し活”の概念に例えつつ、読者の気持ちに寄り添う文章ですので、投資を「自分ごと」のように感じられて納得感が深まります。まるで投資関連の書籍とは思えないキャッチーな色使いのイラストにもご注目ください。

「投資なんて私にはきっと無理!」という方に手に取っていただきたい、お守りのような1冊になっています。(編集)

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