5分で『あなたの話はなぜ「通じない」のか』をざっくり解説│「うまく伝わらない!」を解消するトレーニング法

更新:2025.2.13

『あなたの話はなぜ「通じない」のか』は、「なぜ自分の話が相手にうまく通じないのか」という疑問を解きほぐし、相手とのあいだに“橋”を架けるようなコミュニケーション方法を示したものです。単なるテクニックではなく、相手との関係性や伝え方の本質に着目し、信頼を築きながら説得力のあるコミュニケーションを実現する具体的な方法を解説しています。

スパイダーマンのコスプレをしてスタン・リーに会いに行くくらいのアメコミ好きです。 以前はASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)でライターとSNS運用、セミナー講師などをやっていました。
泡の子

まずは『あなたの話はなぜ「通じない」のか』のポイントを5つに凝縮すると、以下のようになります。

  1. 自分という「メディア」を知り、相手からどう見られているかを考える。
  2. 「意見と理由」を示し、論理で相手を説得する。
  3. 相手の気持ちを想像し、まず共感から入る。
  4. 関係性の中で意味が変わる言葉を上手に使う。
  5. 信頼を生み出す条件を押さえ、短いやりとりでも深い信頼を得るコツを身につける。

 

1. 自分という「メディア」を知り、相手からどう見られているかを考える。

自分の言葉が相手にどう届くかは、「何を言うか」よりも「誰が言うか」によって大きく左右されます。これは、メディアの影響力と同じで、同じニュースでも「NHK」が報じるのと「ゴシップ誌」が報じるのでは受け取る側の反応が異なるのと同様です。

つまり、自分という「メディア」の信頼度が低ければ、どれだけ正しいことを言っても相手には響きません。普段からの行動や態度、過去の発言が積み重なり、「この人の話なら聞いてみよう」と思ってもらえるかどうかが重要になります。

具体的にはどういうこと?

会議での発言が軽視されるAさんの場合
Aさんは会議で「この施策は効果がないと思います」と発言しましたが、誰も深く取り合いませんでした。しかし、数分後に上司が「この施策にはリスクがある」と言うと、皆が頷き始めました。
→ Aさんの意見がスルーされたのは、「誰が言ったか」による影響が大きい。Aさんが普段からリーダーシップを発揮し、信頼される立場になっていれば、発言の重みも変わる。

「メディア力」を高めるための対策

  • 普段から実績を積み、発言の裏付けを強くする
  • 一貫性のある言動を心がける(場当たり的な発言をしない)
  • 他者の信頼を得られる行動を日常的に意識する

 

トレーニング方法

「自分の印象」を知るワーク

  • 周囲の人(同僚・友人・家族)に「私の話し方の印象を教えてください」と聞く
  • 「信頼される人」「面白い人」「意見が通りにくい人」など、どんな特徴を持つメディア(発信者)なのかを把握する

「第三者視点」で自分の発言を振り返る

  • 過去のプレゼンや会話の録音を聞き直し、「他人からどう聞こえているか」を客観視する

2. 「意見と理由」を示し、論理で相手を説得する。

人は「意見」だけでは動かず、その裏付けとなる「理由」があってこそ納得します。「私はこう思う」だけではなく、「なぜそう思うのか」を明確に伝えることで、相手に理解してもらいやすくなります。さらに、相手の視点に立った理由を提示することが説得力を高めるポイントです。

具体的にはどういうこと?

ダメな例:「この企画はやめたほうがいいです」
→ 意見は言っているが、理由がないため、相手は納得しづらい。

良い例:「この企画はコストが予算を超過する可能性が高く、過去の類似プロジェクトでも失敗例が多いため、リスクが大きいと考えます」
→ 理由を示すことで、説得力が増す。

「意見と理由」を効果的に伝えるためのコツ

  • まず「意見」を述べ、その後に「なぜならば」を使って理由を補足する
  • 複数の視点(自分の視点・相手の視点・客観的な視点)から理由を提示する
  • 具体的なデータや事例を交えて説明する

 

トレーニング方法

「意見と理由」をセットで考えるワーク

  • 日常の会話やSNS投稿で「意見(結論)+なぜならば(理由)」を意識して発言する
    例)「この映画は面白かった。なぜならば、登場人物の心理描写が細かく、共感しやすいから。」

「ロジカルピラミッド」を作る練習

  • 主張(トップ)→根拠(ミドル)→具体例(ボトム)の順で話を組み立てる
    例)「この提案を採用すべきです。なぜならば、過去のデータが示す成功率が高いからです。具体的には、昨年の同様のプロジェクトでは売上が20%向上しました。」

3. 相手の気持ちを想像し、まず共感から入る。

人は「共感」されると心を開き、話を受け入れやすくなります。逆に、どんなに正しいことを言われても、相手が「この人は自分の気持ちをわかってくれない」と感じたら、反発してしまうこともあります。そのため、いきなり意見を押し付けるのではなく、まず相手の気持ちに寄り添うことが重要です。

具体的にはどういうこと?

ダメな例:「だから言ったでしょう? あなたのやり方は間違っていたんです」
→ 相手の感情を無視した伝え方は、相手の防衛反応を引き起こす。

良い例:「この結果になってしまって、あなたも悔しいですよね。でも、今回の経験から得られることもあります。どこを改善すれば次に繋がるか、一緒に考えませんか?」
→ まず相手の感情を受け止めることで、次の話を聞いてもらいやすくなる。

共感を効果的に使うコツ

  • 相手の立場や状況を理解し、「あなたの気持ちはわかります」と示す
  • 相手の言葉を繰り返す(「○○が大変だったんですね」)
  • 共感の後に、解決策や提案を加える

 

トレーニング方法

「共感ワード」を使って話し始める練習

  • 例:「それは大変でしたね」「気持ちはよくわかります」「私も同じ経験をしたことがあります」

相手の話を「要約」して共感を示す

  • 相手が話した内容を繰り返し、「あなたの言いたいことは○○ですね」と確認する
  • 例)相手「最近仕事が忙しくて疲れてるんだよね」
  • →「なるほど、仕事が立て込んでいて大変なんですね。」

4. 関係性の中で意味が変わる言葉を上手に使う。

同じ言葉でも、誰が言うか、どんな関係性の中で言うかによって意味が大きく変わります。「冗談」も親しい間柄なら笑い話になりますが、距離がある人に言うと不快に感じられることもあります。そのため、相手との関係性や状況に応じた言葉選びが重要になります。

具体的にはどういうこと?

ダメな例(関係性を無視した言葉選び)

  • 目上の人に対して「マジでヤバいですね(笑)」と言う → 砕けすぎて失礼
  • 上司が部下に「ちょっとそれ、バカじゃない?」と言う → 冗談のつもりでもパワハラになりかねない

良い例(関係性を考えた言葉選び)

  • 上司が部下に「なるほど、この視点は面白いね。でも、ここを改善するともっと良くなるかもしれない」
  • 同僚同士で「このプロジェクト、チャレンジングだけど面白そうだね!」

 

言葉を適切に使うためのポイント

  • 目上・目下・同僚など、関係性に応じた言葉を選ぶ
  • 相手の性格や文化に配慮する
  • 「ユーモア」や「皮肉」が誤解されないよう注意する

 

トレーニング方法

「関係性ごとの言い換え練習」

  • 同じ内容を、立場の違う相手に合わせて言い換える
    例)「この作業、早く終わらせてください」
  • 上司に対して:「この作業の優先度を確認させていただけますか?」
  • 同僚に対して:「この作業、なるべく早めに終わらせよう!」
  • 部下に対して:「この作業、○○日までに仕上げてもらえると助かります。」

5. 信頼を生み出す条件を押さえ、短いやりとりでも深い信頼を得るコツを身につける。

人間関係の中で「信頼」は非常に重要です。特に短い会話の中でも信頼を築くことができれば、その後のコミュニケーションがスムーズになります。信頼を生むためには、誠実な態度、一貫性のある発言、正確な情報を伝えることが求められます。

具体的にはどういうこと?

ダメな例:「まぁ、大丈夫じゃないですか?」(根拠のない発言)
→ 無責任な発言は、信用を失う原因になる。

良い例:「このプロジェクトはスケジュールが厳しいですが、チームで協力すれば間に合うと思います。実際、過去の案件でも同じような状況で成功しました。」(根拠を示す)
→ 信頼を得るには、誠実で具体的な発言が重要。

短いやりとりでも信頼を築くためのポイント

  • 「結論→理由→提案」の順で話す
  • 嘘をつかず、誤魔化さない
  • 相手の立場を尊重し、配慮した言葉を使う

 

トレーニング方法

「結論→理由→提案」の型を使う

  • 例:「今回のプロジェクトはこの方法で進めましょう。(結論)なぜならば、過去の成功例があるからです。(理由)もし他に意見があれば、明日までに共有してください。(提案)」

「ファクトチェック」を意識する

  • 発言の前に「この情報は確かなものか?」を一度考える
  • 例)「○○さんが言ってたよ」→「○○さんの発言を確認してみますね」

この書籍を読んで理解するだけでは、「話が通じる技術」は身につきません。読者が本当に「伝わる話し方」を習得するには、実際に行動し、試行錯誤しながらトレーニングを続けることが不可欠です。

  • 自分の「メディア力」を理解し、信頼を積み上げる
  • 「意見+理由」のセットで話す習慣をつける
  • 相手の気持ちを想像し、共感を大切にする
  • 関係性を考慮した言葉選びをする
  • 短い会話でも信頼を築く工夫をする

これらを繰り返しトレーニングしながら、本書の知識を「使える技術」として身につけましょう!

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