清水玲子のおすすめ漫画ランキングベスト5!名作「かぐや姫」「秘密」など

更新:2021.12.16

今回は、『秘密』で人気を博した作家清水玲子の人気作品から、5作をランキング形式でご紹介します。シリアス、問題定義、ほのぼの、コメディと多彩な作品を楽しめますよ。

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多彩な切り口が持ち味の漫画家、清水玲子とは?

清水玲子は、1983年に漫画家としてデビューします。2011年には、『秘密 ―トップ・シークレット―』が第15回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞しました。

同じキャラクターを複数の作品に登場させるスター・システムを用いる作風も印象的ですが、同性愛、人肉食、近親愛、クローン、猟奇殺人など、手を出しにくいと思われるテーマを描くことでも有名です。

独特の感性を持ち、常に読者へと新しい刺激を与え続ける鬼才作家清水。心温まるストーリーから、奇抜なテーマまで扱える、実力派漫画家として多くのファンを魅了し続けています。

5位: 猫よりも弱い!人間になりたいメスライオン?『WILD CATS』

ぼっちゃんこと龍一は、子どもの頃、捨て猫のダンボールに紛れて捨てられていた子ライオンに、強いボス猫を飼うのが夢だったんだ、とシーザーという名前を付けました。月日は流れ、他の子猫たちと一緒に育てられたシーザーは、自分を猫だと思い込んだ立派なライオンへと成長し……。

著者
清水 玲子
出版日
2006-08-29

どう見ても、メスライオンのシーザーが、あくまでも猫らしく強くなりたいと奮闘する姿が微笑ましく、可愛い作品です。身体が大きくても気が弱く、他の猫たちにどんくさいとバカにされているシーザーの姿は、なんとも不思議で、楽しく穏やかな気持ちにさせられることでしょう。

本作『WILD CATS』では、動物たちの気持ちが言葉として描かれます。シーザーが大好きなぼっちゃんのお嫁さんになりたいと願ったり、いつまでも一緒に居たいと想いを募らせる健気な姿には、切なくさせらてしまいますよ。また登場する動物たちが生き生きと動き回る姿から、作者の表現力にも圧倒させられることでしょう。穏やかで優しい気持ちになりたいときにおすすめの、優しくて可愛らしい作品です。

4位: 清水玲子が、食と命について問うた衝撃作『22XX』

主人公ジャックは、人間としての記憶を受け付けられ、自らを人間だと思っていたヒューマノイド(ロボット)。しかしロボットには必要のない、食欲を感じるようにプログラムされています。現在は自分をロボットと認識していますが、過去に少ない食事を分け合いながら餓死していく人間の仲間を看取ったことがあり、食べるという行為を躊躇していました……。

著者
清水 玲子
出版日

清水玲子短編作品に多く登場するキャラクターであるジャックが、食人(カニバリズム)を文化としているフォトゥリス人の女性ルビィとの交流を通して、食べるということの重要さ、本質を理解していく作品『22XX』。

食人と聞くと読むことを躊躇してしまう方も多いかもしれません。ですが本作では食人が、グロテスクな描写としてではなく、命を食べているという生命の本質に迫るテーマとして描かれている点が印象的といえるでしょう。普段当たり前に行っている行為の意味や、命との向き合い方の一つの形が描かれています。

3位: 宇宙を泳ぐ、人魚?『月の子』

童話『人魚姫』をモチーフにして描かれるSF作品です。物語は、ダンサーの青年アートが交通事故を起こした際、現場に居合わせた記憶喪失の少年と出会うところから始まります。

まるで昔の映画から抜き出てきたような、中性的な美しさを持つ少年。アートは、自分の名前すら憶えていない彼に、ジミーという名前を付け、仕方なく自宅に連れて帰ります。しかし記憶を失ったジミーこそ、月からやってきた来た人魚だったのです。

著者
清水 玲子
出版日

宇宙を泳ぎ、月で育った三つ子のティルト、セツ、ベンジャミン(ジミー)は、生まれ故郷である地球に産卵のために帰ってきた人魚の兄弟です。彼らの他に地球には少数ながらも人魚がいるのですが、その存在は地球人たちに知られていません。性別が不明瞭な人魚の中性的な美しさ、三つ子という魂を分け合ったような関係には神秘性を感じさせられることでしょう。


 

記憶を失った人魚と暮らす地球人、三つ子の1人が欠けて2人きりになった人魚の兄弟、地球に住む人魚など、様々な人間関係が複雑に交錯する本作。あらすじや設定を読んだだけでは、人魚という存在にピンとこない方も多いと思います。この物語が何を語り、登場人物たちがどんな気持ちをめぐらせたのか、ぜひとも手に取って感じていただきたい、味わい深い作品です。

『月の子』については<漫画『月の子』ラストまでの見所ネタバレ考察!無料で読める美しく悲しい物語>の記事で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。

2位: 清水玲子が選んだモチーフは「かぐや姫」『輝夜姫』

主人公の晶は、竹藪に捨てられていたところを拾われた孤児の少女。5歳のとき、家族である岡田家に引き取られますが、それ以前の記憶はなく、その美しさから家の中でも偏執的な愛を受け、心を閉ざして生きていました。

そんなある日、米軍のヘリで乗り付けてきた2人組の美少年に誘拐され、自分たちは5歳まで一緒の島で育ったという事実を聞かされます。島の名前は、神淵島(カブチ島)。さらにその島で目にした不気味な儀式と生贄の話を聞かされ、自分の出生を確かめるべく2人の青年と共に故郷へ戻ることになり……。

著者
清水 玲子
出版日

孤立した島に伝わる謎の儀式や、集められた子供たちの運命など謎が謎を呼ぶ本作ですが、まず目を引くのは主人公晶の容姿ではないでしょうか。短く切りそろえたショートカットに白い肌という中性的な晶は、男性だけではなく、女性をも虜にする不思議な魅力があります。そんな晶を巡る周囲の人々の想いは、決して綺麗なものだけではなく、どこか切ない気持ちにもさせられることでしょう。

作者の美麗で儚い絵柄で紡がれる物語と、読み進めるうちに明らかになっていく謎から目が離せない作品です。謎が謎を呼ぶファンタジーサスペンスの世界をご堪能ください。

『輝夜姫』については<『輝夜姫』5つのポイントをネタバレ考察!考えないで、感じる漫画?【無料】>の記事で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。

1位: 清水玲子の本格サスペンス作品を楽しめる『秘密―トップ・シークレット』

舞台は、近未来の日本。MRIスキャナーという特殊な機器で、死んだ人間の脳から生前に見ていた映像を再生し、被害者や犯罪者の記憶から操作を進める部署第九。新人の青木と第九の室長薪が迷宮入りとなってしまう猟奇事件を見ることで、被害者や加害者抱えた闇を暴く近未来サスペンス大作です。

著者
清水 玲子
出版日

脳の中の記憶を見るという捜査方法も斬新ですが、まるで美少年のように見目麗しい室長薪が過去に関わった凶悪事件の謎や、新人刑事青木が正義のために奔走する姿が刑事ものの王道として見事に描かれています。

第九に舞い込む様々な事件に隠された「秘密」とは……。清水玲子が描く、傑作刑事サスペンスです。時に残酷で、切なく、愛や狂気に満ちた犯罪を裁く刑事達の物語は、ぜひとも読んでいただきたい、文句なしに面白い名作ですよ。

『秘密-トップ・シークレット-』について紹介した<漫画『秘密-トップ・シークレット-』が無料!最終回まで見所をネタバレ紹介>で紹介しています。ぜひご覧ください

いかがでしたでしょうか。清水玲子の描く個性豊かな作品を、ランキング形式でご紹介しました。ラインナップからもおわかりになるかと思いますが、登場人物たちの感情描写に炊けた実力派作家です。夢中になって読みふけって夜更かしをしてしまわないようにご注意ください。そのくらい夢中になれる作品が目白押しです。

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