週刊少年ジャンプの作品といえば、「友情・努力・勝利」という三大原則を守った作品が多く、主人公の努力や友情、そして様々な強敵に立ち向かう姿は多くの人に支持されています。ここでは、歴代作品の中でも特にオススメの漫画15作をご紹介します。
都から遠く離れた山奥に1人で暮らしている少年・孫悟空。いつものように食べ物を探しに出かけた悟空は、巨大な魚を捕まえた帰り道、走ってきた車とぶつかりそうになります。ギリギリのところで衝突を避けた悟空でしたが、車から出てきた人間を見て驚きます。その人間は女で、悟空は女を見るのは初めてだったのです。
亡くなった祖父から、女に会ったら優しくしてやれと言われていた悟空は、その女・ブルマを家に招待します。そこで、悟空が祖父の形見として大切にしている球を見たブルマは、その球がドラゴンボールという名前で、7個集めると神龍が現れてどんな願いでもひとつだけ叶えてくれるのだと教えてくれるのですが……!?
- 著者
- 鳥山 明
- 出版日
1984年から1995年にかけて約10年半もの間連載をされていた作品で、テレビアニメ化はもちろん、ハリウッドでの実写映画化もされ、2015年からは原作者である鳥山明がストーリー原案を手掛けてた完全新作のテレビアニメも放送が開始されました。全世界での累計発行部数は2億冊を超えており、世界的に有名な名作です。
主人公の孫悟空は、サイヤ人と呼ばれる最強の戦闘民族であり、強い戦闘能力を誇っています。そんな悟空の他に、長い連載の間には、悟空の最初の仲間であるブルマや、師匠の武道家である亀仙人や、兄弟弟子であるクリリン、同じサイヤ人のベジータなど、実に様々なキャラクターが登場します。
物語は悟空が少年だった頃から始まり、ストーリーが進むにつれて悟空も成長し、悟空の子供や孫も登場。その間、悟空や仲間達の前には、次々に強敵が現れます。ピッコロ大魔王やフリーザなど、いずれも最初は勝ち目のないような強敵なのですが、それに対抗するため修行をしたり、仲間達と力を合わせて戦ったりと、まさにジャンプのテーマである「友情・努力・勝利」を貫いた作品になっています。
長い漫画なので一気読みするには少し大変ですが、ジャンプといえばこの作品と言っても過言ではない代表作なので、未読の方はぜひ一度チェックしてみてください。
1979年、地球。地球防衛軍は、宇宙怪獣が地球に責めてくることを察知します。その数は百匹以上。しかも怪獣が地球に到達するまで、あと1時間しかないことが発覚します。
防衛軍は地球を守るため、スーパーヒーローのウルトラ兄弟や、アメリカのピーピーマンとスッパイダーマンに出動を要請しますが、いずれも温泉旅行に行っていたり、マントをクリーニングに出していたり、入院中だったりして出てこられません。他にもたくさんいるヒーロー達も里帰り中です。
そうしている間にも怪獣は迫ってきます。防衛軍の長官は困ってしまいますが、そんな時、ある1人のヒーローを思い出します。ウルトラマンに憧れて怪獣と戦うものの、いつも負けてばかりのドジなヒーロー。彼こそが、キン肉マンでした。
- 著者
- ゆでたまご
- 出版日
1979年から1987年にかけて連載されていたプロレス系格闘漫画で、作者ゆでたまごのデビュー作でありながら、今も絶大な人気を誇る代表作です。最初の頃の物語は、ギャグ要素が強く笑えるものも多くありましたが、物語が進むにつれてシリアスな展開も多く描かれるようになりました。
主人公のキン肉マンことキン肉スグルは、明るいお調子者ですが誰よりも正義感と友情に熱い、まさにジャンプの主人公らしい主人公です。そんなキン肉マンは正義超人、アイドル超人などとも呼ばれ、正義のために働く人の力を超えた力を持つ超人なのですが、同じように正義超人である仲間には、元人間でありながら超人にも負けないジェロニモなどが所属しています。
他に、残虐超人と呼ばれる殺し合いを楽しむ超人のグループには、中国拳法を使うラーメンマンや、ドクロ星からやってきた宇宙人のキン骨マンなど、実に様々なキャラクターが登場します。キン肉マンをはじめこれらに共通するのは、ジャンプらしい強いキャラクターであるということです。
全体的なストーリー性よりもその場での盛り上がりを重視しているので、長い連載期間の中では整合性の取れない部分もありますが、そういった細かいことよりも、キャラクターの魅力が最大限引き出されていることが、世代を超えた人気を誇っている理由かもしれませんね。
19世紀末のイギリス。貧富の差や食糧不足に悩まされながらも、産業と貿易が発展し、人々の生活も変わりつつありました。
ディオ・ブランドーは、病気で死にかけている父親から、自分が死んだらジョースター家に行き養子になるようにと言われます。父親は、貴族であるジョースター家は自分に恩があるのだと言い、そこに行って一番の金持ちになるようにとディオに言い残し、息を引き取りました。
その後、ディオは、父親の意志とは関係なく自分が一番の金持ちになると決め、ジョースター家を利用するつもりで父親の墓を後にしました。その後、ジョースター家の養子となったディオは、一族の跡取り息子であるジョナサン・ジョースターを陥れようと画策しますが……。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
1986年から2004年まで「週刊少年ジャンプ」に連載された後、2005年からは「ウルトラジャンプ」で連載されており、コミックスは100巻を超えている(2017年4月現在)長期連載の人気作品です。2004年までは少年向けの雑誌に連載されてはいましたが、その独特な世界観は「大人向け」とも評されています。初期の連載をリアルタイムで呼んでいた世代はもちろん、後にコミックスで読んだ世代など、幅広い世代の人に「ジョジョ」の略称で親しまれています。
全編を通しての主人公というものはおらず、物語が進むにつれて、1部、2部と大きく分けられ、そのたびに主人公や物語の舞台なども変化していく群像劇ですが、最初に登場するジョナサン・ジョスターやディオ・ブランドーの子孫であるなど、時代を超えた繋がりが描かれています。主人公が違うので途中の部から読んでももちろん楽しめますが、最初から読むことで、キャラクターの背景をさらに深く知ることができ、より楽しむことができるでしょう。
とても長い作品なので、読んでみようと思ってもどこから手をつけていいのかわからなくなることもあるかもしれません。そういった時は、主人公の変わるシリーズの節目から入ったり、あるいはアニメなどから入ってみたりするのもいいでしょう。他にもゲームや小説など様々なメディア展開がされているので、ぜひ自分にあった楽しみ方を探してみてください。
高校に入学したばかりの桜木花道は、赤い髪をした不良少年。中学時代には散々女の子に告白してはフラれるなど惚れっぽい性格ですが、その中の1人の女の子がバスケ部の男子を好きだったために、バスケットボールが大嫌いになっていました。
しかし、花道の188cmもある長身や運動神経の良さに目をつけたバスケットボール部主将の妹・赤木晴子に一目惚れしたことをきっかけに、薦められるままにバスケ部に入部することになります。バスケットボールに関しては初心者の花道でしたが、監督の安西光義らの指導の下、次第にその才能を開花させていき……!?
- 著者
- 井上 雄彦
- 出版日
1990年から1996年にかけて連載され、「スラダン」の通称で親しまれたバスケットボール漫画で、コミックスは全部で31巻で完結していますが、累計発行部数は1億2000万部を超えた大人気作で、1994年には小学館漫画賞少年部門を受賞した他、漫画史50年のコミックランキングでは第1位に輝きました。人気だけでなく、漫画の歴史にも大きな影響を与えた作品です。
主人公の桜木花道は、バスケットボール初心者なので、ルールも基本も知りません。しかもその荒っぽい性格でいつもトラブルばかり起こします。
そんな花道のライバルが、流川楓です。ライバルといっても、初心者の花道とは違い、中学時代からバスケットボールの世界では有名なスタープレイヤーでしたが、ひょんなことから花道が一方的にライバル視するようになったのでした。
バスケットボール漫画ではありますが、物語の序盤ではギャグ要素も強く、ストーリーが進むにつれてどんどん本格的なスポーツ漫画になっていきます。花道や流川がバスケットボールを通して成長していく姿にはもちろん感動させられますが、脇役まで丁寧にその背景や性格が描かれていることで、感動はさらに深くなっていきます。
様々な名台詞が生まれていることでも有名なので、キャラクターやストーリーを楽しむのはもちろん、お気に入りの台詞もぜひ探してみてください。
『スラムダンク』に関しては「漫画「スラムダンク」を徹底考察!名言・物語の続き?作者の才能、豆知識…」の記事で詳しく解説しています。
明治11年、東京の下町――。流浪人(るろうに)の剣客・緋村剣心は、流れ着いた町で、木刀を携えた少女・神谷薫に巷を騒がせている辻斬りに間違えられて襲われてしまいます。そこで剣心は自分の刀を見せ、誤解を解きます。剣心の持っていた刀は、普通の刀とは違い、峰と刃が逆になっている逆刃刀(さかばとう)だったのです。
その場は誤解を解いた剣心でしたが、そうしている間に本物の辻斬りが現れます。辻斬りは自分の事を「神谷活心流緋村抜刀斎(かみやかっしんりゅうひむらばっとうさい)」と名乗るのですが、薫は、神谷活心流は薫の道場の流儀であり、「人斬り抜刀斎」はその名前を語って辻斬りをしているのだと主張して……!?
- 著者
- 和月 伸宏
- 出版日
- 2006-07-04
1994年から1999年にかけて連載されていた作品で、アニメ化や実写映画化を始め、宝塚歌劇団によってミュージカル化されるなど、ジャンルを超えた幅広いメディア展開を見せています。「るろ剣」の愛称で、世代を超えて楽しまれています。
主人公の緋村剣心は、動乱の時代であった幕末に、維新志士の1人として多くの要人を殺害してきたことから「人斬り抜刀斎」と呼ばれていました。その名前は明治の世にも伝わり、伝説の人物として語られていますが、当の本人は明治の世になってからは「不殺(ころさず)」を誓い、弱い人のために逆刃刀を振るいながら旅を続けていました。
そんな剣心は、女ながらも神谷活心流という剣術同情の師範代を務める神谷薫をはじめ、元赤報隊の準隊士であり喧嘩屋の相良左之助、元士族の孤児でヤクザにスリをさせられていた明神弥彦など様々な仲間と出会い、その仲間を守るため、敵を殺さないことを貫きながらも強敵との戦いに身を投じていきます。
剣心を始めとしたキャラクターや設定、ストーリーは基本的にフィクションですが、新撰組が登場したり、明治という時代背景だったりは史実に基づいているものも多く登場します。ですので、そういった時代に興味のある方には、さらに物語を深く楽しむことができるではないでしょうか。
また、剣心の操る飛天御剣流が、敵の動きを先読みしたり目にも止まらない速さで動いたりすることもあって、バトルシーンはスピード感に溢れる迫力のあるものになっています。次々に現れる強敵達の多彩な技は、もちろん実際にできるわけではありませんが、読んでいるうちに何だか自分も練習すればできるのではないかと思ってしまう説得力があるのも、引き込まれてしまう理由の1つかもしれません。
15歳の黒崎一護の特技は、「ユウレイが見えること」。幽霊を見ることも触ることも喋ることもできるうえ、霊の憑きやすい霊媒体質の一護は、物心ついた時から普通の人間のように幽霊を見ながら育ちました。
ある日、そんな一護の部屋に現れた黒い着物に刀を帯びた少女が現れます。少女は自分のことを死神と名乗り、ソウル・ソサエティという場所からホロウと呼ばれる悪霊を倒しにやってきたのだと言いますが……!?
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
2001年から2016年に渡って連載され、2004年には小学館漫画賞少年向け部門を受賞した作品です。テレビアニメや劇場版アニメをはじめ、ゲームやミュージカル、小説などさまざまなメディアに展開され、その人気の高さを証明しています。
主人公の黒崎一護は、元来より強い霊感を持っていましたが、死神の少女・朽木ルキアと出会ったことをきっかけに、死神として覚醒、戦いへと身を投じていくようになります。一護やルキアの他にも、一護の同級生である井上織姫や、ルキアの幼馴染で死神である阿散井恋次など、個性的なキャラクターが数多く登場。主人公以外のキャラクターの人気がとても高いのも本作の特徴で、特に人気の高いサブキャラクターが主役になった劇場版アニメも作成されました。
10年以上の連載でコミックスは全部で74巻と長編漫画ですが、その長い物語の中には伏線も多く張られています。物語はいくつかのシリーズで構成されていますが、物語の全体に張られた伏線に後から気がつくことも多く、長くて途中で飽きてしまうどころか、長い物語を一気に読みたくなってしまうでしょう。長い間謎だった伏線がどのように回収され、結末を迎えるのか、ぜひ手に取って確認してみてください。
忍者達が住む木の葉の里。そこで暮らす忍者学校の生徒・うずまきナルトは、毎日のようにイタズラをくり返す問題児でした。学校でも成績の悪いナルトは落ちこぼれで、教師のイルカはいつも振り回されていました。
ある日、ナルトは忍者学校の卒業試験に挑みますがうまくいかず、たった1人、試験に落ちてしまいます。どうしても学校を卒業したかったナルトは、会得すれば卒業できるという術が封印されているという封印の書を持ち出してしまい……!?
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
1999年から2014年に渡り連載され、コミックスは全72巻もある大長編漫画です。世界的にも人気が高く、本作を原作としたアニメは80ヵ国以上で放映されたり、「世界が尊敬する日本人100」という特集では主人公のうずまきナルトが選ばれたりするなど、日本に留まらない高い人気を誇っています。本編は既に完結していますが、ナルト以外のキャラクターを主人公にした番外編が発表されたり、ナルト達主要メンバーの子供が登場する新シリーズが作成されたりするなど、その人気は衰えることを知りません。
本作の見どころは、主人公のうずまきナルトをはじめ、ナルトのライバルで名門の家出身のうちはサスケ、ナルトの片思いの相手であるくノ一の春野サクラ、そして彼らの上司である天才忍者はたけカカシなど、敵や味方関係なく次々に現れる魅力的なキャラクターと、そんなキャラクターが繰り広げる忍術バトルです。
特にナルトは、忍者の学校にいた頃から落ちこぼれで、そのうえその生い立ちから周りに嫌われ、孤独な幼少期を送っていました。そんな決して恵まれているとはいえない環境を自分の力で跳ね除けて強くなっていくナルトの姿に、強い印象と勇気を与えられる方も多いのではないでしょうか。
その一方で、ナルトのライバルであるサスケとの関係など、仲間との友情や絆などもしっかり描かれている場面では、思わず涙を誘われるような感動するシーンもあります。長い物語の中で飽きることなく読み進めることができるのは、その設定の魅力はもちろんのこと、何よりキャラクターの魅力によるところが大きいでしょう。そのキャラクターが成長し、どのような結末を迎えるのかを、ぜひ手に取って確認してみてください。
全国共通模試で常にトップを取るほど優秀な高校生・夜神月(やがみらいと)は、ある日、校庭に落ちていた一冊のノートを拾います。ノートの表紙には、「DEATH NOTE」と書かれており、中には「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」と書かれていました。
最初は悪戯だと思っていたライトでしたが、ニュースで報道されていた立てこもり犯の名前を書きこんだところ、本当にその犯人が死亡してしまいました。デスノートが本物であることを確信したライトの前には、死神のリュークが現れ……。
- 著者
- ["大場 つぐみ", "小畑 健"]
- 出版日
- 2004-04-02
2003年から2006年にかけて連載された作品で、デスノートを使い世の中から犯罪者を消そうとしている夜神月と、それを阻止しようとする名探偵のLらを中心としたサスペンス漫画です。「このマンガがすごい!」では、2006年と2007年に連続して2位を獲得しました。アニメ化をはじめ、映画化、テレビドラマ化、舞台化などもされた人気作です。
物語の魅力は、何といってもライトやLの繰り広げる頭脳戦です。ライトは、警察庁幹部である父も一目置くほど優秀な頭脳を持っています。自分に対しても強い自信を持っていますが、それらは徹底的な努力に裏付けられているものでもあります。対する探偵のLは、「世界一の探偵」などと呼ばれ、世界中の警察に影響力を持っています。
ライトは主人公でありながら、デスノートという人智を超えた力を使い、大量の人を殺害。しかも、物語が進むにつれてその性格はだんだんと歪んでいきます。それでもライトに魅力があるのは、ライトの「新世界を作る」という正義感に何かしらの共感を得る方が多いからかもしれません。
コミックスは12巻で完結しているため、一気読みしたい時も割と気軽に手を出すことができるでしょう。ただ、頭脳戦を中心としたサスペンスという特徴もあり、気軽に読むというよりは割と頭を使いながら読む漫画なので、ガッツリと物語を楽しみたい方にオススメの作品です。先の読めないサスペンスを読みたい方は、読んで損することは決してありませんよ。
『デスノート』に関しては「「デスノート」をまた読み返したくなる5つの考察!【最終回ネタバレ注意】」の記事で詳しく解説しています。
犬鳴警察署で刑事として働く内海俊夫は、キャッツアイという女怪盗を捕まえるため、狙われている絵画のある美術館に張りこんでいました。しかし、あと5分で予告時間だという時、内海は同僚の刑事と共に急激な眠気に襲われ、眠りこんでしまいます。そうしてその隙にまんまと絵画は盗まれてしまったのでした。
キャッツアイを取り逃がした挙句、絵画も盗まれて上司から大目玉をくらってしまった内海は、恋人の来生瞳(きすぎひとみ)が働いているカフェにやってきます。そのカフェの名前は、「CAT’S EYE」。そこで働く三姉妹・泪、瞳、愛こそ、女怪盗キャッツアイだったのです……!
- 著者
- 北条 司
- 出版日
- 2005-10-15
1981年から1984年にかけて連載された後、1985年には番外編が雑誌に掲載されるなど、高い人気を誇った作品で、テレビアニメをはじめ映画やラジオドラマなどにもなっている人気作です。怪盗キャッツアイの活躍はもちろん、キャッツアイを逮捕しようとしている刑事と怪盗の恋愛ストーリーも描かれています。
主人公であり刑事の内海と交際をしているのは、キャッツアイである三姉妹の次女の瞳です。抜群のプロポーションと勝気な性格、運動神経も良く盗みでも中心的な存在。怪盗の活動に対してはかなりの覚悟を持っている様子が描かれています。反対に、三姉妹の末っ子である愛は、盗みを遊びのように楽しんでいる節があったり、子供っぽくヘソを曲げたりする性格。しかし機械に詳しく、盗みの時に使う道具は主に愛の発明品です。そんな2人の姉で三姉妹の長女の泪は、妖艶な大人の女性として描かれていますが、恋愛にはあまり興味がなく、盗みの時は妹2人に指示を出すリーダー的存在です。
少年誌にしては絵柄も大人っぽく、メインの男性キャラクターである内海より、怪盗キャッツアイの鮮やかな手際の方が気持ち良く描かれています。基本的には1話完結で物語が進んでいくので、コミックスの途中から読んだとしても、話が全く繋がらないということはなく、読むことができるでしょう。
2010年にはリメイク作品として、三姉妹の末っ子である愛を主人公にした「キャッツ・愛」という作品も発表されているので、「キャッツアイ」で愛を好きになった方は、そちらもぜひチェックしてみてくださいね。
椚ヶ丘中学校3年E組。そこでは毎朝、礼の号令と共に銃声が響き渡ります。なぜなら、生徒達はみんな暗殺者、そして暗殺の対象はE組の担任であるタコ型の超生物……。
事の始まりは、E組が3年になったばかりの頃、月の約7割が爆発したことでした。その月を爆破したのがタコ型の超生物であり、その生物は次の年の3月には地球も爆破すると宣言したのです。地球を守るために国は超生物の暗殺を決定しますが、超生物の動く速度は最高でマッハ20もあり、最新式の戦闘機でも歯が立ちません。
しかし、それではおもしろくないと、超生物は何故か椚ヶ丘中学校3年E組の担任ならやってもいいと提案します。その提案を承諾した国は、E組に対して成功報酬100億円を約束し、生徒に対して油断しきっている超生物の暗殺を依頼したのですが、椚ヶ丘中学校のE組は、「エンドのE組」と呼ばれ、校舎も隔離されるほど差別された脱落組で……!?
- 著者
- 松井 優征
- 出版日
- 2012-11-02
2012年から2016年にかけて連載されていた作品で、タイトルには物騒な単語が使われているものの、内容はサスペンス要素を含みながらもコメディ色の強い漫画になっています。アニメ化や実写映画化などもされている人気作です。
E組の担任であるタコ型の超生物は自らの名前を名乗っておらず、その後、生徒の1人である茅野カエデによって、殺せない先生という意味で「殺せんせー」とニックネームをつけられ、他の生徒にもそう呼ばれるようになりました。
月を爆破できたりマッハ20で移動したりして生徒達の暗殺を軽々とかわしている殺せんせーですが、その一方で女子生徒をランキング化したり勉強の教え方がうまかったり、お調子者の教師のような人間くさい面もあります。
一方、E組の生徒達は成功報酬の100億円につられて、突拍子のない暗殺話でありながらも様々な方法で殺せんせーを暗殺しようと試みますが、最低ランクで差別されている落ちこぼれとしてのコンプレックスを抱えています。そんなコンプレックスを抱えた生徒達が、暗殺を通して謎の超生物と交流し次第に成長していく姿は、当初の設定からは予想できない感動を覚えることもあるでしょう。
突拍子もない設定やコメディタッチの描写からは予想できない展開を、ぜひ手に取って確認してみてください。
転校続きで友達のいなかった藤山起目粒(ふじやまおこめつぶ)は、わかめ高校への転校をきっかけに友達を作ることを密かに決意していました。編入したクラスメイト達は良い人達ばかりでしたが、その中の1人、花中島マサルは、クラスメイトをはじめ教師からも「変態」と恐れられている人物でした。
急な編入だったために3ヵ月近く休んでいるという花中島マサルの席に着いた藤山でしたが、そこにおかしな歌と共に3ヵ月ぶりにマサルが現れて……!?
- 著者
- うすた 京介
- 出版日
- 2015-04-17
1995年から1997年に連載されていたギャグ漫画。タイトルに「外伝」とありますが、あくまでも本作が本伝です。タイトルからいきなりギャグのセンスを感じますね。本編では、セクシーコマンドーという独自の格闘技を使う格闘漫画と、同じジャンプの作品である『キン肉マン』などのパロディも絡めたギャグとが混じりあった独特なセンスの漫画です。
様々な格闘技を身につけセクシーコマンドー部を設立した花中島マサルは、彼と一緒のクラスというだけでクラスメイトまで周りから変態扱いされてしまうほどの変態で、ヒゲマニアという一面もあります。そのマサルに、教科書の偉人にヒゲの落書きをしていたのを見られたのをきっかけに気に入られたのが、転校生の藤山起目粒(フーミン)。変態のマサルとは反対にあくまでも常識人なのですが、他のクラスメイト同様、マサルと一緒にいることで変態扱いされてしまいます。
他にも、元空手部の部長マチャ彦や、いじめられっ子でひ弱なキャシャリンなど、個性豊かなキャラクターが登場します。そんなキャラクターが縦横無尽に活躍する作品の内容も、かなり突拍子がありません。そんな突拍子のなさの中心にいるのがマサルなのですが、それを親友であり比較的常識人なフーミンがうまくまとめながら説明してくれるというわかりやすさもあり、読者はいつの間にか物語に引き込まれてしまうでしょう。
ちなみに、本編には1部と2部が存在しますが、2部は最終回の1話のみになっています。構成まで突拍子のないギャグ漫画を、ぜひチェックしてみてください。
強い法力を持つ僧侶・玄じょうは、旅の途中、町一番の暴れ者で1億円の懸賞金をかけられている山田太郎と、その育ての親であるじじいとばばあに出会います。じじいとばばあは子供が欲しいと願い、雷と共に落ちてきた山田太郎を育てたものの、太郎のあまりの凶暴ぶりに困り果て、神様に引き取ってくれるように願っていたのでした。
そこへ偶然やって来た玄じょうを神様と間違え、太郎を引き取ってくれるように頼みます。じじいとばばあの頼みを引き受けた玄じょうは、ついに戦闘状態へと入って……!?
- 著者
- 漫 画太郎
- 出版日
- 2009-05-19
1990年から1992年にかけて連載された作品で、そのタイトルからも想像できるように、「西遊記」のパロディ的作品となっています。玄奘三蔵法師のパロディであるキャラクターが玄じょうという名前であるのに対し、孫悟空のパロディであるキャラクターが山田太郎という名前なのは、同時期に「ドラゴンボール」が連載されており、その主人公が孫悟空であったためと言われています。
懸賞金を1億もかけられている山田太郎は、玄じょうとの戦いによって力を失い、その後は凶暴な見た目も小さなサルのようになり、玄じょうと共に旅に出ることになります。ギャグ漫画なのでもちろん笑えるストーリーではあるのですが、その展開は全く予想ができません。下ネタと暴力が満載であるにも関わらず、とにかく笑えてしまいます。
常に予想の斜め上を行き、そのうえでさらにカオスともいえる進み方をするので、意味やストーリーなど考えるヒマもなく、ただ勢いで読み終えてしまうのがこの漫画の魅力です。とにかく読んだら忘れることができない迫力と衝撃があるので、インパクト最大の漫画を読みたい方はぜひチェックしてみてください。
1990年のアフリカ。そこはまだ動物達の楽園でした。そんな大陸と動物のため、勇者のターちゃんは、弟子の空手青年ペドロや、マウンテンゴリラでターちゃんの格闘技の師でもあるゴリさん、そして妻のヂェーンと共に、ジャングルの平和を守るために密猟者達と戦う日々を送っていました。
そんなある日、いきなりターちゃん宛てに送られてきた招待状。それは、異種格闘技のオープントーナメントのもので……!?
- 著者
- 徳弘 正也
- 出版日
- 2009-10-16
1988年から1990年まで連載された後、1990年から1995年までは、タイトル「新」が付く形で連載されました。「新」のついていない初期の頃の作品はギャグ漫画で、ターちゃんのタイトルからも分かるように、「ターザン」のパロディ色が強く前面に押し出されていました。その後、「新」が付いた後は、ギャグ漫画としての要素は残しつつも、シリアスな展開のストーリー漫画としても描かれるようになりました。
主人公のターちゃんは、赤ん坊の頃にサバンナに捨てられていたところを、チンパンジーに育てられ、成長した後は、チーターよりも早く走るなど人間離れした身体能力を誇り、「ジャングルの王者」の異名を持つようになりました。そのターちゃんの妻であるヂェーンは、元トップモデル。17歳の時にターちゃんと出会い結婚した後は、恐妻としてターちゃんと共に暮らしています。他にも、ターちゃんを育てたチンパンジーのエテ吉や、ターちゃんの格闘術の師匠であるマウンテンゴリラのゴリさんなど、様々な個性的なキャラクターが登場します。
ギャグ要素では下ネタも多く、ちょっとエロティックな場面には思わず少年心をくすぐられてしまう方もいるかもしれません。一方、次々に現れる強敵に対し、ターちゃん達も修行をして強くなっていくという展開は、まさにジャンプの王道。作者自身、少林寺拳法を趣味としており、そのためかバトルシーンは非常に迫力があり、読んでいてハラハラさせられます。かっこいいバトルシーンを読みたい方はもちろん、エロも下ネタも楽しみながら自然との共存まで考えさせられてしまうおおらかな作品です。
筒井雪隆(つついゆきたか)は、高校入学を機に1人暮らしを始めることになり、ワクワクした気分で新しいアパートにやって来ました。しかし、新しい部屋のドアは何故か鍵が開いており、さらに運び込まれていた荷物が全てほどかれていました。母親が勝手にやったのかと思う雪隆でしたが、部屋の中にいたのは見知らぬ男。何者かと尋ねると、男は宇宙船が墜落してやってきた宇宙人だと言います。
当然、そんな話は信じられない雪隆ですが、一昨日の夜、近所には確かに隕石らしきものが落ちて、ニュースはその話題で持ちきりになっていました。それでも雪隆は男が宇宙人だとは信じられないでいますが、男の持っていたコントローラーのようなものをいじっていると、突然、隕石らしき例の落下物が大爆発したとニュースが流れて……!?
- 著者
- 冨樫 義博
- 出版日
- 1996-03-04
1995年から1997年に渡って連載された作品です。連載媒体はもちろん「週刊少年ジャンプ」なのですが、作者がアシスタントを使わなかったことから、連載は月に一度、実質月刊誌のペースで連載されていました。
作品の冒頭から、「現在、地球には数百種類の異星人が行き交い生活している。気づいていないのは地球人だけなのだ………」と書かれているように、宇宙人が登場するなどオカルト要素の強い、オムニバス形式のSFファンタジー漫画になっています。
物語の最初、雪隆の前に現れる宇宙人・バカ王子は、ドグラ星という星の第1皇子です。その頭脳の優秀さは宇宙一とさえ評されていますが、性格は非常に悪く、初対面の雪隆が苦悩する姿を見て楽しむなど、他人が苦しむ姿を見ることを趣味としています。その趣味のために周りに悪戯をして、結果としてそれが物語を進める重要な役割になっていくのです。
オムニバス形式の作品は、もちろん共通するキャラクターが登場するなど同じ世界観を共有してはいますが、その雰囲気はかなり異なります。バカ王子が登場する地球襲来編や、高校野球の地区予選大会を勝ち進む度に怪奇現象が起こる高校野球地区予選編、さらに同級生が喰われてしまうという食人鬼編では、思いもかけない結末が待っています。
コミックスは全3巻と少ないので、手軽に一気読みすることもできます。少しでも気になった方は、ぜひ予想ができないそれぞれのストーリーの結末を、手に取って確認してみてください。
高校2年生の瀬戸一貴(せといちたか)は、同じクラスの葦月伊織(よしづきいおり)に片想いしていましたが、好きな女の子を前にすると自分の気持ちを悟られまいとして、つい思っていることと逆の行動をするという癖のために、伊織に告白するどころか嫌な態度ばかり取り、誤解されていました。
ある日、伊織はグラビア雑誌に出たことをきっかけに、学校の男子生徒から好奇の目で見られ、からかわれるようになってしまいます。伊織をからかう男子に腹を立てた一貴は男子生徒に立ち向かっていきますが、かえってそれが周りの誤解を招くことになってしまい……!?
- 著者
- 桂 正和
- 出版日
1997年から2000年まで連載されていた漫画で、少年向けの恋愛漫画になっています。累計発行部数は1000万部を超え、ノベライズ化、OVA化、ゲーム化などもされた人気作です。
単行本は全部で15巻ですが、全編を通して主人公の一貴目線で描かれているため、主人公のわからないことは読者もわかりません。そのため、他の作品にあるような主人公は知らないけど読者は知っているという現象は生まれず、そういった点でのハラハラ感はありませんが、一貴へより深く感情移入することができます。
特に同世代の少年にとっては、好きな人を前にすると好意とは逆の態度を取ってしまう、好きな人で様々な妄想をしてしまうなど、共感できる部分がおもしろおかしく描かれているので、読み進めているうちについ物語に引き込まれてしまうでしょう。
その共感性が本作の最大の魅力ですが、一貫した視点から可愛い女の子と恋愛していくという点は、ギャルゲームのような面白さもあります。ゲームをするような感覚で読める漫画として、ぜひ楽しんでみてください。
『I"s』(アイズ)に関しては「『I’'s』(アイズ)ヒロインの可愛さネタバレ紹介!ドラマ化の名作漫画」の記事で詳しく解説しています。
いかがでしたか? 数あるジャンプ作品の中でも、ここでご紹介した作品は絶大な人気を誇ったり、漫画史に残る名作だったりします。多くの作品の中で読む作品に迷ってしまったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。