「男の娘」とは、女の子の格好をした可愛い男の子のことです。そんな男の娘が登場する漫画には、ギャグからシリアスまで様々あります。今回は、男の娘が登場する漫画の中でも特にオススメの作品を10冊ご紹介します。
運動も勉強もできるイケメンな槙は、高校受験の合否発表の日に、藍川絆と出会います。可愛らしい少女姿の絆でしたが、彼女(彼)は何と男の子でした。
いわゆる男の娘である絆に何かとからかわれるようになった槙は、すっかり翻弄されてしまうのですが……!?
- 著者
- 松本 トモキ
- 出版日
- 2009-08-22
高校を舞台に繰り広げられる文武両道のイケメン男子と、小悪魔的な男の娘を中心にした学園ラブコメです。基本的にギャグ要素の多いドタバタコメディですが、絆に振り回されつつも何だかんだと絆と一緒にいてしまう槙のティーンエイジャーらしい葛藤もあり、一気に面白く読むことができます。
絆は、容姿はもちろん声も性格もほとんど完全に女の子で、ひょっとすると男の娘であることを忘れてしまうくらいです。それは槙も一緒なのですが、絆はちゃんとそのこともわかったうえで、槙をからかってきます。
例えば、槙が絆の胸を触ってしまった時に本当は恥ずかしくないのにわざと恥ずかしがってみたり、自分のスカートを居眠りしている槙の顔にかけてみたりと、何かと絡んでくるのです。実際、絆が「男」であることが明確であるようなないような、という雰囲気なので、ふと本当に性別というものがわからなくなることもあるかもしれません。
王道学園ものと男の娘ものが好きな方はぜひチェックしてみてください。
『プラナス・ガール』に関しては「『プラナス・ガール』が無料!男の娘漫画の名作を最終回までネタバレ紹介!」の記事で詳しく解説しています。
まりか、パウロ、ユイの3人は、インターネット上の女装コミュニティを通じて仲良くなり、オフ会を開催することにしました。しかし、実際に会ってみると、好きで女装をしているというのはまりかとパウロの2人だけで、ユイは好きで女装をしているのではないと言います。
ユイは、2人に向かって「キモい」と言い放ち、そのまま去ってしまいます。その後も音信不通になってしまったユイでしたが、ある日、まりかは入学した中学校でユイと再会して……。
- 著者
- ふみふみこ
- 出版日
- 2012-08-10
3人の男の娘の交流や心の葛藤を描いた人間ドラマ作品です。まりか、パウロ、ユイというのはコミュニティでのハンドルネームで、それぞれ本名は、青木裕太、田村修、木島亮介と言います。3人はそれぞれ女装をしている理由があり、それが本作でのポイントです。
裕太は、性同一性障害で、体は男ですが心は女。当然、性格も女の子ですが、成長に伴い否応なく男になっていく体に葛藤することに。修は体も心も男ですが、同性が恋愛対象。交際相手に女装するように言われたために女装をしていました。
そして亮介は、亡くなった姉の代わりをするために女装をしています。姉を亡くしたことをきっかけに精神を病んでしまった母のために女装をしていたのです。
それぞれがそれぞれの事情と気持ちを抱えながら、それでも女装という共通点を介して交流を深めていき、それは次第に友情を超えた気持ちへと深まっていきます。しかし、それがまた3人の気持ちに複雑なものを抱えさせることになるのです。
中にはやや重ための展開もありますが、それでも3人の関係がどうなっていくのが気になって目を離せません。3人の心と恋の行方がどうなっていくのか、物語は完結しているので、ぜひその結末を手に取って確認してみてください。
『ぼくらのへんたい』に関しては「『ぼくらのへんたい』が無料!切なくて泣ける隠れた名作を全巻ネタバレ紹介!」の記事で詳しく解説しています。
天原雪乃は、女装癖のある女装男子。しかも、その可愛さから学校公認の存在で、毎日女装して学校へ通っています。そんな天原の幼馴染の月野は、毎日のように天原から女装を迫られて困っていました。天原は自分が女装をするだけでなく、気に入った男子を男の娘にするという趣味も持っていたのです!
ある日、困り果てた月野は、一度だけ女装すれば天原も満足するかもしれないと思い、女装する約束をしますが……!?
- 著者
- ひな姫
- 出版日
- 2013-02-22
あまりの可愛さに周囲からもすっかり受け入れられている男の娘・天原雪乃を中心に、話数を重ねるごとに男の娘が増えていく1話完結タイプのオムニバス漫画です。
天原は自らが男の娘になるだけでなく、自分の気に入った男子を男の娘にするという趣味も持っています。なかでも幼馴染の月野には容赦がなく、色々な意味でギリギリのラインを責めていました。
ストーリーは基本的に、天原がターゲットを男の娘にすることではあるのですが、その過程でターゲットにされた男子達の悩みを天原が解決する、という流れが基本。悩みは、勉強がうまくいかないとか、友達が自分の悪口を言っているのを聞いてしまったとか、八方美人な自分が嫌いとか、そういった可愛らしいといえば可愛らしい悩みです。
もちろん本人にとっては深刻で、そういった悩みを天原は女装を通して解決していくという、思いがけずちょっと感動してしまう部分もあります。しかし、やはりメインは男の娘。回を重ねるごとに男の娘が増えていくので、いろいろな男の娘を1冊で堪能することができますよ。
一弘は、恋をしてはフラれをくり返している普通の男子高校生。そんな恋多き一弘は、ある日、電車の中で1人の少女に出会い、一瞬で恋に落ちてしまいます。彼女のことを忘れられない一弘はとうとう思い切って告白をするのですが、何と彼女――漣は、男の娘で……!?
- 著者
- 神吉
- 出版日
- 2011-10-20
男の娘ならではの切なさが描かれた胸キュンな男の娘漫画です。主人公の一弘は、もともと男子や男の娘が好きというわけではなく、女の子に恋をする普通の男子高校生です。そんな一弘が一目ぼれした相手が実は男の娘で……というところから、物語は始まります。
まず、ちょっと意外かなと思えるのは、一弘が漣のことを知った後のことです。一弘は、漣のことを女の子と思って告白したのに、実は漣が男の娘だったという事実を知った後も、その恋心は変わりません。そして付き合うことになります。このあたりは、一弘のカッコよさを表しているシーンと言えるでしょう。
もちろんヒロインである漣の魅力もたくさん描かれています。漣は、見た目の可愛さを武器にちょっと小悪魔的に振る舞うこともありますが、交際相手となった一弘に対しては揺れる乙女心を抱いています。
男の娘であるがゆえの葛藤なども描かれ、思わずキュンとしてしまう切なさのあるストーリーも魅力的です。男の娘ならでは切ない胸キュンストーリーを読みたい方は要チェックの1冊です。
高校に入学した越智裕也が振り分けられたクラスに行くと、男子が座る列の席に1人の女子が座っていることに気が付きます。先生に名前を呼ばれた彼女の名前は、和泉重光。そう、彼はいわゆる男の娘だったのです。
- 著者
- 篠原 知宏
- 出版日
- 2015-10-19
純粋なスポーツ男子の主人公と中身は男だけど見た目は可憐過ぎる男の娘をメインに繰り広げられる男の娘ラブコメディです。主人公の越智裕也は、水泳推薦で高校に入学するくらいのスポーツ男子で、性格も純粋な男の子です。
そんな裕也とクラスメイトになったのが和泉重光で、彼はいわゆる男の娘。彼の存在は中学から通っている生徒達にとっては当たり前のようで、先生からも「今時珍しくない」と言われるほど。しかし、新しく入学してきた裕也にしてみれば、とにかくかわいい見た目に気持ちは揺さぶられてばかりです。
重光が男の娘をやっているのは、男性恐怖症の双子の妹を怖がらせないためという理由からでした。そのため重光自身はエロ本に興味を示すなど中身はしっかり男の子。そのギャップが余計に裕也を翻弄します。
エロティックなところもありますが、青年漫画のエロというよりは少年漫画のエロという感じで、ライトに読むことができます。男の娘と男の子の青春ラブコメを読みたい方はぜひチェックしてみてください。
男子高校生の南は、ある日、部員募集の張り紙の中に「魔法少女部」というチラシを見つけます。魔法少女にコスプレした美少女がいっぱいいる部活なのでは……!? と思った南はさっそく部室を訪れます。
しかしそこは、実際に魔法少女になってしまうという部活で……!?
- 著者
- 香椎 ゆたか
- 出版日
- 2017-07-05
ある日、男子高校生が魔法少女になってしまうという男の娘漫画です。主人公の南は、コスプレ美少女に会えるかも! という男子高校生らしいノリで「魔法少女部」の門を叩きました。
しかし、そこにいたのは魔法少女オタクであり謎の技術を持った部長で、彼女の技術により南は「魔法少女」に変身してしまうという部活だったのです。もちろん服装だけではなく、体もしっかり女の子。ただし、南の感覚や心は男の子のままらしく、女の子の体になった南はちゃっかり自分の体を触って楽しんだりします。
そんな彼には、幼馴染の女の子・かりんがいます。かりんは南のことが好きなので、女の子になってしまった南に戸惑ってしまいます。他の作品と違うところは、男の娘の南のヒロインが女の子のかりんであるというところ。ヒロインが女の子なので、普通のラブコメとしても楽しめる雰囲気があります。
南が体を触ったり写真を撮ったりとエロ要素もありますが、少年漫画らしい軽いタッチなのでそれほど生々しくもなく、明るいノリで楽しむことができるでしょう。コメディタッチな男の娘漫画を楽しみたい方はぜひチェックしてみてください。
鈴木真琴は普通の女子高生。片想いの相手だっています。しかし、片思いの相手である司は、何と真琴の「姉」にひと目惚れ! しかもその「姉」・晶は、実は「姉」ではなく「兄」で、いわゆる男の娘だったのです。兄がライバルになってしまった真琴の恋の行方は……!?
- 著者
- ["宮月 もそこ", "かさま ひろゆき"]
- 出版日
- 2014-07-25
男の娘の姉と妹、それに2人の女の子を加えた女子高生達の4コマ漫画です。鈴木真琴は普通の女子高生ですが、彼女にはある秘密があります。それは、彼女の兄が男の娘だということ。晶が男の娘という事実は、友達や家族以外に知らされていません。
とはいえ、晶自身はバレたらバレたでいいくらいのスタンスなのですが、片思い相手の司にだけはバレないようにと頑張っています。バレたら司に嫌われてしまうのではないかと思っているからです。
一方、そんな晶に想いを寄せるキャラクターもいて、幼馴染の朱音と、友達の翠です。晶に複雑な想いを抱えている彼女達の葛藤も絡み合いながら、物語は進んでいきます。人間関係はそれなりに複雑でちょっとシリアスにも思える部分があるのですが、作品の雰囲気はあくまでもハイテンションドタバタコメディ。
4人の女子高生(1人は男の娘)の日常がガールズトークのようなテンションで描かれており、笑いながら読むことができます。まずは気楽に手に取ってみてください。
高校生の海棠愁は、ある理由から親に転校を強制され、聖ストケシア学園へやってきました。男子校であることにテンションの下がっていた愁でしたが、実際に学校へ行ってみると、そこにはなぜか女子生徒の姿が。
不思議に思っていると、何と聖ストケシア学園では交代で半分ずつ生徒が女装をするのだと聞かされて……!?
- 著者
- すえみつ ぢっか
- 出版日
- 2012-12-20
男子生徒が半分ずつ女装をするという校則のある学校に転校してきた主人公の愁を中心にした、男の娘と学園ものが組み合わされた作品です。
愁の転校した学校・聖ストケシア学園では半分の男子生徒が常に女装をしている状態なわけですが、そんな男子達のために女装のコーディネートを担当する生徒がいます。それが八重崎ツバキという生徒で、女装した姿はものすごく可愛い女の子。ですが、中身は誰よりも男っぽく、カッコよかったりします。
そんなツバキに、愁は女装のことを教えられていくことになります。他にも、愁のクラス委員長で知的美人系の夏目葵、後輩でルームメイトの松雪冬馬など、愁の周りに集まるのは個性的なキャラクターばかり。笑えるポイントもたくさんありながら、同時に彼らの織りなすドラマ部分もしっかりと描かれており、学園ものとしても充分に楽しむことができます。
いろいろな男の娘をたくさん見ながらストーリーもしっかり楽しみたい方にオススメです。
19歳の櫟原由樹(いちはらゆき)は、容姿も言動も男みたいな女子大生です。愛称も本名のユキではなくヨシキと呼ばれていますが、実は女の子らしいことに憧れてもいました。
そんなヨシキが学内で密かに憧れていたのが、永尾未果子という女子学生。いつも可愛い服を着ている可憐な女の子です。
ある日、ヨシキは学外で未果子にそっくりな後ろ姿を見つけ声をかけますが、何とそれは同じ大学に通う男子学生・相葉佳人(あいばかいと)で……!?
- 著者
- 峰浪 りょう
- 出版日
- 2011-04-28
主人公のヨシキ、ヨシキの憧れでもある未果子、そして未果子の真似をして女装をしている相葉佳人の3人をメインに描かれた作品です。男の娘ものではありますが、それだけではなく、男のような女であるヨシキや、女らしい女であり女を売っている未果子と、少しずつ世間とズレているがゆえに葛藤し、悩みを抱える19歳の男女の機微が描かれています。
ヨシキと佳人は、佳人の女装をヨシキが知った日をきっかけに言葉を交わすようになり、仲良くなりました。一方、未果子は、19歳でありながら生活のために15歳と偽り、売春をしています。扱っているものが性的マイノリティであることもあり、割とはっきりとした性描写もあるので、苦手な方は注意してくださいね。
静かな筆致で描かれる19歳の揺れ動く気持ちや人間関係から生み出されるドラマはとても読み応えがあるので、ストーリー重視の男の娘漫画を読みたい方はぜひ手に取ってみてください。
『ヒメゴト〜十九歳の制服〜』に関しては「『ヒメゴト~十九歳の制服~』が心をえぐってくる。魅力を全巻ネタバレ紹介!」の記事で詳しく解説しています。
九州男児の坂本耕作は母を亡くして天涯孤独の身になってしまいました。母の遺言で耕作は母の友人であるという大空いばりを訪ねていきますが、そこは何と暴力団!
耕作は慌てて逃げようとしますが、そんな彼の前に現れたのは大空ひばりという美少女でした。ひばりにひと目惚れした耕作は勢いで大空家での生活を始めてしまいますが、美少女だと思っていたひばりは何と男の子で……!?
- 著者
- 江口 寿史
- 出版日
- 2009-07-16
1981年に週刊少年ジャンプで連載が始まった作品。少し古い作品ではありますが、その面白さは今読んでももちろん健在です。主人公の耕作とひばりを中心に繰り広げられるギャグは、笑いなしでは読むことはできません。
耕作は惚れっぽくていまいち頼りない雰囲気ではりますが、優しい性格で純粋なタイプです。一方、ひばりは、見た目は完璧な女の子ですが、大空家の長男というれっきとした男の子。大空家にはほかに3人姉妹がいるのですが、その中で耕作が最初に惚れてしまったのがひばりなのですから、耕作の気持ちも複雑なところです。
しかもひばりは、何かにつけて耕作に色仕掛けをしてきます。わざと耕作の布団に入ってきたり、挑発的な言葉を言ってみたり……男の子だとわかっていてもドキドキしてしまうことは請け合い。耕作も、ひばりが男の子だとわかってからは他の女の子を好きになるのですが、ひばりの色仕掛けに心が揺らいでしまうのです。
男の娘ものではありますが、まずギャグ漫画として面白いので、男の娘ものというジャンルに馴染みのない方でも抵抗なく読むことができるでしょう。男の娘漫画好きにもギャグ漫画好きにもオススメの1冊です。
いかがでしたか? 「男の娘」ものというと、馴染みのない方には少し手に取りにくい時もあるかもしれませんが、中には揺れ動く気持ちを丁寧に描いた人間ドラマものもあります。これまで興味のなかった方も、これを機会にぜひ一度手に取ってみてください。