平安時代の貴公子、光源氏が理想の愛を求めてさまよう『あさきゆめみし』。原作は誰もが1度は聞いたことのあるあの有名な『源氏物語』です。古典では読むのが難しいかもしれませんが、漫画となった本作はよりわかりやすく、面白くなっています。人生の悲喜こもごもが詰まった平安恋愛絵巻の魅力をご紹介しましょう。
紫式部が残した古典文学の傑作『源氏物語』を漫画化した本作。平安時代を舞台に、光源氏こと源氏の君が数多の女性とさまざまな恋愛をくり広げます。
恋をすることの素晴らしさはもちろん、嫉妬や別れの苦しみなどが繊細に描かれ、時に華やかで時に残酷でもある人生の浮き沈みが、味わい深い感動をもたらしてくれるのです。
また漫画だからこそ堪能できるのが、登場人物の麗しさや平安貴族の豪華な衣装や邸宅、そして盛大な宮廷行事でしょう。ページを開くだけで、百人一首や絵巻物のような華やかな世界に誘われます。
この記事では、各巻の魅力と見どころをお伝えしていきましょう。ネタバレを含むのでご注意ください。
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- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
- 2008-04-25
桐壺帝の第二皇子として生まれた源氏の君は、母である桐壺の更衣が亡くなると、後継者争いを避けるため臣下の身分に成り下がります。やがて美しく有能な若君に成長し、亡き母の面影を求めて多くの女性たちと愛し合うようになりました。
父である桐壺帝の後妻となり、彼の義母になった藤壺は、桐壺の更衣にそっくり。憧れを超えて禁断の関係を持ってしまいます。
その後藤壺が亡くなると、彼女の幻影を追い求めた源氏の君は、藤壺の姪にあたる紫の上と結婚。しかしそれでも満たされず、ほかの女性とも逢瀬を重ねるのです。
一見華やかに見える源氏の君の苦悩に満ちた人生に、多くの女性たちが巻き込まれていきます……。
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- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
源氏の君は、「光源氏」と呼ばれるほど優雅で美しい魅力を持った若者。さまざまな女性と華やかな恋をしていましたが、誰を相手にしても満足できないでいました。
父である桐壺帝の妻で、自らの義理の母でもある「藤壺の更衣」に強い想いを抱いていたのです。
藤壺への思いを募らせた源氏の君は、ついに一線を超えてしまいます。しかし彼女からは1度限りだと拒否をされ、その後彼は心の拠り所を失ってしまいました。
そんななか、田舎に出向いた彼は、「紫の君」という美少女に出会って衝撃を受けます。まだ幼さが残る雰囲気ですが、そこに藤壺の面影を見てしまったのです。紫の君に身寄りが無いと知ると、彼女を預かって育てることにしました。
1巻の見どころは、何と言っても源氏の君のモテモテっぷり。藤壺、葵の上、夕顔、六条御息所……彼と出会ってしまった女性たちはみな、運命を大きく狂わされていきます。
平安時代の貴族は一夫多妻が認められているので、複数の女性と関係を持つのは当然です。しかし彼は、ひたすら亡き藤壺を超える理想の女性を探し続けていて、無いものねだりの苦しい思いがミステリアスな魅力を醸しだしています。
そしてもうひとり注目したいのが、六条御息所。気高い貴婦人だった彼女は恋に狂い、嫉妬で夕顔を呪い殺してしまうのです。
その怨念は次巻以降もさらなる悲劇を巻き起こし、物語全体におどろおどろしい闇を漂わせます。
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- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
相変わらず色恋沙汰に熱心な源氏の君は、うっかりいろんなタイプの女性と関係を持ってしまいます。赤い鼻のせいで引っ込み思案な末摘花、60歳にして恋が大好きという源の典侍……出会ってしまったからには、面倒を見る律儀さと甲斐性を持ち合わせているのです。
正妻となった葵の上はプライドが高くて頑固な女性。結婚当初から2人の心はすれ違ったままでしたが、しびれを切らした源氏の君がちょっと強引に迫り、妊娠します。
するとその報せを聞いた六条御息所が、またもや自分でも制御できないほどの嫉妬にもだえ苦しむのです。
さらに、源氏の君が禁断の関係を持ってしまった藤壺もご懐妊。父親は桐壺帝ではなく源氏の君なのですが、これは隠しとおすしかありません。藤壺は難産の果てになんとか皇子を産み、中宮に昇格しました。
たった1度、関係を持ってしまったあまり、源氏の君はますます深い苦しみを抱えることとなるのですが、そんな彼を唯一救ってくれるのが紫の君の存在。まるで親子や兄妹のように、絵を書いたり楽器を演奏したりする姿は微笑ましいでしょう。
また、彼の悪友である頭中将(とうのちゅうじょう)との友情もユーモアたっぷりに描かれています。平安時代ならではの「青海波(せいがいは)」という優雅な舞や、勇ましい騎射など、貴族のたしなみに触れることができますよ。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
六条御息所は、葵祭での場所取りをめぐり、葵の上の家来たちに恥をかかされました。彼女の凄まじい怨念を受けた葵の上は、出産したばかりの夕霧を残して亡くなってしまいます。
憔悴した源氏の君が帰宅をすると、そこにいたのは目覚ましい成長を遂げた紫の君。まだ早いかなと思いつつ、待ちきれずに彼女を「紫の上」として妻に迎えるのです。
しかし悪いことは続くもの。以前から体調を崩していた父親の桐壺が逝去し、藤壺は源氏の君との関係を断ち切るように出家。さらに彼自身は敵対する右大臣家の姫と問題を起こして、謹慎となります。
子どもができたことでやっと夫婦らしくなりかけていた葵の上を失ったのも、本来は気高かった六条御息所を変貌させてしまったのも、すべて原因は自分……そう考えながらも、彼はまた問題を起こしてしまうのです。
寵愛していた紫の上とはようやく夫婦になることができましたが、彼女は大人の恋愛に戸惑っているよう。しかしこの後はすぐに女性らしくなるので、幼さの残る紫の上の姿はこの巻で見納めです。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
- 1983-05-01
謹慎生活に入った源氏の君は、京都に紫の上を置いたまま、わずかな家来を連れて須磨へと旅立ちました。そこでは明石の姫君と出会い、3年間をともに過ごします。
都へ戻るように連絡がきた時、明石の姫君は妊娠していました。彼女には変わらぬ愛を約束し、源氏の君は懐かしい都へと帰るのです。
そこで久々に再会した紫の上は、すっかり大人の女性になっていました。これまで以上に仲睦まじく愛し合うようになります。
そんななか帝が元服した東宮に位を譲ることになり、源氏の君は太政大臣に昇格。隠居先の伊勢で病死した六条御息所の娘・梅壺が、東宮の女御として迎えられました。
4巻でも相変わらず複数の女性を真剣に愛する源氏の君ですが、政治家として大人の対応も見せはじめます。藤壺ともようやく落ち着いて話せる関係になりました。
内密ではありますが藤壺と自分の息子である東宮が帝に即位したため、彼を支えていくことが藤壺との愛の証になっていくのです。
一方で紫の上は、本当は源氏の君をひとりじめしたいと考えているものの、表立って怒ることのない健気で聡明な女性に成長しています。幼いころから彼の恋愛好きを理解しているうえに、たくさんの女性がいても自分が1番愛されているという自信があったのです。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
源氏の君は、末摘花や花散里などこれまでお付き合いしてきた女性たちに、屋敷や生活費を用意していました。しかし明石の君は、紫の上に遠慮して別邸での同居に気が進まないようです。
そんな彼女を源氏の君は何とか説き伏せ、ひとまず娘の「ちい姫」を預かり紫の上に世話をさせることにしました。自分の夫がよそで作った女性の子どもを育てる……現代では到底考えられない状況ですが、これがまかり通るのが本作です。
そしてこの出来事は、紫の上を精神的に大きく成長させます。彼女は3年もの間源氏の君と過ごした明石の君に、ずっと嫉妬をしていました。それなのに明石の君は屋敷への招待を断り、可愛い子どもも将来を思って手放したのです。自分のつまらない嫉妬心を恥じ、ちい姫を育てるという目標をもって輝きはじめます。
しかしまた悲しい出来事が。藤壺が病に倒れ、亡くなってしまうのです。源氏の君は理想の女性だった彼女を失い、激しく嘆きます。
さらに事態は急展開。藤壺の世話をしていた僧侶が、帝に父親は源氏の君かもしれないと指摘するのです。
その後源氏の君は、帝から直接藤壺との関係を問われました。あわてて否定するものの、感極まった帝が「父上……」とつぶやくという切ないシーンです。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
六条御息所の娘である梅壺が、帝に正妻として迎えられ、「秋好中宮」と呼ばれるようになります。彼女の後見人である源氏の君の権力は、さらに高まりました。
源氏の君と葵の上の息子、夕霧は、幼なじみの「雲居の雁(くもいのかり)」とお互いに惹かれあっています。しかし2人は大人の事情で引き離されてしまいました。元服した夕霧は、自分の力で立派に出世してから雲居の雁を迎えにいくと近い、勉学に励むのです。
父親はあんなに奔放なのに、夕霧は真面目で健気、一途な少年に成長しているところが不思議ですね。
一方で源氏の君は、六条に新しい大邸宅を構えます。紫の上はもちろん今度こそ明石の君を迎え入れ、そのほか末摘花や花散里たちも一緒です。かつて1度だけ関係をもった夕顔と内大臣の間に産まれた「玉鬘(たまかづら)の君」も引き取りました。
しかし源氏の君の恋愛体質は相変わらず。当初は玉鬘の君を娘のように可愛がっていましたが、いつしか恋人のように愛しはじめてしまうのです。
現代では到底考えられませんが、豪華な屋敷や庭園に、美しい女性たちが集う姿は壮観です。 しかし女性たちの心中はやはり穏やかではありません。紫の上と明石の君をはじめ、彼女たちは切ない思いや嫉妬に身を焦がすことになります。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
玉鬘の君は源氏の君の求愛には応えず、粗野だけど実直な「ヒゲ黒の右大将」と結婚しました。源氏の君は多少の残念さを感じながらも、彼女の門出を祝います。
一方の夕霧は18歳になり、実力で中将という立派な地位を掴み取りました。内大臣にも認められ、雲居の雁とめでたく結婚します。
幼かったちい姫も大人になり、御所へと入内。明石の君も娘を支えるため、女房としてともに入内しました。
そして源氏の君は、40歳の節目を迎えます。準太上天皇という大変高貴な地位に登りつめたのです。
7巻では結婚や昇進が相次ぎ、すべてがうまくいきそうな幸せムードに包まれます。お互いを意識しすぎていた紫の上と明石の上は、ちい姫の入内で初めて顔を合わせ、相手の素晴らしさに息を飲むのです。ライバルでありながらも認めあう彼女たちの聡明さが印象的でしょう。
しかし、ようやく心穏やかな日々が訪れると思いましたが……それはもろくも崩れ去りました。源氏の君が先帝の朱雀院に頼まれ、三の宮という高貴な女性を妻として迎えてしまったのです。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
六条邸にやってきた三の宮は、かなりぼんやりとした、つかみどころのない姫君。紫の上は、源氏の君が変わらず自分を愛してくれることを信じてはいましたが、形式上は三の宮に正妻の地位を奪われてしまいます。
このままではいつになっても嫉妬心から逃れることができないと悟った彼女は、ついに心が折れて出家をすることを決意しました。
もちろん源氏の君は引き止めるのですが、紫の上は気苦労が重なり、病に倒れてしまいました。
さらに、こんな大変なことが起きている隙に、内大臣の長男である柏木が三の宮に強引に求愛をしています。しかも彼女は柏木になされるがまま密通し、なんと子どもまで身ごもってしまいました……。この事実を知った源氏の君は、激しい嫉妬で怒り狂うのです。
8巻では、とうとう紫の上が我慢の限界に達し、愛情を手放してしまいました。三の宮より愛されていることはわかっていても、それでも嫉妬をしてしまう自分自身に苦しんでいたのです。
ここで注目なのが、彼女を襲った病魔の正体が、あの六条御息所の怨霊だということ……。祈祷のおかげで怨霊は追い払うことができましたが、死してもなお強い想いを抱いている事実に、背筋が寒くなります。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
源氏の君は、柏木と三の宮の過ちを許すことができず、2人に冷たい態度をとります。いたたまれなくなった三の宮は、子供を産んですぐに出家してしまいました。そして心労が重なった柏木は、病に倒れあっけなくこの世を去ります。
源氏の君は残された子どもを「薫の君」と名付け、自分の子として育てはじめました。自分がしたおこないはすべて自分に返ってくることを思い知らされます。
柏木の友人だった夕霧は、彼の正妻である二の宮を心配して様子をうかがいます。しかしその気品ある美しさに心を奪われてしまい、情熱的な愛の告白をするのです。
夫を亡くしたばかりの二の宮は、一時は不快感を示して別荘にこもったものの、夕霧は諦めずに求愛を続け、強引に都に連れ戻して結婚してしまいました……。
あんなに一途で真面目だった夕霧。源氏の君からも自分みたいにはならないようにと言い聞かせられていたのに、こうも簡単に歯止めがきかなくなってしまうのかと衝撃的な展開です。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
夕霧の浮気に激怒した雲居の雁は、愛想を尽かして出て行ってしまいました。一方の二の宮も、人のうわさ話や批判にも晒され、心は重く曇ったままです。
愛する妻たちを苦しめてしまった夕霧は、激しい後悔に襲われていました。
一方、紫の上は盛大な法会を開催した後、源氏の君や友人たちに看取られてこの世を去ります。その後何かにつけて彼女を愛おしく思い出す日々を送った源氏の君は、自ら出家して山にこもり、静かに最期の時を迎えました……。
10巻はこれまでの思い出を振り返る集大成になっています。死を前に気持ちを整理した紫の上は、源氏の君に愛された幸せを胸に旅立ち、また残された源氏の君は、紫の上を知る女性たちと思い出を語り合うのです。
多くの女性たちがどれほど自分を愛してくれて、どれほど苦悩に耐えていたのかをようやく知り、感謝を胸に抱きました。
自由奔放に生きてきた彼ですが、すべてが浄化されていくような、荘厳に満ちた最期に心揺さぶられるでしょう。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
さて11巻からは、薫の君と匂宮の恋模様を描いた「宇治十帖編」がスタートします。薫の君は、柏木と三の宮の息子。匂宮は今上帝と明石中宮の間に生まれた皇子です。
2人は亡き源氏の君と並ぶほどの美男子として、人気を集めていました。真面目で控えめな薫の君と、奔放で明るい匂宮。性格が対象的な彼らは仲のいい親友でもあり、良きライバルでもあります。
物語は薫の君が都から遠く離れた宇治で、美しい皇女の姉妹を見初めたところから大きく動き出します。
皇族の父を持つ姉の大君と妹の中の君は、宇治でひっそりと暮らしていました。恋愛に疎かった薫の君は、大君と出会って焦がれるような恋に目覚めます。薫の君から宇治の姉妹を紹介された匂宮は、妹の中の君に強引に迫って結婚しました。
「宇治十帖編」では、華やかな都と豊かな自然に囲まれた宇治を行ったり来たりします。深い森の中の楚々とした屋敷に住む姉妹は、まるでかぐや姫のような神聖で純粋な存在です。
薫の君が秘密の美人姉妹を求めて遠路はるばる訪れるさまは、まるで恋の武勇伝のよう。ずっと秘密にしておけばいいものを、恋愛好きの匂宮に自慢してしまったことが大きな波紋を呼んでしまうのです。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
匂宮は中の君を溺愛していましたが、母君の意向で別の姫を正妻に迎えることとなりました。匂宮は母君をなんとか説得して、中の君を京都に招きます。間もなく彼女との間に子どもを授かり、幸せに包まれて暮らしていきます。
一方、薫の君に求婚されていた姉の大君は、重い病を患って急死してしまうのです。大君を理想の女性と崇めていた薫の君は嘆き悲しみ、帝から賜った内親王ともあまりいい夫婦にはなれませんでした。
薫の君の落ち込みようを見た中の君は、腹違いの妹である浮舟を紹介します。彼女は大君と顔がよく似ており、感激した薫の君は、浮舟を妻に迎えました。
12巻では薫の君が大君とこれからというときに、不幸に見舞われます。性格が真面目すぎて進展しなかった恋を悔やみますが、あとの祭り……。匂宮と結婚した中の君に心の依り処を求めようとするなど、非常に追い詰められていきます。
匂宮が薫の君と中の君の関係を疑う場面もあり、お互いの対抗意識が何とも言えない危うさを醸し出しています。
そして、そこに新たに登場したのが3人目の妹君、浮舟。しかし彼女もまた問題を巻き起こしていくのです。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
浮舟の姿を偶然見て一目惚れしてしまった匂宮。薫の君と結ばれていることを知りながらも、強引に関係を持ってしまいました。浮舟も浮舟で、薫の君とはまた違う匂宮の情熱的な愛に心奪われてしまうのです。
しかし2人の密通はすぐに薫の君にばれてしまいました。薫の君か、匂宮か……思い詰めた浮舟は、そのおとなしい性格からは想像もつかない行動に出るのです……。
最終巻では薫の君と匂宮、浮舟が三角関係に。2人の貴公子から思われているのに、浮舟はまったく幸せになれません。
どちらかを選べば、どちらかを裏切ることになる……相反する彼らの魅力が素晴らしすぎて、彼女には恋を楽しむ余裕がありませんでした。
さらに薫の君と匂宮の対抗意識が、より事態を悪化させることに。そして本作において最大ともいえる悲劇が起こってしまうのです。
恋の果てに何かを得た人もいれば、何かを失ってしまった人もいる……ラストは、穏やかな救いの光が差し込むような、趣深いものとなっています。
感動的な人間ドラマに、官能的な恋愛模様。『あさきゆめみし』には、いつの時代も変わらない恋愛と人生の喜怒哀楽がたっぷり詰まっています。魅力的な登場人物や複雑な人間関係を見ていると、現代の感覚でも共感してしまう場面が必ず出てくるはずです。優雅な平安時代の雰囲気と、壮大な人間ドラマをぜひ楽しんでみてください。1度読んだことがある方でも、あらためて読んでみるとまた新たな発見ができるかもしれませんよ。