【第10回】つぶやきシローのつぶやき読書/すべて遺伝のせいにできる本

【第10回】つぶやきシローのつぶやき読書/すべて遺伝のせいにできる本

更新:2018.4.6 作成:2018.4.6

小説家としてもデビューをしているつぶやきシロー。しかしどうやら、読書に対してはかなりの抵抗があるらしい。彼に「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。 記念すべき第10回は、2017年に新書大賞を受賞した、知りたくないのについつい読んでしまう本を紹介してもらいます。

つぶやきシロープロフィール画像
お笑い芸人
つぶやきシロー
栃木県出身。独特の栃木訛りであるあるネタをつぶやく。 Twitterでもあるあるネタをつぶやいている。フォロワー数は約99万人。 @shiro_tsubuyaki(https://twitter.com/shiro_tsubuyaki) 著書に、小説『イカと醤油』(宝島社)/小説『私はいったい、何と闘っているのか』(小学館)/絵本『つぶやき隊』(ティー・オーエンタテインメント)/絵本『みんなのつぶやき隊』(ティー・オーエンタテインメント)など。 テレビ東京「昼めし旅~あなたのご飯見せてください~」 ナレーション テレビ東京「テレビ野郎ナナーナ」声の出演(AD七山役) NHKBSプレミアム「世界ふれあい街歩き」ナレーション とちぎテレビ「満喫!とちぎ日和」 GANMA!アプリ「焼肉店センゴク」 声の出演(食べられた牛の亡霊ちゃん役) RCC「あなたの街のオモシロ動画SHOW!!拝啓、つぶ神さま」 声の出演 OPENREC.tv「マスタープンの泉」 声の出演
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言っちゃいけないと言われると言いたくなるよね。

僕の唯一やるゲーム、通称「ファミスタ」。
野球ゲームだ。Wi-Fiとかで知らない人との対戦も楽しめるそうだが、僕は常に「一人モード」でコンピューターと対戦している。
「コンピューターが5球連続フォークを投げてくるとムカつくね」って毎日ツイートしたいくらいファミスタにハマっており、もちろん野球好きだ。

一応中日ドラゴンズファンを公言させてもらっている。今年は何と言っても松坂選手が入ってきてくれた。キャンプの段階から中日の話題は松坂選手ばかりで、さすがスターは別格です。

これを書いているのはプロ野球の開幕前日なんだけど、僕はね、松坂選手に全盛期のピッチングを期待しているわけではないんだよね。実はバッターとしてどうかなって思っている。

大谷選手が二刀流で成功しているけど、松坂選手や前でいうと巨人の桑田選手が、もし二刀流に挑戦していたら、そこそこできちゃったんじゃないかと思っていてね。松坂選手は高校の時からバッティングいいのよ。だから代打の切り札的に起用しても面白いんじゃないかと。

最後にいろんな松坂選手を見せて有終の美を飾ってほしい。やっぱり見たいんだよ松坂選手を。
スターはいつまでたってもスターなんだよね。

そんなスターさんなんだけど、入団1年目のルーキーの年に、当時オリックスのイチロー選手と対戦し、3三振を奪った。「イチロー対松坂」と世間とマスコミに注目されている中で、松坂の完全勝利。

試合後のインタビューで松坂選手はこう言った。
「自信から確信に変わりました」
この名言は野球ファンの間ではとても有名で、今回の「松坂フィーバー」で久しぶりにテレビでこのシーンを目にしました。

でも、この名言の前にはフリがあります。実は松坂選手はこう言っていたんです。
「いまいち、今まで自信が持てなかったのが、今日で自信から確信に変わりました」

先に「自信はなかった」と言っているのに、「確信に変わった」って、無いものは変わりようがないじゃないか。矛盾しているじゃないか。

あれから18年、僕みたいにこの名言にツッコんでいる人を見たことがありません。
そんな揚げ足を取るようなことを、スターに言ってはいけないのです。

タイトル「言ってはいけない」

著者
橘 玲
出版日
2016-04-15

40万部突破のベストセラー本。
サブタイトルに「残酷すぎる真実」とあるが、引いちゃうほど残酷でもないかな。因みに著者自身は「不愉快な本」と称している。遺伝絡みの内容が多いイメージで、そうなんだーって怖いもの見たさで読めちゃう。

人種とIQについてのタブーや遺伝と犯罪率の関係、経済格差と知能格差など、言いにくいことを海外のデータをもとにわかりやすく書いてくれている。

いや~わかっちゃいたけど、知能とか才能はやっぱり遺伝子レベルで決まるのか~。あらためてショックだけど、遺伝のせいにできちゃう気楽さもあるよね。

東大に行けないのもオリンピックに出れないのもすべて遺伝のせい。数学の問題の意味が分からないのも、和菓子の「最中」を「さいちゅう」って読んじゃったのも、スキップがうまくできないのも、ブランコで靴を飛ばしたら何故か後ろに飛んじゃったのも、先生を「お母さん」って呼んじゃったのも、変なところに毛が生えてくるのも、毎朝生卵を割ると小っちゃい殻が入っちゃうのも、やたらと自分にだけハエが近づくのも、すべて遺伝のせいと思えば、あまり落ち込まなくてすむ。

ある意味、とても前向きな本だね。

お、次は「美人とブスでは経済格差は3600万円」だって。このタイトルは気になって読んじゃうでしょ。
美人は平凡な容姿の女性より8%収入が多く、ブスは平凡な容姿の女性より4%収入が少ないそうで、生涯年収にこれだけの格差が生まれるそうだ。

いいや、もっとだ。この本でも言ってないことを言ってやろう。3600万ってのは仕事の収入でしょ、美人はそれ以外の特典がすごい。

まず美人はお金を払う機会が少ない。美人は誘われるから高級な寿司を食べて男が払う。ブスは男に誘われないから水っぽいカレーを食べて自分で払う。しかも美人はモテるから常に彼氏がいる状態で生きている。複数の男と付き合っている美人なら格差は倍々ゲームだ。当然のように美人はプレゼントで高価なバッグをもらう。ブスはこけしを自分で買う。ブスは男に奢ってもらえないから自給自足なのだ。だから「お一人様」という優しい言葉がブスのために生まれたのだ。

さらに美人はイケメンの大金持ちと結婚する。ブスは定職に就かず酒飲みながらギャンブルばっかりやっている歯のない人と結婚する。
億違うね。億だよ億。

でも、自分の人生に満足している割合は、美人で約5割程度。あとの5割は美人に生まれても幸せと感じていないんだね。逆にブスに同じことを聞いたら、5割は自分の人生に満足していると答えているそうだ。ブスだからって自分を卑下することなんてない。頑張れブス! って僕もそうなんだけどね。

男のデータも出ていて、イケメンは普通の容姿の男より4%収入が多いんだって。そしてブサイクは普通の容姿の男より13%も収入が少ないんだって。なんか男の格差の方がひどいな。

確かにイケメンはオープンカーを乗り回してるけど、僕はタイヤの空気のあまいチャリだし、イケメンはブランドの服をカッコよく着回すけど、僕は「チャンピオン」だと思って買ったら、似たような書き方で「チャレンジャー」って書いてあるバッタもんを買っちゃったし、立場が逆転しちゃってんじゃん(若い頃の実話)。イケメンはクリュッグを飲むが、僕は鬼ころし。なんなんだよ!

イケメンは全員、ブスと結婚して、美人は全員ブサイクな男と結婚する、これでチャラって法律を考えたことない?47歳にもなってこんなこと考えてるなんて、誰にも言ってはいけないね。



連載第1回を読みたい方はコチラ。

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