人は時に、何もかもを忘れて、胸焦がす恋に溺れたくなることがあるもの。しかし、劇的な恋愛というものは現実にはそうそうありません。 この記事では、様々な趣味嗜好に対応出来るおすすめ恋愛漫画をジャンル別に24冊ご紹介していきます。
吉岡双葉(よしおかふたば)には、中学校の同級生田中洸(たなかこう)に秘めた気持ちがありましたが、その想いを伝える前に彼は転校してしまいました。
時間は流れ、双葉はすっかり変わってしまいました。そして彼女が高校2年生になった頃、苗字が馬淵(まぶち)になった洸と再会します。彼もまた中学時代とは違っていました。
しかしその再会から、始まらずに終わった初恋が再び動き始めるのです。
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2011-04-13
主人公の双葉と洸は、離れている間に性格がすっかり変わってしまいましたが、気持ちは中学当時のまま変わっていません。今でも気持ちはあるのに、進展しないふたりの関係にやきもきさせられます。
そこへ割って入ってくるのが菊池冬馬です。クールな洸に対して、冬馬は外見は女性的なのにガツガツ来るイケメン。双葉には積極的にアタックし、結構よい仲に。
双葉は2人のイケメンの間で揺れ動きます。それでもやっぱり本命は……!THE青春!な様子をたっぷりお楽しみいただけます。
2014年には、テレビアニメ化もされています。
『アオハライド』に関しては、以下の記事でも解説しています。
漫画『アオハライド』最終回までの見所をネタバレ紹介!無料で読める!
高校で初恋の人との再会を機に、主人公・双葉の恋心が動き出していく本作。映画化・アニメ化で話題の本作のあらすじや魅力を紹介します。 スマホのアプリでは無料で読めるので、気になった方はぜひそちらから読んでみてください。
与謝野すずめは両親が海外に転勤になるまでは、田舎で暮らす女子高生でした。彼女は両親が不在の間、東京に住むおじの熊本諭吉の世話になることになりました。
すずめが上京後、慣れない東京で体調不良になったところを、たまたま獅子尾五月(ししおさつき)という男性に助けられます。実は彼は高校教師で、すずめの担任だったことが転入してから発覚。
教師と生徒という間柄にも関わらず、彼女は徐々に彼に惹かれていきます。
- 著者
- やまもり 三香
- 出版日
- 2011-10-25
頼れる年上のあの人に甘えたい、そんな年の差恋愛は多くの人にとって憧れでしょう。けれど、それが許されない相手だとしたら? 一線を越えてはいけない相手だったら……燃えますよね、当然!
現実では非難を浴びるかも知れませんが、フィクションなら大いに楽しめます。
すずめにとって、獅子尾の第一印象は良くありませんでした。それが学校生活を通して変わっていき、恋心に発展するのです。
そして忘れてはならないのが、すずめをめぐって獅子尾と三角関係を展開する、馬村大輝(まむらだいき)。彼はすずめに好意を持ち、獅子尾と違って身の丈にあった学生らしい相手です。
恋の三角関係でヒロインが誰を選ぶのか、最後までドキドキしっぱなしとなるでしょう。
主人公の三毛野(みけの)いさりは誰とでも仲のよい女子高生です。彼女はある日、担任から風紀委員に任命されて嫌われ者の星上望(ほしがみのぞむ)と組まされました。
望は学校の人気者の求(もとむ)の双子の兄ですが、そうとは思えない根暗キャラでした。いさりは仕方なく望と関わるうちに、知られざる彼の人の良さと、求の本性を知っていきます。
そして彼女はそんなまっすぐな望と出会ったことで、本当の友人、本当の人間関係について悩むようになるのでした。
- 著者
- アサダ ニッキ
- 出版日
- 2014-11-13
いさりはクラスの人間関係を鋭い感性で渡り歩く八方美人の少女。友達のいない望は、八方美人ないさりを友達作りが上手いと思い、この機にいろいろ教えてもらうとします。彼のリアクションがいちいちピュアで、その言動はいさりよりよっぽどヒロインらしい雰囲気です。
望のおかげでいさりは学園のアイドル求とも接近するのですが、これが曲者。ちょっとヤンデレの入ったブラコンなのです。
双子に振り回されるいさりの日常には、段々と人の輪が増えていくのですが、それはそれで一抹の寂しさもあって……。一体誰が八方美人な彼女の特別になるのでしょうか?
主人公の竹本祐太と、同じアパートの真山巧や森田忍らは同じ美大の先輩後輩関係で、とても仲のよい3人です。
ある日、竹本達が花本修司助教授を訪れると、そこには新入生で彼の従姉妹でもあるはぐみがいました。恋愛下手の男達は、はぐみの不思議な愛らしさに魅了され、恋に落ちていきます。
美大生の恋愛と情熱の青春グラフィティです。
- 著者
- 羽海野 チカ
- 出版日
- 2002-08-19
本作はTVアニメ化に始まり、実写映画、連続TVドラマと何度もメディアミックスが行われている超有名作品だけに、今更おすすめするのが憚られるような気もします。しかし、本当の名作は誰がいつ何度読んでもよいものなのです。
はぐみのキュートさが目立ちますが、やはりなんと言っても主要人物全員が片想いという、切ない関係が1番の魅力です。それぞれが異なる事情を抱えて、青春の青臭さだけでなく、進路など等身大のリアルな大学生活が描かれるところもポイント。
恋愛漫画の王道をあえて外す予想外の展開が非常に面白いです。名作が名作たる所以でしょう。
2005年には、テレビアニメ化もされています。
『ハチミツとクローバー』に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
『ハチミツとクローバー』が無料!名作恋愛漫画の魅力をキャラクターから紹介
全員、片想い!? 決して思い通りにいかない青春群像劇に頭を抱える!そして、胸を締め付けられる。 美術大学に通う学生たちの恋愛模様を描いた漫画『ハチミツとクローバー』。彼らが繰り広げる甘くも苦い青春群像劇は多くの読者の心を掴み、アニメ化や実写映画化もされ、幅広い層の人気を得ました。 あっという間の大学生活。「青春」と呼ばれる時間の中で、彼らは何を見出すのでしょうか。 そんな本作は、スマホアプリで無料で読むことができます。ぜひチェックしてみてください。
冴島翠(さえじまみどり)の通う私立聖学園は創設まもない学校です。翠は2学期早々に生徒会役員候補となって、立会演説会に出ることになってしまいました。
スピーチはなんとかうまくいったものの、最後に転んで大恥をかいてしまいます。それを見た須藤晃(すどうあきら)はぶっきらぼうな手法で翠をフォローしてくれました。
選挙の結果、最初の生徒会役員となった彼らの、3年間の高校生活が始まります。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
- 2000-10-30
今回ご紹介する中では比較的古い部類に入る作品です。特徴的なのは、主にヒロイン翠の相手役となる晃でしょう。
性格はややぶっきらぼうで、口調も粗雑。しかし頭がよく、とても機転が利いています。そんな彼はさらに意外な特徴があり、なんとリーゼント頭。今では絶滅危惧種になっている髪型に、内面と外見の落差が非常に魅力的なキャラクターです。
そんなギャップのある晃と健気なヒロイン翠。彼らの間に他の生徒会も入ってきて、恋と友情が描かれます。彼らの物語には時が経っても古さを感じさせない面白さがあります。
東京に転校してきたばかりの坂口亜梨子(さかぐちありす)は、動植物の気持ちを理解出来る不思議な力を持っていました。
ある日、隣室の少年小林輪(こばやしりん)を彼女が預かっていると、不注意で彼がベランダから落ちる事故が起きてしまいます。
幸い倫は軽傷で済んだものの、目覚めた彼は前世の記憶を取り戻した上に、超能力者となっていました。そして倫は亜梨子と生まれる前から知り合いだったと語ります。
こうして前世に因縁を持つ少年少女達の物語が運命的に始まるのでした。
- 著者
- 日渡 早紀
- 出版日
- 2004-05-28
かつて前世ブームというものがありました。本作はその一翼を担った代表的な作品です。社会現象にもなって、あまりに加熱し過ぎた人気は、作者側が困るほどだったそうです。
読者の心をがっちり掴んだのは、魅力的なキャラ立てと意味深な語り口です。ジャンルとしてはおねショタになるでしょうか。運命の相手との、まさしく運命的な出会い。年下なのに大人びて聡明な少年・輪に、当時の読者層はメロメロになりました。
古い作品ですが、本当によい漫画は全世界全世代の共通語。今読んでも名作が名作であることに変わりはありません。奥深い物語なので男性にもおすすめです。
群青高校に通う刑部秋姫(おさかべあきひめ)は、天狗と人間のハーフでした。人並み外れた筋力の持ち主であること以外は普通の少女と変わりません。
幼馴染みにしてお目付役の榎本瞬からは一人前の天狗となるようせっつかれますが、秋姫は同中出身の同級生である神谷武(かみやたける)のことで頭がいっぱい。
妖怪達が懸命に頑張る人外ラブコメディです。
- 著者
- 岩本 ナオ
- 出版日
- 2007-12-21
秋姫の天狗名は「太郎坊」と言います。これは日本が世界に誇るメジャー妖怪である天狗の中で、最も有名かつ強力な大天狗の名前が由来。そんな大それた名前を持つのに、本人は至って普通の女子高生で、しかも天狗であることを嫌がってるというのが面白いところです。
天狗だけでなく狐など他の妖怪も出てくるのに、話題になるのが恋バナだったりケータイ小説だったり、ファンタジーなのにどこか現実的です。
そんな彼女が思いを寄せる武はちょっと天然な少年で、人間の女子だけでなく妖怪にも大いにモテます。秋姫のお付きである瞬は保護者というか、ナイトの役割を担っていてこちらも素敵です。
人外なのに普通で、ほっこりするのにちょっと泣ける不思議なファンタジーとなっています。
一見、普通の女子高生の原田美沙緒(はらだみさお)には、妖怪が見えるという秘密がありました。彼女は16歳の誕生日の前日、烏水匡(うすいきょう)から突然結婚の宣言をされます。
匡は美沙緒が特殊な人間「仙果の娘」だと語り、自分が天狗であることを明かしました。何がなんだかわからないまま、美沙緒は次々と妖怪に襲われるようになって、匡に助けられるうちに彼との仲が深まっていきます。
- 著者
- 出版日
体質的に妖怪を呼び寄せてしまう少女と、彼女を守る天狗というおとぎ話のようなファンタジー。
いきなりの愛の告白から、日常があれよあれよと崩れていく怒濤の展開。いくらなんでも結婚とは、イケメンでも度が過ぎています。
しかし、実は美沙緒は幼少期の記憶を失っていて、匡とは幼馴染みである上に初恋の相手だったのです。この辺りの事情も仙果の娘であるがゆえのこと。
美沙緒はゆっくりと徐々に匡に惹かれていくのですが、クールな見た目に反して匡の方は最初から愛情MAXです。と言うか、美沙緒を守るためにかなりあくどいことも行ってきました。相思相愛の関係になってからは、ヤンデレ的な束縛の一面も覗かせる匡のキャラも見所のひとつです。
舞台は吸血鬼が密かに社会に溶け込んだ現代日本。公的には存在しない吸血鬼=「鬼」を取り締まる警視庁公安の安斎結貴は、人と鬼のハーフでした。
結貴は捜査の途中、事件に巻き込まれた大学院生の平つかさと出会います。2人は惹かれ合うようになるのですが、種族の差によって一線を越えることが出来ません。そしてやがて彼らは、鬼を巡る陰謀へと関わっていくことになります。
- 著者
- 花田 陵
- 出版日
- 2013-09-20
日本には総人口の約0.01%の割合で鬼がいる、という不穏さが漂う物語です。見かけ上は危うい均衡が保たれていますが、鬼には吸血衝動があって、いつどんな拍子に文字通り豹変して人を襲うかわかりません。
それは主人公の結貴も例外ではないのです。実際、2人が出会った後、結貴は怪我をしたつかさに吸血衝動が抑えられなくなったわけですから。
そうは言っても、結貴本人は理性ある正義の警察官で、自分も含めて鬼を憎んでいます。そこが切ない。彼らは互いに好き合うようになるのに、結貴が鬼の本性を恐れて一線を越えようとしないのです。
彼女を守りたいのに、近付くほど彼女に危険が及んでしまうかも知れないジレンマ。ダークファンタジーとしても完成度が高くておすすめです。
2018年には、テレビアニメ化もされました。
『デビルズライン』に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
漫画『デビルズライン』の見どころを全巻ネタバレ紹介!【アニメ化】
吸血鬼と人間の恋愛を描いた『デビルズライン』。一筋縄ではいかない恋に、読者の心は締め付けられること間違いなしです。けっして「共存」しているとはいえない世界で、彼らはどのように関係を築いていくのでしょうか。アクションあり、ちょいエロありと見どころ満載の本作を紹介していきます。
華族の次男御園公頼(みそのきみより)は、困窮のあまり政略結婚させられそうになった姉のため、代わりに修学院中等科とかけ持ちで宮中の侍従見習いとなります。彼が仕える相手は、宮殿「パレス・メイヂ」を住まいとする先の帝の第一皇女にして当代の帝、彰子(あきこ)女帝でした。
凜々しく聡明な女性に少年が奉公する、明治時代日本に似たとある近代国家の浪漫譚です。
- 著者
- 久世番子
- 出版日
- 2013-06-20
本作は身分の差の恋愛が許されない時代の没落貴族の子弟と、時の権力者のラブロマンスです。
表の顔は男性顔負けでも、その実繊細で年頃の女の子らしさもある彰子は、公頼ならずとも惚れてしまいそうな少女。この世界観だけに恋の成就は難しいでしょうが、さて……。
架空の国という体になってはいますが、舞台のモチーフである明治時代の慣習はかなり詳細に調べられているようで、本格的な歴史漫画にもなっています。そのため、時代背景を反映した雰囲気は抜群です。
小暮奈緒(こぐれなお)は極端に小心者の主人公です。高校入学してしばらくしたある日のこと、彼女は学校中から恐れられる不良の鬼瀬大雅(おにせたいが)に突然呼び出されました。奈緒を前にした鬼瀬は、花束を取り出していきなりプロポーズをしてのけます。
奈緒は当然断ろうとするのですが、ビビリがたたってうっかりOKしてしまうのでした。おっかなびっくり鬼瀬に向き合っていくと、彼女は彼の意外な一面に気付いていきます。
- 著者
- 目黒 あむ
- 出版日
- 2013-01-25
交際の告白を素通りして、ほとんど初対面にも関わらず、結婚を前提にした愛の告白から物語は始まります。急展開にもほどがあり、普通の人ならこの時点でドン引きで、お断りとなる流れでしょう。
ところが鬼瀬の不良特有の高圧さと、奈緒の小心者特有の臆病さが噛み合ってまさかの告白成立。
お付き合いがスタートしたことの憂鬱から、奈緒はあわや不登校か? となるのですが、信頼する叔父の宗介の薦めもあって、思い直します。交際スタートしてからは恐怖の連続ですが、その言動に反して奈緒は鬼瀬の良さに触れることになっていきます。そしてやがて鬼瀬の真意にも……。
意外なほどにピュアで甘酸っぱい不良との初恋物語です。
主人公の岡崎瑠璃は真面目一筋に生きてきた女子大生。彼女は初めたばかりのコンビニで、いつも来る強面の客、逆瀬川(のせがわ)がなぜか気になっていました。
ある雨の日、バイト上がりの瑠璃が初めて自分から逆瀬川に声をかけたことから、2人の危ない関係が始まっていきます。
- 著者
- 野田 彩子
- 出版日
- 2017-02-10
人が人を好きになる時、自分にはないものを持つ人に惹かれると言います。本作の瑠璃の場合もそうなのかもしれませんが、相手はあまりにも危険。逆瀬川は苦み走った中年ヤクザで、しかも結構なお偉いさんなのです。
人生の花道を歩く女子大生が、何も好き好んで裏街道の住人に関わる必要はないのです。しかし、頭でわかっていても抜け出せないのが恋愛沼というもの。女子校出身の瑠璃にとって未知の男性に、彼女はどんどんはまっていくのです。危なっかしくも切ない大人の恋が描かれています。
陶器のような白い肌を持つ女子高生、一条生花(いちじょうせいか)。画家の真部明春(まなべあきはる)は、一目見て彼女の虜となります。
明春は生花に絵のモデルを依頼するのですが、自身の欲望で彼女が汚れるという妄想に取り憑かれます。そうこうする間に生花が重い病気を患い、そこから思わぬ方向へと2人の関係が進んで行きます。
- 著者
- モリエ サトシ
- 出版日
- 2009-06-19
明春は絵の対象に触れることで、創作意欲が湧く画家です。つまり生花を絵に描こうということは、彼女に触れるということ。白磁のごとき美しい肌、それも女子高生の肌に触れるというシチュエーション……。
劇中で生花は病気で失明し、明春はそこで暗い喜びを覚えるます。目が見えなくて危険だから、手元に置いて閉じ込めるという名目が立つからです。
非常に背徳的で、それゆえに引き込まれる読みごたえのある作品となっています。
中学校2年生の宮下桜は、幼い頃に両親を亡くし、祖母と2人暮らしをしていました。その祖母も他界し、ついに天涯孤独になってしまいます。そんな彼女の前に、見知らぬ4人の男が現れました。彼らは桜の腹違いの兄たちで、桜の身を案じてやって来たのです。
その日から、桜の個性的過ぎる兄達との生活が始まりました。
- 著者
- 時計野はり
- 出版日
- 2004-01-05
この世で立った1人、孤独になってしまった少女に、突如4人の優しい兄が!ただし優しさがいきすぎて過保護にもなりますが、そこが本作のお約束の面白さ。急ごしらえで出来てしまった家族によるホームコメディです。
彼らは兄妹ということなのですが、かなり早い段階で血縁関係がないことが判明し、ちょっとドキドキする展開も訪れます。
作家で女装癖のある長男正(まさし)を筆頭に、兄4人は全員イケメンなのにどこか一癖あるキャラばかりが勢揃い。家族は皆一様にシスコン、ブラコンでいつもだいたい暴走気味です。
家族関係にほっこりしつつ、イケメン兄達との逆ハーレムも楽しめる贅沢な作品となっています。
不細工を自認する少女、田端花(たばたはな)。美化委員の彼女は花が好きなのですが、オタクでボッチな自分には相応しくないと自虐的に思っていました。
誰にも見られないよう朝早くにクラスの花瓶を換え、自分の世界に浸っていた花は、ある日その光景をある人物に目撃されてしまいます。それはよりによってクラスカースト上位の上野洋介。
混乱して自虐思考に陥る花とは裏腹に、洋介は彼女に好印象を持ちます。以来、2人は徐々に距離が縮まっていくのでした。
- 著者
- 作楽 ロク
- 出版日
- 2016-11-04
主人公は地味でブスで眼鏡の最底辺女子。それがカースト上位の男子と仲良くなるのは、本来あり得ないことです。言わば現代における身分違いの関係。
ところが、この上位男子である洋介は顔に見合った性格までイケメンの少年でした。見た目や他人に頓着せず、ありのままの花を受け入れるのです。
そんな自虐的な花と天然な洋介の凸凹具合が面白いのですが、他にも洋介を狙う鶯谷すみれの存在も忘れてはいけません。カースト上位のキラキラ女子なのですが、こちらは洋介と違って結構腹黒。なのに意外にもポンコツで、花を目の敵にしているのに憎めないキャラです。
無自覚な花と洋介相手に、勝手にジェラシーを燃やす残念美少女すみれの三角関係が面白い恋愛漫画です。
久我慎一郎は24歳の警察官で、付き合った相手にはことごとく振られている男です。それは彼のストーカー気質に原因にありました。
そんな彼は偶然知り合った月島翠に一目惚れし、いつも通りアタック。意外にも月島はこれを受け入れるのですが、彼女も曲者でした。実は月島は重度のアイドルオタクだったのです。
- 著者
- 阿弥陀しずく
- 出版日
- 2015-01-24
久我は警官なのにストーカーという、あべこべで強烈な個性の持ち主です。対する月島もドルオタをこじらせた非モテのアラサーで、キャラの濃さでは一切引けを取っていません。
久我の警察官としての面とストーカーの面だけでも話は面白いのに、そこへ月島のドルオタ趣味のコンサートやミュージカル鑑賞が加わって、まるで個性のぶつかり合いとなります。イベントでの久我のリアクションも毎回の注目ポイント。
凸凹ドタバタ具合に笑えて、時には感動的な場面もあって、バラエティ豊かな作品です。
主人公の藤本幸世(ふじもとゆきよ)は非モテの草食系アラサー男。派遣社員の彼は将来の夢も貯蓄もなく、日々を漫然と過ごしていました。
そんな冴えない日常が、突然変わります。
ある日を境に、藤本には知り合いの女性から次々と誘いの連絡が入るようになるのです。いわゆる「モテ期」が来て、幸世は数々の経験をこなしていくのですが、根が臆病なために今ひとつ踏ん切りが付かずにいます……。
- 著者
- 久保 ミツロウ
- 出版日
- 2009-03-23
俗に人には3度のモテ期があると言われますが、幸世のそれは桁外れです。タイプの異なる美女が引っ切りなしに現れるのです。凄まじいモテっぷりは恋愛ゲームのハーレム状態。
何人かは甘い関係にもなるのですが、そこは藤本が長く非モテだった男のため、なかなか長続きしません。時には手痛い失敗をすることも。そこで描かれる彼の心からの叫び、名言が面白く、共感できる部分でもあります。
人生の波瀾万丈がモテ期に集中した、ドラマチックな展開をお楽しみいただけます。
主人公の松崎はとりは、幼馴染みの寺坂利太に片想いする女子高生です。スポーツが出来てルックスもよい利太は女の子にモテモテ。しかしはとりは、誰とも長続きしない彼を横で見ながら、自分こそ彼のヒロインだと信じて疑っていませんでした。
ところがある日、ひょんなことから同級生の安達未帆と利太が急接近してしまいます。利太を取られると焦るはとりですが、彼女にも弘光廣祐(ひろみつこうすけ)というイケメン男子がアプローチしてきて……。
- 著者
- 幸田 もも子
- 出版日
- 2010-08-25
人間関係が入り乱れる複雑なラブストーリーが魅力の本作。
ヒロインを気取る主人公が、自分よりヒロインらしいライバル少女の出現で大慌て。長年の片想いがぽっと出の女に取られるのだから、切ない悲恋展開になると思いきや、はとりのとんでもなく腹黒キャラのせいで同情よりもコメディ要素が多い内容となっています。
この邪悪なゲスっぷりが、まさにヒロイン失格といえるでしょう。
正統派の利太と、チャラ男気味の廣祐もそれぞれタイプの違うイケメンです。互いに本命が別というドロドロの相関図ながら、なぜかスッキリと読める明るい物語となっています。
折りからの就職難で、高学歴ながら派遣社員になった森山みくりは、さらに派遣切りの憂き目に遭って無職となってしまいます。
それを見かねた父親が、元部下の津崎平匡に家事代行業者としてみくりを引き合わせました。お互い仕事上以外は特に干渉せず、良好な関係となります。
しかしここからがまさかの展開。世間の目や諸々の事情が重なった結果、みくりと平匡は「就職としての結婚」という契約結婚を結ぶのでした。
- 著者
- 海野 つなみ
- 出版日
- 2013-06-13
新垣結衣、星野源の「恋ダンス」が一世を風靡したことでもまだ記憶に新しい「逃げ恥」こと『逃げるは恥だが役に立つ』ですが、実は少女漫画が原作だったのです。
1人の方が気楽、恋愛はしんどいなどの最近よく聞くことのある声、あるいは晩婚化といった時流を反映し、ビジネスライクな契約結婚から始まる恋愛漫画として大いに読者の共感を呼びました。
ある種の偽装結婚ではあるのですが、「夫婦らしい」イベントをこなすうちに本当に惹かれ合っていくところが面白いとこです。
ドラマを視聴した方は、あの感動を再び! 未見の方もこの機会にぜひ原作に触れてみてください。
サラリーマンの八日堂俊介(ようかどうしゅんすけ)は、同僚の栖佑日菜子(せいゆうひなこ)に密かに想いを寄せていました。しかし、彼女には遠距離恋愛の彼氏がいるため気持ちを抑えていました。
ある日、残業をしていた2人は、雰囲気に流されそうになってしまいます。とまどう日菜子に俊介は一線を越えないことを条件に、疑似恋愛を提案。
そして互いを恋人の代用品とする奇妙な関係が始まりました。
- 著者
- ["きづき あきら", "サトウ ナンキ"]
- 出版日
- 2009-09-29
一線を越えないとは、肉体関係を持たないということで、逆にそれ以外のことはOK。浮気と言えばそうですが、一定の節度を保った大人の関係とも考えられます。
遠距離恋愛の彼氏に引け目を感じつつ、代理の恋人と興じるのは、背徳的なのに心が躍る行為です。やがて気持ちが傾いて、代理と本命が入れ替わってしまうのは、大人の恋愛ならではの醍醐味でしょうか。
嘘吐きの本音がどう変わっていくのか、実際にお確かめください。
渡辺美都(わたなべみつ)は医療事務で働く29歳の既婚者です。彼女にとって夫の涼太は最愛の人ではなく、2番目に好きな人でした。
美都はある日偶然にも、かつて最愛の人だった有島光軌(ありしまこうき)と再会してしまいます。光軌もまた妻子ある身でしたが、彼らはW不倫の関係になってしまうのでした。
やがて2人の配偶者がその関係に気付き、事態は泥沼に……。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2012-11-08
互いに配偶者のいるW不倫は不貞のなかでもとりわけ背徳的です。本作で描かれるW不倫は、禁断の関係から連想されるイメージとは裏腹に、意外にもドライ。割り切った大人の関係が描かれます。
普段の生活にまったく不満がない順風満帆の人生で、たまたま添い遂げられなかった最愛の相手との一時のロマンス。いずれ終わりが来るそれは、過程から結末までが非常にリアルで、最後まで夢中で読んでしまいます。
駒井静は無事入学したばかりの大学1年生です。人のよい青年なのですが、趣味が温泉や盆栽などと異様に渋いせいで「御隠居様」などと呼ばれています。
新生活も落ち着いて、誕生日に温泉旅行へ出かけた彼は、旅先の露天風呂で倒れていた篠原流香(しのはらるか)を発見します。彼女が偶然にも同じ大学であることを知った駒井は、お近づきになりたい一心で流香の所属サークル「タビセン」に入るのでした。
- 著者
- 中野 純子
- 出版日
- 2007-10-19
主人公の駒井は彼女いない歴=年齢の典型的な非モテ男。加えて盆栽好きで、漬け物のぬか床に執着するなど、垢抜けた大学生の対局に位置する青年です。
そんな彼が女性と急接近した出来事が、露天風呂にいた流香。一糸纏わぬ全裸を目撃したのだから、色恋抜きにしても気になるに決まっています。ちなみに彼女は酔っていたため、その時の記憶はありません。
駒井が一世一代の決意で徐々に間を詰めていくのが微笑ましくもあり、もどかしくもあり。女性読者は普通に楽しめますし、男性も共感とともに応援したくなること請け合いです。
寺田亜希は同棲中だった彼氏に浮気され、蓄えもなかったので住む場所を失います。そこで彼女は知り合いの紹介でシェアハウスで暮らそうとするのですが、なんとそこで中学時代の元カレ・本行智也と思わぬ再会を果たします。
そうこうして、亜希はED(性的不能)となっていた智也とのシェアハウス同居がスタートするのでした。元とはいえ、かつての男と1つ屋根の下、普通に済むはずもなく……。
- 著者
- 石田 拓実
- 出版日
- 2014-08-12
こちらもまたちょっと大人の恋愛がテーマとなった作品です。フリーの女性と不能の男性(亜紀限定で復活するのですが)ということで、微妙に危ないながら絶妙にセーフといった具合。
亜希のこじらせた黒歴史の思い出や、亜希にだけは反応するという智也のEDはほとんどセクハラに近いのですが、どちらも思わず笑ってしまいます。
男女関係について考えさせられる大人のラブコメディとなっています。
『カカフカカ』に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
『カカフカカ』魅力を8巻までネタバレ紹介!性欲は愛情か?
「タラレバ娘」でも知られる東村アキコが「あなたの生臭いところ、いいかんじに出てるよ」と表現した作品『カカフカカ』。かねてからその作風が人気だった石田拓実の魅力が遺憾なく発揮されています。そんなナマナマ漫画のあらすじと各巻ごとのリアルさをご紹介!ネタバレ少しあります。
桐壺帝が治める平安時代が舞台の物語です。桐壺帝の第2皇子「光る君」は、生まれた時に母を亡くし、女性に母親の面影を求める少年でした。
長じて光源氏となる彼は、栄光の人生で数多の女性と出会って恋に落ち、人知れず苦悩していきます。
- 著者
- 大和 和紀
- 出版日
- 2017-02-23
紫式部の『源氏物語』をモチーフとした歴史恋愛物語です。
光源氏のプレイボーイっぷりは『源氏物語』をご存知の方はご承知の通り。一度に複数というわけではないものの、お相手は年上に年下、血縁者に至るまで数え切れません。
それも突き詰めれば、母の愛に飢えていたからこそ。光源氏が最初に惹かれたのが、母の桐壺更衣に瓜二つな藤壺の宮で、彼女は父の後妻だったというのが切ないです。
世界に名高い平安貴族の浮き名、その真実をご覧ください。
心の琴線に響く1作はありましたか?どれも面白いものばかりなので、きっとご満足頂けることでしょう。