坂田銀時(さかたぎんとき)とは、空知英秋作画の漫画『銀魂』の絶対的な主人公です。銀色の天然パーマがトレードマークで、常にダメ人間っぷりを発揮しているジャンプ漫画の主人公とは思えない人物。でも、なぜかみんなに愛され、やる時はやる頼もしい銀さん。 今回は、そんな銀さんの意外な魅力を14に分けて紹介していきます。
周囲からは「銀さん」「銀ちゃん」「旦那」「万事屋」など、様々な愛称で呼ばれています。「~ですかコノヤロー」といっただるそうな喋り口調が常であり、人に頼み事をする際には「300円あげるから」と少額の金額で釣ろうとする傾向があります。
1巻の初登場時は食べていたパフェを天人にこぼされ、見事な飛び蹴りで圧倒しますが、その佇まいはかなりだるそうなものでした。
モデルとなった人物は金太郎こと坂田金時であり、43巻の「金魂篇」では銀さんに扮して周囲を洗脳させていたカラクリの坂田金時が登場しています。
ちなみに銀さんは、毎週欠かさず楽しみにしているほどのジャンプの愛読者です。フィギュア化した際にはジャンプだけでなく、番外編である「3年Z組銀八先生」で持っていたよい子の国語を抱えています。
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- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2004-04-02
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2008-02-04
銀さんは、甘い物を定期的に摂取しないとイライラが増してしまう重度の甘党です。普段からいちご牛乳や、白米に小豆を大量に載せた通称「宇治銀時丼」を好んで食べており、その食生活のひどさから、医者には糖尿病の一歩手前と言われ続けています。
万事屋は3人が交代で料理をしていますが、卵かけご飯しか作れない神楽、人並みに料理ができる新八に比べ、銀さんは大雑把に見えて意外と器用に何でもこなす人であり、料理の腕もなかなかです。1巻では新八の家で巨大ホールケーキを作っており、短時間でかなりクオリティの高いものを作り上げています。
また、回転寿司屋でマダオこと長谷川の手伝いをする22巻では、銀さんの作ったかっぱ巻きはなぜか全てパフェに変わるという、いくら甘党でも考えられないミラクルを起こしました。甘い物が絡むと料理までぶっ飛んでしまう銀さん。読んでいて爆笑は避けられません。
しかし、37巻で手際よくチャーハンを作っているので、甘い物が関係しなければ万事屋で一番料理上手だと言えるのではないでしょうか。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
家賃滞納の常習犯であり、そのダメっぷりは家賃額や滞納額などを読者にまで心配されているほど。
12巻の質問コーナーでは空知英秋が万事屋の家賃について答えてくれています。家賃の額は月6万で、かぶき町では破格ともいえる価格だそう。万事屋自体かなり不安定な仕事であり、大食らいの神楽やペットの定春の食費がかさむことから、常に2か月分くらいは滞納しているようです。
銀さんの大家で下の階でスナックを経営しているお登勢からはしょっちゅう催促されていますが、まったく悪びれる様子もなくむしろ払わないのが銀さんであるという無茶苦茶な持論を通しています。銀さんが毎月家賃を支払うようになる日は来るのでしょうか。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2014-05-02
普段は抜群の運動神経で敵を圧倒している銀さんですが、読者の間では唯一泳ぎが苦手なのではないかという疑問が広がっていました。
5巻の海の場面では浮き輪を使用しており、53巻で川に落ちた際には、たまから「相変わらず泳げない」と言われながら助けられていることもあり、疑惑が確信に変わろうとしていました。
そして54巻でついに「ちょっと待っ…俺泳げなっ…」と自身で発言したことから、銀さんは泳ぎが苦手であることが分かりました。何でも器用にこなす銀さんでも、苦手なことがあると人間らしくてますますその魅力に惹かれていってしまいますね。溺れている銀さんの顔はなかなか衝撃ですよ。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2006-11-02
銀さんの愛車はベスパという車種のスクーターであり、後輪部に「銀」と描かれているオリジナルです。
この愛車でしょっちゅう事故を起こしていますが、本人曰く安全運転とのこと。また、源外に改造されて爆発したり、神楽が乗り回して自損事故を起こしていたり、周囲のキャラに破壊されることもしばしばです。
銀さんは、15巻で全蔵をはねてしまい、免許の取り直しのために教習所へ通うことになります。教官から「何度ここに戻ってきたら気が済むの」と言われており、いかに危険な運転をしているか想像がつきますね。
ビデオ屋の会員登録のために免許を取りに来た桂と一緒に実技を受けることになるのですが、桂を蹴り飛ばして車外に放りなげ、周囲確認中の桂をはね続ける銀さん。これでは平気で人をはねてしまうのも納得です。
ちなみにこの回は、銀さんが桂の壮大な妄想に付き合わされており、面倒くさそうにしながらも最後まで付き合ってあげている所に彼なりの優しさを感じることができます。銀さんと桂の仲良しコンビのドタバタ劇、それに付き合わされている教官の様子は必見です。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2011-04-04
銀さんといえばふとした瞬間や真剣なシーン、場所を選ばずどこでも鼻をほじっており、もはや鼻をほじっているのが通常モードと言えるほどデフォ化しています。さらには周囲の人にこっそりなすりつけるといった悪質さは本当に主人公か疑いたくなるほどです。
神楽もヒロインながらよく鼻をほじっており、少なからず銀さんの影響を受けているのではないでしょうか。ヒロインに鼻ほじを影響させる主人公なんて、前代未聞ですね。
また、銀さんは変顔のレパートリーも豊富です。
6巻や11巻で怪我や食あたりに見舞われる際は、痛みを素晴らしい変顔で素直に表現しており、39巻でドッキリを仕掛けられた際は、酔っぱらって気が付いた時にベッドの隣で寝ていた人を見てこの世の終わりのような顔をしています。この時隣で寝ていた人が誰なのかは、ぜひご自分の目で確かめてみてください。
漫画を読んでいると、しょっちゅう鼻ほじ銀さんや変顔銀さんに出会うことができ、なぜか元気が出てしまいます。まったくレアではありませんので、ぜひお気に入りの銀さんの表情を見つけてみてください。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2009-02-04
銀さんは何だかんだで面倒見が良く、神楽はそんな銀さんのことが大好きで慕っています。2人が仲良くしているシーンはほのぼのしてかわいいと非常に人気です。
27巻では眠れない神楽に振り回されながらも、どうにかして寝かそうとする優しいお父さんのような銀さんが見られます。2人ともインフルエンザにかかってしまった28巻は、銀さんが新八の家まで神楽をおんぶして来るなど神楽の事を大事に想っていることがよく伝わってくる回です。
神楽は住み込みで万事屋で働いているため、昼夜問わず銀さんと一緒にいることが多く、その様子はまるで本当の親子のよう。2人の何気ない日常の様子には、癒されること間違いなしです。
神楽の魅力を考察した<『銀魂』神楽の意外な18の魅力!可愛すぎるヒロインは、実は子供持ち?>の記事もあわせてご覧ください。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2010-04-30
ゆるくて滅多に怒ることのない銀さんがマジギレするのはどんな時なのでしょうか。
34~35巻の「かぶき町四天王篇」では、次郎長に襲われたお登勢を目の当たりにした銀さんが、今までに見たこともないような鬼の形相で次郎長に斬りかかります。
自分にとって大切な者たちを傷つけた相手には容赦しない銀さん。普段は生意気な態度をとっていますが、お登勢のことを本当に大切に想っていることが分かった回でもありました。漫画であることを忘れてしまうほどの迫力であり、いつもとは一味違ったかっこいい銀さんを見ることができる感動の長篇です。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2004-12-27
銀さんは主人公ながら、出生が詳しく語られておらず、謎が多い人物です。30巻では師である松陽と出会った時のことが描かれています。当時の年齢は5~7歳くらいに見えますが、死体から物を剥ぎ取り生きていたことから、おそらく戦争孤児だったのではないでしょうか。
銀さんは幼少期から変わらず銀髪ですが、銀魂の登場人物は比較的日本人らしい髪の色をしていることがほとんどです。銀さんのトレードマークである銀髪が生まれつきだとすると、純日本人ではありえないと考えるほうが自然でしょう。このことから、天人とのハーフなのではないかという推測が生まれます。
当時は攘夷戦争の真っ只中。まだまだ天人への理解も少なかったため捨てられ、孤独に生きていたと考えるとある程度納得がいくような気がします。
以上は個人的な見解でありはっきりと明らかにされているわけではないので、読者がそれぞれの見解を持ちながら読み進めていくのも楽しみ方の一つですね。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2009-09-04
前述とおり、家族も無く孤独に過ごしていた幼少期の銀時。30巻では松陽に拾われ、松陽が開いた松下村塾に通うシーンが描かれています。この時に出会った桂、高杉とは幼馴染でありライバルとして成長しあっていきます。
松陽という目指すべき師に出会い、高め合える仲間に出会えた銀時は、松陽と出会った当初からは想像もつかないほど変わりました。今の銀時があるのは松陽、仲間の存在が大きいといえるでしょう。普段はちゃらんぽらんな銀さんですが、周囲の人を大切にしているのは当時の出会いが大きく関係しているのではないでしょうか。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2012-04-04
44~45巻の「一国傾城篇」で初めて登場した朧。天照院奈落の首領である朧は銀時と対立することになりますが、銀時が白夜叉と呼ばれていた攘夷戦争から2人は関わっており、共通点が存在していることを知ります。
攘夷戦争ではある悲しい出来事があり、銀時は自分だけでなく桂、高杉らの運命まで変える大きな決断を迫られます。作中で唯一涙を見せた場面であり、その背景には壮絶な出来事がありました。
読んでいて引き込まれる描写や衝撃の展開は、涙なしでは読み進めていくことはできません。銀さんの過去を知る上で絶対的に避けては通れない回となっています。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
銀魂では女性キャラも多く、それぞれが個性的で魅力溢れる者ばかりです。銀さんの好きなタイプはお天気キャスターの結野アナですが、銀さんの一方的な憧れが強いように見えます。
始末屋のさっちゃんは銀さんのことが大好きですが、積極的な女は嫌いと銀さん自身が発言していることから、報われない恋なのではないでしょうか。
吉原の番人である月詠とは、29巻の「紅蜘蛛篇」でチンピラ夫婦として敵のアジトへ侵入しました。慕っていた師に対して真っ直ぐな想いを持つ月詠に自分自身を重ね、月詠を護るために戦います。月詠はだんだん銀さんが気になる存在になっていき、「これ以上わっちの心をかき乱すな」と発言しているほどです。
55巻の「愛染香篇」では惚れ薬で月詠を口説いていたり、何だかんだで一番銀さんに近いところにいる存在は月詠なのではないでしょうか。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2004-09-03
「ジャンプは燃えるゴミで出していいはずだ
だって読んでたら何か燃えるもん」(『銀魂』3巻より引用)
ゴミ出しが間違っていた時に言ったセリフです。ジャンプが愛読書の銀さんですが、まさかゴミ出しの際にも持論を絡めてくるとは誰も想像していなかったでしょう。
「心配いらねェ
俺達は幼い頃からあらゆるお誕生日会に顔を出しご馳走を食らってきた
いわば誕生日会のプロフェッショナル」(『銀魂』27巻より引用)
九兵衛のお誕生日会に出席し、たくさんのご馳走を前にした銀さんのセリフです。目の前のご馳走に夢中になり、自らをプロフェッショナルと言うあたりはさすがとしか言いようがありません。
「なんで俺だけお年玉ねーんだよ
ズリーよぉぉぉ!!」(『銀魂』44巻より引用)
神楽や新八がお年玉をもらった際に銀さんが言った大人げないセリフです。お年玉をあげたくないばかりに神楽に対して大げさに演技していたり、もはや通常モードの銀さんですね。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2015-11-04
「美しく最後を飾りつける暇があるなら
最後まで美しく生きようじゃねーか」(『銀魂』1巻より引用)
白夜叉と呼ばれていた攘夷戦争時代、敵に囲まれた桂が腹を斬ろうと決心した際に銀さんが言ったセリフです。諦める暇があるなら最後まで戦おうとする銀さんらしさが表れていますね。
「てめェらだけにはコイツを斬る資格はねェ
コイツを斬るのも護るのもこの俺だ」(『銀魂』58巻より引用)
銀さんと高杉がバトルをくり広げている際に、天導衆の槍が高杉の腹を貫きます。高杉とは幼馴染でもあり、高杉のことを護るのも斬るのも自分しかいないという、銀さんの強い訴えが表れたセリフです。
「前を見ろ 剣を握れ
戦えェェェ 真選組ィィィィ!!」(『銀魂』61巻より引用)
近藤が致命傷を負い、精気を失った真選組の隊士達に向けて叫んだセリフです。その姿はまるで近藤のようであり、銀さんの言葉によって隊士達は失いかけた光を取り戻すことができました。
『銀魂』ファンの皆さんには、作者である空知英秋について紹介した<空知英秋の意外な6つの事実!コメントのセンスが天才!代表作品は『銀魂』>の記事もおすすめです。