新たな命を取りあげる仕事、助産師。仕事における感動がたくさんありそうなこの職業ですが、産婦人科医や看護士とはどんな違いがあるのでしょうか? 仕事内容や年収、助産師になるために必要な学歴や資格などを紹介していきます。
助産師は、具体的にどのような仕事をしているのでしょうか?
助産師とは、妊娠から出産、育児までトータルで妊産婦と新生児の管理・指導をおこなう職業です。赤ちゃんを取り上げることはもちろん、妊婦の健康管理や、出産後の母乳指導、乳児指導等を行います。
正常分娩であれば医師の指示を必要とせず、自身の判断で助産介助ができるのが助産師という職業の特徴。独立して助産院を開業することも可能です。妊娠から育児まで、医師や看護師よりも、母子に密着したケアができるのですね。
就業場所は、大学病院や総合病院の産婦人科、また助産院や地域の保健センターなどがあります。
初任給は平均で17〜20万円が相場となっていますが、経験を積むにつれその額は上がり、40代になると平均年収は500万円ほどです。同じ医療職の看護師よりも、高い給与が設定されています。
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国家資格である助産師。その国試受験の前提として、看護師免許の取得が必須です。看護師免許を取得したのち、さらに1~2年間助産師教育機関で学ぶのです。下記の6つのコースがあり、卒業・修了すると国家試験の受験資格を得られます。
助産師の教育機関は、平成29年8月時点で全国に約200校あります。まずは近くの学校を探してみるのもいいかもしれません。
国家試験の受験手続きは、毎年4~8月ごろに国家試験の受験申請、書類の提出をして、10月ごろに受験資格があるか否か認定審査が行われます。その後、認定された方から順に国家試験の受験手続を進め、翌年2月ごろに受験という流れになります。
国家試験の合格率は、毎年90%前後。しっかりと勉強していれば、合格は間違いないでしょう。
医者以外で唯一赤ちゃんを取り上げられる職業、助産師。出産時に女性器に触れたり、育児相談の相手となったりするため、同性の方が妊産婦が安心できる、という理由から、平成30年の現在、日本では女性にしかなれない職業のひとつです。
海外では男性助産師が活躍する国もありますが、現在の日本において男性助産師が誕生するかはまったくの未定です。出産という感動的な場に立ち会いたい、新しい命を取り上げる仕事に就きたい、という男性は、産婦人科医を目指すのがやはり近道ではないでしょうか。
お産はいつ始まるかわかりません。夜間に陣痛が始まることも多いため、看護師さんと同じように、助産師さんも夜勤交代制で働いています。
母体と赤ちゃん両方の命を預かる出産では、予想外のトラブルもつきもの。常に緊張状態の中での勤務です。時には死産に立ち会うこともありますが、率先して妊産婦やご家族のケアに回るのも仕事の一つ。自らが落ち込んでいる暇はないのです。
命の現場に立っている人間として、ミスや甘えは許されませんし、時には大きな悲しみも乗り越えていかなければならない助産師という職業。うまく気持ちを切り替えながら、ストレスを貯めずに働き続けられるかが重要ですね。
- 著者
- WILLこども知育研究所
- 出版日
- 2015-02-27
タイトル通り、助産師の1日やお産のこと、赤ちゃんのことも含めて仕事内容の多くをわかりやすくカラーで解説している1冊。
10代の人たち向けですが、写真も多くこれから目指す人の最初の資料としてもぴったりではないでしょうか。
助産師の仕事内容、実際にどんなことを考えているのか、という実際の仕事についてのインタビューはもちろん、助産師の学校がどういうところか、どんな勉強をしていけばいいのか、またどんな人が向いているのか?数々の疑問をわかりやすく解説しています。
- 著者
- 藤岡 陽子
- 出版日
- 2018-04-04
2018年5月現在も産婦人科医院で働く著者が、キャリア6年目の助産師を描いた医療小説です。
この世で初めて命を迎え入れるひとだから、むかえびと。そう呼ばれる助産師たちと、医療現場のリアルの緊張感を描いた本作品。今まで出産や医療問題に興味がなかった人でも楽しめること間違いなしのミステリー小説として仕立てられつつも、過酷な労働環境や、助産師の抱える葛藤、医療技術の発展と倫理問題の摩擦などを鮮やかに切り取ります。
著者の藤岡陽子さんは、2018年に著書「いつまでも白い羽」がドラマ化されたことでも話題となりました。
検診を受けていない飛び込み出産の妊婦、新生児の連れ去り、産婦の緊急搬送など、日々起こるトラブルを真摯に対処する主人公の姿には、誰もが読後憧れを抱いてしまうことでしょう。
- 著者
- ["坂本 フジヱ", "今井 雅子"]
- 出版日
- 2017-08-18
日本最高齢の現役助産師、93歳の坂本フジエさんの自伝本。
なんと助産師になって72年、取りあげた新生児は4000人以上!命の誕生と、自らの生きる意味を見つめ続けてきてきた筆者が届ける感動の一冊。通称フジヤンの一生を振り返りながら、助産師としての経験が軽快に語られる、非常に読みやすい作品です。
「人生いろいろ大変やけど、生まれてくる大変さに比べたら、たいしたことないなぁ」と言い切るタフな産婆、フジヤン。93年という長い歳月を生きてきた彼女から伝えられる言葉の数々に、誰もが「生まれる、生きるということの素晴らしさ」を嚙みしめることとなります。読後、明日からも元気に頑張ろう、と、力が湧くこと間違いなしです。
いかがでしたか?命をとりあげる助産師という仕事、責任は重いですが、非常にやりがいのあるお仕事ですね。また、看護師や産婦人科医ではない、この仕事ならでは、妊婦の生活指導などもしっかりと行えるのもこの仕事の魅力かもしれません。助産師を目指す人はぜひ、紹介した本を手にとってみてくださいね。