本作は、殺し屋ばかりが集まる定食屋を舞台にした物語です。主人公は猛獣の檻に投げ込まれたカナコ。怖い奴らに囲まれた環境で、果たして彼女は無事にウェイトレスを務めることができるのでしょうか。2009年に発売されてから10年経ち、2019年に藤原竜也主演で映画化もされた人気が衰えることのない作品です。 この記事では、映画化された原作のあらすじから結末まで、詳しく解説していきます。また、漫画作品はスマホアプリで読むことができるので気になった方はそちらもどうぞ。
本作の主人公は、殺し屋ばかりが集まる定食屋のウェイトレス・オオバカナコ。
その定食屋の名前は、「キャンティーン」、シェフはボンベロという人物でした。とても冷徹であり、彼自身も人を殺した経験があります。しかし、料理の腕は超一流。その腕を買われて、シェフをしているのです。
この世のものとは思えないくらい絶品のハンバーガーを味わえるキャンティーンに集まる人々は、殺し屋と言われる人たち。それを仕事として生きる、プロたちなのです。
殺しを始めた理由は、人それぞれいろんな事情がありました。そんな彼らは、異常な精神状態の者ばかり。そんな人たちが集まるこの店で、カナコは無事にウェイトレスを続けていくことができるのでしょうか。
- 著者
- 平山 夢明
- 出版日
- 2012-10-05
2019年7月5日に実写映画の公開が決定している本作。監督は蜷川実花が務め、キャストに藤原竜也、玉城ティナ、窪田正孝、本郷奏多、斎藤工、小栗旬らが選ばれています。鮮やかな色彩を得意とする蜷川と、豪華俳優陣が作り出す世界観に期待が膨らみます。
さらに本作はコミカライズもされています。漫画を担当しているのは河合孝典です。2017年から「週刊ヤングジャンプ」で連載が始まり、現在は「となりのヤングジャンプ」やアプリ「ヤンジャン!」に移籍して連載が続いています。漫画版では、躍動感あふれる描写でまた違った世界観の物語が展開されています!こちらも是非チェックしてみてください。
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- 著者
- 河合 孝典
- 出版日
- 2018-01-19
彼女は超がつくほどの一般人。なぜ殺し屋ばかりが集まる定食屋で、ウェイトレスを始めることになったのでしょうか。
仕事が長続きせず、自堕落な生活を送っていたある日、ふと、高額なアルバイト募集が目に止まります。なんと1日、運転するだけで30万円もらえるというのです。
普通は怪しんで応募しないと思いますが、カナコはこれに応募してしまいます。この瞬間から、彼女の悪夢は始まりました。
雇い主はやばい事件を起こし、ある組織に捕まり、カナコも同様に捕まりました。
壮絶な拷問の末に人身売買にかけられ、彼女はある人物に買い取られます。それが、ボンベロがシェフをしているキャンティーンのオーナー・コフィでした。カナコは働くか死ぬかを選ぶしかなく、キャンティーンで働くこととなったのです。
しかしここでの仕事は、普通のウェイトレスとは少し違います。自分の考えや意見をいうことは許されず、あくまでボンベロの命令に従うだけ。そして、客に殺される可能性もあるというのです。キャンティーンの客は殺し屋ばかり。お客さんに殺されそうになっても、ボンベロは助けない。そういう約束なのです。
過去にも何人かウェイトレスがいましたが、客に殺されるか、ボンベロに殺されるか、そのどちらかだったのです。そんな死体たちが、店内にはゴロゴロと転がっており……。カナコの命がけのウェイトレス生活が始まりました。
シェフのボンベロは、世間からみればれっきとした殺人者です。非常に冷徹な性格で、過去にウェイトレスを殺しています。
カナコのことも、用済みだといって殺そうとするくらい冷徹。しかしシェフとしては超一流で、客の好みをすべて把握しており、その人にあった最高の料理を提供します。
料理の手際もよく、同時に3つ4つのことをこなしています。ボンベロが表の世界にいたなら、世界で称されるほどの料理人といえるでしょう。
子どもの姿をした人殺し・キッドは、フェイクで教授を連れています。
彼は望まれない子どもとして、この世に生を受けました。キッドの母と祖母は淫売をしており、母は子どもができては堕ろし、できては堕ろしをくり返していました。彼ができたときも堕ろそうとしたのですが、医者に「この子を堕ろすと2度と子どもはできない」と言われ、産むことにしたのです。
そして、そんな彼の産まれ方は普通ではありませんでした。なんと祖母と母の客をたくさん集めて、客の目の前で産んだのです。そうして産まれた彼も祖母と母によって売られ、淫売をする生活が始まりました。
この暮らしが、彼の異常を精神にした原因でしょう。
キッドは普通の殺し屋とは異なり、殺す行為を楽しんでいます。さらには子どもばかりを相手にして、残虐な殺し方をしているのです。カナコも殺そうとしましたが、ボンベロの逆鱗に触れ、キャンティーンには2度と来られなくなってしまいました。
本作に登場する殺し屋のなかでは、とても優しい人物です。ボンベロが作るスフレが大好物。しかしボンベロは、完璧なスフレを提供することはありません。いつも何かしら余計なものを入れていたのです。
スキンは、母の作るスフレに異常なまでのトラウマがありました。それにより、完璧なスフレを食べてしまうと、彼は狂人になってしまいます。
物語の中で、カナコを助け出そうとしたり、ボンベロを助けようとしたり、とても優しい一面のある重要な人物。ある秘密を握っているのですが、その真相は作品で。
炎眉は、ボンベロに惚れている女性の殺し屋です。とても美しく容姿で、女であるカナコからみても惚れ惚れしてしまうほど。ボンベロを想う気持ちは強く、いつも近くにいるカナコに強い嫉妬心を抱いています。
そんな炎眉も、育った環境は異常といえるものでした。カルト宗教に入れ込んでいた両親の犠牲になっていたのです。鶏の首を切り落として、ミルクにその血を注いで飲まされるなど、想像に耐え難いものがあります。
そんな彼女に殺しを教えたのが、ボンベロでした。彼女の想い人であり、自身の師匠でもあったのです。
炎眉もキッド同様、カナコのことを殺そうとします。彼女にこれといった恨みはなくても、ボンベロの近くにいるものや、大事なものを全て壊そうとしてしまう炎眉。彼への愛情を突き詰めた結果として、彼女はそのような人生を送るようになってしまったのでした。
- 著者
- 河合 孝典
- 出版日
- 2018-01-19
本作は、河合孝典が描いた漫画版も出版されています。集英社のヤングジャンプで掲載されており、単行本としては2018年7月現在で3巻発売されています。
小説を読んでから漫画を読むと、想像していたイメージと少し違う部分があるかもしれませんが、しかし、活字で読むと想像が広がりすぎて逆に怖いという方には、この漫画版がおすすめ。比較的ポップに描かれているので読みやすく、物語の全体像を把握するにはもってこいの作品です。興味があれば、ぜひご覧ください。
漫画版『ダイナー』については<漫画「ダイナー」キャラと最新7巻までの見所をネタバレ紹介!【映画化】>の記事で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。
キャンティーンには多くの殺し屋が訪れ、食事を楽しんだり、時には人を殺したり、思い思いの時間を過ごしています。その中で、カナコはどのように過ごしていくのでしょうか。
ボンベロは最初、カナコのことをすぐに殺そうとしていました。殺されることがわかった彼女は、ある手段に出ます。キャンティーンで1番高級な酒「歌姫」を隠したのです。
これはボンベロのボスが心から楽しみにしていた酒でした。歌姫がなくなっては、ボンベロもボスに殺されていまいます。彼女は殺されたくない一心で、これを隠し、彼と取引したのです。
結果的にこの作戦が功を奏し、生き続けることができたのですが、この状況がいつまで続くかはわかりません。隠した場所はとても単純な場所。見つかれば彼女は殺されてしまいます。
- 著者
- 平山 夢明
- 出版日
- 2009-10-22
物語の最後には、ボンベロの師であるデルモニコを殺した犯人が判明します。その人物の策略で、ボンベロは組織からの追放と、ダイナーの閉鎖を余儀なくされます。
これまでの功績を評価して、ボンベロの命だけは助けるといわれましたが、カナコはそんなわけにいきませんでした。彼女は組織から殺されそうになりましたが、ボンベロが助けてくれたのです。彼のこの行動は、さらに組織に裏切者の印象をつけることになってしまい……。
組織対ボンベロとカナコの、激しい戦いに突入していきます。
この戦いは、最後どうなるのでしょうか。2人は組織に殺されてしまうのか。衝撃の結末が待っているかもしれません。