藤原竜也の原作を圧倒する実写化がすごい!出演映画・テレビドラマの魅力を一覧で紹介

更新:2021.11.15

類まれなる才能を見いだされ、舞台の世界で若くして開花した藤原竜也。舞台のみならず、テレビドラマ、映画と活躍の場を広げています。映画「カイジ」シリーズなど漫画原作の映像化で主人公を多く演じ、原作を上回るキャラクターで話題に。 この記事では、そんな藤原竜也が演じた役柄と作品について紹介します。

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藤原竜也といえば映画「カイジ」シリーズをはじめ実写化の雄!【プロフィール】

藤原竜也といえば、実写化作品に登場するたび「今度もまた窮地に追い込まれている」と話題になります。この記事を読めば、実際にどれほどの割合で彼がピンチに陥る役柄を実写化してきたのかわかりますよ。まずは、藤原竜也のプロフィールから紹介します。 

藤原竜也(ふじわらたつや)は、1982年5月15日生まれ埼玉県出身。2020年現在、38歳。身長178cmと高身長です。2013年に一般女性との結婚を発表しました。4歳年上の妻と子供との仲睦まじい家族ショットが報じられたことも。 

1997年、5000人以上もの応募があった舞台『身毒丸』のオーディションに合格し、15歳で芸能界デビューを果たします。3年後には映画『バトル・ロワイアル』にて主役に抜擢され、大ヒットを記録しました。 

その後も、藤原を見出した蜷川幸雄の舞台や映画、テレビドラマと次々に活躍。舞台での評価は内外でも高く、映画「デスノート」シリーズや「カイジ」シリーズなど漫画原作の主演も務め、その演技力で一目置かれる存在に。 

2014年には『藤原竜也の一回道』で、その素顔を追ったドキュメントバラエティーにも挑戦しています。好評につき、『藤原竜也の二回道』、『藤原竜也の三回道』とシリーズ化されました。役者としての一面とはまた別の人懐っこい表情、多くの先輩や友人から慕われている様子など、人となりやその魅力が窺えます。 

世界が認めた、悪魔的な魅力を持つ藤原竜也の魅力とは

鬼才・蜷川幸雄に見いだされ、流星のごとく現れた15歳の少年・藤原竜也。デビューから20年以上経った2020年現在、38歳のベテラン俳優としてこれまで数多くの名作に出演してきました。 

彼を語る上で、蜷川幸雄の存在は欠かせません。演技経験のまったくない、普通のサッカー好きだった少年を、舞台『身毒丸』の主演に大抜擢。藤原はこうして、真っ白な状態で蜷川演出を体験することができました。

10代という多感な時期に、大きな舞台に立つプレッシャー。追い詰められた状況の中で開花する才能。スターになるべくして蜷川が育てた藤原にとって、この経験こそが後の成功に繋がっていったことは言うまでもありません。そこで、徹底的に叩き込まれた芝居への情熱は、彼の演技力を確かなものにしていきました。 

藤原が演じてきた役柄の多くが、極限状態まで追い込まれる主人公です。そういうキャラクターは、ひとたび実写化すると違和感のある場合もありますが、藤原のそれは予想をはるかに裏切り、想像以上のものを提示してきます。そして、いつしかその悪魔的な魅力に惹かれてしまうのです。これこそが、藤原竜也という俳優の強みなのではないでしょうか。 

そんな藤原竜也の出演する映画『太陽は動かない』。竹内涼真とのバディぶりが楽しみな方は、こちらのフォトブックもおすすめです。 
 

著者
["「太陽は動かない」製作委員会", "石井 千保子"]
出版日

【ライターおすすめ】藤原竜也が1番輝く『カイジ ファイナルゲーム』(2020年)

 

数ある藤原竜也出演作のなかでも、彼の代表作に映画「カイジ」シリーズがあります。ギャンブル漫画の帝王・福本伸行の漫画『賭博黙示録カイジ』を原作とする実写映画シリーズです。そのなかでも今回おすすめするのは、2020年に公開された映画『カイジ ファイナルゲーム』。

本作は、9年振りの映画化でありシリーズ最終回。原作者・福本伸行自らが脚本に加わり、オリジナルストーリーを展開していきます。挑戦するゲームも映画オリジナルの新ゲーム、「バベルの塔」「最後の審判」「ドリームジャンプ」「ゴールドジャンケン」が登場。ファイナルゲームにふさわしいスケール感で楽しませてくれます。

カイジといえば、原作にある独特な表現が面白さのひとつですが、実写化で生身の人間が発するには違和感が。しかしながら、ひとたび藤原竜也が台詞を発するとそこにカイジの世界が広がります。まさに彼でなければ成立しない役柄なのです。彼の当たり役とも言うべきカイジ。彼の演じるカイジの最後の雄姿を、ぜひその目で確かめてください。

 

 

この作品の原作は、こちらでも紹介しています。

唯一無二の存在で活躍をしてきた藤原竜也。ここからは、そんな彼の原作のある出演作品の魅力やどんな役柄を演じたかなど紹介していきます。 

 

【映画原作】藤原竜也の映画初主演作!『2年A組探偵局 仮面学園殺人事件』(2000年)

『ぼくらの七日間戦争』で知られる宗田理の「2年A組探偵局」シリーズの1つが、小説『2年A組探偵局 仮面学園殺人事件』です。これを原作とした実写映画『仮面学園』にて、映画初主演を務めたのが藤原竜也です。 

私立光陽館高校では、登校拒否を続けていたある生徒が仮面をつけて学校に通い始めると、次々に仮面の生徒たちが増えていきます。そんななか、最初に仮面をつけた生徒が殺されてしまいます。その死の真相を探る貢と有季。すると、1人の青年・堂島の存在が浮上してくるのでした。 

藤原竜也は、謎めいた仮面職人堂島を演じています。原作は児童文学だけあって、映画の方がよりミステリアスな展開に。藤原竜也の独特な雰囲気が作品を盛り上げています。 小説は会話を中心に進むため、テンポよく読みたい方にはおすすめです。

著者
宗田 理
出版日

【映画原作】殺し合う中学生役に抜擢『バトル・ロワイアル』(2000年)

あまりに過激な内容ゆえに文学賞に落選した経緯を持つ高見広春原作の問題作『バトル・ロワイアル』。そのことがかえって話題となり、出版されるや否やミリオンセラーとなりました。同名で実写映画化もされ、大ヒットを記録。主演に抜擢されたのが、藤原竜也でした。「中学生が無人島で殺し合う」という衝撃の物語です。 

政府主導の下、ランダムに選ばれた中学3年生のある1クラスに武器を渡し、見知ったもの同士で殺し合いをされるプログラムが行われていました。主人公の七原秋也は思いを寄せていた中川典子を助けながらゲームからの脱出を試みますが……。過酷な状況下で、藤原竜也の演技力が炸裂します。 

第1作目のヒットにより、未公開シーンを加えた『バトル・ロワイアル 【特別篇】』、第1作の続編にあたる『バトル・ロワイアル2【鎮魂歌】レクイエム』も公開されました。藤原竜也だけでなく、栗山千明、塚本高史、柴咲コウ、安藤政信など今なお活躍中の俳優陣が出演していることもみどころのひとつです。

著者
高見 広春
出版日

【映画原作】兄弟以上の信頼関係を貫けるか『さぶ』(2002年)

『さぶ』は山本周五郎が描く不朽の名作です。これまで舞台化やテレビドラマ化など何度もされている人気作品。2002年に「名古屋テレビ開局40周年記念」として製作されたテレビドラマ『SABU さぶ』に、藤原竜也が妻夫木聡とダブル主演しています。このドラマが好評を博し、劇場公開もされました。江戸の下町を舞台に、表具店で働くさぶと栄二の友情の物語です。  

さぶと栄二は親友同士。同じ表具店で働いていました。ある日、栄二に盗みの罪が着せられ、姿を消してしまいます。そんな彼を支えようとするさぶ。栄二は心を閉ざしてしまいましたが、それでもさぶは辛抱強く励ますのでした。栄二を藤原竜也、さぶを妻夫木聡が演じています。やはりこの2人の競演が本作のみどころでしょう。 

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。 

<小説『さぶ』のあらすじ、見所をネタバレ解説!山本周五郎の名作がドラマ化!>
 

著者
山本 周五郎
出版日
1965-12-28

【映画原作】ヤクザの世界を生き抜く新生面『月のようにぼくらは抱き合う~ムーンライト・ジェリーフィッシュ~』(2004年)

藤原竜也主演の映画『ムーンライト・ジェリーフィッシュ』の監督・鶴見昴介が、自ら書き下ろした小説『月の光のように、ぼくらは抱き合う〜ムーンライト・ジェリーフィッシュ〜』。携帯サイト「The News」等に掲載され、累計1000万人が泣いた話題作です。

幼い頃、両親を亡くした寺沢セイジ(藤原竜也)には、XP患者の弟ミチオがいました。XPとは、紫外線を浴びると皮膚ガンを起こす難病「色素性乾皮症」のこと。加えて知的障害もあるミチオの治療費のため、ヤクザの世界に入ったセイジでしたが……。

これまでの役柄とはまったく異なる新境地に挑戦した藤原竜也。新しい魅力で硬派なキャラクターを演じています。 
 

著者
鶴見 昴介
出版日

【映画原作】原作『DEATH NOTE』(2006年)

2003年から「週刊少年ジャンプ」に連載され、人気を集めたカリスマ漫画『DEATH NOTE』。原作は大場つぐみ、作画を小畑健が担当しています。藤原竜也を主演に、『デスノート』というタイトルで実写映画化。大ヒットを記録し、その後も『デスノート the Last name』『L change the WorLd』『デスノート Light up the NEW world』と続編やスピンオフが公開されていきました。  

頭脳明晰な高校生・夜神月が偶然手にした「デスノート」。それは、名前を書かれた人間が死ぬというノートです。彼は理想の社会を作るため、犯罪者たちの名を次々にノートに記してくのでした。衝撃の内容で一大ブームを巻き起こした作品。内容はもちろんのこと、作画の小畑健の圧倒的な画力に魅了されます。  

映画では、夜神月が高校生から大学生へと変更に。藤原竜也が演じました。夜神月と対立する名探偵Lを松山ケンイチが演じブレイクを果たします。この2人の頭脳合戦がみどころです。 

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。 

<漫画「デスノート」の社会的影響は。キラキラネームのきっかけ?>
 

著者
大場 つぐみ
出版日

【映画原作】芥川賞受賞作を蜷川幸雄が映画化『蛇にピアス』(2008年)

芥川賞を受賞した金原ひとみのデビュー作『蛇にピアス』は、2008年に蜷川幸雄が監督し実写映画化されました。 

渋谷を徘徊する少女ルイがクラブで知り合ったアマは、スプリットタンの持ち主でした。スプリットタンとは、蛇のように2つに割れた舌のこと。アマに連れていかれたシバの店で、舌ピアスをあけてもらうと、しだいに「身体改造」にはまっていくルイ。痛みとともにある快楽、愛、そして死。現代の若者をリアルに描いた衝撃作です。 

藤原竜也は、特別出演という形で出演しています。ルイやアマに絡むチンピラ役小栗旬とともに演じました。藤原は、逆ギレしたアマにボコボコにされてしまいます。藤原にとっては非常に珍しい役柄ですね。 

著者
金原 ひとみ
出版日

『蛇にピアス』他、金原ひとみの作品をもっと知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

金原ひとみのおすすめ8選!『蛇にピアス』から2021最新作まで

金原ひとみのおすすめ8選!『蛇にピアス』から2021最新作まで

デビュー作『蛇にピアス』で、いきなり芥川賞を受賞。その若々しい容姿とは裏腹の、センセーショナルな作品内容が話題となった作家・金原ひとみ。ここではそんなデビュー作含め発表した作品のなかからおすすめ8作品を、2021年最新作までご紹介していきます。

【映画原作】歴史上の人物としても悩まされる役柄の藤原竜也『永平の風 道元の生涯』(2009年)

『永平の風  道元の生涯』は、曹洞宗の僧侶で仏教学者である大谷哲夫が描いたノンフィクション。これを原作とし、大谷哲夫自らが製作総指揮を手がけたのが、実写映画『禅 ZEN』です。 

乱世の鎌倉時代、苦悩する人々をそこから解放する手立てはないものか、人々を明日の希望へ導くため「禅」を究めた道元。正確な時代考証をもとに、道元の人生を描いています。ただの伝記ではなく、現代人の心の在り方に共感する部分が多く感銘を受ける作品です。 

実写映画では、史実の部分はそのままに、オリジナルのキャラクターを加えてより作品に深みを与えています。藤原竜也の役柄は、北条時頼。度重なる戦により、怨霊に悩まされる時頼を熱演しています。

著者
大谷 哲夫
出版日

【映画原作】藤原竜也の代名詞ともなった『賭博黙示録カイジ』(2009年)

ギャンブル漫画を得意とする福本伸行原作の『賭博黙示録カイジ』は、「ヤングマガジン」に連載され一躍人気を博しました。過激な言動や巧みな心理描写は福本伸行ならでは。 

この物語を原作とした実写映画が『カイジ 人生逆転ゲーム』です。第1作目が大ヒットを記録し、『カイジ 人生奪回ゲーム』『カイジ ファイナルゲーム』と公開の続いた人気シリーズです。  

自堕落な生活を送るカイジは、友人の借金の保証人となり多額の負債を抱えてしまいました。そんな彼のもとを訪ねてくる謎の美女・遠藤凛子。一夜にして大金を手にすることができるという彼女の甘い言葉に誘われ、豪華客船へ乗り込むカイジでしたが……。  

藤原竜也が演じるのは、主人公カイジ。原作でもお馴染みの勝負に挑んでいきます。福本伸行の描く世界観にピタリとはまった藤原のカイジは、必見の価値ありです。 

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。 

<漫画『賭博黙示録カイジ』を名言、効果音などからネタバレ紹介!無料で読める>
 

著者
福本 伸行
出版日
1996-09-03

【映画原作】心温まる青春小説……かと思うと裏切られるラスト『パレード』(2010年)

山本周五郎賞を受賞した吉田修一の群像小説『パレード』。2010年に同名で実写化映画化されました。主演を藤原竜也ほか、香里奈、貫地谷しほり、小出恵介、林遣都という豪華メンバーが務めています。この5人のキャスティングは貴重です。 

都内の2LDKでルームシェアをする男女4人の若者たち。映画会社勤務でジョギングが日課の直輝、イラストレーター兼雑貨屋店長の未来、若手人気俳優と熱愛中の琴美、大学生の良介のもとに、男娼のサトルが加わります。

本当の自分を見せず、装いながら暮らすうちに徐々にひずみが生じていく若者を描いています。藤原竜也は直輝を演じました。衝撃的なラストが待ち受けていますので、初見の方はご注意ください。 原作では5人の視点が入れ替わりながら進むので、それぞれの人物の心情や立場に考えを馳せることができます。

著者
吉田 修一
出版日

【映画原作】洞察力で殺し合いの犯人を探る過程が魅力『インシテミル』(2010年)

 

ライトノベル『氷菓』でデビューを飾った米澤穂信原作の『インシテミル』を原作とし、同名実写映画が製作されました。この作品は、ホリプロ50周年記念映画で、キャストは全てホリプロ所属。この記念すべき作品の主演を藤原竜也が務めました。 

時給11万2000円という破格の金額につられ、集められた男女12名。とある施設に閉じ込められた彼らの仕事は、参加者同士が殺し合う犯人当てゲームでした。かつてない程の心理合戦に、スリル満点の新感覚ミステリーです。 

藤原竜也は主人公の結城理久彦を演じています。原作では大学生のところ、フリーターに変更。内向的な性格で、鋭い洞察力も持ち合わせています。共演は、綾瀬はるか石原さとみ、北大路欣也といった主役級のキャストが集結しました。 

 

著者
米澤 穂信
出版日
2010-06-10

【映画原作】藤原竜也、今度は殺人鬼として「人間の屑」『藁の楯』(2013年)

『BE-BOP-HIGHSCHOOL』で漫画家デビューし、一世を風靡した木内一裕。2004年、自身初となる小説『藁の楯』を発表しました。これを原作に、2013年実写映画化。藤原竜也はこの映画で、殺人鬼・清丸を演じています。 

2人の少女を惨殺した殺人鬼・清丸。殺された少女の1人は、財界の大物・蜷川の孫娘であったため、清丸の首に10億円の懸賞金を懸けられます。そこで、清丸の移送のため護衛を命じられた警察官5人。人間の屑の盾になることに意味はあるのか。人として警察官として、どうあるべきか問う問題作です。派手なアクションシーンも見応えがあります。 

もはや藤原竜也の代名詞ともなるべく「人間の屑」を今回も熱演。この手の役を演じさせたら右に出る者はいませんね。
 

著者
木内 一裕
出版日

【映画原作】主人公と衝突する新任医師を熱演『神様のカルテ2』(2014年)

現役の医師である夏川草介は、小説『神様のカルテ』で作家デビューを果たしました。その続編にあたるのが『神様のカルテ2』です。本屋大賞などの受賞により、瞬く間に話題作となりました。小説の第1作目と第2作目は、いずれも実写映画化されています。 

医師の栗原一止は、信州にある本庄病院の勤務医。この病院は24時間、365日対応を謳っており、写真家の妻・ハルに支えられながら多忙な毎日を送っていました。一度は母校からの誘いがあったものの、この病院に残ることを決めた一止。そこへ、旧友・進藤辰也が東京の病院から新任の医師としてやってくるのすが……。 

藤原竜也が演じたのは、この進藤辰也です。一止とは異なる医師としての姿勢を持ち、彼と衝突する役柄でした。命と向き合う医療現場で、仕事を取るか家族を取るか。そんな医師の葛藤を描いた作品です。 

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。 

<夏川草介の小説「神様のカルテ」シリーズを名言で読む!>
 

著者
夏川 草介
出版日
2013-01-04

【映画原作】品川ヒロシとのタッグで『サンブンノイチ』(2014年)

小説家だけでなく、俳優、脚本家とさまざまな顔を持つ木下半太原作の小説が『サンブンノイチ』です。

キャバクラ「ハニーバニー」の店長であるシュウ。店の売上金を紛失し闇金から借金をする羽目に。ボーイのコジはギャンブルづけで同じく借金があり、店の常連の健さんも倒産寸前でした。3人は銀行強盗に成功しハニーバニーに駆け込みますが、ここで内輪もめが。さらに大金を狙う大物も出現してきます。果たして大金は誰の手に。  

シュウを演じるのが藤原竜也です。角川文庫創刊65周年記念作品として映画化された本作は、芸人でもある品川ヒロシが監督。豪華キャストが集結し、騙し合いが炸裂。究極のジェットコースタームービーです。藤原が演じたシュウを見て品川も、シュウの新たな魅力に気が付いたそう。

著者
木下 半太
出版日
2013-08-24

【映画原作】作者が「集大成」と認める悪役『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(2014年)

幕末、伝説の「人斬り抜刀斎」と呼ばれていた緋村剣心。しかし、明治維新以後は、殺さずの誓いのため、逆刃刀を腰に下げ各地を放浪していきます。やがて人々を守るため戦う緋村剣心の姿を描く物語です。 

『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』は、「週刊少年ジャンプ」に連載された和月伸宏原作の人気漫画シリーズ。アニメ化や舞台化、実写映画化などすべてのメディアミックスで成功を収めています。この実写映画の第2作目と3作目『るろうに剣心 京都大火編』と『るろうに剣心 伝説の最期編』にて、藤原竜也は志々雄真実を演じています。 

『るろうに剣心 京都大火編』では、剣心と宿敵・志々雄真実との戦いを描き、『るろうに剣心 伝説の最期編』では、剣心にさらなる敵がいることを知ります。藤原演じる志々雄は、作者も「これこそが悪」として描いているキャラクターで、ビジュアルインパクトもあります。そこに藤原竜也の演技力も加わり、かなり強烈な役柄となっています。 

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。 

<『るろうに剣心』志々雄真実に関する7つの事実!史上最強にして最凶の悪!>
 

著者
和月 伸宏
出版日
2007-01-04

【映画原作】藤原竜也がオラオラな科学捜査官に『ST 警視庁科学特捜班』(2015年)

今野敏原作の警察を描いた小説シリーズの『ST 警視庁科学特捜班』。シリーズは全12作品あり、STシリーズ、色シリーズ、伝記シリーズ、その他に分かれています。この最初の『ST 警視庁科学特捜班』を原作とし、まずはスペシャルドラマが放送され、翌年、連続ドラマ、さらにスケールアップし『映画 ST赤と白の捜査ファイル』のタイトルで映画化となりました。 

警視庁科学捜査研究所に新設された架空の組織が「ST」と呼ばれてます。そこに所属している個性溢れる優秀なメンバーが、不可解な事件を見事に解決していくさまを描いています。 

藤原竜也は、STの法医学を担当する赤城左門を演じました。医者であるとひけらかす高飛車な性格の天才捜査官ですが、映画版では、殺人の容疑者に。テレビドラマでもお馴染みのバディ百合根友久は、赤城の無実を信じ真犯人を追うのですが……。百合根と築き上げたバディ関係はどうなるのか。怒涛の展開に目が離せません。 

著者
今野 敏
出版日
2014-05-15

【映画原作】藤原竜也自身もUMAマニア⁉『探検隊の栄光』(2015年)

『ちょんまげぷりん』で知られる荒木源の小説『探検隊の栄光』は、藤原竜也主演で制作された同名実写映画の原作です。 

日本で80年代に流行った秘境を探検する人気テレビ番組。その撮影クルーは、いるはずもない幻の大蛇・ヤーガの捜索のため、ある亜熱帯にいました。洞窟で準備をしていた彼らは本物のゲリラに遭遇してしまいます。このゲリラとの出会いが撮影クルーたちに大きな影響を与え、やりがいを見出していく物語です。 

映画では、実際に放送されていた「川口浩探検隊」や「藤岡弘探検隊」のパロデイ的な部分が色濃くなっています。藤原竜也が演じるのは、未確認生物=UMAを探す探検隊の隊長。藤原自身もUMA好きというだけあり熱演しています。 

そのスピンオフ4KショートムービーがひかりTVにて配信され、藤原竜也が同役で主演しています。4Kで撮影したこともあり、その映像は息を飲むほど。秘境の川や山などの美しい自然のありのままの姿を映像に収めています。そこもみどころですね。 

著者
荒木 源
出版日

【映画原作】何かから逃げている?『僕だけがいない街』(2016年)

三部けい原作の大ヒット漫画『僕だけがいない街』。タイムリープによって過去に戻り、18年前に起きた児童連続誘拐事件を阻止しよう奮闘する青年を描いたミステリーです。テレビアニメ化、実写映画化、配信ドラマ化された人気作品。藤原竜也は、この実写映画にて主演を務めています。 

売れない漫画家・悟は、ピザ屋でアルバイトをしていました。そんなある日、突然、タイムリープの能力が目覚めます。それは「リバイバル」という現象で、何か悪いことが起こると自動的に過去に戻るというもの。そんななか、悟の母が何者かに殺害されてしまいます。その時、悟に起きたリバイバル。しかし悟が戻ったのは、18年前だったのです。

徐々に事件の謎が明らかになっていきますが、映画版では原作とは違う結末を迎えます。ぜひ比べてみてください。 

著者
["一 肇", "三部 けい"]
出版日

【映画原作】藤原竜也が異彩を放つ棋士のファンに『泣き虫しょったんの奇跡』(2018年)

『泣き虫しょったんの奇跡』は、35歳でプロ棋士となった「しょったん」こと瀬川晶司の自伝です。これを原作とした同名実写映画が作られました。監督は自身も17歳まで奨励会員だった豊田利晃。『I'M FLASH!』以降、2度目となる豊田作品で、藤原竜也はしょったんのファンの1人として登場しています。 

小学生の頃から将棋一筋で生きてきた瀬川晶司は、奨励会員になるも26歳の壁に敗れ退会を余儀なくされてしまいます。大学卒業後は、普通に就職し将棋から離れていましたが、最愛の父を亡くしたことで、再び将棋に向き合うことに。35歳、周囲の人たちに支えられながら2度目の挑戦に挑むしょったんの姿を描いた物語です。

「あきらめなければ夢は叶う」瀬川のそんなメッセージが込められた作品となっています。 
 

著者
瀬川 晶司
出版日

【映画原作】藤原竜也の独壇場も見所『億男』(2018年)

プロデューサーでもあり作家の川村元気が描くお金を巡る物語が『億男』です。男性誌「BRUTUS」に連載され、2015年には本屋大賞にノミネートされた話題作。

図書館司書の一男は、宝くじで3億円を当てます。大金を当てたことで不安になった彼は、大富豪となった親友・九十九にアドバイスをもらうため訪ねることに。しかし、お金とともに九十九も失踪してしまいます。一男は九十九の行方を追いながら、大金を巡る人間の在り方や幸せについて考えるのでした。 

藤原竜也が演じるのは、元「バイカム」という会社の最高財務責任者で「ミリオネアニューワールド」の教祖も務める怪しい男・千住です。少しふっくらした体型やそのパーフォーマンスなど、かなりの独壇場で、藤原竜也の存在感を見せつけています。 

著者
川村 元気
出版日
2014-10-15

【映画原作】蜷川実花が藤原竜也を美しい演出で料理『ダイナー』(2019年)

ホラー小説を多く手掛ける平山夢明原作の『ダイナー』は、日本冒険小説協会大賞などを受賞した話題作。ラジオドラマ、漫画そして実写映画と次々形を変えて楽しまれています。特にその特異な内容ゆえに実写化不可能を言われていましたが、それを可能にしたのが蜷川幸雄の娘・蜷川実花監督。この作品で、藤原竜也は主演を務めています。 

お金のため怪しい仕事に手を出してしまった普通の女の子カナコは、ウエイトレスとして売られてしまうことに。そこは、殺し屋たちが集う会員制ダイナー「キャンティーン」でした。そのダイナーの天才オーナーシェフ・ボンベロ(藤原竜也)も元は腕利きの殺し屋だったのです。

蜷川実花の世界観で魅せる本作は、そのビジュアルセンスからキャストまでこだわりの演出が。特にこだわったのは、やはり藤原竜也をいかに料理するかということ。彼の新たな美しさが開花しています。 

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。 

<小説『ダイナー』の怖すぎる登場人物たちを紹介!殺し屋ばっか!まるで地獄?>
 

著者
平山 夢明
出版日
2012-10-05

【映画原作】ブルガリアで撮影された激しいアクションシーン『太陽は動かない』(2021年)

『怒り』や『悪人』など多くの作品が映像化されている人気作家吉田修一。実写化は不可能と思われたシチュエーションでのシーンが頻出する彼のスパイアクション小説『太陽は動かない』ですが、同シリーズ『森は知っている』とともに実写化されました。映画版とテレビドラマ版があり、藤原竜也はいずれも主演を務めています。 

謎の産業スパイ組織AN通信の鷹野一彦(藤原竜也)は、相棒の田岡(竹内涼真)と油田開発利権争いの渦中で起きた射殺事件を調査していました。彼らの目的は、機密情報を掴み高値で売ること。鷹野と因縁のある商売敵のデイビッドや謎の美女AYAKOなども登場し、命がけの攻防がくり広げられるのでした。

鷹野と田岡の胸に埋め込まれている爆破装置。タイムリミットは24時間ごとで、連絡が取れなければ爆発する仕掛けなどハラハラドキドキの展開が。 東欧のブルガリアでもロケをおこなったという迫力のアクションシーンと、藤原竜也と竹内涼真がどんなバディを組むのかにご注目です。

小説で映画の予習をするのもおすすめ。気になった方は、こちらの記事もご覧ください。 

<『太陽は動かない』はハリウッド並みのスピード感とスケール!原作小説をおすすめ>
 

著者
吉田 修一
出版日
2014-08-05

ここまでは、藤原竜也の出演した映画原作をみてきました。この後は、テレビドラマ原作を紹介していきます。

【テレビドラマ原作】初々しい藤原竜也の演技を女性漫画原作で『愛しすぎなくてよかった』(1998年)

脚本家として数多くの名作を世に送り出した内館牧子が、原作を担当した漫画が『愛しすぎなくてよかった』です。その他に、内館自身による書き下ろし小説、脚本を担当したテレビドラマへと展開していきました。

平凡なOL・高沢なつみは、結婚というゴールのない恋愛に疲れ、選んだ次の手は海外留学。 フィレンツェ・ロンドン・東京を舞台に、自分探しに奮闘するなつみ。そんな彼女に共感し、元気ももらえる物語です。

テレビドラマでは設定が大きく異なり、なつみはブティックの雇われ店長をしています。バツイチの独身主義男性に恋してしまうお話です。藤原竜也は、このテレビドラマで主人公高沢なつみの弟・高沢充を演じました。まだ初々しい藤原を見ることができます。 
 

著者
["牧子, 内館", "紀子, 入江"]
出版日

【テレビドラマ原作】赤川次郎の人気ミステリー『三姉妹探偵団』(1998年)

赤川次郎原作の推理小説シリーズの『三姉妹探偵団』は、24作品も続く人気シリーズです。これまで何度となく実写映像化され、時に脚色され三姉妹から『4姉妹探偵団』になったこともあります。 

父の出張中、残された美人三姉妹の住む自宅が火事に見舞われます。かろうじて逃げ出した3人でしたが、焼け跡からは若い女性の遺体が発見されます。父親に疑いの目が向けられ、無実を信じる姉妹は、父の潔白を晴らすため事件解決に乗り出すのでした。

藤原竜也が出演したのは、1998年に放送されたテレビドラマ『三姉妹探偵団』です。 第7話と8話に登場する有田勇一を演じています。 

著者
赤川 次郎
出版日

【テレビドラマ原作】 ゴーストとなった主人公の幼馴染が藤原竜也『幽麗演戯レディゴースト』(1999年)

奥菜恵主演のテレビドラマ『天国のKiss』で、その幼なじみの櫂を演じたのが藤原竜也です。このテレビドラマは、原作に睦月三日生、作画に嶺らいかの漫画『幽麗演戯レディゴースト』が原案協力となっています。 

原作は、幽霊でありながら、類まれなる美声のビッグアイドル・姫野霊子と彼女のマネージャーを中心としたオカルトコメディ。芸能界を舞台にしていますが、たくさんの幽霊や妖怪などが登場します。霊子の天真爛漫さに振り回されるマナージャーの奮闘が、テンポよく描かれるエンターテインメント作品です。 

テレビドラマでは主人公の明日美が半人前のゴーストになってしまい、その中でくり広げる恋愛ファンタジーとなっています。姉を亡くしたことで心を閉ざした櫂ですが、半ゴーストになっても懸命な明日美をみて、心を開いていきます。 
 

著者
["睦月 三日生", "嶺 らいか"]
出版日

【テレビドラマ原作】病を抱えながら将棋に打ち込んだ棋士の実話『聖の青春』(2001年)

『聖の青春』は、プロ棋士として活躍するも病のため29歳という若さで亡くなった村山聖を題材としたノンフィクション小説です。自身も将棋をさす大崎善生のデビュー作となりました。新潮学芸賞、将棋ペンクラブ大賞を受賞。

テレビドラマのほか漫画、舞台、映画となった人気作品です。このテレビドラマで主人公の村山聖を演じ、2時間ドラマ初主演したのが藤原竜也でした。 

村山は5歳にして血液中のたんぱく質が排出されてしまうネフローゼを患い、病を戦いながら将棋に打ち込んできました。名人になることを夢に抱き、そのあと一歩のところまでいくも志半ばに29歳という若さでこの世を去ったのです。

藤原竜也が、病と向き合いながら将棋にかける村山を真摯に演じているさまは必見。このドラマでは、村山を支える師匠との師弟愛も描かれています。

著者
大崎 善生
出版日

【テレビドラマ原作】作者・横溝正史が登場人物に?『八つ墓村』(2004年)

横溝正史の長編推理小説である「金田一耕助」シリーズのひとつが『八つ墓村』です。金田一シリーズは、映像化されることが多々ありますが、この『八つ墓村』もたびたび映像化されています。2004年には、稲垣吾郎が金田一を務めたスペシャルドラマが放送されました。 

舞台は島根と岡山の県境にある寒村。戦国時代、8人の武士が大金を持ちながら村に落ち延びました。そこで、欲に目がくらんだ村人たちは彼らを殺害し大金を奪います。その後、この村は八つ墓村と呼ばれることに。そして大正時代、再び残忍な事件が起こるのでした。その事件が後にもたらす悲劇を描いた作品です。 

この2004年版ドラマで、藤原竜也は田治見家の遺産相続人・井川辰弥を演じています。映像化される際に原作から設定が変更されることがたびたびありますが、2004年版の最大の違いは、金田一と親しい作家という設定で作者の横溝正史が登場するところ。金田一がこの事件について、横溝に語るという物語が加わっています。

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。 

<「金田一耕助」シリーズおすすめ小説ランキングベスト10!>
 

著者
横溝 正史
出版日
1971-04-26

【テレビドラマ原作】SF好きも歴史好きも必見『戦国自衛隊』(2006年)

現代の自衛隊が近代兵器を携え、戦国時代にタイムスリップしたらという半村良のSF小説『戦国自衛隊』は、1979年に公開された実写映画が大ヒットを記録しました。

日本海沿岸一帯で大演習を展開していた自衛隊。臨時の補給施設にそれぞれの部隊が集結すると、突然「時震」が襲います。そこにいた30名あまりの隊員は、そのまま戦国時代にタイムスリップしてしまうのでした。なぜタイムスリップしたのか、彼らの存在の意味を問う物語です。

 2006年に放送されたテレビドラマ『戦国自衛隊・関ヶ原の戦い』では、タイムスリップした場所が、関が原の戦い直前の戦場すぐ近く。徳川家康に加勢を求められます。藤原は、関ヶ原の戦いで重要な人物、小早川秀秋を演じています。歴史的にも興味深い作品です。 

著者
["半村 良", "日下 三蔵"]
出版日

【テレビドラマ原作】仇討ちは美談か、殺人か『敵討』所収の「最後の仇討」(2011年)

2011年放送された『遺恨あり 明治十三年 最後の仇討』は、吉村昭の短編小説集『敵討』所収の「最後の仇討」を原作としたテレビドラマです。吉村昭といえば、徹底した取材力で史実にこだわる作家として知られています。日本最後の仇討ちと世間を騒がせた「臼井六郎仇討事件」を描いた物語です。 

慶応4年に起こった秋月藩の執政・臼井亘理とその妻・清の惨殺事件。藩の裁定は犯人の罪は裁かず、臼井家を罰するものでした。残された亘理の息子・六郎は、両親の無念を晴らすため仇討ちを決意します。新しい時代、それが殺人罪とわかっていても、その覚悟を決める六郎でした。

藤原竜也は、この臼井六郎を演じています。江戸の時代は美談であった仇討ちも、時代が変われば殺人犯に。そんな歴史に翻弄される六郎を見事に演じました。 
 

著者
昭, 吉村
出版日

【テレビドラマ原作】藤原竜也が東野圭吾作品でも巻き込まれる……『ブルータスの心臓 完全犯罪殺人リレー』(2011年)

東野圭吾の推理小説『ブルータスの心臓 完全犯罪殺人リレー』。2011年に、藤原竜也主演でテレビドラマ化されました。 

産業機器メーカーのMM重工業で将来を嘱望されている末永拓也。専門は人工知能ロボットの開発です。野心のある彼は、専務取締役の仁科敏樹に取り入ろうとしていました。そのために利用した秘書の雨宮康子の妊娠が発覚することに。困った拓也に、康子の共同殺人の誘いが持ち掛けられます。こうして、完全殺人リレーが始まるのでした。

衝撃的な展開やトリックに、読みごたえも見応えも十分。テレビドラマで藤原が演じるのは、強いコンプレックスのため上昇志向も強い拓也です。そんな難しい役柄を熱演しています。 
 

著者
圭吾, 東野
出版日

【テレビドラマ原作】藤原竜也が癖のあるエキスパートを『ST 警視庁科学特捜班』(2013年)

『ST 警視庁科学特捜班』は、今野敏が描く警察小説シリーズ。シリーズは全部で12作品も続いた人気作品です。最初の『ST 警視庁科学特捜班』を原作とし続々と映像化されました。最初に映像化されたのが、単発のスペシャルドラマ『ST 警視庁科学特捜班』。その後、『ST赤と白の捜査ファイル』とタイトルを変え連続テレビドラマとして放送されました。劇場公開もされています。

現代のさまざまな犯罪に対応するため、新設された架空の警察組織「ST」。そのメンバーには、各分野のエキスパートを集結。人間的には癖のあるメンバーが多く、彼らを束ねる警視庁のキャリア組・百合根友久は苦労することに。STのリーダー的存在で対人恐怖症の赤城左門とタッグを組んで事件を解決していきます。

藤原竜也は、赤城左門を演じることに。ドラマの中だけでなく、百合根友久を演じる岡田将生とのコンビぶりが非常に面白く魅力的です。 

著者
今野 敏
出版日

【テレビドラマ原作】伊集院静を藤原竜也が演じた『いねむり先生』(2013年) 

伊集院静の自伝的小説『いねむり先生』は、作家の色川武大との交流を描いています。彼との出会いにより、妻・夏目雅子を失った悲しみ、アルコール依存やギャンブルに溺れる生き方を改めることができた伊集院でした。漫画化やテレビドラマ化もされ、2013年のテレビドラマで、藤原竜也が伊集院をモデルとしたサブローを演じています。 

普段は窺い知れない伊集院静の哀しみや「いねむり先生」こと色川武大への尊敬、そして色川武大の大きな優しさなどが描かれ、温かい気持ちになれる物語です。実在する人物を演じるということで緊張したという藤原。そんなことは微塵も感じさせず自然な演技をみせています。

著者
伊集院 静
出版日
2013-08-21

【テレビドラマ原作】年収1億のIT社長に『うちのネコが訴えられました⁉ ー実録ネコ裁判ー』(2015年)

山田タロウの『うちのネコが訴えられました⁉ ー実録ネコ裁判ー』は、アメーバブログで裁判記録を掲載し話題となったブログをまとめたものです。 

ある日、筆者のもとに届いた内容証明書。中身は、「あなたのネコを訴えます」というものでした。突然被告となってしまい裁判所へ。しかも、そのネコは飼い猫でもなく、勝手に出入りしていた迷い猫。それでも訴えられたら、罪を犯していないことを証明しないというなんとも理不尽な裁判の結末までを描いています。 

この実話を一部利用したテレビドラマが、『おかしの家』。下町の駄菓子屋「さくらや」を舞台に、主人公太郎と近所の人々がくり広げる人間模様を描いています。第2話のゲストとして藤原竜也が出演。太郎の同級生で年収1億円のIT社長・武田武蔵役を演じました。 

太郎と祖母は、勘違いでネコが訴えられたことにより、さくらやを手放すことになってしまいます。何気ない日常の中で本当に大切なものとは何かを気付かせてくれる、そんな物語です。 
 

著者
山田 タロウ
出版日

【テレビドラマ原作】児童文学作品でも藤原竜也は悪役で登場『精霊の守り人』ほか「守り人」シリーズ全12巻(2016年)

2014年、国際アンデルセン賞作家賞を受賞した上橋菜穂子が描く壮大なファンタジー小説「守り人」シリーズ。そのシリーズ第1作目が『精霊の守り人』です。シリーズは全12巻。それを原作とするテレビアニメやテレビドラマが作られています。 

人間の世界と精霊の世界が混在している中で、女用心棒で短槍の達人であるバルサの活躍を描いています。この最初の物語では、精霊の卵を宿してしまったため、命を狙われる新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムをバルサが守ります。児童文学として描かれた本作ですが、大人でも十分に楽しめる重厚な内容になっています。 

このテレビドラマで藤原竜也が演じるのは、チャグムの父である新ヨゴ皇国の帝です。卵を宿してしまったチャグムの暗殺を命じました。 

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。 

<「守り人」シリーズの魅力とは。『精霊の守り人』や新刊のあらすじもネタバレ>

著者
上橋 菜穂子
出版日

【テレビドラマ原作】何度も映像化されていても、自分の色に『人間の証明』(2017年)

『人間の証明』は、森村誠一の長編推理小説「棟居刑事シリーズ」の第1作目です。これを原作に、1977年に実写映画化された作品が有名。テレビドラマ化も何度もされています。

2017年に放送された同名ドラマで、藤原竜也が主人公の棟居刑事を演じました。数多くの日本を代表する俳優が演じたこの役を見事に藤原色に染めています。 

赤坂にあるホテルのエレベーターの中で黒人の青年ジョニー・ヘイワードが胸にナイフが刺さったまま亡くなっていました。麹町署の棟居弘一良刑事らは、殺人事件として捜査を開始。ジョニーを乗せたタクシー運転手から、彼がつぶやいた謎の言葉を聞くのですが……。 

時代が許さなかったひとつの恋、普遍的な親子の愛が運命により翻弄されていきます。森村誠一の代表作です。

著者
森村 誠一
出版日
2004-05-15

【テレビドラマ原作】藤原竜也のつかの間の平穏?平凡なサラリーマンに『リバース』(2017年)

湊かなえの小説『リバース』は、『夜行観覧車』や『Nのために』と同じスタッフによって、テレビドラマ化されました。主演は藤原竜也。長編小説として、作者初の男性主人公です。イヤミスの女王が描く衝撃のミステリー作品。 

主人公の深瀬和久は平凡なサラリーマンです。趣味は美味しいコーヒーを淹れること。自宅近くにあるクローバーコーヒーはお気に入りの場所でした。その店で出会った越智美穂子と付き合うことに。そんな矢先、彼女の告発文が届きます。それは深瀬が人殺しであることが書かれていました。さまざまな愛情が渦巻く中、やがて真実が明らかになっていきます。 

藤原竜也が演じる深瀬は、これまでの彼の演じた役柄とは違い地味な男性。藤原の新境地といったところです。テレビドラマでは、原作の結末のその後も描かれています。小説とドラマのどちらも味わってみてください。 

著者
湊 かなえ
出版日
2017-03-15

湊かなえの作品を他にも知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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【テレビドラマ原作】経営者とホームレスを一人二役!『空気の底』収録 「夜の声」(2017年)

手塚治虫の短編シリーズ『空気の底』には、14編の短編漫画が収録されています。その中の1編の「夜の声」を原作としたテレビドラマ『世にも奇妙な物語'17秋の特別編』が放送されました。原作と同名ドラマ『夜の声』の主演を藤原竜也が務めています。 

やり手の青年実業家である我堀には、人には秘密の趣味がありました。それは、日曜日だけホームレスとなって過ごすこと。行き交う人々を眺め観察していました。ある日、1人の若い女性が助けを求めてきます。なぜか彼女は我堀の所に居ついてしまうのでしたが……。

しだいに彼女に惹かれていく我堀は、自分の会社で雇うことを思いつくのでした。しかし彼女が想い寄せるのはホームレスの我堀だったのです。藤原竜也がこの我堀を演じています。ビシッと決めた経営者とホームレスという真逆の役柄をこなしています。なぜ彼女は、ホームレスの我堀を選んだのか、深く考えさせられる物語ですね。 
 

著者
手塚 治虫
出版日

【テレビドラマ原作】作者・吉田修一のオリジナルストーリーで映像化『太陽は動かない』(2020年)

吉田修一のスパイアクション小説『太陽は動かない』は、「鷹野一彦シリーズ」のひとつ。この小説と同シリーズ『森は知っている』を原作とした映像企画が進行しました。1つは実写映画化、もう1つはテレビドラマ化です。テレビドラマに関しては、作者の吉田がオリジナルストーリーを担当しました。 

心臓に爆弾を埋め込まれた産業スパイ組織AN通信の鷹野一彦とその部下の田岡は、油田開発の権利争いで起こった殺人事件を追っていました。そんな中、田岡が何者かに拉致されてしまうのですが……。 

テレビドラマでは、鷹野と田岡が国際都市博覧会の建設地に潜入します。建設地選定をめぐる陰謀を調査していると爆破事件が勃発。事件の真相を追う2人でした。ドラマオリジナルのキャラクターの登場など原作、映画とは違った魅力を見せています。 

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。 

<『太陽は動かない』なぜ映像化不可と言われたのか?4つの理由をネタバレ考察>
 

著者
吉田 修一
出版日
2014-08-05

【出演作品一覧】藤原竜也が出演してきた映画やテレビドラマの出演歴を一覧で紹介!

藤原竜也がこれまで出演してきた映画、テレビドラマを紹介します。クオリティーの高い作品ばかりです。  

【映画】     

『仮面学園』(2000年)  原作『2年A組探偵局 仮面学園殺人事件』  

『バトル・ロワイアル』(2000年)  原作『バトル・ロワイアル』    

『バトル・ロワイアル【特別篇】』(2001年) 

『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』(2003年)     

『SABU さぶ』(2002年)  原作『さぶ』    

『ムーンライト・ジェリーフィッシュ』(2004年)原作『月のようにぼくらは抱き合う~ムーンライト・ジェリーフィッシュ~』    

『デスノート』(2006年)  原作『DEATH NOTE』    

『デスノート the Last name』(2006年)  

『L change the WorLd』(2008年)     

『デスノート Light up the NEW world』(2016年)     

『カメレオン』(2008年)     

『蛇にピアス』(2008年)  原作『蛇にピアス』    

『禅 ZEN』(2009年)  原作『永平の風 ―道元の生涯』    

『カイジ 人生逆転ゲーム』(2009年)  原作『賭博黙示録カイジ』    

『カイジ2 人生奪回ゲーム』(2011年)    

『カイジ ファイナルゲーム』(2020年)     

『パレード』(2010年)  原作『パレード』    

『君が踊る、夏』(2010年)     

『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』(2010年)  原作『インシテミル』   

『あぜ道のダンディ』(2011年)     

『おかえり、はやぶさ』(2012年)     

『I'M FLASH!』(2012年)     

『藁の楯 わらのたて』(2013年)  原作『藁の楯』    

『神様のカルテ2』(2014年)  原作『神様のカルテ2』    

『サンブンノイチ』(2014年)  原作『サンブンノイチ』    

『MONSTERZ モンスターズ』(2014年)     

『るろうに剣心 京都大火編』(2014年)  原作『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』  

『るろうに剣心 伝説の最期編』(2014年)  

『映画 ST赤と白の捜査ファイル』(2015年)  原作『ST 警視庁科学特捜班』  

『探検隊の栄光』(2015年)  原作『探検隊の栄光』    

『僕だけがいない街』(2016年)  原作『僕だけがいない街』    

『22年目の告白 -私が殺人犯です-』(2017年)     

『泣き虫しょったんの奇跡』(2018年)  原作『泣き虫しょったんの奇跡』   

『億男』(2018年)  原作『億男』    

『Diner ダイナー』(2019年)  原作『ダイナー』    

『人間失格 太宰治と3人の女たち』(2019年)     

『太陽は動かない』(2021年)  原作『太陽は動かない』     

【テレビドラマ】  

『それが答えだ!』(1997年)     

『愛しすぎなくてよかった』(1998年)  原作『愛しすぎなくてよかった』   

『三姉妹探偵団』 第7・8話(1998年)  原作『三姉妹探偵団』    

『サイバー美少女テロメア』(1998年)     

『楽園への橋』(1998年)     

『凍りつく夏』(1998年)     

『チェンジ!』(1998年)     

『世紀末の詩』 第6話(1998年)     

『ボーダー 犯罪心理捜査ファイル』第3話(1999年)     

『卒業旅行』(1999年)     

『L×I×V×E』(1999年)     

『天国のKiss』(1999年)  原案協力『幽麗演戯レディゴースト』    

『君が教えてくれたこと』(2000年)     

『聖の青春』(2001年)  原作『聖の青春』    

『いくつもの海を越えて』(2001年)     

『新・星の金貨』(2001年)     

『SABU さぶ』(2002年)  原作『さぶ』    

『かまいたちの夜』(2002年)     

『愛なんていらねえよ、夏』(2002年)     

『大河ドラマ 新選組!』(2004年)     

『新選組‼ 土方歳三 最期の一日』(2006年)     

『八つ墓村』(2004年)  原作『八つ墓村』    

『赤い疑惑』(2005年)     

『古畑任三郎ファイナル』 第40話(2006年)     

『戦国自衛隊・関ヶ原の戦い』(2006年)  原作『戦国自衛隊』    

『東京大空襲』(2008年)     

『わが家の歴史』(2010年)     

『おじいちゃんは25歳』(2010年)     

『遺恨あり 明治十三年 最後の仇討』(2011年)  原作『敵討』所収の「最後の仇討」  

『ブルータスの心臓』(2011年)  原作『ブルータスの心臓 完全犯罪殺人リレー』  

『ピースボート -Piece Vote-』(2011年)     

『ST 警視庁科学特捜班』(2013年)  原作『ST 警視庁科学特捜班』   

『ST 赤と白の捜査ファイル』(2014年)  

『いねむり先生』(2013年)  原作『いねむり先生』    

『実録!ひかりTVスペシャル これが伝説の隊長、誕生の瞬間だ!〜ROAD TO 探検隊の栄光〜』(2015年)  原作『探検隊の栄光』    

『おかしの家』 第2話(2015年)  原作協力『うちのネコが訴えられました⁉ ー実録ネコ裁判ー』    

『海底の君へ』(2016年)     

『精霊の守り人』(2016年)  原作『精霊の守り人』ほか「守り人」シリーズ全12巻  

『精霊の守り人 悲しき破壊神』(2017年)   

『精霊の守り人 最終章』(2017年)     

『そして、誰もいなくなった』(2016年)     

『人間の証明 』(2017年)  原作『人間の証明』    

『リバース 』(2017年)  原作『リバース』    

『世にも奇妙な物語'17秋の特別編』「夜の声」(2017年)  原作『空気の底』収録 「夜の声」    

『新しい王様 』(2019年)     

『太陽は動かない -THE ECLIPSE-』(2020年)  原作『太陽は動かない』  
 

センセーショナルな舞台でデビューしてから、常に第一線で活躍してきた藤原竜也。舞台、映画、テレビドラマと彼の活躍の場は留まることを知りません。藤原竜也でなければ成立しない役柄を演じてきた彼の存在は、エンターテインメントの世界ではかけがえのないもの。作品によっては、原作をしのぐパワーをみせてくれます。そんな藤原竜也の出演作をあらためておすすめします。

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