【第22回】つぶやきシローのつぶやき読書/性格の悪い人、み~んな苦手です

【第22回】つぶやきシローのつぶやき読書/性格の悪い人、み~んな苦手です

更新:2021.12.4

小説家としてもデビューをしているつぶやきシロー。しかしどうやら、読書に対してはかなりの抵抗があるらしい。彼に「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。 第22回は、人間は嫌いな人との折り合いをどのようにつけていくのかが描かれた、ベストセラー漫画を読んでもらいました。

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「好きな人」と「嫌いな人」は表裏一体だね。

受け皿二枚重ねて、その上に生卵を入れて出されたけど、どう思う?
受け皿二枚の役目は、一枚は生卵を割って入れる用ともう一枚は殻を入れる用。でも、上の受け皿は、生卵が乗ってきたので菌が付いてるかもしれないし、下の受け皿は上の受け皿の裏が付いてるからこれまた汚い。つまり両方の受け皿が汚いので生卵を割ることができない。これって、僕が神経質すぎなのかな? 結局、直でご飯の上に生卵を割って、小っちゃい殻が入っちゃった、何だったんだよ! ま、こういうことを共感できる人がいいなってことが言いたかったんだけどね。

無神経というかガサツな人は苦手かな。みんなそうかな。ガサツな人もガサツな人が苦手だもんね。

食事って、その人が出るよね。くちゃくちゃしながら食べてる人。焼肉で肉を網にのせた時、肉がちょっと重なっているのが気にならない人。まずは何もつけずに食べることをゴリ押ししてくる人。おごりだと分かるとすごい高いものを注文する人。「一生のうちあと何回食事できると思ってんの?」って、変に熱い人。うまいわけないのに「この肝の苦さがうまいんだよ」って、やせ我慢して食べてる人。冷麺を歯で切ろうとして、歯と歯の間に冷麺が挟まっちゃう人。アポロチョコのいちごとチョコの部分をきれいに分けて食べてる人。里芋がすべってなかなか箸に刺さらない人。性格の悪い人。み~んな苦手です。

タイトル「どうしても嫌いな人」

著者
益田 ミリ
出版日
2013-04-10

益田ミリさんの漫画。主人公のすーちゃん36歳女性と、いとこのあかねちゃん30歳女性の、お互いの仕事場にいる嫌いな人との苦しい人間関係が描かれている。どこにでも一人は自分と合わない人っているもんね。その職場から逃げても、また新たに嫌いな人って出てくるよね。素朴な絵だから言葉が入ってきて、人生の指南書を読んでいるみたい。共感できる人多いんじゃないかな。でもなかなか重いよ。

冒頭で、すーちゃんが「なぜか好きな人より嫌いな人を思い出す」って言ってるけど、わかるね。嫌いなら思い出さなきゃいいんだけど、嫌いな人の方が気になるんだよね。今日一日楽しかったことだけを思い出したいのに、嫌いな人から言われた一言が頭から離れなくて嫌な気分のまま就寝することあるよね。もう考えない! って思っても嫌いな人の顔が出てきちゃう。これを読んでいる人もそれぞれ一人は思い当たる人がいると思う。読んでいるうちに自分の嫌いな人に置き換えることによって、よりムカつき度が増す漫画だね。その時点でやはり好きな人より嫌いな人の方を思い出してるんだよね。

「ありがとう」を絶対言わない人いるよね。なんだろうね。わからないからって自分から聞いといて、でもお前なんかに頭下げたくないってことなのかな。お前の傘の持つ所のビニール剥がしてやろうか! 部下にもちゃんと「ありがとう」って言うべきだよね。僕は言えるけどね。プライドの高い人は言えないのかな。葛藤の末「サンキュー」が精一杯ぽいね。言わないよりましだけどね。

あと、人の話を聞かない人ね、かぶせ気味に相槌打ってくる人いるよね。こっちがしゃべり終わってないのに「はいはい、はいはい」って、めんどくさいのかな。「で?で?」って急かしてくる人も嫌いな人だな。そんな話もういいから次! みたいに「で?」って言ってくるんだよ、腹立つよね、お前の車、つねに半ドアで降りてやる。

あと、すーちゃんは人の悪口を言う人が嫌い。言っちゃうよね。僕も人の悪口大好物。無理やり悪く言ってる時あるよね。そんな嫌いでもないのにちょっとしたキッカケから、さもその人が極悪かのように喋っているうちにエスカレートしちゃって、後で振り返ると、そんな悪い人じゃないんだけど、なんでこうなったんだろうって時ある。で、人の悪口言うと自分に返ってくるって言うじゃない? そういう時は手を合わせて、「神様、悪口言ってごめんなさい」って上向いて謝るといいって聞いたのでそうしてます。神様に謝る回数多いけどね。それに甘えていっぱい悪口言ってるけどね。
なんなら、上向いて手を合わせながら悪口言ってるけどね。

逆に嫌いな人を好きになろうとして、嫌いな人の「いいところ」を探そうとするんだけど、だんだんムカついてくる時あるよね。どんだけ絞り出しても「いいところ」がなくてムカついたり、なんでこっちから嫌いな人にそんなに歩み寄らなくちゃならないんだとムカついたりね。

でもさ、嫌いな人って居ちゃダメなのかな? 人間全員を好きにならないとダメなのかな? 表題の「どうしても嫌いな人」居ていいと思う。たぶん相手も嫌ってるし、伝わるもんだよ。だから余計嫌な感じに接してくるんだから。嫌いな人がいるなら嫌いのままでいいから、そのぶん好きな人を大切により好きになればいいと思う。

その好きな人が嫌いな人と、自分の嫌いな人が一致した時すごい盛り上がるよね。好きな人とは秘密を共有したみたいでさらに好きになるし、嫌いな人はもっと嫌いになる。
でも、あんだけ一緒に悪口言ってたのに、好きな人と嫌いな人が、いつの間にか仲良くなっているという現象が起こる時あるから気を付けてね。



連載第1回を読みたい方はコチラ。

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この記事が含まれる特集

  • つぶやき読書

    お笑い芸人のつぶやきシローさん。小説家としてもデビューをしています。しかし、「本を1冊読むのに数ヶ月かかることもある」など、読書に対してかなりの抵抗があるらしい。「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。隔週金曜日更新!

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