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漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第2部「戦闘潮流」が実は面白い!ネタバレ解説

更新:2020.12.1 作成:2019.2.23

2019年現在、第8部『ジョジョリオン』が連載されている『ジョジョの奇妙な冒険』。シリーズはどの部も面白いものの、フォーカスが当たるのは派手なスタンドバトルの見られる第3部以降になりがちです。 今回はスタンドではない波紋バトルがもっとも楽しめて、キャラも台詞も熱い第2部「戦闘潮流」についてご紹介。「ジョジョ」に長らく登場する、ジョセフ・ジョースターが主人公です。下のボタンのアプリから読むことができます。

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漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第2部「戦闘潮流」あらすじ・魅力・キャラをネタバレ紹介ィ――ッ!

第1部「ファントムブラッド」から50年後、1930年代アメリカで物語は再開します。新たな主人公ジョセフ・ジョースターは、祖父ジョナサンの友人にして石油王のスピードワゴンに招待され、祖母エリナとともにニューヨークに引っ越してきたばかりでした。

しかし、彼らを呼んだスピードワゴンは、メキシコの遺跡で陰謀に巻き込まれて消息不明となってしまいます。吸血鬼との戦いは、それを生み出した石仮面の創造主「柱の男」達を巡る新たなステージへと進んでいくのです。

舞台はアメリカからメキシコ、そしてイタリアのローマへとめまぐるしく変化。ジョセフは運命的に、その渦中へと飛び込んでいくのでした。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1988-08-01

連載時期は1987年(第1部も1987年ですが、連載が短かったため発表年が同じ)。当時のサブタイトルは「第2部 ジョセフ・ジョースター ―その誇り高き血統」でした。巻数は全8巻です。ストーリーは第1部からほぼ地続きで、主な戦闘技術として波紋法が続投し、スタンドはまだ登場しません。

第2部も第1部に続いて劇画調の作画ですが、主人公が堅物のジョナサンから、お調子者のジョセフにバトンタッチしたことで、作風が大幅に変わったことが面白い点。台詞に軽妙なやり取りがプラスされ、後の能力バトルに通じる頭脳戦が展開されるようになりました。

その内容により、ファンからは「最高傑作」「一番好きだ」と語られることもあるほどで、「ジョジョ」シリーズを名作漫画たらしめる契機となった作品といえるかもしれません。

2012年には第1部「ファントムブラッド」と同時にテレビアニメ化。OP演出が非常にスタイリッシュで熱く、第1部から引き続きEDに採用された往年の名曲「Roundabout」と合わせて話題を呼びました。


第1部「ファントムブラッド」についておさらいしたい方は<漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第1部「ファントムブラッド」をネタバレ解説!>の記事がおすすめです。

「ジョジョ」2部の登場人物を紹介!

主人公はジョセフ・ジョースター。そして、彼の友人にしてよきライバルとなるのが、シーザー・A・ツェペリ。2人には第1部の登場人物、ジョナサン・ジョースターと、ウィル・A・ツェペリの孫という関係があります。

敵役となるのが、ローマのコロッセオ地下で眠っていた「柱の男」達であるカーズ、エシディシ、ワムウの3人。

他には、波紋の戦士を束ねるリサリサや、同じく波紋戦士ストレイツォ、ドイツ軍人のシュトロハイムに、非戦闘員としてジョセフの祖母エリナとスモーキー・ブラウンなど、新旧さまざまなキャラが登場するのも魅力です。

ヒロインらしいヒロインは出てきませんが、後にジョセフと結婚することを考えると、リサリサの使用人であるスージーQがヒロインといえるかもしれません。

「ジョジョ」2部の主人公ジョセフ・ジョースターを紹介!第4部まで登場するムードメーカーキャラ!

ジョセフ・ジョースターは、シリーズでもかなり異色のキャラです。歴代ジョジョは概して頭が切れるのですが、彼はそれに加えてお調子者というか、ムードメーカー的な明るさを持ち合わせています。時々三枚目になる辺りは、近親者の東方仗助(第4部主人公)とも共通。

しかし、軽いノリで相手のペースを崩しつつ、罠にはめる策略家という一面もあります。悪巧みをさせれば、彼の右に出る者はいません。ほとんどの歴代ジョジョが卑怯な手段を取らないことからも、彼の異端さが際立つでしょう。

とはいえ、彼もやはりジョースターの人間。劇中の時節柄、黒人に風当たりが強いのですが、黒人であるスモーキーとも分け隔てなく接するところに、ジョナサン譲りの紳士さが見て取れます。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1988-10-07

彼は第2部では主に波紋と各種道具を駆使しますが、第3部からは「ハーミットパープル」というスタンド能力を身に付けます。限定的な遠隔視が出来るサポート能力ですが、発現する際に現れる蔦を鞭状に使って、戦闘に応用することも可能です。

また特筆すべき特徴として、乗り物、特に航空機との相性の悪さが上げられます。物語の展開上、何度も墜落に巻き込まれるのです。こういった点も、彼らしさといえるかもしれませんね。


ジョセフ・ジョースターについて、詳しくはコチラの記事もチェック!

ジョセフ・ジョースターのかっこよさが分かる14のこと!4部までの名言など

シーザー・A・ツェペリがかっこいい!壮絶な過去、泣ける最期とは……

第2部において、主人公ジョセフ以上にヒロイックなのが、この頼れる仲間シーザーです。

普段こそ女性にだらしないイタリア人らしいナンパ男ですが、その実、祖父ツェペリから受け継いだ信念の強さを持っています。

巧みで華麗な波紋を使う彼の戦闘シーンは、本作の見所にもなっているのです。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1989-06-01

父親マリオが失踪したことから荒れた少年期を送っていましたが、父が「柱の男」や吸血鬼との戦いから家族を遠ざけるために失踪し、実際は愛されていたことを実感して更正。そのことから血統を重んじ、波紋戦士の使命に目覚めました。

「柱の男」は因縁の相手で、父親が亡くなった直接の原因であり、また彼の親友マルクの仇でもあります。

そのためシーザーと「柱の男」の戦いは悲愴感が溢れており、決着の場面は涙なくして見ることが出来ません。

「ジョジョ」2部の波紋を紹介!その能力、技は?

先述したとおり、第2部ではまだスタンド能力は出てきません。主に用いられるのは、第1部から引き続き登場する波紋法。特殊な呼吸法により体内エネルギーを操作して、太陽光エネルギーにも似た波=波紋の力を生み出す技術です。

ジョセフは生まれつき波紋法を会得していますが、正統派だったジョナサンと比べて、予想外の使い方をする場面が多々見られます。波紋疾走(オーバードライブ)で肉体を強化するより、なんらかの武器道具を利用するのが印象的でしょう。

またシーザーの波紋は、シャボン玉を利用した華麗な必殺技ばかりで、見た目が美しいという特徴があります。「シャボンランチャー」「シャボンカッター」など、波紋の応用技が魅力です。

「柱の男」とは何者?吸血鬼たちを紹介!

「柱の男」は現代に蘇った古代文明の支配種で、吸血鬼を捕食する超越的存在です。全部でカーズ、エシディシ、ワムウ、サンタナの4人が登場します。

このうち最初に登場するのはサンタナですが、彼は他の3人よりかなり劣る弱者だったようです。発見されたのも3人がイタリアだったのに対し、彼のみメキシコの遺跡でした。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1989-02-10

リーダーはカーズ。石仮面を作りだした張本人で、「究極生命体(アルティメット・シイング)」になるため暗躍しています。第2部におけるラスボスです。

序列がカーズに次ぐのは、エシディシ。血液を摂氏500度まで上げる「炎の流法(モード)」の使い手。荒っぽい見た目に反して、大声で泣きわめくという印象的なシーンを演じました。

そして、武人気質のワムウ。戦闘の天才と呼ばれ、「風の流法」で波紋の戦士達を苦しめました。強敵ながら高潔な人物で、ジョナサンやシーザーとのやり取りは必見です。

「ジョジョ」2部でストレイツォが敵キャラに!! 記者の女性に見せた残虐性

ストレイツォは、第1部で頼もしい味方として現れた波紋の戦士ですが、なんと「戦闘潮流」では悪役と化します。

肉体を制御する波紋法ですら老化が抑えきれないことに絶望した彼は、50年前に目撃した吸血鬼ディオに憧れて、石仮面を被って波紋の戦士から離反したのです。

自分勝手な欲望で部下の波紋戦士やスピードワゴンを手にかけ、あまつさえ無関係の記者志望女性を人質に取り、容赦なく傷付けて見せました。彼女の歯を折る場面では、その残虐性を実感することができます。

そうして完全に外道に堕した敵キャラとして、ジョセフの最初の壁となるのです。

敵キャラとはいえ悲惨すぎる……サボテンに括られたドノヴァン!

ドノヴァンは、メキシコにあるナチスドイツ基地に向かっていたジョセフに差し向けられた刺客です。

コマンドーという最精鋭特殊部隊の兵士としてジョセフに善戦するものの、結局は波紋を用いた奇策で敗北。ジョセフから拷問されて情報を聞き出されたうえに、砂漠のサボテンに縛り付けられたまま忘れ去られるという、惨い仕打ちをされました。

あまりの滅多打ち加減に、主人公であるはずのジョセフが敵に見えてしまうような場面です。

「ジョジョ」2部は修行がアツい!リサリサ、師範代たちによって強さアップ!

ジョセフ、シーザーはともに、すでに波紋を使える戦士です。しかし、熟練の戦士から見ればまだまだ未熟でした。

そこから「柱の男」に対抗出来るレベルまで強くなるため、ヴェネチアにあるエア・サプレーナ島で修行を受けることになるのです。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1989-06-01

そこでは波紋の師匠リサリサと師範代ロギンズ、メッシーナからの、過酷な試練が待っていました。呼吸を難しくする特製マスクと、試練の円柱「ヘルクライム・ピラー」の登攀によって、2人は劇的に成長します。

人間関係が熱く変化するところも、見所の場面です。

シーザーの出生には矛盾があった!? 理由を考察

第1部の連載時、登場人物のツェペリは、自分には妻子がないと語っていました。しかし、第2部のシーザーは彼の孫として紹介されるので、矛盾となります。作者の荒木は台詞をミスとし、単行本の際には該当箇所の修正をおこないました。

一応修正前であっても、ツェペリが結婚前の妻子を振り切って身一つで戦いに没入した、と解釈出来なくもありませんが、少しわかりにくいですよね。

「ジョジョ」2部のモデルになったものとは?元ネタを紹介!

「ジョジョ」には洋楽由来の名前が出てくることは有名ですが、第2部も例外ではありません。

たとえばサンタナは、アメリカの同名ロックバンドが由来。エシディシは、かの有名な「AC/DC」ですし、ワムウは2人組ミュージシャン「Wham!」、カーズは「The Cars」からきています。

なんと意外ですが、リサリサもそうです。「Lisa Lisa and Cult Jam」というR&Bグループがいたのです。

元ネタの楽曲をイメージしながら読むと、また違った面白さがあるかもしれません。

「ジョジョ」2部の名言ランキングベスト5!ハッピーうれピーよろピくね―――

「ジョジョ」は熱いバトルもさることながら、そこで描かれる名場面、名言の数々も魅力的です。ジョセフに関しては連載当時を反映した迷言もありますが、今回はかっこいい方の名言に焦点を当てて、ベスト5をご紹介したいと思います。

第5位

てめえの次にはくセリフは
『思い知ったか…
この原始人…が』…だ…………
思い知ったか! この原始人がッ!
ハッ!

(『ジョジョの奇妙な冒険』7巻より引用)

ジョセフと、最初に蘇生した柱の男サンタナの対決にて、ジョセフが窮地から逆転した時の台詞です。相手の行動を先読みし、罠にはめる彼らしい名言。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1989-06-01

第4位

当たりまえだぜッ!
このJOJOはなにからなにまで計算づくだぜーッ!
(ほんとはちがうけど カーズがくやしがるなら
こういってやるぜ ケッ!)

(『ジョジョの奇妙な冒険』12巻より引用)

最終決戦で、予想外の大ダメージにショックを受けるカーズに対して、追い打ちをかけるようなジョセフの発言。半ば迷言に近い台詞ですが、彼のお調子者な面がよく表れている面白い名言でしょう。

第3位

おれにとって強い戦士こそ真理…………
勇者こそ友であり尊敬する者!!
おれはおまえのことを永遠に記憶のかたすみにとどめておくであろう
シーザー

(『ジョジョの奇妙な冒険』10巻より引用)

死力を尽くした決闘の後、ワムウは対戦者だったシーザーに、こう言って敬意を表します。敵役でありながら主人公勢にも負けない、彼の高潔さが感じられる名言です。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1989-08-01

第2位

このワムウ……今までの人生『不老不死』などどうでもよかったのだ。
この「掟」さえつらぬいて朽ち果てれればな……(中略)
悔いはない……心からおまえの成長が見れてよかったと思うよ。
おれはお前に出逢うために1万数千年もさまよってたのかもしれぬ

(『ジョジョの奇妙な冒険』11巻より引用)

ジョセフの前に倒れたワムウ。そのあまりにも強く、長かった生に終止符を打たれてから、彼の中でわだかまっていた思いの丈を吐露しました。

彼は敵ではあっても邪悪ではなく、ある種の尊敬すら出来るキャラとして描かれます。

著者
荒木 飛呂彦
出版日
1989-06-01

第1位

おれが最期にみせるのは、代代受け継いだ未来にたくすツェペリ魂だ!
人間の魂だ!

(『ジョジョの奇妙な冒険』10巻より引用)

ワムウとの戦いで瀕死になりながら、なお希望を諦めなかったシーザーの、最期の叫びです。くしくもというか当然というべきか、第1部に登場した祖父ツェペリ男爵と似通った死にざまでした。

彼の意志があってこそ、ジョセフは最後まで戦い抜けたのです。


ジョジョに登場する数々の名言を集めたこちらの記事も要チェック!

「ジョジョ」のシリーズ別名言ランキングベスト3!どのキャラクターが好き


最後に漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第2部「戦闘潮流」の結末をネタバレ!ラスボス、カーズとの決戦の行方は?

カーズと波紋の戦士の最終決戦で、カーズはついに「究極生命体」へと進化してしまいました。究極生命体カーズは弱点を持たず、波紋も太陽光エネルギーも効かなくなっていたのです。

ジョセフは逃走し、主人公とは思えない醜態を晒してしまいます。しかし、策士のジョセフがそう簡単に終わるはずがありません。彼は追い詰められたフリをして、火山へとカーズを誘い込みました……。

著者
荒木 飛呂彦
出版日

死亡することなく宇宙を漂うカーズの姿は、作品を詳しく知らない方もご存知かもしれません。どんな奇策でジョセフが打ち勝ったのか、ぜひ実際にご覧ください。

最終回では生き延びた人々のエピローグと、第3部に繋がるプロローグが描かれます。そこには、決して途絶えない人間の営みがあり、作品のテーマである人間讃歌が感じられることでしょう。

いかがでしたか?ジョセフのテクニカルな戦いは、「ジョジョ」の能力バトルの原点といえるでしょう。未読の方はぜひ1度目をとおして、その魅力の大本に触れてみてください。