『ゴールデンカムイ』は北海道を舞台にしたサバイバルバトルマンガです。莫大な埋蔵金を巡って運命的な出会いを果たす、青い目をしたアイヌの少女・アシリパと切ない理由で大金を欲する杉元。狩ったり食べたり戦ったり裏切ったりと、さまざまな出来事が2人を待ち受けます。 この記事ではそんな主役アシリパさんにまつわる謎や取り巻く環境、可愛すぎる変顔まで、その魅力をまとめてお届けしましょう。
アイヌに生まれ、つぶらな青い目とそこかしこで飛び出すキュートなアイヌ語が魅力的な美少女です。しかし、その外見の可愛らしさからは想像もできないほどの身体能力を持ち、且つ狩猟の腕前と知識も一級品。彼女はどうやってそれらを身に付けたのでしょうか。
ストーリーが進むにつれ、アシリパがなぜ青い目を持っているのか、狩りや治療の知識、大自然に立ち向かう知恵を誰に教わったのかなどが明らかになっていきます。
年齢は定かではないものの、おそらく13歳前後とされているようです。他のキャラクターとの比較から、身長は150cm程度と推察されていますが、こちらも定かではありません。おそらく中学生の平均身長くらいではないかと推測されています。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
アシリパという名前には「新しい年」という意味が込められているそうですが、アイヌでは出生後はすぐに名前を付けない風習があり、エカシオトンプイ(祖父の尻の穴という意味)と呼ばれていたことも。生まれたばかりの女の子の呼称としては、まったくふさわしくありませんね。
その分和名は美しく、小蝶辺明日子(こちょうべ あすこ)。ただし、これは戸籍上の名前で、知っている人物は限られています。
アシリパを演じる声優は、白石晴香。数々のアニメ作品、ゲーム、舞台もこなす女優でもあります。
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アシリパと杉元が追う莫大な金塊のカギを握る人物、のっぺらぼう。当初、アシリパはのっぺらぼうこそが父親の仇であると信じていました。しかし、旅を続けるうち、のっぺらぼうはアシリパの父親だと言う人物が現れ、アシリパや杉元を混乱させます。
網走監獄まで真偽のほどを確かめに行くアシリパたち。そこには、頭部から顔の皮膚が全て剥がれ、耳も鼻もない、まさに「のっぺらぼう」が。
しかし、アシリパと同じ青い目が光っています。杉元が手にしていた小刀を見て、すぐにアシリパのものだと見破ったのですから、のっぺらぼう=父親で決定でしょう。
のっぺらぼう、アシリパの父親は、ポーランド人の父とアイヌ人の母の間に生まれたハーフ。だから目が青いんですね。ちなみに名前はのっぺらぼうではなく、ウイルクと言います。ただ、金塊を巡っての血生臭い事件については口を閉ざします。
杉元について紹介した<『ゴールデンカムイ』杉元に関する8の事実!かっこ可愛い男の過去、モデル…>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
アシリパの父親はキーマンとして作中に登場しますが、母親の影は見当たりません。母親は出産直後に病気で亡くなっており、生まれ故郷であるアイヌの村でも、アシリパは祖母に育てられていました。
そして、幼い頃から父に連れられて狩猟に出かけ、あらゆる知識と知恵、技術を習得します。アシリパが持つ、サバイバルな状況にも臨機応変に対応できるスキルは、幼少期から培われたものだったのですね。ヒグマにも戦いを挑めるほどの猛者ですが、蛇は苦手なアシリパさんです。
そんなアシリパにとって、母親は顔も知らない存在。しかし、206話でとうとうアシリパの母親が登場します。皆で撮影した活動写真を見て、盛り上がる一同。その最後には、樺太にあるアイヌの家ではなく、アシリパのコタン(村)。
撮影技師のジュレールが、アシリパに見てほしいと言う映像には、若き日のアチャ、ウイルクの姿がありました。のっぺらぼうと呼ばれるウイルクも、昔はかなりのイケメン。
その隣に映る美しい女性こそ、アシリパの母親です。アシリパを少し大人っぽくしただけの、とても良く似た面差し。美人さんなのに変顔をするあたりもそっくりです。
そして、その背中に眠る生まれたばかりの赤ちゃん。ウイルクが愛おしそうな表情で、そっと覗き込みます。この赤ちゃんこそがアシリパなのでしょう。両親から溢れんばかりの愛情を注がれていることがわかる、切なくも美しいシーンです。
しかし、この時代のフィルムは火薬の原料でもあるニトロセルロースを使用しており、一同がノスタルジーに浸る中、突然燃え始めてしまいます。もう二度と母の顔を見ることはできませんが、アシリパの心にはその優しい眼差しが深く刻まれたことでしょう。
アシリパは、読者がドン引きするような動物でも、おかまいなしに調理して食らいます。動物は可愛がるものではなく、食料。そのあたり容赦がありません。
カワウソの頭蓋骨がドーンと乗ったお椀を差し出された時には、さすがの杉元も顔が変わってしまいました。が、そこは不死身の杉元、食べることを拒否することはしません。クセはあるものの、柔らかくて脂がうまい、上品な味だと食レポするのです。
ちなみに頭部は噛り付いて食べます。
アザラシも、柔らかくて美味だそう。魚と牛肉の中間といった味というのが、杉元の感想。脂が多いので、寒い地方では割とポピュラーな食肉のようですが…。
作中によく登場する「ヒンナ」という言葉、アイヌ語で「食事に感謝する言葉」と説明されています。決して、「美味しい」という意味ではありません。
アシリパの特徴の1つが、変顔。大きな青い目と濡れ羽色の髪を持つ美少女でありながら、変顔のクオリティはピカイチです。
なかでも秀逸だったのが、蛇に怯える顔!勇猛果敢なアシリパですが、蛇にだけは弱いようです。マムシに頭を噛まれた白石が毒を吸い出してくれとアシリパに頼みますが、全力で拒否します。
また、狩った獲物を調理し、それを食べた時のヒンナな顔もまた、変なんですが、とてもキュート。見た目から、嫌っていた味噌を入れた桜鍋を食べる瞬間の顔は、「ほんとに可愛すぎる」とファンの中で言われています。
アイヌには味噌の文化がありません。従ってアシリパは、味噌を「オソマ」(アイヌ語でウンコ)と言って嫌います。が、杉元たちが味噌を加えた料理をおいしそうに食べる様子を見て、実は興味津々。ついに桜鍋で味噌デビューを果たし、それからはすっかり「オソマ」が大好物になりました。
しかし、それもつかの間。次にアシリパを襲ったのは、カレーの洗礼です。西洋料理店で出された、初めて見るカレーに固まるアシリパ。またもや美少女台無しの変顔でカレーを見つめます。が、そんなアシリパの対応にもすっかり慣れっこの杉元が、「それ食べてもいいオソマだから」。食べてもいいウ〇コって…。恐る恐る食べてみたカレーは、アシリパにとって、「ヒンナすぎるオソマ」だったようです。
杉元には故郷に惚れた女がいることを知ったアシリパが、着物の裾を羽根に見立てて踊る、鶴の舞を舞うシーンがあります。アイヌに伝わる舞だそうですが、普段ポーカーフェイスで通している尾形が思わず口元をほころばせて見ているところも印象的です。
なぜ急に踊り出したのかを聞かれても、はぐらかすアシリパですが、もしかしたら杉元への淡い恋を感じて舞ったのかもしれませんね。
謎の多いキャラ、尾形とアシリパの掛け合いも、殺伐としがちなストーリーの中でほのぼのさせられます。動物をミンチにするには、チチタプと唱えながら刃物で叩くというアイヌの伝統的な調理をおこなう際も、無口キャラ・尾形はシカトしようとします。
が、アシリパの気持ちを知り、小さく「チチタプ」と。頑なな男の心をも開かせるアシリパさんです。さらには尾形の口から「ヒンナ」を引き出すなど、アシリパさんさすが!
最後にアシリパの名言をご紹介。ジビエ漫画とも呼べる本作から、食にまつわるものを3つピックアップして解説します。 心に残る名言はいくつもありますが、まずは、リスを食べるくだりでしょう。
リスを狩るアシリパさんに、杉元は俺はリス好きなんだけどと死んだ目で言います。もちろん、可愛いという意味で言ったのでしょう。しかしアシリパさんはこう返すのです。
「私も好きだ、リスは木の実しか食べないから肉がうまい」
(『ゴールデンカムイ』1巻より引用)
好きの意味が違う…。 食べることメインで動物を見ている彼女らしい言葉です。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
- 2015-05-19
2つめは、味噌を入れてウサギ鍋を食べる杉元を見たアシリパさん。平らな目をしてこう言います。
「うわぁ、ウンコ食べて喜んでるよこの男」
(『ゴールデンカムイ』 2巻より引用)
完全に変態を見る目です。この2人の味噌に関するやりとりはしばらく続くのですが……。
そして1位は、こちら。
「オソマおいしい」
(『ゴールデンカムイ』3巻より引用)
杉元に勧められ、渋々ながらも口にした味噌味の桜鍋。そのおいしさから飛び出した言葉です。何度も言いますが、オソマは大便という意味。年頃の女の子なんだから、発言には気を付けてほしいアシリパさんなのでした。
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