マンガ大賞受賞、グルメ漫画顔負けのメシテロ、面白すぎると定評のある顔芸、名言珍言の数々。何かと話題の尽きない青年マンガ『ゴールデンカムイ』。今回はテレビアニメ3期の放送が決定した人気作のあらすじや魅力を系統立ててご紹介したいと思います。
2014年に「ヤングジャンプ」で連載が開始され、11巻(2017年現在)まで刊行されている『ゴールデンカムイ』。明治も末期に差し掛かった北海道を舞台に金塊をめぐるサバイバルバトル!さまざまな立場の人間と思惑が入り乱れる怪作です。
そのバラエティに富んだ内容はネットを中心に評判となりました。2015年度「コミックナタリー大賞」第2位に輝き、2016年には「このマンガがすごい!2016」オトコ編第2位、そして「マンガ大賞2016」では大賞を受賞するという快挙を成し遂げました。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
- 2015-01-19
本作は個性的過ぎる型破りなキャラクターはもちろん、グルメ漫画顔負けの狩猟料理「ジビエ」の美味しそうな描写に定評があります。
あまりにもグルメの話題が先行したせいか、本作に登場する料理を提供するコラボ店舗が招待客限定で開催されたことも。
また、魅力なのはグルメだけではありません。有坂銃こと三十年式歩兵銃に、十八年式単発銃、ウィンチェスターライフルからマキシム機関銃までもが登場します。アクションだけでなく、こういった銃器類の活躍もレトロ武器が好きな方には魅力的に感じられるでしょう。
そのごちゃ混ぜな面白さ、次に何が出るのか分からない魅力を担当編集者は「和風闇鍋ウエスタン」と表します。この作品の例えようのない魅力が表れていますね。
主人公は日露戦争帰りの元軍人の「不死身の杉元」。彼は一攫千金を夢見て、北海道へ砂金摂りの出稼ぎにやって来ていました。 ある日、彼はひょんなことから埋蔵金の話を聞きつけます。元はアイヌのものであった財宝を、「のっぺらぼう」と呼ばれる男が奪いどこかへ隠したというのです。
のっぺらぼうはあえなく捕まってしまいますが、決して埋蔵金のありかを喋らず、外部の仲間に向けて密かにメッセージを送りました。その方法はなんと、囚人の体に刺青で暗号を彫り彼らを脱獄させるというもの。
偶然にも刺青の脱獄囚と出会った杉元は、埋蔵金の話が本当であることを確信しました。その後、アイヌ人の少女、アシリパに協力してもらうことになり、凸凹コンビが結成されました。
しかし、他にも埋蔵金を狙う者たちがいました。上層部に隠れて動く陸軍第七師団の鶴見一味や、のっぺらぼうに扇動された脱獄囚たちです。
こうして3つの勢力が入り乱れる、埋蔵金獲得レースが幕を上げました。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
- 2015-02-19
2018年にテレビアニメの第1期が放送されると更に人気を博し、なんと2020年には第3期の放送が決定!
新ビジュアルも公開されました。吹雪の中を進む杉元の姿に「そして、樺太へ」と添えられています。
最新情報は、TVアニメ「ゴールデンカムイ」公式サイトをチェックしてください。
この記事では、『ゴールデンカムイ』のあらすじを紹介するとともに、登場人物の魅力も紹介していきます。ネタバレの内容も含みますので、ご注意ください。
文字通り本作の顔となるのが、主人公である日本人の杉元佐一(すぎもとさいち)とアイヌ少女のアシリパ。アシリパの「リ」は正式には小文字のリが用いられています。
杉元は日露戦争帰りの元軍人です。彼は「不死身の杉元」と恐れられるほど優秀な兵士で、ゴールドラッシュ伝説の残る北海道へ砂金を求めてやって来ました。
一方のアシリパは小樽近辺のコタン(アイヌの集落)の少女です。彼女がヒグマに襲われている杉元を偶然助けたことが縁で、行動をともにするようになりました。偶然、アイヌの奪われた埋蔵金の話を知った杉元は、アシリパにある提案します。自分に必要な分を除いた埋蔵金を返還する代わりに、探すのに協力してほしいと。
話が進むにつれて、埋蔵金の手がかりである刺青を持つ白石由竹や、アシリパのおじ・キロランケ、そして敵対していた者たちが仲間になるなど、一行は賑やかになっていくのです。
物語は基本的に彼らの視点で進行します。道中のサバイバルでは興味深いアイヌの生活の知恵、垂涎もののジビエ料理とともに、芸の域に達した変顔が披露されます。特にアシリパが見せる、ヒロインらしからぬ変顔の数々は本作の名物のひとつとして認知されているのです。
「殺してみろッ、俺は不死身の杉元だ」(『ゴールデンカムイ』1巻より引用)
主人公の杉元佐一(すぎもとさいち)は、「不死身の杉元」の異名を持つ軍人上がりの男。元・大日本帝国陸軍第一師団所属で、日露戦争に出兵した過去があります。彼の名前は、作者である野田サトルの曾祖父に由来しているようです。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
- 2015-01-19
幼馴染みの親友・寅次を戦地で亡くし、彼から故郷に残した嫁の梅子と子供を託されています。その梅子は目を患っており、治療には高額な費用が必要とわかったため、杉元は治療費を稼ぐために北海道へ来たのです。
杉元は、普段はノリが良くて気さくなお兄さん風ですが、いざ戦闘となれば鬼神のごとき力を発揮します。銃弾やヒグマですら彼を止めることはできません。
アシリパと行動をともにするようになってから、彼女のジビエ料理に舌鼓を打つ場面が多々描かれます。「不死身の杉本」の異名にそぐわない、乙女な一面を見せることも。名言、珍言、顔芸にもご注目下さい。
杉元については以下の記事でも詳しく紹介しています。
『ゴールデンカムイ』杉元に関する8の事実!かっこ可愛い男の過去、モデル…
日露戦争終結間際の北海道を舞台に、不死身と恐れられた元帝国陸軍の杉元とアイヌの女の子・アシリパを中心に描かれる『ゴールデンカムイ』。メインはサバイバルアクションですが、グルメ漫画の要素も持ち合わせた一風変わったストーリーが魅力的で、アニメ化もされました。 本作のあらすじと、主人公杉元佐一の人となりについてご紹介しましょう。ネタバレも含まれますので、ご注意ください。また、本作はスマホアプリで読むこともできるので、気になった方はそちらもどうぞ。
アシリパは、見た目はとても可愛らしいアイヌ人で、本作のヒロインですが、作中の数々の活躍からヒーローと呼ぶべきかもしれません。
なお、アシリパの「リ」は本来、日本語表現にない小文字のリです。
「アシリパという名は父がつけた。『新年』という意味だが『未来』とも解釈できる。わたしは新しい時代のアイヌの女なんだ!」(『ゴールデンカムイ』1巻より引用)
自身でそう告げているように、彼女はアイヌ人でありながらアイヌ文化に縛られない、型破りなキャラです。時々世間の常識も破ります。
アシリパとはアイヌでの名前で、戸籍上の名前は「小蝶辺明日子(こちょうべあすこ)」。和名も未来を感じさせる名前になっており、アシリパの父親が、古い因習を断ち切ることを願っていたことが窺えます。
アシリパにはアイヌの人脈、狩猟知識、土地勘があります。それらは本土人である杉元が埋蔵金や、その手がかりとなる脱獄囚捜索のためには欠かせない能力です。しかし、そういった事情を抜きにしても、杉元とアシリパの関係はどこか微笑ましく、また強い絆で結ばれているように思えます。
また、アシリパは本作に登場する主なジビエ料理の作り手でもあり、さまざまな調理で読者の胃袋を刺激します。
そしてなんと、アシリパの父親は、物語の発端であるアイヌの埋蔵金強奪の際に殺された1人だとされていました。しかし、あるときアシリパの父親こそが「のっぺらぼう」だと聞かされ……。
アシリパについては以下の記事でも詳しく紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。
『ゴールデンカムイ』アシリパに関する8の事実!変顔すらも可愛いヒロイン!
『ゴールデンカムイ』は北海道を舞台にしたサバイバルバトルマンガです。莫大な埋蔵金を巡って運命的な出会いを果たす、青い目をしたアイヌの少女・アシリパと切ない理由で大金を欲する杉元。狩ったり食べたり戦ったり裏切ったりと、さまざまな出来事が2人を待ち受けます。 この記事ではそんな主役アシリパさんにまつわる謎や取り巻く環境、可愛すぎる変顔まで、その魅力をまとめてお届けしましょう。
役立たずのお調子者!「明治の脱獄王」こと白石由竹(しらいしよしたけ)は、脱獄の天才です。柔軟な関節や体中への仕込み、機転で窮地を切り抜けることが得意としています。しかし、ポカミスで自分から窮地に飛び込んでしまうこともしばしば。
「昭和の脱獄王」といわれた実在の人物、白鳥由栄(しらとりよしえ)がモデルとなっています。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
- 2016-11-18
白石は金塊を隠した囚人によって刺青を入れられた脱獄犯の1人です。脱獄に長けていることからもわかるように身体能力は高いのですが、他の凶悪犯と違ってほぼ人畜無害。そのスキルを活かして杉元一行を手助けしますが、足を引っ張ることの方が多いようにも思えます。
元からあまり威厳はないキャラでしたが、話が進むごとにどんどんコメディリリーフ役へまわっていきます。
登場人物たちも満場一致で、「白石はどうしようもないキャラ」と認識しているようです。そんな彼ですが、網走監獄へ潜入することになり、一躍最重要ポジションへと躍り出ました。13巻以降、キーマン白石の脱獄スキルで、無事網走に潜入することができるかの注目が集まります。
アシリパからは「キロランケニシパ(ニシパは旦那の意)」、白石から「キロちゃん」とも呼ばれる、妻子持ちのアイヌの色男!
アシリパの父の友人で、血の繋がらないおじのような存在です。彼もまた日露戦争帰りで除隊しています。元第七師団の軍人ですが、鶴見中尉の部下ではありません。
軍人かつ狩猟民族アイヌの男らしく戦闘力が充分あり、工兵の経験から爆発物の扱いにも長けています。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
顔芸要員の多い杉元一行の中で、彼にはほとんど唯一そういった場面が少ないです。その代わりに流し目や肉体美が目立ち、男のお色気要員といえるかもしれません。
のっぺらぼうがアシリパの父であると告げたのは、彼でした。実は彼とアシリパの父は純粋なアイヌ人ではなく、ロシアのアムール川流域から移り住んできた少数民族。極東ロシアからわざわざ北海道に渡ってきたことに、なんらかの思惑が感じられますが……。
キロランケは表面上、杉元たちとは良好な関係を築いています。しかし、どこか危険な香りが漂う男です。
谷垣源次郎は第七師団所属の軍人です。アイヌの幼い子どもたちには親しみを込めて「谷垣ニシパ」とも呼ばれています。東北地方の猟師、阿仁マタギの出身のため、アシリパとは異なる狩猟知識を持ち、野生動物の生態にも精通しています。
彼は杉元一行とは別に、主に占い師のインカラマッ、アイヌの少年チカパシと共にアシリパの行方を追っています。
谷垣は元々、敵側である第七師団の人間でした。それがアシリパとの交戦、二瓶鉄造(にへいてつぞう)との出会いなど、紆余曲折を経て軍人としてのあり方に疑問を感じるようになります。 そして毒矢で重傷を負った彼は、看護してくれたアイヌ集落のフチ(アシリパの祖母)へ恩返しするためにも、危険な埋蔵金捜索に出発したアシリパを無事連れ戻そうと行動しはじめたのです。
実直を絵に描いたような男で、キロランケとはまた違った男臭さと色気を漂わせています。
谷垣の視点で語られるエピソードや、彼の過去の掘り下げから、第2の主人公といっても過言ではないでしょう。無邪気なチカパシを交えたインカラマッとの3人珍道中は、杉元一行とも違った魅力があります。
アイヌ語で「見る女」という意味の名前を持つ占い師インカラマッ(ラは常用表現にない小文字)。プロポーション抜群の美人ですが、怪しい言動から「女狐」という印象が持たれます。劇中でもアシリパから「イカッカラ・チロンヌプ(狐女)」と呼ばれるシーンも。
網走へ向かう途中、苫小牧の勇払で杉元一行の前に現れた謎の女です。意味深な言葉を残して消えた彼女は、次に谷垣が養生するアイヌ集落へ現れ、アシリパの同行者に裏切り者がいるという不吉な予言をしました。
これがきっかけとなって、谷垣はアシリパを追うことになるのですが……一連の彼女の行動には何か裏があるようです。 はたして占い師インカラマッは杉元一行の味方でしょうか、それとも敵となるのでしょうか?
埋蔵金を狙うのは杉本たちだけではありません。ある男のもとに結集して、埋蔵金を狙う勢力として動く者達がいます。それがこの、土方歳三率いる土方一派です。
土方一派は脱獄後に銀行を襲撃したことで、杉元一行とは違って埋蔵金捜索の資金が潤沢にあります。彼のもとに集うのは理想に共感する者や、金銭目当ての者、戦うことが目的の者などさまざま。
土方は網走監獄では主犯「のっぺらぼう」にかなり接近しており、事情に精通しています。彼らが金塊を狙う共通の目的は、蝦夷地(北海道)を本土から独立させ、アイヌの国を作ること。土方は五稜郭が占領されたことで崩れた蝦夷共和国の夢を未だ捨てていないのです。
また土方は密かに白石と接触し、彼を内通者に仕立てあげました。これによって杉元一行の事情は土方に筒抜けとなっていますが、果たして争奪戦にどう影響するでしょうか。 土方一派を「変人組」とくくったのは、脱獄囚の大半がネジの飛んだ変人だということもありますが、特に土方に付いた者達は人外的な強さを誇る場合が多く、そういった意味も込めて「変人」とさせていただきました。
「いいか小僧ども。この時代に老いぼれを見たら『生き残り』と思え」
(『ゴールデンカムイ』6巻より引用)
史実では箱館戦争で戦死したとされている新撰組「鬼の副長」土方歳三(ひじかたとしぞう)。本作では戦死は衆目を欺く偽装とされ、生き延びた土方が密かに網走刑務所に収監されていたことが語られます。
彼も刺青の囚人の1人で、脱獄の首魁として登場します。刺青の脱獄囚は24人いて、しかも個々の刺青だけでは意味を成さない暗号になっていました。埋蔵金のありかを探すには、全ての脱獄囚の刺青が必要。それも、殺して生皮を剥ぐことが前提です。つまり刺青人皮争奪戦は埋蔵金の奪い合いを意味します。
杉元一行はアシリパがそのことに気付きましたが、土方は既にそれを知っていました。刺青を入れた張本人のっぺらぼうから、目的の一致した彼にだけは真意が知らされていたのです。
土方一派は杉元一行、第七師団とは別に刺青人皮を追うライバル。しかし、途中から杉元らとは休戦して協力関係となりました。
愛刀「和泉守兼定」を揮わせればまさに鬼神の如し。さらにレバーアクションライフル「ウィンチェスターM1892」との2刀(?)流と、ロマンあふれる戦術です。土方は老年に至っても、少年のような精神を失わない男なのです。
かつて新撰組にて土方とともに戦った同志、永倉新八(ながくらしんぱち)。土方同様、見た目は老人ですが、その剣技の鋭さはまったく衰えていません。一度刀を抜けば、ガムシンと呼ばれた若い頃さながらの活躍を見せます。ガムシンとは「がむしゃらな新八」を略した、史実にも伝わる永倉のあだ名です。
彼自身は脱獄囚ではありませんが、土方一派の武器調達から実働部隊までこなす、頼れるオールラウンダーです。
土方との関係が垣間見える永倉の樺戸集治監の回想は、本編でも随一のエピソード。土方と永倉、老人コンビの存在が本作に深みを与えています。
刺青の囚人のなかでも、指折りの実力者なのが、この牛山辰馬(うしやまたつま)です。土方側についたのは、金と女と強者を求めるという彼の性格からでした。
柔道で無敗を誇り、そこでつけられたあだ名が「不敗の牛山」です。彼のモデルになった人物は、「鬼の牛島」と謳われた柔道の達人、牛島辰熊(うしじまたつくま)でしょう。
人並み外れているのは身体能力だけではありません。女を見ればすぐに欲情するほどの性欲魔人です。そもそも網走監獄に収監されたのも、柔道の師の妻に欲情して手を出したことが発端。姦淫が露呈して私刑に処せられるも、返り討ちして10余名を殺傷した罪で捕まったのです。
なぜかアシリパは彼に懐いている様子。牛山はそれなりに常識はわきまえているらしく、アシリパのような子どもの前では紳士的(牛山基準)に振る舞っています。ヒグマを素手で打ち倒し、女を乱暴に抱く牛山が、アシリパの前で形なしになる姿も必見です。
家永カノは札幌でホテルを経営する未亡人。声がややハスキーな以外、どこからどう見ても美しい女性です。しかしその正体は、元医師の連続殺人犯、家永親宣(いえながちかのぶ)という老人でした。
彼は、女の見た目をした医者で、「同物同治」という民間療法に傾倒しています。それは体の不調部分と同じ部位を食べれば体調が回復するというもので、本来は中国薬膳料理の思想です。ところが家永は行きすぎた同物同治を実践していて、ホテルに来た人間を監禁しては拷問し、その体を食べて若々しさを保っていたのでした。
正体を暴かれ、傷を負ってからは土方の陣営に身を寄せています。罠にかけるタイプの犯罪者なので戦闘力はありませんが、医学知識を持っているので何かと重宝されているのではないでしょうか。意外と料理上手な一面もあります。
家永の連続殺人の手口からすると、モデルになっているのはシリアルキラーとして知られるヘンリー・ハワード・ホームズと思われます。
尾形百之助は第七師団所属の上等兵です。所属的にも階級的にも谷垣の上官に当たります。
出自のせいかドライな性格、ロジカルな思考の持ち主。当時としては珍しい、先進的な狙撃理論と射撃技術を持っており、マタギ出身の谷垣にすら「狙撃の達人」と言わしめるほどです。それでいて、杉元と対等に渡り合う白兵戦のプロでもあります。
勇将、花沢中将の息子として、また優秀な狙撃手として、上等兵ながら第七師団でも一目置かれる特別なポジションにあったようです。
初登場時は、刺青人皮を捜索する鶴見中尉の手の者として杉元と交戦。生死不明となりますが、その後再登場して、二階堂浩平と共に独自行動を開始します。茨戸以後は本格的に寝返って、土方一派の用心棒のような存在となりました。一枚岩であると思われた第七師団の綻びを象徴するキャラクターです。
表情に乏しいものの、振る舞いは飄々としていて、彼の真意は掴めません。本作ではほとんど唯一クールなキャラを貫き通していますが、その寡黙さがかえっておかしさを生んでもいます。
尾形については以下の記事で詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
『ゴールデンカムイ』尾形の10の事実!裏切りの理由、目的は?可愛い?
日露戦争から生還してきた兵士たちが、金塊のありかをめぐって奮闘や争いを描いたギャグ&時代&バトル漫画が『ゴールデンカムイ』。これでもかというほどに魅力的な要素を詰め込んだ闇鍋的な面白さのある作品です。 アイヌ民族から金塊を奪った男・のっぺら坊の噂を聞き、その所在を探すべく主人公たちが動き出したなかで出会ったのが、尾形百之助です。同じく金塊を狙う陸軍第七師団と対峙する場面で初登場を果たします。 この記事では常に冷静で、掴み所のない尾形百之助をご紹介。また、下のボタンのアプリから読むことができます!
「のっぺらぼう」の隠し財宝を狙うのは杉元や脱獄囚達だけではありません。「のっぺらぼう」を収監し、監視する一部の者達も同じように狙っています。
その1つが旭川に本部を置く、大日本帝国陸軍第七師団です。屯田兵を前身とした北の守りを勤める精鋭部隊で、日露戦争では多大な犠牲を払いながらも勝利に貢献しました。
彼らを束ねる長は第七師団情報将校の鶴見(つるみ)中尉。鶴見は軍上層部には内密に、つてを使って刺青人皮捜索を行っています。
その鶴見の野望は、北海道全土を巨大軍需工場とし、人的、資源的に日本本土から独立すること。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
日露戦争で日本は勝利を手にしました。しかし、払った犠牲に報いるほどの賠償金をロシアから得られませんでした。日露戦争の激戦地、二〇三高地、奉天会戦で多くの犠牲者を出し、疲弊した第七師団でもそれは同様。同志の遺体の多くは現地に置き去り、遺族への補償もままなりません。
国家に尽くし、国家に身を捧げた。しかし国家は報いなかった。そこで鶴見は、金塊を元手に、アメリカから最新機器を買い付け、北海道を工場化することを思い付きます。日露戦争で充分な補償のなかった軍属の遺族を、本土から招いてその工場で雇い、それをもって贖いとする。一時的な補償ではなく、末永く安定した暮らしを実現させるために。
日露戦争後、ますます最新鋭銃器の需要は高まり、世界中に輸出すれば自立することが出来る。先の先まで見据えた鋭い鶴見の戦略です。比較的人の死や一般人の巻き込みを避ける杉元一行や土方一派とは対照的に、軍人らしく目的達成のためには手段を選ばないため、もっとも危険と言えます。
彼の率いる第七師団は精鋭揃い。特殊な思考と言動から、変態筆頭は鶴見中尉ですが、彼を信奉する師団の軍人も負けず劣らずの奇人変人。朱に交われば赤くなる、トップの色に染まったということでしょうか。
中でも鶴見の人柄に惚れ、協力者となった江渡貝弥作(えどがいやさく)は群を抜いています。江渡貝はシリアルキラーで死体収集家として知られたエド・ゲインがモデル。人肉剥製の技術を持った彼は、鶴見の発案でとあるものを作り上げ、刺青人皮争奪戦に混乱をもたらします……。
隠された金塊を追う第七師団の長が、この鶴見中尉です。冷酷な軍人かつ先見の明を持った策略家…かと思えば、自ら前線指揮を執ることも厭わない義に篤い部分もあり、二面性を備えたカリスマ的軍人です。
日露戦争中に砲弾を頭部に受け、額と前頭葉の一部を失った影響で、まれに奇行を見せることがあります。本編で見せる異常な残忍性もこのせいだとか。
鶴見は軍上層部には内密に、つてを使って刺青人皮捜索を行っています。その鶴見の野望は、形は違えど土方とよく似ています。鶴見が金塊を追うのは、それを元手に北海道全土を巨大軍需工場とし、人的、資源的に日本本土から独立させるためです。その全ては戦地で亡くなった同志とその家族、未だ自分に付いてきてくれる仲間のため。
鶴見中尉と第七師団は、軍人らしく目的達成のためには手段を選びません。比較的人死にや一般人の巻き込みを避ける杉元一行、土方一派よりも危険です。
二階堂は兄の洋平と弟の浩平、兄弟揃って鶴見中尉の部下でした。兄弟は鶴見中尉の命令で杉元を捕らえて監禁していましたが、隙を突かれて反撃され、その時に洋平は死亡してしまいました。以来、浩平は兄の仇として杉元に執着するようになります。
復讐のためには命令違反すら厭わず、尾形に同行して第七師団から離れます。が、背信行為は鶴見中尉に筒抜けとなっており、結局は捕らえられた上に拷問で左耳を失いました。
再び鶴見中尉の元に戻って杉元捜索に携わっていますが、拷問されてから精神を病んだようで、切り取られた自分の左耳を兄浩平に見立てて会話するという行動を取るように。
異常さが進んで幼児退行を起こし、今では第七師団におけるコメディリリーフ的なと化しました。そうは言っても肉体は叩き上げの軍人です。不意の戦闘では狂的な一面が露呈します。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
『ゴールデンカムイ』の物語の核となる埋蔵金と刺青、それらを仕込んだのが「のっぺらぼう」と呼ばれる男です。網走監獄に収監されている謎の首謀者。
刺青人皮は脱獄囚の生皮を剥いで、全て繋げることではじめて解ける暗号となっています。そしてどうやら、のっぺらぼうが暗号を託した相手はアシリパであるようです。勿論、アシリパ自身に心当たりはありません。物語は一挙に、アシリパとのっぺらぼうの関係にフォーカスが当たっていくことになります。
のっぺらぼうの正体は何者で、なぜアシリパを協力者に選んだのか。そして何を目論んで、アイヌ人から金塊を強奪したのでしょうか?
「のっぺらぼう」と通称で呼ばれる正体不明の男は、アイヌ人を惨殺し、彼らが隠して貯めていた金塊を奪い去った張本人。しかし、後に判明するのですが、彼は殺したアイヌを供養する素振りも見せていました。ただ残忍なだけの男なら、そんなことをするはずはありませんが……?
のっぺらぼうは顔面が欠損し、素顔も素性も定かではありません。キロランケの証言によってアシリパの父親と目されていますが、真実は未だに不明。その言も、目的が一致した土方に対して、のっぺらぼうが告げた協力者の名前「小蝶辺明日子」という手がかりからのみ導かれたものです。
「小蝶辺明日子」それはアシリパのことでした。そのアシリパの和名を知るのは、金塊強奪の際に殺された父親か、彼女の出生直後に亡くなった母親だけのはずです。であれば、父親が実は生きていたとしか考えられません。 それではなぜ、のっぺらぼうは自分を死んだことにして、金塊を手に入れたのでしょうか。謎は深まるばかりです。
ウイルクは死んだはずのアシリパの父親です。樺太から移り住んできたアイヌで、ポーランドの父とアイヌの母から生まれたハーフ。
かつては金塊騒動で殺されたと思われていましたが、ウイルクこそが強奪の首謀者のっぺらぼうだという疑いが濃厚となってきました。土方の推測では、極東ロシアの政治派閥のひとつ「パルチザン」の密偵。
ウイルクは本当にのっぺらぼうなのでしょうか? アシリパの2つの名前に「未来」を託した父親像とはどうにも重なりませんし、そんな大事な娘を埋蔵金のごたごたに巻き込むはずがありません。
はたして、のっぺらぼうの正体とは……?
ここまで『ゴールデンカムイ』のストーリーを中心にご紹介してきました。しかし、本作の魅力はまだまだ他にもあります。よく練られたストーリーと同じように、アイヌの文化についてもよく調べられています。
まずは作中で頻出する言葉「ヒンナヒンナ」。お腹の虫が大合唱してしまうジビエ料理が登場する際によく発せられますが、これは食事に感謝するアイヌの言葉です。「美味しい」と「いただきます」が合わさったような感じと理解すればいいでしょう。普段の生活でも思わず使ってしまいたくなります。
アイヌの習慣として、名付け方に一定の規則があることが語られます。幼い頃は病魔を遠ざけるために、わざと汚い言葉を幼名として付けるとか。「大便」を意味する「オソマ」や、「祖父の尻の穴」という意味の「エカシオトンプイ」など。成長後は、性格に合わせて新たな名前が付けられるそうです。
谷垣の道行きに無理矢理同行することになるチカパシは、すでに「チカパシ」が成長後の正式な名前なのですが、その意味を知れば驚いてしまうかもしれませんね。男らしいと言えば男らしいのですが。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
日本が古代からそうであるように、アイヌにも万物に神性を見出すアニミズムが根付いています。アイヌは、自然に生かされている、と考えています。森羅万象は神がもたらしてくれたもので、便利に過ごせるのは全て神のおかげ。荒ぶる動物や現象は神と同一視してカムイと名付けて崇め、祈りを捧げます。
カムイと名の付く動物も美味しくいただくところなどは、アイヌの逞しい精神性を表しているかも知れません。「たくさんの肉として我々の前に現れてくれてありがとうございます」といった形で、彼らは神に感謝します。
他にもアイヌ独特の狩猟法、狩猟道具の使い方。生活に密着した食器からオモチャまで、見たことがないものがたくさん登場します。それら全てにアイヌ人の思想や生き方が込められており、アイヌになじみがなくなってしまった今、新鮮に映ることでしょう。
本作をただ読むだけでも、それなりにアイヌについて知ることができます。そこから一歩進んで、巻末に記載された文献に目を通してみるのも面白いでしょう。より深くアイヌ文化を理解し、『ゴールデンカムイ』の世界を楽しめるようになると思います。
ここまで『ゴールデンカムイ』の魅力を紹介してきましたが、各巻のあらすじを少しだけ紹介!気になる方はぜひ本作をお手に取って読んでみてください!
※ネタバレ注意
日露戦争で鬼神のような武功から『不死身の杉元』と呼ばれた杉元佐一。彼はある目的のためにゴールドラッシュで沸く北海道に足を踏み入れました。川で砂金をとっていると、近くにいた老人から、北海道にはアイヌが隠した莫大な金塊が眠っていると教えられます。
刺青囚人が金塊への手がかりだと知った杉元は、アイヌの少女・アシㇼパと手を組んで金塊を見つけることに。亡き友のとの約束を果たしたい杉元と、父の仇を討ちたいアシㇼパですが、2人の前、同じく金塊を狙う第七師団が立ちはだかります。
偶然出会った刺青囚人・白石から、刺青囚人の新情報を入手するものの、刺青囚人を指揮していたのが新選組鬼の副長・土方歳三だと判明し、熾烈を極める金塊争奪戦が幕を開けるのでした。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
- 2015-01-19
杉元が金塊を求めて動き出したこと、新選組鬼の副長・土方歳三も動き出していました。彼はある目的の達成のため、かつて網走監獄に収容されていた牛山辰馬を勧誘。お互いに殺し合うのではなく、協力し合えば死ぬ事はないと言って、牛山を仲間に引き入れます。
その頃、何者かによって部下が襲われたと知った第七師団の鶴見。瀕死の部下から『不死身の杉元』による仕業だと聞き、杉元を探し出します。しかし、鶴見は杉元を罰せず、自分の仲間になれと諭しました。果たして杉元は鶴見と手を組むのでしょうか?
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
- 2015-02-19
第七師団に捕まってしまった杉元。そんな彼を助けに来たのは、一方的に相棒解消を言い渡したアシㇼパでした。杉元はアシㇼパを危険に晒したくないと考え、一人で金塊争奪戦に挑むつもりだったのです。しかし、今回もアシㇼパによって命を救われ、金塊争奪戦には彼女の協力が必要だと考えなおします。
一方、土方はかつての仲間・永倉新八と落ち合い、大量の武器を携えてならず者たちの根城に乱入。親玉である渋川善次郎を仲間に引き入れようとしますが交渉は決裂してしまいます。
また、刺青囚人の1人・二瓶鉄造が登場。彼は最後のエゾオオカミを仕留めるために執念を燃やしますが…!?
杉元一行、土方一派、第七師団。それぞれがそれぞれの思惑で金塊を追い、刺青を求める過程で、その進路が複雑に交錯します。時に争い、時に共闘する埋蔵金争奪戦。バラバラに動いていた埋蔵金への道が、少しずつ重なっていきます。
鶴見中尉の奸計で贋作が混じった刺青人皮争奪戦。真贋を判別出来るのは鶴見中尉だけです。俄然優位に立った第七師団陣営に対して、杉元一行と土方一派の利害が一致して、共闘することになります。とはいえ状況が不利であることに変わりありません。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
そこで彼らは、「脱獄王」白石の力を利用して、刺青人皮の制作者である「のっぺらぼう」がいる網走監獄に直接乗り込むことを計画。一行は網走へと向かいます。
杉元達が網走までの道中で一悶着起こす一方で、アシリパを追う谷垣にも災厄が降りかかってきました。杉元一行に追いついたインカラマッとチカパシから、その事情を聞いた彼らは……。
11巻の注目点は、『ゴールデンカムイ』史上最大の問題児、姉畑支遁(あねはたしとん)の登場でしょう。『シートン動物記』で有名なアーネスト・シートンがモデルの姉畑も、刺青の脱獄囚です。これまでにも辺見和雄(へんみかずお)や江渡貝弥作(えどがいやさく)などの変態的人物はいましたが、姉畑の問題児っぷりは突き抜けています。
何がどう問題なのかは実際にご覧になって確かめて下さい。とても健全な公の場で語ることはできません。ああ、なんと恐ろしいウコチャヌプコロ……。
ど変態・姉畑の死を迎えた12巻。
ここでも、『ゴールデンカムイ』の他作品とは比べ物にならない、群を抜いた変態っぷりを見せつけます。まさかアイツと○○ってしまうなんて……。本当に恐ろしい。その詳しい様子はぜひ12巻でお確かめください。
さて、一行は姉畑の刺青人皮を手に入れ、ようやく釧路に到着します。そこで白石やインカラマッたちと合流し、アシリパの祖母・フチの15番目の妹と会います。そこで亀にマンボウと、様々な「旬の食材」を獲るアシリパ。
表面上は、姉畑の好き勝手を許してしまったことの発端が、自分の父にあるかもしれないことへの贖罪ですが、その目の輝きはヒンナなものに目がない食いしん坊にしか見えません……。
そんななか、いい雰囲気の谷垣とインカラマッ。そこにひとりのアイヌの老人がやってきてラッコの肉をくれます。「俺はひとり者だからこれを食べてはいけない」と言う老人。それが意味することとは?
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- 野田 サトル
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姉畑の暴挙によっていつも通り読者の変態欲を満たしてくれた12巻の序盤ですが、今回のメインはラッコ鍋シーンではないでしょうか。
バッタの大量発生によって漁師たちの宿泊所である番屋に逃げ込んだ杉元、白石、谷垣、尾形たち男集団。谷垣が老人にもらったラッコでそのまま腹を満たすことにします。そして、それが悲劇(喜劇?)の始まりでした。
実はラッコの煮える臭いには肉欲を刺激し、ひとりでいては気絶するほどだというアイヌの言い伝えがありました。ラッコの肉を煮る時は必ず男女同じ人数でいるべきだと言われているのです。
そして何だか怪しい雰囲気になっているところにキロランケが合流。さらに男臭さが増した番屋。行き場のない感情を発散させようと、男たちはが裸でのぶつかり稽古を始め……。
まさかの展開にニヤニヤしてしまうこと間違いなしです。アニメでも神回として話題になりました。しかもそのあとにあることが明かされ、物語はシリアスな展開へと進んでいきます。
この他にも新たな登場人物の超有名人・石川啄木にも注目したいですね。さらに新たに戦う相手である都丹庵士(とにあんじ)とのフリチン対決が始まるところも目が離せません。
果たしてラッコ鍋の結末は?シリアス展開で明かされる新たな事実とは?フリチン対決って何で?詳しい内容はぜひ作品でご覧ください。
露天風呂に入っている途中で集団に襲われた杉元たち。銃を向けられ、万事休すかと思いきや、リュウの助けで隙をつき、逃げ出します。
しかし場所は夜の森の中。もともと目の見えない敵に有利な状況です。明け方まで逃げ切って応戦しようとする杉元ですが、すぐそばまで敵が迫ってきて……。
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序盤で手に汗握る戦いをしたあとは、ついに一行が網走監獄に忍びこみます!ストーリーに大きな転換点が訪れましたね!
杉元たちは、白石の案で警備の手薄な網走川に面した堀に目をつけます。作中の時期が秋ということで、鮭を獲るためのアイヌの小屋が建っていると見せかけて、そこに監獄へ入り込むためのトンネルの入り口を隠すことになりました。
そしてある協力者の力も借り、ついにのっぺらぼうがアシリパの父かどうかが判明……!と思いきや、事態はまさかの展開へと動いていきます。実は今回の一連の作戦は、鶴見中尉の手のひらの上で踊らされていただけだったということが判明するのです。
さらに土方の本当の目的や、アシリパを連れた都丹の怪しい動きなど、今後重要となってきそうな展開が満載です!おそらく次巻14巻でさらに事態の全容が明らかになることでしょう!
ちなみにフリチンスタートの13巻でしたが、彼らの局部の全容が明らかになることは最後までありませんでした。ギリギリ、本当にギリギリ見えないのです。アングルの妙技にうならされます。
いかがでしたか?この記事で初めて『ゴールデンカムイ』に触れた、興味が湧いたという方は、是非とも手にとって実際に読んでみることをおすすめします。
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