荒北靖友は『弱虫ペダル』に登場する、主人公のライバル校の人物。一見すると柄の悪いヤンキーですが、実は熱い情熱と仲間への信頼を秘めたところが人気のキャラです。ストーリーでは仲間のサポートに徹して、重要な場面を熱く盛り上げてくれます。 今回はそんな荒北について、Wikipedia並みに徹底的にご紹介。詳しい情報や漢気溢れるエピソードなど、キャラの魅力をすべてご紹介します。少々長い記事になってしまったので、目次から気になるエピソードをご覧いただければと思います!
『弱虫ペダル』はオタク少年の小野田坂道が、ロードレースの世界を知って仲間達とともにレースにのめり込んで行くスポーツ漫画です。
荒北靖友(あらきたやすとも)は、主人公達の総北高校のライバル校、箱根学園の3年生です。まずは彼の基本情報を網羅しておさらいしましょう。
- 著者
- 渡辺 航
- 出版日
- 2016-01-08
荒北は見た目どおりに柄の悪い男ですが、内に秘めた熱さは作中でも屈指です。ぶっきらぼうで口調も悪いですが、人一倍仲間を信頼する情の深さもあります。つまり非常に取っ付きにくいものの、一度打ち解ければ実は「いい人」で、ファンにも人気が高い人物です。
ここからは荒北靖友の活躍するエピソードを交えながらたっぷりご紹介してきます。巻数もご紹介しますので、ぜひご自身でも彼のよさを実際に読んでみてくださいね。
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荒北はとてつもなく高いレベルで完成したオールラウンダーで、さらに凄まじい持久力も誇っています。そんな彼の箱根学園での役割は「運び屋」です。
自転車競技の団体戦では、役割分担が非常に重要です。ゴール前の瞬発力、直線の航続力、上り坂での登坂力……。運び屋の役割は、各ポジションのエースを彼らが得意とする場面まで、連れていくことです。この役割は団体戦ならではですね。
1年目のインターハイ編は9巻~27巻で描かれています。荒北は、箱根学園3年生としてチームに大いに貢献しました。個人の戦績は二の次で、チームのために仲間を重要な局面に送り出したのです。
結果として荒北はレースリタイアし、途中退場することになりますが、チームメイトだけでなくライバル選手とも熱いやりとりを見せてくれます。
表彰台に上らなくても、読者の記憶に鮮やかに残る。それが荒北というキャラなのです。彼の活躍は、12、13、20.21巻でご覧になれますので、ぜひ見てみてくださいね。
- 著者
- 渡辺 航
- 出版日
- 2010-06-08
荒北と小野田のやりとりはインターハイ1年目の目玉と言っても過言ではないでしょう。それくらいアツい内容です。
荒北は3日目のレースで、広島呉南工業高校の作りだした集団に飲み込まれ、順位を落としてしまいます。広島呉南の戦法から抜け出すため、同じく集団に飲み込まれた小野田が「協調しませんか!?」と荒北に持ちかけます。協調とは一丸となって走るテクニックです。
荒北は当初、小野田を「細メガネ」と呼んで小馬鹿にしていました。しかし必死に願い出る小野田に、荒北はもっとも信頼する主将・福富寿一の姿を重ね合わせ、ついには真波山岳と3人で協調。見事に集団混戦を切り抜けました。
その過程で荒北はライバル選手ながら小野田の実力を認め、「細メガネ」から「小野田チャン」と呼び方を変えます。
このエピソードは読者にも人気が高く、盛り上がるアツいやりとりとして知られています。
- 著者
- 渡辺 航
- 出版日
- 2011-12-08
ちなみに小野田についてはこちらでさらに語っております!
【永久保存版】小野田坂道のすべてを最新展開まで解説!基本情報や戦績など
先ほどの20巻からぜひ続けて読んでいただきたい、21巻。荒北の過去が描かれます。
荒北はロードレースと出会う前、いわゆるヤンキーでした。中学時代には将来有望の野球部員だったのですが、肘の故障で挫折し、グレてしまったのです。
ヤンキー時代の荒北は荒れて、バイクにのめり込んで行きました。
そんな頃、自転車に打ち込む福富と出会います。一心不乱に自転車競技に打ち込む彼の姿に、情熱を失っていた荒北は打ちのめされました。荒北は福富の過去を捨て、前を見ろという言葉で改心します。
福富の熱心なサポートによって、荒北は生まれ変わりました。
荒北は福富に全幅の信頼を置いていますが、その理由がよくわかる感動的なエピソードです。この過去の話だけでも泣けるのですが、荒れていた荒北がインターハイ3日目で自己犠牲までするようになることを踏まえると、涙が抑えられなくなります。
- 著者
- 渡辺 航
- 出版日
- 2012-02-08
『弱虫ペダル』ファンの間では、荒北と今泉俊輔が似ているとよく言われます。特にアニメ版では、似ている度合いが際立っているのも事実です。
確かに2人はつり目で、シャープな顔立ちという部分が共通しています。制服や普段着なら気になりませんが、ヘルメットやユニフォームで髪型、シルエットが変わると似ているように感じる人も多いでしょう。
性格も乱暴という点を除けば、荒北と今泉のぶっきらぼうなところも似ているかもしれません。
実は2人が似ているのは、アニメ版のキャラクターデザインの特徴です。原作ではそれほど似ていません。ただアニメ版でも、荒北は黒目が細くて下睫が濃いので、見分けることは可能です。
本編で卒業したキャラたちのスピンオフ『弱虫ペダル SPARE BIKE』にも荒北は登場します。大学生編は7巻から始まります。
荒北は偶然にも、ライバル校だった総北主将・金城真護と同じ大学へ進学しました。かつては敵チームで熱い戦いをくり広げた2人ですが、大学では顔見知りということで、自然と親しい付き合いとなっていきます。
荒北は金城の協力で車の免許を取りにいったり、2人して大学ロードレースに出たりと、キャンパスライフを謳歌していきます。
大学生編は荒北と金城のように、お馴染みのキャラが高校時代とは違った組み合わせで、今までにない一面を見せてくれるのが面白いです。
- 著者
- 渡辺航
- 出版日
- 2020-03-06
荒北は捻くれたような見た目に反して、かなりアツい男だということが、ここまででよくおわかりいただけたはずです。最後は荒北らしい、激アツな名言を3つご紹介して、終わりに代えたいと思います。
「2位を嘆くのはオレ達の役割だ
来年なってそれでも2位なら 枯れるまで泣きゃいいヨ
(中略)
“おめーの結果”はまだ出てねーんだヨ
だからヨ
出せよ………来年 」
(『弱虫ペダル』45巻より引用)
2年目のインターハイに挑む泉田塔一郎の回想の中で、悔しさで嘆く泉田に荒北がこう言いました。負けた原因は箱根学園を今背負う3年生の自分達にあり、次代の泉田達の勝負はこれからだと励ましたのです。個人ではなく、箱根学園というチームの最終的勝利にこだわる辺りに、荒北の熱い心が垣間見えます。
「たった1人の力で この大舞台まで登ってきたんだよ!!
見てるだけのヤツに がんばれ言われる筋合いねーよ!!
オレが認めるのは福富だけだ なァ…
福ちゃん!!」
(『弱虫ペダル』12巻より引用)
インターハイで走行中、沿道からかけられた「がんばれ」という声援に対する荒北の心の声です。
本当にがんばっている者は、血の滲むような努力を積み重ねています。荒北が他人事でしかない声援に反発するのは、自分や福富が本当に「がんばって」きたと自負しているからこそです。ぶっきらぼうななかに、プライドと信頼が感じられる名言と言えます。
「登ってきた1人で…
1人で走って 分かったぜ福ちゃん
たしかに インハイ最終日の先頭は
ハンパなくキモチイイ――――マジで」
(『弱虫ペダル』21巻より引用)
1年目のインターハイで全力をさらに超えた全力を出し、箱根学園を引っ張る荒北。この言葉とは裏腹にチーム全体に貢献した彼は、この後、文字どおりすべて絞り出して脱落しました。
一度グレてからこの言葉があるということで、荒北の孤高の走りがさらに印象に残る展開です。1人でチームを引っ張ったからこそ見えた境地、その感動が如実に伝わる名言と言えます。
- 著者
- 渡辺 航
- 出版日
- 2012-02-08
いかがでしたか? 荒北は本当にいいキャラです。彼の熱い活躍は、ぜひ実際に『弱虫ペダル』を読んで体感してみてください。