誰でも一度は手に取ったことがある「漫画」。いつしか自分もこんな漫画書いてみたい、こんな風に人を感動させてみたいと思い、ノートに漫画を描いた経験がある方は少なくないのではないでしょうか。 実際に漫画家として成功し、漫画のみで生計を立てられている人は、ほんの一握り。ですが、近年はインターネットやSNSの普及により、副業やフリーランスとして漫画を描き収入を得ている人たちが増えつつあります。今回はそんな副業としての漫画家の実態を調査しました。
本業とは別に、副業で漫画家を目指している方は多いはず。近年では漫画家の活動は紙媒体だけでなく、Web媒体でも活動している方は多いため、目指すハードルが低くなっているのは事実です。
しかし、本業でしっかりと働きながら、それ以外の時間で漫画を描く。「2足のわらじってどうなの?」と気になる方は多いのではないでしょうか。
筆者の知り合いに、看護師のパートと、漫画家を掛け持ちしている方がいます。その方に副業としての漫画家について大変なことを聞いてみました。
もちろん大変じゃないわけじゃないです。納期がある仕事だし、うまく作業工程が進まなかったら2日間ほとんど寝れないということもザラにあります。
漫画家さんはやはり寝れないというのは嘘ではないようです。
ですが、「好きなことが仕事になっているから続けられる」とも言います。数日間、睡眠時間を取れないことがあっても、書き上げたときの達成感とそれが本になったときの感動があるから頑張って続けることができるようです。
実際に本業と漫画家の仕事をどのようにこなしているのか。日常生活を聞いてみることができました。これはあくまでもひとつの例ですので、参考程度に見てくださいね。
6:00 出勤準備
6:30 出勤
7:00 勤務開始
12:00 退勤
12:30 帰宅、漫画を描く
16:00 子供たち帰宅、炊事、家事
20:00 就寝(この間にパパさんが掃除、洗濯を担当)
0:00 起床、漫画を描く
平日はおおよそこのように生活をしていて、週末にご主人が在宅の際に昼寝などで睡眠時間を補っているようです。
これが日常のスタイルで、月末になれば納期が立て込み、仕事が追いつかなくなることもあります。その際、必要になってくるのが家族のサポートでしょう。
納期が近く仕事が立て込むときは、独身、既婚関係なく家族にサポートをお願いし、漫画を描くことに専念できる環境を整えるのも、副業としての漫画家を続けるための大事なポイントです。
またこれは副業漫画家だけの話ではありません。専業漫画家を目指す場合にも、家族のサポートや理解がとても大切になってきます。漫画家を本業にしたいと考えている方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
漫画家になるには?5分で分かる仕事内容や新人、有名漫画家の年収など
https://honcierge.jp/articles/shelf_story/5888
漫画家を目指す方なら誰しもが気になるのが実際の収入面ですよね。漫画家として最初にデビューした際にもらえるお金は、著者の知り合いの漫画家の場合は「新人賞」としての賞金10万円。その後は商業誌上での連載にまつわる原稿料となります。
基本的に有名な漫画家さんであってもこの値は大きなずれはなく、後は何ページ描くのかによってその月の原稿料が決まります。
Webや紙媒体での連載を抱えている場合、おおよその月収は、漫画のみで20〜25万円程となります。
これは書籍販売などをしていない場合です。もしこの先、書籍が販売されるようなことがあれば、その印税なども月収に加算されることとなります。
漫画の作業効率を上げるためアシスタントを雇う場合もあるでしょう。そのような場合には、アシスタント料が引かれます。漫画を描くのは基本的にペンタブを使用しているのであれば、物品費用がかかることはあまりありません。
また、光熱費や通信費は一部経費で処理することができます。漫画にかかる費用はきちんと経費として計上することも忘れないようにしましょう。
本業を続けながらフリーランス漫画家になるには、どのような道のりがあるのでしょうか。実際に知人の副業、フリーランス漫画家になるまでの道のりを調査してみました。
さまざまなサイトでたまに見かける「イラストレーター・漫画家募集」の広告。まずはそこへの応募から始めてみるのがよいでしょう。
実際に筆者の知人の漫画家は、いくつかのイラストや4コマ漫画が掲載されました。それがきっかけでさまざまな求人広告を検索し、ポートフォリオと一緒に応募したそうです。
Web連載ではなく、商業誌での連載を目指すという選択肢もあります。商業誌で連載を勝ち取ることができれば、いずれは書籍として出版されることもあるでしょう。一度書籍として出版されれば収入源にもなりますし、書店などで多くの人の手に取られるようになります。
商業誌での連載を目指すには、出版社への持ち込みが行動プランとなります。あらかじめ目星をつけておいた出版社に連絡を取り、今までの実績を掲げオリジナルの作品をひとつ描きあげて編集者の方に話をしにいきます。
直接会いに行く前にあらかじめポートフォリオを送っておけば、話もスムーズにしやすいでしょう。そこで持ち込んだ作品が評価されれば仕事の話にもつながります。
漫画家としての仕事が始まったら、誰しもが専業作家になることを考えます。ですがなかには、兼業作家であることが強みになる場合もあります。
たとえば筆者の知人の場合は、やはり「現役看護師漫画家」という肩書は引きがあることから兼業作家を続けています。本業が特殊な仕事である場合は、作品のネタを集めることもできますし、収入も安定します。
専業となることのメリットがどれだけあるのか、逆にデメリットはあるのかなどを考えてから本業との兼ね合いを調整するのがよいかもしれません。
今やインターネットやSNSで気軽に自分の描いたイラストや技術を共有できる時代になりました。もちろん最初から出版社に持ち込んで仕事をもらったり、商業誌の漫画賞で華々しくデビューしたりといった方法もあります。しかしそれらのスタンダードな方法は競争率も高く、険しい道のりでしょう。
まずは一歩として、Web媒体で募集がかけられているところに応募するのが、現代の漫画家への近道なのではないでしょうか。調べてみると、意外と多くの会社が募集を出しています。
SNSで発信をし続け、ファンをつけてから応募するというのもよいでしょう。まずは自分が好きなことを仕事にするための一歩を踏み出すことが大切なのです。
実は、漫画家業界はいつでも新人不足で、デビューは早ければ早いほど有利だといわれています。
その理由として、長い目で見てさまざまなジャンルや作品に挑戦できる事、いろいろなことができる可能性が高い事などがあげられます。
デビューしたからといって、必ずしも長く連載を続けられるわけではありません。人気がなければすぐに打ち切られる可能性も多々あります。それでも再挑戦ができる可能性が高いのも、若いうちにデビューする際のメリットなのです。
自分自身を上手に売り込むことももちろん重要ですが、自分の絵のテイストに適した商業誌を選ぶことも漫画家になるためのポイントのひとつです。
これからフリーランスでの漫画家を目指す人、技術ばかりにとらわれなくても自分自身を売り込む心構えと、求められるジャンルの作品がマッチすればデビューも夢ではないはずです。
転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方
2019年08月19日
著者の「北野唯我」氏は、サラリーマンとして当初は年収240万というところからはじめました。著者は、サラリーマン・勤め人として得た知識や技術を持ちいて副業を開始し、あわせて、より労働条件の環境を求めて転職を4回します。結果として本業年収1000万、副業も年収4000万を得ています。
著者は、その転職術や副業にまつわるノウハウをずっとSNSなどで発信してきましたが、それらを著書としてまとめたものがこちらになります。
誰でもすぐに取り掛かれる内容が紹介されているのが特徴です。その極意はズバリ「転職と副業」で自分の本業で得た財産を軸に副業を開始し、自分が置かれる環境のよりよい条件を求め、探すことはすぐにでも誰にでもできることとして紹介されています。
斬新な内容のため、人によって好き好きは分かれそうな1冊ですが、終身雇用制度が崩壊しつつある現代の日本において、自分自身をプロデュースし本業ばかりにとらわれない収入源を獲得することは、人生においても重要なファクターであると思います。
本業を持ちながら副業をしてみたい方には、ぜひ一度手に取っていただきたい書籍です。
現役漫画家が教える「漫画で20年食う方法」完全マスター初心者版 (ハウツー)
2019年10月28日
『現役漫画家が教える「漫画で20年食う方法」完全マスター初心者版 (ハウツー)』は、これから漫画を描いてみようかなと思っている方に導入書として読んでいただきたい1冊です。
著者が漫画家人生24年でつちかったノウハウが凝縮されており、テクニックのみならず、漫画家を目指すうえでの心構えなどにも触れられています。
この著者の場合は、本業漫画家としての内容となっていますが、その求められるスキルや専門用語などは本業、副業に差はありません。
また、近年流行のデジタルでの作成方法なども網羅しています。デジタルやアナログでの描き方に迷っていてもメリットデメリットにも焦点があてられているので、自分自身がどういった方法に向いているのかを知るのにもよい1冊といえるでしょう。
- 著者
- 田中 ひろみ
- 出版日
- 2005-07-05
こちらの書籍はイラストレーターでもあり、看護師でもある著者「田中 ひろみ」氏が執筆した書籍です。内容はイラストレーターになるまでなので、今回の漫画家とは異なる部分でもありますが、「自分を売り込むために必要なノウハウが凝縮されている」1冊となっています。
友人の場合も同じなのですが、最終的にフリーランス副業漫画家として、とくに商業誌での連載を目指すなら、自分自身を売り込み、企業にアピールし続けることが重要です。
もちろん、断られて落ち込んでしまうこともきっとありますが、めげずに何度も挑戦する心とバイタリティがあれば、夢は叶うと勇気づけられる著書です。
運や縁を自分で作り、つかみに行く。それがフリーランスや副業として収入を得るための第一歩となるでしょう。
そんなモチベーションを得てみたい、行動の仕方を知りたい、という方におすすめの1冊となっています。
いかがでしたか。今回は漫画家について、だれでも日常生活のなかで取り入れやすいフリーランスとして描く方法や副業の仕方についてまとめてみました。今からでも遅くはありません。漫画家を夢見たそこのあなた、今もSNSなどでイラストや漫画を発信している方など、漫画をお仕事にするために行動してみてはいかがでしょうか。興味のある方はぜひ一度、紹介した書籍も手に取ってみてくださいね。