仲間由紀恵でなければ実写化不可!出演映画、テレビドラマを原作とともに一挙紹介

更新:2021.11.29

仲間由紀恵とiいえば、テレビドラマやCMで引っ張りだこの人気女優です。若い頃から美少女として有名でしたが、テレビドラマ『TRICK』でギャップのある役を演じたことで一挙にブレイクしました。 この記事ではそんな仲間由紀恵が演じた役柄と、その作品の魅力についてとことん紹介します。『ごくせん』などの代表作以外にも、ハマり役がたくさんありますよ。

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仲間由紀恵のデビューからプロフィールを紹介!『TRICK』や『ごくせん』が代表作

仲間由紀恵は沖縄県出身、1979年10月30日生まれの40歳です(2020年8月現在)。身長160cm、血液型A型。プロダクション尾木所属です。

夫は俳優・田中哲司で、『ジョシデカ!-女子刑事-』での共演が結婚のきっかけでした。

1993年に沖縄のタレント養成学校に入学し、翌年1994年に沖縄テレビ制作のドラマ『青い夏』オーディションに一般公募で応募。見事グランプリに輝きました。この成功によって事務所を紹介され、女優活動に繋がりました。当時から美少女として注目を浴び、現在も芸能界屈指の美人女優として知られています。

テレビドラマ『TRICK(トリック)』、『ごくせん』の主演で大ブレイク。どちらも仲間由紀恵の代表作となり、長期にわたる人気シリーズに化けました。

女優として高く評価されるだけでなく、2005年の紅白歌合戦の司会をはじめとして、MCやパーソナリティーとしても活動の場を広げています。

公私ともに仲のよい芸能人には歌手の島谷ひとみ、俳優の生瀬勝久、女優の常盤恭子らがいます。いずれも家族ぐるみの付き合いだったり、旅行に出かけるほどの間柄だとか。

2018年3月に妊娠を公表し、8月に双子を出産。その後しばらくは芸能活動を控えていましたが、2019年1月に女優業へ復帰しました。

イメージとのギャップも恐れない!仲間由紀恵の魅力

仲間由紀恵は演技力で魅了する正統派女優であると同時に、喜劇を演じるコメディ俳優としても実力が高く評価されています。彼女が約20年間も視聴者に親しまれ、愛される女優になれたのにはどんな理由があるのでしょうか?

まず1つめの理由は外見です。艶やかな長い黒髪に大きなおでこ、そしてぱっちり開いた黒い瞳。それら透明感のある美しさは仲間由紀恵の特徴です。彼女はこの容姿のおかげで、老若男女問わず好かれているのです。

もう1つは意外性でしょう。ミステリアスな外見に反して、仲間由紀恵はさまざまな役柄に挑戦しています。ブレイクの契機となった『TRICK』の山田奈緒子や『ごくせん』の山口久美子はその典型です。

山田奈緒子も山口久美子も基本的に喜劇のキャラで、仲間由紀恵の外見と言動のギャップで、多くの人を楽しませて大人気となりました。

またイメージとギャップのある役に怖じ気づかず、体当たりでなんでもこなしたのもよい方向に働いています。さまざまなテレビドラマに出演し、経験を積むことで演技力の幅が広がったのです。ルックスのイメージにこだわって、出演作を絞っていればこうはならなかったでしょう。

仲間由紀恵は美しさと意外性に支えられているからこそ、いつまでも変わらない人気を誇る女優なのです。

ファンとしてはそんな仲間由紀恵の素顔を見たくなりますが、彼女はあまり私生活を公開しない芸能人です。しかし2010年に出版された『仲間由紀恵写真集/『仲間由紀恵』』なら、等身大の仲間由紀恵を見られますよ。彼女がちょうど女優として飛躍した時期に相当するので、記録的な意味でも貴重な1冊です。

著者
仲間 由紀恵
出版日

【ライターおすすめ】仲間由紀恵が1番輝く『TRICK』

自称売れっ子マジシャンの山田奈緒子と、騙されやすい天才物理学者の上田次郎。正確も職業もまるで違う彼らですが、なんの因果か2人揃って奇怪な事件に巻き込まれがち。本作はそんな腐れ縁の2人が、数々の事件を解決していくミステリードラマです。

女優・仲間由紀恵を語る上で、『TRICK』は絶対に外せません。

本格ミステリーはあまり一般ウケしないものですが、『TRICK』は魅力的なストーリーと軽快なギャグを挟むことで、面白さと謎解き要素を見事に両立。その結果、深夜ドラマにしては異例の大ヒットを記録しました。

仲間由紀恵は山田奈緒子役でコミカルかつ味わい深い演技を見せ、それまであったミステリアス美少女のイメージを払拭しました。役者として一皮も二皮も剥けた本作こそ、仲間由紀恵が1番輝くドラマといえるでしょう。

 

 

ここからは、彼女の出演作のなかから原作があるものをチョイスしてすべて紹介していきます。『TRICK』や『ごくせん』はもう知っている、という方も、他にどんな人物を実写化してきたのか、一覧で知ることができますよ。

 

【映画原作】女優デビュー直後ながら存在感バッチリ『友子の場合』(1996年)

なんでも考えすぎた挙げ句、空回りしてしまう田村友子。本作は田村友子の大げさすぎる妄想や失敗談を中心とした、女子高生のドタバタ日常ギャグとなっています。

『友子の場合』はともさかりえ主演で2度のテレビドラマ化と映画化が行われました。仲間由紀恵の出演は映画のみで、田村友子と一緒に旅行へ出かける級友・嶋田咲子を演じました。女優になってまだ間もない頃の作品の脇役ながら、存在感はバッチリ。

実写版は破天荒なギャグが見所でしたが、原作漫画の展開はそれ以上です。過激な下ネタにまで発展するので、実写視聴済みでも面食らうはず。ディープな作品世界に浸りたい方は、ぜひ原作漫画もお楽しみください。

著者
藤野 美奈子
出版日

【映画原作】仲間由紀恵がリアルな10代の少女を『ラブ&ポップ』(1998年)

仲のよい友人一緒に水着を買いに出かけた吉井裕美は、水着ではなく高額なトパーズの指輪に心奪われました。吉井裕美は友人と協力し、閉店時間までに援助交際で指輪の購入資金を得ようと考えます。

仲間由紀恵は主人公の吉井裕美に協力する友人の1人、高橋千恵子を演じました。元々透明感のある女優として知られていましたが、本作では存在感のあるリアルな10代少女を好演。

原作は女子高生の援助交際を描いた村上龍の小説です。社会問題に斬り込むテーマながら、作中に登場する等身大の女子高生像が多くの共感を呼び、ヒット作となりました。映画は原作に忠実に作られていますが、原作には複雑な心理描写が多数あります。90年代の空気を感じられる貴重な作品でもあるので、興味のある方はぜひ原作もどうぞ。

著者
村上 龍
出版日

【映画原作】仲間由紀恵演じる美しい貞子の衝撃『バースデイ』(2000年)

18歳の新人女優の周囲で起こる、奇妙な死亡事件。謎の死を調べていくうちに、その新人女優の正体が明らかになっていきます。彼女の名前は山村貞子。のちに呪いのビデオで人々を苦しめる、すべての騒動の発端となる物語……。

ジャパニーズホラーの代名詞『リング』の貞子。恐ろしいイメージとは裏腹に、原作では何度となく絶世の美少女と言われていました。仲間由紀恵はそんな美少女としての貞子を、これ以上ないほどの形で見事に演じています

映画は短編集『バースデイ』の1エピソード「レモンハート」の映像化です。内容はかなりアレンジされているので、映画視聴済みでも原作のショッキングな展開は新鮮に感じるでしょう。『バースデイ』からシリーズを続けて読むと、また違った視点で『リング』の世界が楽しめますよ。

著者
鈴木 光司
出版日
2000-04-06

【映画原作】不良刑事の冷静な指導役『溺れる魚』(2001年)

秋吉宗貴と白洲勝彦は能力はともかく、素行に問題のある不良刑事でした。警視庁観察室は2人に対して罪状のもみ消しと引き換えに、奇妙な脅迫事件を担当するよう依頼します。

仲間由紀恵が演じたのは、不良刑事2人のお目付役・相川真紀です。無機質、無感情な演技が不良刑事との対比となっており、印象深い役でした。

「溺れる魚」を名乗る犯人の脅迫状から始まる珍奇な事件。犯人の狙いはなんなのか? 映画では徐々に激化するアクションが見所ですが、原作も負けていません。原作小説なら個性豊かすぎる登場人物の同行を俯瞰できるので、映画と合わせて読むのがオススメです。

著者
戸梶 圭太
出版日

【映画原作】ブレイク前の仲間由紀恵がヒロイン『ゲームの名は誘拐』(2003年)

佐久間駿介は渾身のプロジェクトを葛城勝俊に潰され、恨みを抱くエリートです。葛城勝俊に反感を持つ実娘・葛城樹理と出会った佐久間駿介は、彼女と協力して狂言誘拐を仕組みます。男女2人の計画は、やがて予想外の方向へと進んでいくのでした。

映画は『g@me.』と改題され、登場人物や結末が大きく変更されています。仲間由紀恵はヒロイン葛城樹理役を演じ、のちの大女優の風格を見せつけました

ゲームに見立てて行われるクライムサスペンスが本作の見所。原作と映画ともに異なる作りなので、一概にどちらが上とは言えません。両方に優れた点があるので、読んで比べてみるのがオススメです。

著者
東野 圭吾
出版日
2005-06-14

【映画原作】テレビドラマで正体不明だった人物は仲間由紀恵だった!『エリートヤンキー三郎』(2009年)

主人公の大河内三郎は少しオタク趣味のある普通の少年です。ところが彼の2人いる兄、一郎と二郎は恐怖のヤンキー「大河内兄弟」でした。三郎は秘めた実力と周囲の誤解もあって、高校進学を機に望まぬエリートヤンキーの道を突き進んでいきます。

映画は先に映像化されたテレビドラマの続編。映像化にあたっては、キャラの変更やオリジナル展開がはさまれています。仲間由紀恵は映画初登場のシスター役で友情出演しました。実はテレビドラマでも正体不明の占い師で出ていましたが、顔が出たのは映画だけです。

ヤンキー漫画にありがちなお約束を踏襲しつつ、爆笑ギャグに昇華しているのが本作の見所。漫画ならではトンデモ表現が魅力でもあるので、実写版で気になった方はぜひ原作もどうぞ。

著者
阿部 秀司
出版日

【映画原作】仲間由紀恵といえばコレ!『ごくせん』(2009年)

ヤンクミこと山口久美子は、眼鏡をかけたお下げ髪の地味な高校教師。ところが彼女は実家が由緒正しい任侠団体・黒田一家で、極道の跡取りでした。本作はそんなヤンクミの破天荒な教師っぷりと、不良生徒の交流を描いた痛快コメディです。

仲間由紀恵にとっては第2の出世作ともいえる代表作。演じたのは主人公の山口久美子です。見た目に反した芯の強いキャラで、ドスの効いた極道口調が印象的でした。

不良生徒に対するヤンクミの奮闘も面白いですが、強面なのにちょっと抜けてる黒田一家の面々も魅力的。原作漫画はドラマより人情要素、破天荒なバトルに特徴があります。一風変わった学園ドラマの原作をぜひ一度お楽しみください。

著者
森本 梢子
出版日

【映画原作】脇役としての評価も上がった『この手のひらほどの倖せ』(2010年)

1958年の新潟県。天涯孤独の兄弟だった健一と龍二は児童福祉施設で暮らしていましたが、養子に引き取られて離れ離れとなりました。幼い2人はやがて成長し、それぞれの道へと進み、幸せについて考えることになります。

映画は『手のひらの幸せ』と改題されて公開されました。仲間由紀恵は主要キャストではありませんが、フルートを演奏する龍二に影響を与えた吹奏楽部の顧問を演じました。仲間由紀恵をはじめとして、西田敏行など実力派俳優が脇を固めたことで、完成度がグッと上がったと評価されています。

原作は歌手・布施明がコンサートで披露した朗読作品です。丁寧な語り口と感動的な物語で多くの反響を呼び、童話化されました。誰にでも読みやすい作品なので、映画をご覧になった方もそうでない方もオススメです。

著者
布施 明
出版日

【映画原作】武士を支える妻として『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』(2010年)

加賀藩の会計役人を勤める下級武士だった猪山家。本作は天保13年(1842年)から幕末、そして明治12年(1879年)に至る37年間の猪山家の家計簿を元に、武士の生活を紐解くノンフィクションです。

仲間由紀恵は映画で主人公となる猪山家の当主、猪山直之の妻・駒を熱演。夫に寄り添い、お家再興や激動の時代を力強く生き抜く姿が印象的でした。

元は一般向けに出版された新書版の教養書でした。そのためストーリーらしいものはありませんでしたが、映画では記録をベースに時代劇として脚色されています。原作は物語でこそありませんが、武士の意外な生活を垣間見られる貴重な本です。江戸時代や時代劇に興味のある方なら、読んで損はありませんよ。

著者
磯田 道史
出版日
2003-04-10

【映画原作】仲間由紀恵主演で琉球王朝の歴史をダイナミックに再現『テンペスト』(2012年)

19世紀末の琉球に、真鶴という賢い少女がいました。彼女は義兄の失踪をきっかけとして、家を存続させるために孫寧温と名前を変え、性別を偽って琉球王朝の役人になるのでした。

仲間由紀恵は真鶴=孫寧温役。原作を元にしてテレビドラマや映画が作られていますが、そのすべてで仲間由紀恵が主演しています。社会と時代に翻弄されるながらもしたたかに、時に力強く生き抜く様子が話題になりました。

原作小説は琉球王朝の実際の歴史をベースとして作られたフィクションです。琉球が消滅する前後の話なので、歴史的ダイナミズムを体感出来るのが魅力。ドラマのファンならずとも、歴史好きなら必見の作品となっています。

著者
池上 永一
出版日
2010-08-25

【映画原作】仲間由紀恵は理系の女性もお似合い『天空の蜂』(2015年)

ある日、「天空の蜂」と名乗るテロリストによって、軍用ヘリコプター「ビッグB」が奪われる事件が発生しました。事件はそれで終わらず、「天空の蜂」は奪ったヘリコプターを用いて原発テロを起こそうとするのです……。

仲間由紀恵の演じた役は錦重工業のエンジニア、赤嶺淳子です。エンジン開発に携わった才女という難しい役どころながら、全編で違和感なく表現し切ったのはさすがの一言。

本作は強力すぎる最新軍用機と原発問題、テロリストの危機をミックスした社会派サスペンスです。原作小説はエンタメ作品ではありますが、強いメッセージ性を感じさせる傑作。映画も迫力充分ですが、東野圭吾の独特な筆致を味わうためにも、ぜひ原作も読んでいただきたいです。

著者
東野 圭吾
出版日
1998-11-13

【テレビドラマ原作】コンクールで選ばれた実際の手紙を元に『日本一短い母への手紙 2』(1995年)

1番近くにいるからこそ、気持ちを言いそびれる。でも、手紙の形なら伝えられるはず。本作は福井県丸岡町が母への思いを伝えるコンクール「一筆啓上賞」に寄せられた何万通もの中から、選び抜かれた珠玉の手紙を収めたノンフィクションアンソロジーです。

本作は何度か映像化されていますが、仲間由紀恵が出演したのはテレビドラマの第2弾4話です。デビュー作だけあって目立った活躍はしていませんが、美少女ぶりが目を引きました。

テレビドラマはアンソロジーに収録された手紙を元にしています。数行程度の文章を膨らませて制作されたので、原作とはかなり違いがあります。映像化されていないものや、短い言葉の中でしか読み取れない感動があるので、ぜひ原作にも触れてほしいです。

著者
丸岡町文化振興事業団
出版日

【テレビドラマ原作】夏目漱石の名作を平成を舞台にアレンジ!『坊つちやん』(1996年)

曲がったことが大嫌いな「坊っちゃん」。本作は大学卒業後に四国の学校へと赴任した彼が、アクの強い周囲に対して悪戦苦闘しつつ、人間の本質に気づいていくヒューマンドラマです。

『坊つちやん』は誰もが知る夏目漱石の大衆小説です。仲間由紀恵は、1996年に放送されたドラマ版『坊っちゃんちゃん』に生徒役の1人として出演しました。

笑いと涙、義理と人情、そして恋愛と暴力まで盛り込まれた贅沢な作品。タイトルだけ知っていても、未読の方が多いのではないでしょうか?「坊っちゃん」の無鉄砲な行動が清々しい反面、フィクションながら人間関係の難しさを痛感させられる傑作です。ぜひこの機会に原作を手に取ってみてください。

著者
夏目 漱石
出版日

【テレビドラマ原作】プレイボーイに振り回される仲間由紀恵⁉『エクレア気分』(1996年)

謙二と貴和美は新婚ほやほやの若夫婦。普通に暮らしているつもりが、なぜか周りでハプニングが続出してしまいます。しかも決まって少しエッチな問題ばかり。夫婦生活に着目したアダルトコメディが楽しい作品です。

仲間由紀恵の出演したテレビドラマ『もう我慢できない!』は、漫画『エクレア気分』が原案になっていますが、新婚夫婦のコメディ以外は人物名も展開もほとんど別物です。仲間由紀恵はプレイボーイな彼氏に振り回される、純情な雪子役を演じました。

テレビドラマはコメディ寄りになっていますが、原作漫画にはかなり過激な性的表現が満載されています。どれくらい違うかは、ぜひ実際に読み比べて確かめてください。下ネタを笑って許せる方にオススメです。

著者
赤星 たみこ
出版日

【テレビドラマ原作】90年代恋愛漫画の色褪せぬバイブル『イタズラなKiss』(1996年)

主人公の相原琴子は明るい性格だけが取り柄の高校3年生です。彼女の家に片想い相手の入江直樹が居候することになるのですが、その奇妙な同居生活を通じて、数々の問題や恋愛模様がくり広げられていきます。

本作は同名ドラマが何度か映像化されていますが、仲間由紀恵が出演したのはもっとも初期に作られた1996年の日本テレビ版です。矢田その子という目立たない少女役でした

『イタズラなKiss』は作者の急死で未完となった作品です。しかし今でも恋愛漫画のバイブルと呼ばれるほど絶大な人気を誇っています。完結していないのは残念ですが、面白さは今色褪せていません。ラブコメ好きは必見です。

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。

 <『イタズラなKiss』大好き!未完の名作少女漫画の名シーンネタバレ紹介!>

著者
多田 かおる
出版日

【テレビドラマ原作】本格ミステリーが魅力の異色少女漫画『名探偵 保健室のオバさん』(1997年)

聖橋学園には悪い意味で名物となっている、養護教諭・遠山櫻子がいました。「保健室のオバさん」と呼ばれる彼女はなんでも見通す鋭い観察眼の持ち主で、学校の周辺で起こる事件をたちまち解決に導いてしまいます。

仲間由紀恵はテレビドラマ第9話に登場する、高野理紗役で出演しました。1話限りのゲストながら、話の軸になる重要な女生徒を見事に演じています。

原作は少女漫画とは思えない本格ミステリーです。学校を舞台として、読者に親しみやすい内容でストーリーに引き込み、あっと驚く解決を提示されるのが爽快な作品。ドラマ化されてない面白いエピソードがいくつもあるので、気になった方はぜひ原作も読んでみてください。

著者
宮脇 明子
出版日
2003-02-18

【テレビドラマ原作】性格の悪い仲間由紀恵の演技が貴重な『寝たきり婆あ猛語録』『寝たきり婆あ、たちあがる!!』(1998年)

かつて元気だった母も体が弱って、今ではすっかり寝たきりに。弱気になって大人しくなるかと思いきや、口ばかり達者になって以前より元気なくらい。本作は作者の介護体験を元にした、母と娘と孫娘の女3代のかしましい日常エッセイとなっています。

『天うらら』は「寝たきり婆あ猛語録」シリーズを原案にして制作された連続テレビ小説です。テレビドラマ化にあたっては大幅に変更されており、内容はまったく違います。元は介護現場の喜怒哀楽を綴ったノンフィクションなので、テレビドラマを知らなくても楽しめます。特に母の毒舌っぷりは笑うしかありません。

仲間由紀恵は佐藤由香役。ヒロインに嫉妬するライバルで、仲間由紀恵には珍しい意地悪な演技が新鮮でした。

著者
門野 晴子
出版日

【テレビドラマ原作】朝ドラの劇中でも美しい人物として登場!『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』(2014年)

世界的に戦争の機運が高まる中、安東はなはカナダ人宣教師から友情の証として1冊の本を渡されます。のちに村岡花子と名前を変えた安東はな、その本を命懸けで守り抜き、戦後に本の日本語訳『赤毛のアン』を出版することになります。

『アンのゆりかご』は児童文学の名著の日本語版がいかにして生み出されたか、村岡花子の生涯を通じて描かれる伝記です。村岡花子の孫だからこそ書ける、当時の息づかいの感じられる感動的なノンフィクションとなっています。

連続テレビ小説『花子とアン』は本作を下敷きとして、独自の物語が描かれました。仲間由紀恵は女学生時代のはなの級友、葉山蓮子で出演。のちに歌人として活躍する彼女は、はなが翻訳家を志すきっかけを作りました。

著者
恵理, 村岡
出版日

【テレビドラマ原作】大学生らのもつれる青春を描いた名作『P.S.元気です、俊平』(1999年)

些細な行き違いで初恋相手の桜小夜子にフラれた加地俊平は、高校卒業後も彼女を忘れられませんでした。そんなある時、彼は姉の紹介で女子大生の太田原桃子と知り合います。同世代の男女による、複雑な恋愛を描いた青春ラブストーリー。

仲間由紀恵は準主役ともいえる、桜小夜子を演じています。主人公とは本来両想いで、卒業後も何かと関わるという複雑な心理の役でした。

主な舞台は高校ではなく大学(浪人生)であるため、普通の恋愛漫画よりビターな展開になるのが魅力。それでいて爽やかな読後感を味わえる不思議な作品となっています。トレンディドラマの原作を多く手掛ける柴門ふみによる本作は単純に青春モノとしても優れています。原作漫画はテレビドラマのファンでなくとも楽しめます。

著者
柴門 ふみ
出版日

【テレビドラマ原作】史実を元にした悲劇の女性を仲間由紀恵が『宮本武蔵』(2003年)

慶長5年(1600年)9月15日、天下分け目の関ヶ原の合戦上に横たわる男がいました。彼の名は武蔵。のちに無双の剣豪として知られる彼は、逃げ延びて剣の道へと邁進していくことになります。

仲間由紀恵はテレビドラマ『武蔵 MUSASHI』で、佐々木小次郎の許嫁・八重を演じました。八重は恋人の小次郎に父を殺され、自ら命を絶った悲劇の女性です。

原作は宮本武蔵の半生をベースとした、吉川英治の時代小説です。史実に反する記述はあるものの、日本人が当たり前に抱く「武蔵像」を形作った偉大な作品。史実、テレビドラマ、そして原作と合わせて読めば、より深く宮本武蔵という人について知れることでしょう。彼について気になった方は、こちらの記事もご覧ください。

 <宮本武蔵の本おすすめ5選。五輪書の名言。佐々木小次郎との決闘>

著者
吉川 英治
出版日
2013-01-28

【テレビドラマ原作】大河ドラマで内助の功を演じ切った仲間由紀恵『功名が辻』(2006年)

織田信長の配下の1人、山内一豊の下へ、美しい娘が嫁いで来ました。娘の名を千代といい、実直で他者を追い落とせない山内一豊を支えて、のちに土佐藩藩主まで出世させた女性です。

原作は史実を元にした司馬遼太郎の歴史小説。仲間由紀恵は主人公の千代役でした。晩年までずっと美しいままだったという設定どおり、力強く優美な大和撫子を演じました。『テンペスト』でも見せた和服姿が、仲間由紀恵にはよく似合います。この大河ドラマが放送された年、紅白の司会も任されることに。

本作は千代の目を通して描かれる戦国期を生きる女性の姿、動乱期特有のダイナミックな展開が魅力です。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人の偉人の盛衰も俯瞰できます。日本史に興味のある人には特にオススメです。

著者
司馬 遼太郎
出版日
2005-02-10

【テレビドラマ原作】愛を求める先には……『愛してる』(2001年)

上司との不倫を終わらせたOLの早紀は、今度こそまっとうな恋に生きようと、真面目な択己と交際を始めます。彼は争いを好まない穏やかな男でしたが、その裏には悪魔のような人格・亮が潜んでいました。早紀以外の誰も知らない、二重人格者との破滅に満ちた愛が始まります……。

仲間由紀恵は『FACE~見知らぬ恋人~』と改題したテレビドラマで相沢早紀を演じました。本人に責任はないものの、愛を求める余りにドツボにはまっていく悲劇のヒロインでした。

テレビドラマはかなりマイルドに改変されたラブストーリーでしたが、原作漫画の展開はかなりショッキングです。サスペンス、ミステリー要素に抵抗のない方は一度本作をお試しください。

著者
もりた ゆうこ
出版日

【テレビドラマ原作】脅迫や心理戦……警察の裏側を短編小説で『顔 FACE』(2003年)

D県警に勤める鑑識課の平野瑞穂。似顔絵で犯人を追い詰めると周囲から持て囃されていましたが、実際には警察の威厳を示す体のいい宣伝材料でしかりませんでした。しかし平野瑞穂は、自らの信念に従って捜査を行い、事件の真実を追究していきます。

本作はミステリー短編集『陰の季節』に登場する、平野瑞穂を主役としたスピンオフ。仲間由紀恵は2003年に放送されたテレビドラマ『顔』で主演しました。警察という男社会に揉まれながらも、前向きに事件へ取り組む姿が共感を呼びました。

短編連作で綴られる原作小説は、短い中にも面白さがギュッと詰まった秀作。本格的な推理、緊迫の心理描写を手軽に楽しめるのが最大の魅力となっています。

著者
横山 秀夫
出版日

【テレビドラマ原作】仲間由紀恵は恋愛ドラマ初主演『東京湾景』(2004年)

興味本位で出会い系サイトに登録した平井美緒は、貨物倉庫で働く和田亮介と運命的に出会いました。お互い気になりつつも、恋愛に一線を引いているせいで、2人の仲は遅々として進展しません。東京湾を舞台にした大人の恋愛模様。

テレビドラマは原作小説の内容を大幅に変更し、主人公の在日韓国人女性と日本人男性のラブロマンスになっています。仲間由紀恵は恋愛ドラマ初主演でありながら、1人2役で主役の母親の過去も演じたことで話題となりました。

原作小説は東京の情景が目に浮かぶ描写に圧倒されます。主要人物2人の心の機微がハッキリ伝わってくるので、恋愛モノが苦手な人でも楽しめる作品です。

著者
修一, 吉田
出版日

【テレビドラマ原作】石原裕次郎を支えた妻を実写化『弟』(2004年)

昭和を代表する大スター、石原裕次郎。その兄で作家の石原慎太郎は、突然弟が倒れたと連絡を受けて動揺しました。石原裕次郎の死。石原慎太郎は弟の生きた足跡を辿るように、彼の過去を振り返っていきます。

本作は石原慎太郎の記憶を元にした、名優・石原裕次郎の半生記です。兄弟として生まれてからずっと近くで過ごしただけに、息づかいまで感じられそうなリアリティがあります。石原裕次郎のファンはもちろん、昭和史に興味のある方にもオススメ。

テレビドラマで仲間由紀恵は、20代の石原まき子を演じました。石原まき子は石原裕次郎を支えた妻です。元女優かつ石原プロの経営者という難しい役を見事にこなしていました。

著者
石原 慎太郎
出版日

【テレビドラマ原作】物語の発端となる衝撃的なシーン『南総里見八犬伝』(2006年)

室町時代後期、里美家に討伐された傾国の美女・玉梓は、里美家の子孫に呪いをかけます。それから数年後、呪いによって亡くなった伏姫の体内から、8つの数珠玉が各地に飛び散りました。やがて数珠玉に選ばれた8剣士が集い、長い長い冒険譚が幕を開けます。

仲間由紀恵は2006年のテレビドラマ『里見八犬伝』にて、物語の発端となる重要人物・伏姫を演じました

『南総里見八犬伝』といえば伝奇小説の古典。『水滸伝』の影響を感じさせる物語は、成立年代が江戸時代とは思えないほど面白いです。時代を超えた名著に触れたい方はぜひどうぞ。

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。

 <小説『南総里見八犬伝』をざっくり解説!あらすじ、登場人物、結末などを紹介>

著者
曲亭馬琴
出版日
2003-02-05

【テレビドラマ原作】嫁姑問題に困惑する仲間由紀恵に共感『エラいところに嫁いでしまった!』(2007年)

雑誌ライターの槇村君子は、普通の会社員・山本磯次郎と交際し、普通の結婚をするはずでした。ところが結婚報告に赴いた山本磯次郎の実家は、由緒正しいとんでもない名家でした。槇村君子は結婚後、家のしきたりや地域の風習に苦しめられていきます。

仲間由紀恵が演じたのは主役の槇村君子です。代表作『TRICK』とはまた少し違った、嫁姑問題にまつわるコミカルさを発揮しました。

基本的な設定は原作エッセイとテレビドラマで変わりませんが、テレビドラマと同じホームコメディと思い込んで原作を読むと面食らいます。トラブルと暴言の応酬状態で、いっそ清々しさすら感じるかもしれません。古い因習に対する愚痴の数々は、槇村君子と同様に嫁いだ方には頷ける部分が多いのではないでしょうか。

著者
槇村 君子
出版日

【テレビドラマ原作】仲間由紀恵をモデルに描かれた漫画を本人が実写化!『島根の弁護士』(2007年)

島根県には弁護士が人数が26人しかおらず、日本一弁護士の少ない県と言われています。島根県の窮状を知った山崎水穂は、自ら27人目に志願しました。新人女性弁護士の目を通して、訴訟の実情や地方の弁護士会の状況が描かれるヒューマンドラマ。

仲間由紀恵は山崎水穂役です。原作漫画ではなんと、この山崎水穂のモデルを仲間由紀恵として制作されたため相性はバッチリ。依頼人と真摯に向き合い、事件を解決する人情派弁護士を好演しました。

テレビドラマは撮影おとび放映時期に合わせて、原作漫画から一部設定が変更されています。ほぼイメージどおりに映像化されたので、ドラマの視聴者ならすんなり原作漫画も読めるでしょう。数話完結の短編形式なので読みやすく、弁護士についても学べるのでオススメです。

著者
["香川 まさひと", "あおき てつお"]
出版日

【テレビドラマ原作】伝説の女優・夏目雅子を見事に再現『ふたりの「雅子」』(2007年)

今でも語り継がれる伝説の女優、夏目雅子。本作は白血病で早すぎる死を迎えた彼女を、もっともよく知る母親が、2つの顔を持つ「雅子」について回顧するノンフィクションとなっています。

仲間由紀恵は本作を元にしたテレビドラマ『ひまわり~夏目雅子27年の生涯と母の愛~』で、主役の夏目雅子を演じました。早世した美人女優の儚さが、仲間由紀恵の演技で見事に表現されていたと評価されています。

夏目雅子はかつて絶大な人気を誇りました。しかしその裏で、家族から女優業を反対されていたことは知られていません。母・小達スエだからこそ語れる真実は、読んでいると胸が詰まります。感動的な母娘関係は、有名女優を抜きにしても一読の価値があります。

著者
小達 スエ
出版日

【テレビドラマ原作】62歳の大型新人と評された著者の名作『目線』(2010年)

堂島建設の社長・堂島新之助は65歳の誕生日パーティ当日、突如死亡してしまいます。当初は自殺と判断されましたが、堂島新之助の初七日に関係者3人が亡くなったことで、連続殺人事件だったことが判明します。真犯人と殺害の経緯は……?

原作は天野節子の同名小説です。犯人が不明なまま、動機や犯行方法を推理していく本格的なミステリー。仲間由紀恵が演じた役どころは、堂島新之助の三女・堂島あかりでした

推理小説の作法に則ったシンプルな作品ですが、ストーリーやトリック、動機と結末それぞれの完成度が非常に高いです。よほど推理慣れしていない限り、綺麗に騙されるでしょう。ミステリー好きの方は謎解きのつもりで挑戦してみてはいかがでしょうか?

著者
天野 節子
出版日

【テレビドラマ原作】実際の南極探検家の記憶を追体験『南極越冬隊タロジロの真実』(2011年)

約70年前、戦後復興を推し進める日本は、南極観測の国際的プロジェクトに参加します。南極観測隊には無数の犬が伴われ、その中にはタロとジロと呼ばれる樺太犬がいました。観測隊撤収後、1年後に奇跡の生還を果たしたタロとジロの真実を綴るノンフィクション。

本作を原案にしたテレビドラマ『南極大陸』で、仲間由紀恵は主人公・倉持岳志の妻である倉持ゆかり役でした。すでに故人であり、回想や思い出によって倉持岳志らを支えました。

テレビドラマはたぶんに脚色されていますが、原案の『南極越冬隊タロジロの真実』は実際に観測隊に参加した北村泰一によって書かれています。記憶に基づく記述は非常に興味深く、当時を知るための貴重な資料です。

著者
泰一, 北村
出版日

【テレビドラマ原作】仲間由紀恵が天才外科医に『インシデント 悪女たちのメス』(2011年)

日本最高峰の医療技術を持った天才・檜山冬実は、ある時に女子高生の難病手術に立ち会います。手術は無事成功しましたが、術後に容態が一変して女子高生は死亡。医療ミスなのか、誰かが仕組んだ殺人なのか。本作は医療現場と舞台としたミステリーです。

仲間由紀恵はテレビドラマで主演し、檜山冬実を演じました。彼女は冷静沈着な天才外科医で、医療ミスの疑いをはね除けて奮闘する役柄でした。

日々進歩する高度医療技術。その現場に潜む矛盾が、原作小説では赤裸々に空かされます。原作小説では特に、緻密な展開とラストのどんでん返しが魅力。この爽快感は原作でしか味わえないでしょう。

著者
秦 建日子
出版日

【テレビドラマ原作】仲間由紀恵が幽霊になって登場『ゴーストママ捜査線』(2012年)

7歳の原平とんぼには、母・蝶子の遺品の眼鏡をかけている時だけ、幽霊が見える特殊能力がありました。原平とんぼは幽霊となった蝶子に導かれ、成仏できない幽霊の悩みを解決していきます。

原作漫画の蝶子は恰幅のよい中年女性で、肝っ玉母ちゃんといった見た目でした。テレビドラマでは仲間由紀恵が蝶子を演じる関係上、ほっそりした見た目の眼鏡美人に変更されています

本作の肝は母をはじめとして、数々の無念を抱えた幽霊とのやりとりを通じて、原平とんぼが成長する点にあります。母に先立たれ、泣いて暮らすだけった少年が徐々に成長する姿が感動的。原作漫画にはホームコメディ調になっていたドラマとは違う面白さがあります。

著者
佐藤 智一
出版日

【テレビドラマ原作】世界で1100万部越え!こんまりのベストセラー『人生がときめく片づけの魔法』(2013年)

誰しも子供の頃、「片付けなさい」と親に叱られた経験があるはずです。けれどそんな親から、正しい片付け方を習った人がどれだけいるでしょうか? 本作はアメリカでも認められた片付けコンサルタントが送る、魔法のような収納法をまとめた1冊です。

原作は近藤麻理恵の体験談を交えた指南書ですが、テレビドラマの内容は完全オリジナル。仲間由紀恵扮する片付けカウンセラー乗田磨輝子が、片付けと同時に依頼者の問題も解決していく話でした。

原作に物語性はありませんが、ハッと気づかされる驚きの手法が満載です。物を捨てられずに困っている人は、本作を読めば解決するかもしれません。

著者
近藤麻理恵
出版日

【テレビドラマ原作】阿部寛との再共演も注目『眠りの森』(2014年)

高い技術を誇る高柳バレエ団で、殺人事件が発生します。捜査に当たった青年刑事・加賀恭一郎は、被疑者と目されるダンサーの1人・浅岡未緒に惹かれていきます。そして起こる第2の事件。加賀恭一郎は人間関係を洗い出しながら、真相に迫っていきます。

原作は東野圭吾の人気作、「加賀恭一郎」シリーズの2作目です。ラブロマンスにしても怨恨にしても、複雑な心の機微が繊細に描かれます。本作のみでも充分面白いですが、シリーズを通して読めばさらに楽しめること間違いありません。

仲間由紀恵はテレビドラマにて、被害者・風間利之のお見合い相手の山田役でした。目立った出番はほとんどなく、主演が阿部寛だったことから、『TRICK』繋がりで友情出演したと想像できます。

著者
東野 圭吾
出版日

【テレビドラマ原作】芸能マネージャーとして悪戦苦闘『美女と男子』(2015年)

主人公はバリバリのキャリアウーマンでしたが、突然の辞令で縁もゆかりもない弱小芸能事務所への出向を命じられました。彼女は事務所の立て直しができれば戻れるとの約束を信じて、自らスカウトした新人俳優とともにマネージメント活動に勤しみます。

仲間由紀恵はテレビドラマの主人公、沢渡一子役です。劇中では八面六臂の活躍をする敏腕っぷりを発揮しました。

原作小説もテレビドラマ脚本も同じ作者が担当しています。ほぼ同時進行で制作されたため、どちらも違和感なく見られるでしょう。ただし原作小説は後半以降、ドラマと違った展開を迎えます。芸能界の裏側をユーモラスかつ温かく描いた物語で、ifストーリーとしても楽しめるので、テレビドラマが好きだった方には特にオススメです。

著者
田渕 久美子
出版日

【テレビドラマ原作】『模倣犯』のトラウマを抱えながら真相へ『楽園』(2017年)

ルポライターの前畑滋子はある日、萩谷敏子と名乗る女性から奇妙な依頼を受けます。それは事故で亡くした息子の萩谷等が、超能力者だったか調べてほしいというものでした。調査するうち、前畑滋子は16年前に発生した肉親殺人事件に関わっていくことになります。

仲間由紀恵が演じたのは前畑滋子でした。前畑滋子はかつて関わった事件に、未だに悩まされるルポライターです。

原作小説は宮部みゆきによって執筆されたサスペンスで、大ヒットした『模倣犯』とも繋がっています。『模倣犯』から9年分の時間経過、前畑滋子の変化が見所の1つ。宮部みゆきはストーリー構成が巧みな作家で、細かい背景や読ませる展開に圧倒されます。サスペンスが苦手でも、どんどん読み進められるオススメ作品です。

著者
宮部 みゆき
出版日
2010-02-10

【テレビドラマ原作】声だけの出演かと思わせて……『貴族探偵』『貴族探偵対女探偵』(2017年)

探偵でありながら自分では何もせず、使用人にすべてを任せて事件を解決する――それが貴族探偵です。本作は謎に包まれた貴族探偵を主人公として、周囲の人間だけが奔走する異色のミステリー作品となっています。

仲間由紀恵はテレビドラマ第7話から登場します。役は貴族探偵の秘書・鈴木です。この他、ヒロインの高徳愛香が捜査する端末の音声「ギリ」も担当しました。

推理小説には取っ付きにくいイメージがあります。しかし本作は探偵が探偵しないという、とんでもない設定のため、肩肘張らずに楽しめるのが魅力。話によって解決を担当する人物が入れ替わり、運転手まで活躍するのが面白いです。

コミカルながら読みごたえ充分のミステリーなので、普段推理小説を読んでいない人こそオススメです。

著者
麻耶 雄嵩
出版日

【テレビドラマ原作】ミステリー小説の原点を日本版として映像化『そして誰もいなくなった』(2017年)

イギリスのある孤島に8人の男女が招かれました。使用人2人と合わせて合計10人の男女。全員初対面のはずですが、彼らには1つ共通点がありました。主催者は彼らの罪を暴露し、やがて1人ずつ殺されていきます……。

テレビドラマは舞台を現代日本に移して製作されました。仲間由紀恵が演じたのは、元水泳金メダリストの白峰涼です。原作におけるヴェラ・エリザベス・クレイソーンに相当する人物。

本作はアガサ・クリスティの代表作であり、、周囲から完全に孤立したロケーション「クローズド・サークル」、意味深な連続殺人「見立て殺人」がもっとも活かされた作品です。ある意味で現代ミステリーの原点とも呼べるでしょう。

原作の詳細が気になった方は、こちらの記事もご覧ください。

 <小説『そして誰もいなくなった』あらすじなどネタバレ!トリックが面白い!>

著者
["アガサ・クリスティー", "俊二, 清水"]
出版日

【テレビドラマ原作】仲間由紀恵の悪女ぶりも話題に『偽装不倫』(2019年)

30を過ぎても結婚できる気配のない濱鐘子は、家族から鼻つまみ者になっていました。そんな彼女が韓国旅行の飛行機で、偶然パクジョバンヒという男性と出会います。彼は濱鐘子を既婚者と誤解しつつ、不倫しないかと持ちかけて来ました。

仲間由紀恵が演じたのは、濱鐘子の実の姉・吉沢葉子です。キャリアウーマンらしく、計画性の高いきちんとした大人の女性……かと思いきや、優しい夫を裏切って本当に不倫していた悪女。

未婚者なのに既婚者と偽り、本来健全なはずの交際が不倫になるという、アベコベなストーリーが本作の魅力です。刺激的な恋愛を楽しみたいけど、罪悪感を感じたくない。そんな方に本作はうってつけです。

著者
東村アキコ
出版日

【テレビドラマ原作】働き方改革のため仲間由紀恵が腕を振るう!『ハラスメントゲーム』(2020年)

地方で店長を務めていた秋津渉はある時、本社に呼び戻され、突然コンプライアンス室の室長に任命されました。社内には外部に漏れるとまずいリスクが溢れており、秋津渉は部下の高村真琴とともに、厄介なハラスメント事案を解決していきます。

ドラマは2018年と2020年にスペシャル版が放映されました。仲間由紀恵が出演したのはスペシャル版で、過重労働撲滅特別対策班(通称・カトク)の鮫島冴子を演じました。労働環境を徹底調査する鉄の女っぷりに、視聴者も恐ろしさを感じるほど。

原作者の井上由美子が脚本家出身だったせいか、原作小説は非常にテレビドラマ映えする作品です。とはいえ文字媒体ならではの細かい描写、映像化しづらい場面は小説でしか味わえません。原作と合わせて読めば、ドラマの魅力も倍増しますよ。

著者
井上由美子
出版日

【出演作品一覧】仲間由紀恵のコメディ役も美しい役も見たい!映画やテレビドラマの経歴

【映画】

『友子の場合』(1996年) 原作『友子の場合』

『ラブ&ポップ』(1998年) 原作『ラブ&ポップ』

『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(1999年)

『リング0 バースデイ』(2000年) 原作『バースデイ』の一編「レモンハート」

『溺れる魚』(2001年) 原作『溺れる魚』

『LOVE SONG』(2001年)

『明日があるさ THE MOVIE』(2002年)

『トリック劇場版』(2002年)

『トリック劇場版2』(2006年)

『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』(2010年)

『トリック劇場版 ラストステージ』(2014年)

『g@me.』(2003年) 原作『ゲームの名は誘拐』

『SHINOBI』(2005年)

『大奥』(2006年)

『私は貝になりたい』(2008年)

『激情版 エリートヤンキー三郎』(2009年) 原作『エリートヤンキー三郎』

『ごくせん THE MOVIE 』(2009年) 原作『ごくせん』

『手のひらの幸せ 』(2010年) 原作『この手のひらほどの倖せ』

『FLOWERS -フラワーズ-』(2010年)

『武士の家計簿』(2010年) 原作『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』

『琉神マブヤーTHE MOVIE 七つのマブイ』(2012年)

『劇場版テンペスト3D』(2012年) 原作『テンペスト』

『天空の蜂』(2015年) 原作『天空の蜂』

『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』(2017年)

【テレビドラマ】

『青い夏』(1994年)

『日本一短い母への手紙2』 第4話(1995年) 原作『日本一短い母への手紙 2』

『世にも奇妙な物語 冬の特別編 』「追っかけ」(1996年)

『世にも奇妙な物語 春の特別編』「スウィート・メモリー」(2012年)

『坊っちゃんちゃん』(1996年) 原作『坊つちやん』

『もう我慢できない!』(1996年) 原案『エクレア気分』

『イタズラなKiss』(1996年) 原作『イタズラなKiss』

『名探偵保健室のオバさん』 第9話(1997年) 原作『名探偵 保健室のオバさん』

『木曜の怪談'97』「悪霊学園」(1997年)

『亡霊劇場』(1997年)

『D×D』 第4話(1997年)

『しあわせ色写真館』(1997年)

『踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル』(1997年)

『透明少女エア』(1998年)

『せつない 第14話』「タイムカプセル」(1998年)

『天うらら』(1998年) 原案『寝たきり婆あ猛語録』『寝たきり婆あ、たちあがる!!』

『花子とアン』(2014年) 原案『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』

『神様、もう少しだけ』(1998年)

『走れ公務員! 』第5話(1998年)

『君といた未来のために 〜I'll be back〜』(1999年)

『P.S.元気です、俊平』(1999年) 原作『P.S.元気です、俊平』

『二千年の恋』(2000年)

『TRICK』(2000年)

『TRICK2』(2002年)

『TRICK-Troisieme partie-』(2003年)

『TRICK 新作スペシャル』(2005年)

『TRICK 新作スペシャル2』(2010年)

『TRICK 新作スペシャル3』(2014年)

『警部補 矢部謙三 第5話』(2010年)

『警部補 矢部謙三2 最終話』(2013年)

『葵 徳川三代 最終話』(2000年)

『武蔵 MUSASHI』(2003年) 原作『宮本武蔵』

『功名が辻』(2006年) 原作『功名が辻』

『FACE〜見知らぬ恋人〜』(2001年) 原作『愛してる』

『明日があるさ』(2001年)

『ウソコイ』(2001年)

『ごくせん 第1シリーズ』(2002年)

『ごくせん 第1シリーズ 卒業スペシャル』(2003年)

『ごくせん 第2シリーズ』(2005年)

『ごくせん同窓会スペシャル』(2005年)

『ごくせん 第3シリーズ』(2008年)

『ごくせん 第3シリーズ 卒業スペシャル』(2009年)

『ナイトホスピタル〜病気は眠らない〜』(2002年)

『顔』(2003年) 原作『顔 FACE』

『金曜エンタテイメント ほんとにあった怖い話 スペシャル3 - 病棟奇譚』(2003年)

『さとうきび畑の唄』(2003年)

『乱歩R』 第3話(2004年)

『東京湾景〜Destiny of Love』(2004年) 原作『東京湾景』

『弟』(2004年) 原作『弟』

『ハルとナツ 届かなかった手紙』(2005年)

『里見八犬伝』(2006年) 原作『南総里見八犬伝』

『エラいところに嫁いでしまった!』(2007年) 原作『エラいところに嫁いでしまった!』

『エリートヤンキー三郎』(2007年) 原作『エリートヤンキー三郎』

『土曜プレミアム 島根の弁護士』(2007年) 原作『島根の弁護士』

『ひまわり〜夏目雅子27年の生涯と母の愛〜』(2007年) 原案『ふたりの「雅子」』

『ジョシデカ!-女子刑事-』(2007年)

『寧々〜おんな太閤記』(2009年)

『ありふれた奇跡』(2009年)

『MR.BRAIN』 第5話・第6話(2009年)

『アンタッチャブル〜事件記者・鳴海遼子〜』(2009年)

『99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜』(2010年)

『金曜プレステージ特別企画 目線』(2010年) 原作『目線』

『美しい隣人』(2011年)

『テンペスト』(2011年) 原作『テンペスト』

『南極大陸』(2011年) 原案『南極越冬隊タロジロの真実』

『悪女たちのメス』(2011年) 原作『インシデント 悪女たちのメス』

『悪女たちのメス episode2』(2012年)

『向田邦子新春ドラマスペシャル 花嫁』(2012年)

『恋愛ニート〜忘れた恋のはじめ方』(2012年)

『ゴーストママ捜査線〜僕とママの不思議な100日〜』(2012年) 原作『ゴーストママ捜査線』

『サキ』(2013年)

『上意討ち 拝領妻始末』(2013年)

『土曜ドラマ 島の先生』(2013年)

『人生がときめく片づけの魔法』(2013年) 原作『人生がときめく片づけの魔法』

『土ドラ ハニー・トラップ』(2013年)

『東野圭吾×阿部寛新春ドラマスペシャル“新参者”加賀恭一郎「眠りの森」』(2014年) 原作『眠りの森』

『森光子を生きた女』(2014年)

『相棒 season13』 第1・10・15・16話 (2014年)

『相棒 season15 』(2016年)

『相棒 season16 』(2017年)

『相棒 season17 元日スペシャル』(2019年)

『SAKURA〜事件を聞く女〜』(2014年)

『ドラマ10 美女と男子』(2015年) 原作『美女と男子』

『連続ドラマW 楽園』(2017年) 原作『楽園』

『貴族探偵』(2017年) 原作『貴族探偵』『貴族探偵対女探偵』

『二夜連続ドラマスペシャル アガサ・クリスティ そして誰もいなくなった』(2017年) 原作『そして誰もいなくなった』

『明日の約束』(2017年)

『偽装不倫』(2019年) 原作『偽装不倫』

『ハラスメントゲーム 秋津VSカトクの女』(2020年) 原作『ハラスメントゲーム』

『10の秘密』(2020年) 

いかがでしたか? 仲間由紀恵は誰もが知る女優だけに、今回ご紹介した原作付き作品をご覧になったことのある方も多いでしょう。ドラマ映画はもちろん優れていますが、原作には映像化できない魅力を秘めた作品が数多くあります。ぜひこの機会に仲間由紀恵の出演した原作も読んでみてはいかがでしょうか? テレビドラマや映画で知っていても、きっと新しい発見があるはずです。

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