潜水士という職業は、名作ドラマ『海猿』で取り上げられたこともあり、海での人命救助が基本的な業務のイメージが強いですよね。海上保安庁で活躍する潜水士ももちろんいますが、それ以外にも建設企業、ダイビングスクールなどの場所でも潜水士は活躍しています。潜水士の国家資格は取得するだけならそこまで難易度は高くなく、誰でも受験することが可能です。専門的な技術が必要で、需要が高いことから収入が安定しているところも魅力のひとつです。本記事では、潜水士の仕事内容やなり方、試験の概要、収入まで詳しく解説しています。興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
潜水士とは、読んで字のごとく、水に潜り海や水中でさまざまな業務をおこなう職業です。ただ水中に潜るだけでなく、水中での調査や撮影、時には救助活動をおこなうなど活躍場所は多岐にわたります。
本記事では、まず潜水士の仕事内容や働き場所をおさえていきましょう。
潜水士は、水に潜りながらさまざまな仕事をおこないます。現場によって、水中に潜りながら建設作業をしたり、船舶の修理をしたり、撮影・調査をしたりするなど、陸よりも自由が利かない水中でさまざまな仕事をこなさなければなりません。
他にも、ダイビングインストラクターとして水中で利用者をサポートしたり、海上保安庁の潜水士として海難事故の救助にあたったりするなど、仕事内容は多岐に渡ります。
潜水士が活躍する場所は、一言で言うと水中で何らかの業務をする必要のある場所です。たとえば、水中工事をおこなう建設会社やダイビングを楽しめるアクティビティスポットなどがあげられるでしょう。
大別すると、主に3つに分けられます。
海上自衛隊や海上保安庁、警察・消防の救助隊でも潜水士は活躍しています。海難事故にともなう救助や捜索などをおこない、事故や事件の解決をサポートします。
潜水士になるには、潜水士の国家資格を取得する必要があります。潜水士資格と間違えやすいものとして、ダイビングスクールでもらえるCカードがありますが、こちらは潜水士の資格ではありません。
この章では、潜水士資格の概要を解説していきます。
潜水士資格は、危険度の高い空気圧縮機や手押しポンプを扱うことができる資格です。受験資格は特に定められていないため、年齢や性別、学歴などを問わず受験することができます。他の業界で仕事に取り組みながら転職のために資格を取得するということも可能です。
試験科目は、以下の4科目で、合計100点の筆記試験のみで合否が決定します。
実技試験がないため、実務経験がなくても試験科目をしっかり勉強すれば、誰にでも資格を取得できるチャンスがあります。合格率は80%ほどと言われており、難易度は比較的易しいです。
しかし、潜水士資格を取得することと、水中業務ができることは異なります。資格取得と合わせて、就職先などで訓練を積み、スキルや経験を積み重ねる必要があります。
参照:潜水士
潜水士資格の他にも、海を活躍の場として働く職業があります。潜水士に関連する資格を取得することによって、水中だけでなく、船を操ったり、海事に関わったりすることができます。潜水士に関連する資格には、以下のような資格がありますので、ぜひチェックしてみてください。
このなかでも比較的メジャーで、取得しやすい国家資格は「小型船舶操縦士」でしょう。学科12時間、実技4時間の計2日で取得が可能です。まずは海に触れる機会を増やしたいと考えている方は、こちらの資格取得を検討するのがよさそうです。
潜水士の収入は、所属する企業や組織によって異なります。水中業務は地上業務よりも危険をともない、特別な技術を要することから収入は高い傾向があります。年収では、平均600万円~700万円ほどになることが多く、高収入を期待できる職業です。
専門職であることから正社員で働く方がほとんどであり、安定した収入を得られるのもメリットです。
一部、フリーランスとして働いている方もいますが、仕事量や依頼単価によっては企業や組織の収入を超える場合もあるでしょう。ただ、経験や技術が求められる職業ですので、いきなりフリーランスとして活動するのは難しいです。
せっかく取得した潜水士の資格。専門的な業務が可能となり、その分安定した収入も得られるので、転職を考える際は資格が活かせる転職先に就職したいですよね。転職先の例として、以下のような会社があげられます。
先述しているように、潜水士の仕事は水中での調査、工事、清掃、修理などさまざまです。そのため、やりたい業務内容を絞らなければ転職可能な勤め先は多いのです。
- 著者
- 鉄 芳松
- 出版日
こちらの1冊は、潜水士を40年以上続けている筆者が師匠に学んだ潜水士としての姿勢を綴った書籍です。5人の師匠から学んだ潜水学の知識と、潜水の基本やスキューバダイビング、水中作業、深度潜水技術、潜水医学などを章ごとに紹介しているのが特徴です。
師匠から学んだ潜水の哲学だけでなく、長年の経験から培った筆者の人生哲学も語られています。本書を読むことによって、潜水士としての生き方ややりがいなどに触れられるでしょう。
- 著者
- 哲史, 二見
- 出版日
こちらの1冊は、潜水士試験に向けた合格テキストと模擬テストで構成されています。合格テキストは頻出事項を単元別にまとめており、図解も盛り込みながらわかりやすくつくられているのが特徴です。各単元にある演習問題は、20回分の過去問を分析して作成したもので、試験の傾向に合った演習に取り組めるでしょう。
模擬テストは、過去問題を厳選した3回分の模擬テストが収録されています。この本1冊で合格できたという口コミが多くありますので、合格テキストで勉強し模擬テストで実力を測るというサイクルを繰り返せば、合格を勝ち取れるでしょう。
- 著者
- ["須賀次郎", "工藤和由"]
- 出版日
こちらの1冊は、完全攻略テキストと問題集がセットになっています。潜水士資格試験の科目ごとに重要ポイントがまとめられているので、効率よく勉強を進められるのが魅力です。
各章の末尾には一問一答形式の確認テストがあり、定着度を確認できます。さらに巻末には2回分の模擬テストが収録されているので、本番形式で取り組めるようになっています。
別冊付録として、頻出重要項目をまとめた冊子を付属しているのも嬉しいポイントです。すき間時間での勉強や試験直前の確認などに役立ててみましょう。
潜水士は、ドラマなどで馴染みのある海上保安庁や海上自衛隊以外にも、警察・消防の救助隊、ダイビングインストラクター、建設会社などさまざまな場所で活躍できる職業です。資格を取得するだけであれば筆記試験のみで取得できるものの、実際に現場で活躍するためには水中業務のスキルや経験が求められます。
潜水士の仕事に興味のある方は、潜水士の収入やおすすめの本なども参考にして、資格の取得や潜水士としての就職などを目指してみてくださいね。