5分で分かるミサゴの生態!魚好きの猛禽類の驚くべき狩りの方法とは?

更新:2022.4.21

猛禽類といえば生態系のカーストの一番上に君臨し、シュッとした見た目に鋭い爪と太い嘴で小動物を狩るというのがイメージにあります。しかし、猛禽類の中でも魚を好んで食べる猛禽類を知っているでしょうか。人間でも焼き肉よりお寿司が好きという人がいるように、猛禽類にも肉より魚好きの鳥がいるのです。その鳥の名はミサゴです。英語名ではオスプレイと言われ、米軍の航空機のオスプレイはこのミサゴに由来しているものです。今回はミサゴの生態と共に関連本も紹介したいと思います。

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ミサゴはどこに住んでいるの?

 

ミサゴは、魚好きというだけあって海岸や大きな河川、湖沼がある環境に生息しています。1年中見ることのできる留鳥であり、日本だけでなく世界的にも広く分布しています。体長は50~60cmほどで白と黒のコントラストが特徴的な鳥です。猛禽類は人の住んでいる場所から離れて生活していることが多いですが、ミサゴは水辺に生息しているためトビなどと同様に比較的見つけやすい猛禽類です。

 

ミサゴは何を食べる?

 

鯉や鯖などをはじめダツやヒラメなどの掴みにくそうな魚もしっかり捕まえます。湖近くに生息するミサゴは外来種のブラックバスを食べることも多いようです。魚であれば基本的に食べることはできますが、自分より大きな魚は持ち運べなくなるため50cm程度の獲物が限界のようです。また、全ての獲物が魚というわけではなく、弱った小鳥や蛇やカエルなどを捕まえることもあるそうです。

 

ミサゴの魚雷持ちを知っていますか?

 

ミサゴ最大の特徴は狩りの仕方です。まず水面にいる魚を上空から見つけ狙いを定めます。この時ホバリングという空中に一点に止まる飛び方をしてしっかりと獲物の位置を把握します(このホバリングがオスプレイの由来になったものです)。そして一気に水中に飛び込み脚を使って獲物を捕まえます。脚の指の部分には獲物を離さないための返しのような棘があり、一度捕まえた獲物は離れることができません。ただ稀な話ですが、デカすぎる獲物だとその棘が外れないせいで、溺れ死んでしまうこともあるようです。

そして、獲物を捕まえて飛び立つ時には、脚を前後にして魚を縦にして持ち運びます。この飛び方が魚雷持ちという呼ばれ方をしていますが、これを空気抵抗をなくすためと言われています。

この変わった持ち方が出来るのもミサゴの特徴で、一般的に鳥は足指の3本が前を1本が後ろを向いていますが、ミサゴは前3本のうち1本が前後自在に動かすことができます。ミサゴが長年の進化の中で身につけた効率的な飛び方なのです。

 

ミサゴの優れた防水機能

 

他の猛禽類が海に飛び込まず、なぜミサゴだけ飛び込めるかというのにはしっかり理由があります。それは、圧倒的な防水機能です。羽毛は油分が多くしっかり水を弾く仕様になっていて、鼻にも弁があり飛び込んだ際に水が入ってこないようになっています。こういった機能は猛禽類の中だけでもミサゴにしか備わっていません。

 

ミサゴは天敵まみれ

 

これだけ優れた機能を備えていると生態系のなかでも一人勝ちしているように見えますが、ミサゴが捕まえた獲物を狙っているものもいます。身近なところで言えばカラスやトビなどが雑食であるためミサゴの捕まえた獲物を横取りしようなんてことが多く見られます。自分達は水中に入れないうということとミサゴが魚をとる名人だと知っているからこそ、その獲った後の獲物を狙うのです。

北海道では、オジロワシやオオワシなどがミサゴの獲物を横取りすることがあるらしく、ミサゴ以上に大きな猛禽類に襲われるのはひとたまりもありません。実はオオワシやオジロワシは見た目とは裏腹に狩りがそこまでうまくないため、狩りの上手な鳥から獲物を奪うという習性を持っています。ミサゴにとっては獲物を捕まえることよりも、どうやって捕まえた獲物を守り切るかということが大切なのかもしれません。

身近な野鳥の観察図鑑

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["髙野丈", "樋口広芳"]
出版日

この本は身近で観察できる野鳥の特徴や見分け方、観察のポイントなどを紹介した一冊です。身近な野鳥のよく見られる行動や面白い行動を写真やイラスト、4コママンガを交えて紹介しています。QRコードを読み込めば、鳴き声は音声で、特徴的な行動は動画で確認することもできます。年齢問わず誰もが楽しく学ぶことができ、まさに野鳥に興味を持ち出した方にはぴったりです。

街・野山・水辺で見かける 野鳥図鑑

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出版日

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