長崎書店「青本・赤本フェア」/本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~【第43回】

更新:2025.9.17

「書店オリジナルのフェア」の取材を通してお伝えしている本屋遊泳。今回は長崎書店さんの「青本・赤本フェア」について紹介します。 「青本・赤本フェア」について石川龍一さんにお話しを伺いました!

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表紙の色が青と赤の本を集めたフェア

長崎書店では表紙の色が青と赤の本を集めたユニークな「青本・赤本フェア」を開催しています。

小説や自己啓発書、漫画、写真集など、ジャンルを問わず多彩なラインナップが揃い、見た目の鮮やかさが目を引くフェアとなっています。

きっかけは、8月より無人営業の時間帯を設けるにあたり、スタッフがいない状況でも「どんなフェアか」が一目で伝わる売場を作りたいと考えたことでした。

さらに、外国からの来店者も増えていることを受け、日本語がわからなくても直感的に意図が伝わり、見ているだけでも楽しんで欲しい、という思いも込められています。

表紙の色で選ぶというユニークな切り口は、訪れた人に新鮮な驚きを届けてくれるでしょう。

「青本・赤本フェア」は2025年9月3日~9月30日まで開催しています。

 

2色の表紙がつなぐ新しい本との出会いが魅力

「青本・赤本フェア」の魅力は、色というシンプルなテーマから、新鮮で予想外の本との出会いを楽しめるところにあります。

例えば、赤と青の棚を眺めると、普段は別ジャンルに置かれる小説や実用書、漫画や写真集が「色」という共通点で並び、意外な組み合わせに気づくことができます。

また、フェアの準備段階では、1・2巻や上下巻が赤と青で組み合わさった作品が思いのほか多く見つかりました。その二冊が並んでいるのを見ると、続きが気になって、思わず手に取りたくなるはずです。

来店者からは「本屋さん版のロミオとジュリエットみたい!」「夏と秋の狭間を感じさせて季節感がある」「見ているだけで幸せな気持ちになる」といった声が寄せられ、SNSでは通常の10倍以上の「いいね」を獲得するなど、大きな反響を呼んでいます。

青と赤のコントラストがもたらす視覚的な楽しさと、思いがけない発見が重なることで、訪れる人に読書の新しい魅力を体験していただけるフェアとなっています。

ぜひ店頭で、色がつなぐ本との出会いを楽しんでみてください。

 

▼長崎書店
住所:熊本県熊本市中央区上通町6-23
公式HP:https://www.nagasakishoten.jp/

長崎書店さんが過去に展開したフェアの記事も下記からご覧いただけます。

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フェア担当者石川さんからのメッセージ

「青本・赤本フェア」を担当した、長崎書店の石川と申します。今回のフェアは原点に立ち返り、とにかく“楽しい”“見た目がきれい”ということにこだわりました。小学生の自分がもしフェアを考えたら…という子供心も大切にしています。

本の表紙は、作家さんや出版社さんが丁寧に作り上げたものです。その表紙に改めて目を向けてもらえたら嬉しいです。

 

長崎書店の書店員さんに選書の依頼ができる「ブックカルテ」

長崎書店は、読書の悩みに寄り添う選書サービス「ブックカルテ」にも参加しています。このサービスでは、利用者が読書傾向や興味分野を問診票に記入し、それをもとに書店員が1万円以内で本を選び、発送します。

現在、長崎書店では4人の書店員が登録しており、それぞれに強みがあります。私は「子供心」や「わくわくするもの」、そして「心が元気になる本」を選ぶのが得意です。

もし「毎日がつまらない」「生きている実感がわかない」と感じている方がいたら、一緒にどうすれば明日を楽しみにできるのかを考えていきたいです。

まずはカルテに答えるだけでも構いません。自分のことを書き出す中で、新しい気づきが見えてくるかもしれません。

フェアとあわせて、ぜひ「ブックカルテ」も体験してみてください。

石川さんへの選書依頼は下記をご確認ください。

https://bookkarte.com/staffs/189

ここからは「青本・赤本フェア」で展開されているおすすめ本を紹介します。

おすすめ本①『冷静と情熱のあいだ Blu』

冷静と情熱のあいだ Blu

2001/9/20
辻 仁成
KADOKAWA

イタリアを舞台に、かつて愛し合った男女がすれ違いと時間を経て再び向き合う物語。静かな筆致で、情熱と冷静のはざまで揺れる心の機微を描きます。

 

おすすめ本②『冷静と情熱のあいだ Rosso』

冷静と情熱のあいだ Rosso

2001/9/25
江國 香織
KADOKAWA

対になる『Blu』が男性視点で描かれるのに対し、『Rosso』は日本を舞台にした女性側の物語。過去と現在が交錯し、冷静な理性と抑えきれない情熱のあいだで揺れる心が、鮮やかに浮かび上がります。

 

おすすめ本③『風の谷のあの人と結婚する方法』

風の谷のあの人と結婚する方法

2006/7/28
須藤 元気/森沢 明夫
出版社ベースボール・マガジン社

大ヒット映画『風の谷のナウシカ』の登場人物を題材に、著者独自の視点で「理想の結婚相手像」をユーモラスに考察する一冊。軽快な語り口で、作品世界を新たな角度から楽しめます。

 

おすすめ本④『武士道シックスティーン』

武士道シックスティーン

2010/2/10
誉田 哲也誉田 哲也
文藝春秋

勝気で真っすぐな剣道少女と、自由奔放な同級生。正反対の二人が剣道を通じて出会い、ぶつかり合いながらも互いに刺激を受け、成長していく青春物語。

 

おすすめ本⑤『武士道セブンティーン』

武士道セブンティーン

2011/2/10
誉田 哲也
文藝春秋

『武士道シックスティーン』の続編では、出会いの衝撃を経た二人が、それぞれの進路や生き方を模索する段階へ。剣道だけでなく友情や将来への迷いも交差し、より深く自分と向き合う17歳の姿が描かれます。

 


取材にご協力いただいた、長崎書店の石川さん、ありがとうございました!

ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。

次回もお楽しみに!

 

特集

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本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。

この記事が含まれる特集

  • 本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~

    ホンシェルジュでは書店オリジナルのフェアを「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名。 本屋さんへの取材を通してフェアのテーマや選書を紹介、アーカイブ化する特集です。 ぜひお気に入りの本屋さんを見つけてください。

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