スーツ店ならではの豆知識と年の差恋愛に胸キュンの漫画『テラモリ』は、全巻重版になるほどの人気漫画。スーツ男子萌えの熱い支持も受けて実写化が待望されています。今回はそんなおすすめ恋愛漫画の魅力をご紹介!ネタバレありなのでご注意下さい。
主人公の高宮陽はゲームオタクの大学2年生。人見知りですが、ゲーム課金のためにバイトを探しており、ひょんなことから時給1200円の高さにつられてスーツ店「テーラー森」で働くことに。しかし接客が苦手な陽は鬼副店長の平尾に叱られてばかり。仕事の勝手も分からず、ストレスが溜まっていきます。しかし周囲のサポートもあって接客の楽しさに徐々に気づいていき……。
- 著者
- iko
- 出版日
- 2015-09-11
本作の序盤はだめだめ主人公の陽の頑張る姿に胸が熱くなる、お仕事漫画といった趣です。ギャグも多めでテンポよく進んでいきます。ストーリーに恋愛要素が加わるのは3巻から。平尾が陽を意識し出し、普段の鬼のような形相が崩れていきます。今回はそんな一度で二度美味しい『テラモリ』のハラハラドキドキな魅力をご紹介します!ネタバレを含みますのでご注意ください。
陽はコミュ力皆無で片時もゲーム機を手放さない大学生。副店長のストレスを連ガチャで解消し、給料で念願の設定資料集を買う時は息を荒げながらよだれを垂らします。そして同じ学生アルバイトの柳川と楽しくゲームをしていても、彼がテニサー所属だと知ると潮のように引きます。強いて言うならば彼女の心の所属サークルは「帰宅ソプマップ通いゲーム一色愛好会」だからキラキラ属性とは合わないのです。そんな陽は接客をしてもそのオタ感が滲み出てしまいます。
出典:『テラモリ』1巻
表情表情!接客中なの忘れてる!
このお客はリア充をアピールする女性でもないですし、大学生への就職祝いとしては妥当な金額かと思うのですが、父のネクタイを2本で3000円で買っていた彼女からすると、1本7500円のネクタイを買う女性はリア充でしかも「貢ぐ女」。なかなか偏った見方かと思うのですが、それもそのはず、陽はかなり恋愛方面には疎い女の子。そのおかげでこの後の恋愛展開でもそのもどかしさで読者をキュンキュンさせてくれます。
できる男、平尾宗隆。入社3年目という過去最短で副店長になった彼は売り上げにはとことんシビアです。サービスにもこだわりを持ち、普段の表情からは考えられないほどの天使のスマイルで接客します。そんな彼は新人にはかなり厳しく、表情の固い陽にいつも笑顔が無いと注意します。
出典:『テラモリ』1巻
このほかにも注意がいちいち威圧的で、言うことはもっともなのですが、陽のストレスを積み上げ、連ガチャを加速させます。しかしところどころで優しく、なんだかんだいい上司なのです。俺様はスーツとの相性が良いですね、怒った顔もメシウマです、ありがとうございます。
そしてやっぱり気になるのは恋愛展開。厳しい顔もM心をくすぐらますが、照れている様子はからかいたくなっちゃうような萌え顔!なぜ気がつかないのか陽、気がつこうとしないのか陽、そこ代われ陽!と言いたくなるような格好良いキャラクターです。
レジ補佐に入ることになった陽。社員の春日原花の隣で教わります。真っ白になる陽ですが、やることは簡単。商品を受け取ってサイズ確認、プライスカット、レジを打つ人にパスする、ということだけです。しかしそこはスーツ店。やはり普通のアパレルとは異なるイレギュラーがありました。
出典:『テラモリ』1巻
スピード感ありますがなかなかテンパってます、陽。どこで噛んだらそんな言葉遣いになるのか気になります。ひとまずは花のフォローを受けてお仕事終了。優しいお客さんは「新人さん?頑張ってね!」と言って去っていきます。
ちなみにこの39と86という数字は首回りと裄丈の長さのことです。こんなスーツ豆知識をギャグを絡ませながら教えてくれることも本作の魅力。スーツを買う前の勉強にもなる漫画です。
初めて平尾が陽を意識し始めた話は3巻に収録されています。大学のテスト期間とシャツ採寸という新しい接客部門のための暗記勉強、柳川のシフトが減る分のカバーなど無理が重なり、陽は脚立から落ちてしまいます。なんとか彼女を受け止める平尾。それでも無理をして仕事を続けようとする彼女に心配のあまり彼は声を荒げてしまいます。泣き出す陽。それを見て平尾はこれ以上彼女に無理をさせないように……。
出典:『テラモリ』3巻
平尾様、お姫様抱っこktkr。
そのまま彼女を休憩室に連れていきます。てゆーか、どこまでも連れってて欲しいんですが、まだ休憩室どまりです。チッ。そこで陽は泣きながらも必死に覚えた暗記テストの内容をそらんじます。それは社員ですら全て覚えていない内容。平尾様はその努力を認められ、泣き止まない陽にべた甘なご対応をなされるんですが……。続きは作品で。
その後の平尾様が織りなす髪くしゃの涙ふいてからの、ほっぺつねりというスウィーティーフルコースは作品でしか味わえない魅力に溢れています。普段のブリザード対応からは考えられない、春のそよ風、季節の兆しを添えて的なストーリー。御平尾シェフの名技が光る一皿をどうぞ。
この一連の流れは18、19話で楽しめ、最後の最後で読者を胸キュンさせていた平尾様は逆に陽にドキドキさせられちゃいます。そのご尊顔はぜひ作品で。
『テラモリ』については<『テラモリ』が無料で読める!最終10巻までの見所を全巻ネタバレ紹介!>でも詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
- 著者
- iko
- 出版日
- 2015-11-12