文芸

加藤シゲアキの小説をランキング形式でご紹介!ジャニーズ発の作家!

更新:2020.11.24 作成:2017.6.2

加藤シゲアキは、ジャニーズのグループNEWSのメンバーとして有名です。ジャニーズだから、といって甘く見てはいけません。彼の表現力に、アイドルにしておくにはもったいない、と思うこと間違いなしでしょう。

アイドルと作家の顔を持つ小説家・加藤シゲアキ

加藤シゲアキは1989年、広島に生まれ、幼い頃は大阪、10歳からは神奈川で育ちました。本名は加藤成亮と書きます。1999年からジャニーズ事務所に入所し、2003年にNEWSというグループのメンバーとしてデビューしました。

そして、アイドル活動と並行して大学を卒業。2011年に『ピンクとグレー』で小説家デビューを果たします。今から紹介する作品は、ドラマや映画化されているものもあり、若者の中から支持を得ているといえるでしょう。

今回は、NEWS加藤シゲアキではなく、作家としての彼の作風の魅力について、ランキング形式で紹介していきたいと思います。どの作品も彼の性格が垣間見えることでしょう。

「魂燃やして生きる」事の大切さを想う

主人公は、世間から昔天才子役ともてはやされていたレイジという男です。レイジが渋谷の宮下公園で出会ったのは、ホームレスとドラッグクイーンでした。

自分の目標に向かって明るく生きている2人によって、レイジは次第に人間としての心を取り戻していきます。

しかし、彼らは宮下公園から追い出されてしまうのです。
著者
加藤 シゲアキ
出版日
2014-03-21
この物語は、レイジの子供の頃と大人になった現在を交互に描いていきます。

子役だったレイジは、大人に言われるがままに演技をして生き抜いていました。それはまるで機械のようで、毎日感情を殺して生活していたことが読み取れます。

そんな中、ホームレスの徳さんとドラッグクイーンのローズの2人と出会いました。彼らの明るい性格から、レイジは次第に自分を見つめなおしていきます。

大人になったレイジは、脚本家になっていますが、子供の頃の記憶がありません。徐々に明らかになっていく過去に、思わず胸が詰まります。なんといっても、徳さんとローズとの突然の別れはとても切ないものに思われるでしょう。

徳さんが言った、「魂燃やせ」という言葉が印象に残るはずです。

昔、機械のようだったレイジを支え、導いてくれた徳さんとローズのおかげで、レイジは大人になった今、このような生活を送っているのだということが、嬉しく感じられます。

一期一会とはよく言いますが、子供の頃に支えてくれる大人たちのおかげで、子どもは変わっていくのだと感じる物語です。レイジはきっと、2人のおかげで、良い父親になることでしょう。

明るい印象の芸能界に自分を殺され、社会的に排除されてしまうような大人たちに救われる、そんな希望を持った作品となっています。加藤シゲアキの温かい心を感じることもできる、おすすめの作品です。 
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2人の出会いが生み出すもの

主人公は、5人組のアイドルグループに所属している亜希子です。亜希子は、俳優の尾久田と不倫関係にありました。

その関係を狙っていたのは、パパラッチの巧という男です。2人の出会いは運命的なものでした。
著者
加藤 シゲアキ
出版日
2015-11-25
作者自身もアイドル活動を行っていることから、亜希子のアイドルとしての姿勢にもしかしたら自分の影を重ねていたのかもしれません。

アイドルというのは、寿命が長いとはいいがたいです。女性は特に、若いアイドルに次々と押され、芸能界から消えていく者も少なくないと感じます。

この物語は、そんな、自分に自信がなくなってきているアイドル亜希子と、パパラッチである巧の出会いから始まりました。職業上、2人の出会いは最悪なものだったのです。

巧には、抱えている苦悩があります。彼は妻を事故で亡くしており、それからというもの、ゴシップを追うという、芸能人から嫌がられるようなイメージの悪い仕事に身を落としていました。つまり、妻の死は巧の心を傷つけ、立ち直れないものとなっていたのです。

さらにその事故が原因で、巧は色が見えなくなっていました。

『閃光スクランブル』という題名は、この作品にピッタリでしょう。この作品の舞台は渋谷で、メイン通りにスクランブル交差点があります。

その、交差するものと、一瞬の強い光である「閃光」という言葉を融合させていることから、『閃光スクランブル』という題名は、この作品にぴったり当てはまる言葉となっているのかもしれません。

そして、その交差する光は、亜希子と巧でしょう。

2人は、職も年齢も異なりますが、唯一、心に悩みを抱えていることが共通しています。題名は、その二人が出会うことによって、閃光が生み出されるという意味ではないでしょうか。是非読んで、題名の意味も考えてみてはいかがでしょうか。

加藤シゲアキ、初の短編集

人々の「生」と「性」を描いたこの作品は、全6編からなる短編集です。加藤シゲアキ4作目となる今回の小説は、恋愛ものから推理ものまで、加藤が今出せるすべてを網羅していると感じます。

今回は、この短編の中からいくつか紹介したいと思います。
著者
加藤 シゲアキ
出版日
2015-06-01
「恋愛小説(仮)」は、主人公で作家の僕が「男子の恋愛」をテーマにした小説を書き始めるところから始まります。書き始めてからすぐに詰まってしまい、寝てしまうと、彼は夢の中で美しい女性と出会うのです。

彼は、自分が書いた恋愛小説が現実のように、夢に現れることに気付きました。そのため、自分の初恋の相手を登場させたところ、なんと夢にも登場し、デートを重ねていきます。

魅力の1つは、「200字以内に書いたものが夢で現れる」という設定です。自身が短編を書く中で、200字という短い文章で物語を描く主人公を登場させるのは、思わず、センスがいい!と感じてしまうことでしょう。

「インターセプト」は、結婚式の二次会で出会った男女のお話です。

なかなか男になびかないことで有名な安未果を落としてやろうと、林は意気込みます。口説きは通じなかったものの、お互いに好きなものが同じだということが分かり、意気投合していくのです。

安未果の巧みな誘いにより、林は彼女と一夜を共にしました。そして、朝、そこで林が見たものとは……?

誰しもがこの結末にゾッとすることでしょう。男性の作家ながら、女性のしぐさやしたたかさを上手く表現できていると感じます。こんな視点での作品も描くことができるのか、と感心すること間違いなしの作品です。

他6編も、様々なジャンルに挑戦した加藤シゲアキの心意気が伺える作品となっています。
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加藤シゲアキのデビュー作。芸能界の光と影を表す青春小説

小学生の頃、横浜へ引っ越してきた川田大貴は、同じマンションの同級生、鈴木信吾と仲良くなりました。中学、高校を共に過ごすなかで、2人ともモデルにスカウトされます。

ルームシェアをはじめ、お互いが自分の夢である芸能界に向かって行きますが、人気の差と共に2人の仲にヒビが入っていくのでした。
著者
加藤 シゲアキ
出版日
2014-02-25
大貴は年数が経ってもバイトと細々とした仕事をこなす日々を送っていました。それとは逆に、真吾はドラマなどに出演していて、大貴とは差が広がっていました。

しかし、2人はずっと一緒に過ごしてきた仲間です。同窓会をきっかけに、また仲良くなれるかもしれない、という気持ちが芽生えてきます。

再会を果たした2人でしたが、それもつかの間、大貴が真吾に呼ばれて行くと、そこには思いがけない状態が待ち構えていました……。

一見、明るく夢を追う青春小説のようですが、二人のすれ違いからは芸能界の裏の顔が垣間見えるようです。

成功したはずの真吾が抱えていた悩み、成功していない大貴の挫折と苦悩は、芸能界にいる加藤シゲアキならではの、華やかさと影の部分が表現されている世界観だと感じられます。

この作品を書いた当時、加藤が所属するNEWSはなかなか売れない時代を過ごしていました。その影響もあったのでしょうか、主人公である大貴の挫折がリアルなものなのだと実感させられることでしょう。

この作品の特徴の1つとして、章のタイトルが飲み物で表現されていることが挙げられます。章ごとの年齢によって、飲み物が変化していくのです。小学生時代は「イチゴオレ」。大きくなり、コーヒーが飲めるようになり、お酒になっていきました。

この部分は、大貴の年齢の変化と共に成長を表しているのでしょう。

いかがだったでしょうか。ジャニーズだからと言って、あなどれない加藤シゲアキの実力を感じてみて下さい。作品を出すごとに上がる評判は、もはや話題のみで読まれている作家ではないということを思わせるものです。ぜひ読んでみて下さいね。