行定勲のおすすめ映画17選!原作の魅力を知れば映画作品がさらに面白くなる!

更新:2020.9.3 作成:2020.9.3

映画『GO』でブレイクし、『世界の中心で、愛をさけぶ』、『クローズド・ノート』といった代表作をヒットに導いた映画監督・行定勲。名作小説・漫画を原作に、美しい映像を作り込む実写化の名手としてもその名を知られています。 この記事では、行定勲が監督を手掛けた映画作品について原作とともに紹介します。

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目次

行定勲の経歴・プロフィールを紹介。在日韓国人を描いた映画『GO』でブレイク!

行定勲は1968年8月3日に生まれの52歳(2020年現在)。熊本県出身で、幼い頃に地元の熊本城で撮影されていた黒澤明監督の『影武者』がきっかけとなり、映画を作る仕事を志しました。

高校卒業後、専門学校在学中に映画の制作会社に所属。岩井俊二の助監督を務めたのち長編映画監督デビュー作『OPEN HOUSE』で新人監督奨励賞を受賞し、業界関係者から注目され始めました。

2001年には在日韓国籍の高校生の葛藤と恋愛模様を描いた映画『GO』が大ヒット。その名を一気に轟かせました。大沢たかおと柴咲コウ主演の『世界の中心で、愛をさけぶ』や沢尻エリカ主演の『クローズド・ノート』など、感動的な作風のヒット作を次々と生み出します。

2020年現在、新型コロナウイルスの拡大防止のため、映画館は休業を余儀なくされています。各地で開催を予定していた映画祭も中止・延期。そんな状況に追い込まれた映像業界を盛り上げるため行定勲は、工夫を凝らした作品制作をおこなっています。

完全リモートの状態で撮影した映画シリーズ「ステイホーム」や、定額制動画配信サービスと同時公開された映画『劇場』は話題を呼びました。また、地元・熊本県に映像企画会社の事務所を設立し地方創生にも積極的に取り組んでいます。

 


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ハッピーエンドとは限らない、行定勲作品の特徴とは

行定の撮る恋愛映画は、どれもがハッピーエンドで終わるわけではありません。叶わない恋、許されない恋、忘れられない恋がある、そんな主人公が行定作品に多くいます。

そこが現実的で共感を呼んでいます。恋愛感情には滑稽な部分もあるものの、なによりも綺麗で嘘偽りない感情の本質を映像の中に見事に落とし込んでいる作品ばかりです。

『クローズドノート』では沢尻エリカ演じる香恵の一途な想いに共感。『世界の中心で、愛をさけぶ』では長澤まさみ演じる病と闘うヒロイン・広瀬亜紀の最愛の彼を想う気持ちには涙する。彼女らの真っ直ぐで純粋な心が多くの女性の共感を呼んでいるのではないのでしょうか。

また、恋愛映画だけではなく、若者の葛藤を描いた作品も多いのが行定映画の特徴です。現実の厳しさを描いた『ロックンロールミシン』。世の中の「光」の部分で生きることが幸せとは限らないというメッセージを込めた『ピンクとグレー』など。等身大の若者がそれぞれの生活を精一杯送る様子を、セリフ以上に映像で描き出しています。

「消費される作品はつまらない。」と語る行定の熱意が、私たち観衆の心を掴んでいるのでしょう。

そんな行定勲の生の声を受け取りたいという方には、こちらの書籍もおすすめです。これまでに監督した映画作品の制作秘話や、関りのある俳優や関係者とのエピソードが綴られた1冊になっています。

著者
行定 勲
出版日

【ライターおすすめ】行定勲を知りたい人、必見!『GO』

多数の名作を生んでいる行定勲作品の中で筆者がおすすめする作品は、映画『GO』です。

日本の高校に通う在日韓国人の主人公・杉原が、偏見や差別を乗り越え、民族学校に通っていた中学時代の親友・ジョンイルとの友情や、日本人の女の子・桜井と結ばれるまでの経緯を描いた青春映画です。俗に言う「普通の恋愛映画」ではなく、「国籍が日本ではない」ということで受ける様々な差別も描いている映画です。

主人公・杉原を窪塚洋介、桜井を柴咲コウ、杉原の両親を山崎努、大竹しのぶが演じました。

作中では人種差別について深く考えさせられる場面が多々ありますが、そのなかでも筆者の印象に残っている場面が3つあります。1つは海外旅行に行くためだとして朝鮮籍から韓国籍へ家族3人の国籍を変えた父の本心が垣間見える場面。1つは桜井の父に「日本の国旗の意味を知っているか」と杉原が問う場面。最後は深夜に1人でいる杉原を補導した警察官と会話する場面。

どのシーンも、国籍が日本であることが最大の正義なのか、と問いただされるような気持ちになります。日本で生まれ育っても国籍が日本じゃなければ恋をして友人を作って夢を持つことはできないのでしょうか。登場人物らの葛藤が本作の見所となっています。

2001年に公開された本作ですが、どの時代でも問われ続けるであろう社会問題が描かれています。

ここからは行定勲の監督作品のなかから、原作があるものをすべてピックアップ。原作の注目ポイントとともに紹介していきます。映画と原作を両方楽しみ、監督は原作をどこを切り取って映像化したのか考えてみてはいかがでしょうか?本作の紹介はこちらから。

【映画原作】辻仁成の新境地を開いた短編集『OPEN HOUSE』(1998年)

本作は、辻仁成による3つの物語から構成された短編集です。辻仁成の柔らかく繊細な文章とフィルム映画の味わい深い映像美が見事にマッチしている作品です。

3つの短編のうち、映画化されたのは表題の「オープンハウス」。モデルとして輝くことを夢見てひたむきなミツワ、離婚し他者に対して心を閉ざしてしまった女ユイコの2名による物語がくり広げられています。

ミツワを椎名英姫、ユイコを南果歩が演じました。現在さまざまな映像作品に出演している名バイプレイヤー・津田寛治の色気満載の演技も必見です。

原作は、それまで男性の登場人物を描くことに定評のあった辻仁成が、初めて女性の人物をたくましく描いた点にも注目してください。

著者
辻 仁成
出版日

【映画原作】観た誰しもが人種差別と向き合う青春恋愛映画『GO』(2001年)

「民族学校開校以来のバカ」そう言われていた在日韓国人の杉原は、高校進学を機に日本の学校に入学し、そこでできた友人・加藤の開いたイベントで桜井という少女に出会います。デートを重ねお互いにお互いをよく知らないまま付き合い始めた2人。

杉原が日本国籍ではないために受ける社会の息苦しさや、そのなかで出会った彼女に自分の国籍について話すことへの葛藤を描いた映画です。

主人公・杉原を窪塚洋介、桜井を柴咲コウが演じています。

差別や偏見と向き合ってもがきながらも真っ直ぐに恋をする杉原の姿はかっこよくて見入ってしまうことでしょう。特に、幼少期の杉原と父親との場面は言葉一つひとつに心を揺さぶられます。

本作の作者・金城一紀についてより詳しく知りたいという方は、こちらの記事もおすすめです。

金城一紀おすすめ作品ベスト5!日韓問題に斬り込む傑作『GO』は読んだ?

GO
著者
金城 一紀
出版日

【映画原作】夢を持った若者達の挫折や葛藤を行定勲が映像化『ロックンロールミシン』(2002年)

小説『ロックンロールミシン』の原作者・鈴木清剛は、某有名ブランドの企画生産、服飾専門学校の教員を経て作家になったという異色の経歴を持つ人物です。

仕事も恋愛もうまくいかない賢司は高校時代の友人・凌一と再会。デザイナーズブランドを立ち上げようとする彼の事業を手伝ううちに、自分も虜になっていく物語です。 賢司を加瀬亮、凌一を池内博之が演じています。

夢を叶えるということ、成功するということに対する価値観は人それぞれ違うでしょう。微妙なズレで心もすれ違ってしまう、そんな切なさや現実社会の厳しさを表現している作品です。社会人として働いている方は、学生時代の文化祭のような爽やかな疲労感を思い出せるのではないでしょうか。

著者
鈴木 清剛
出版日

【映画原作】妻夫木聡・田中麗奈主演で大学生の青春を描いた『きょうのできごと』(2004年)

『きょうのできごと』は友人宅で引っ越し祝いをしていた中沢とその恋人真紀を中心に、その周りで起こる様々な珍事をゆったりと描いた青春群像劇です。ドラマチックな起承転結があるストーリーではないところが本作の魅力。ありふれた1日の中には必ず何かがあることを表している作品です。 

映画監督を目指す主人公・中沢を妻夫木聡、真紀を田中麗奈が演じています。

原作は柴崎友香による同名小説。近年では『寝ても覚めても』が映像化され話題を呼んだ柴崎が描く、大学生達の何気ない日常が描かれています。当たり前の日常が変化しつつある2020年現在に観ると、その何気なさに羨ましさを感じてしまう作品です。同作者の他の作品が気になる方はこちらの記事もおすすめです。

柴崎友香のおすすめ作品6選!『春の庭』で芥川賞を受賞した作家

著者
柴崎友香
出版日
2004-03-05

【映画原作】行定勲といえばコレ!恋愛映画の金字塔『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)

純愛映画の原点ともいえる『世界の中心で、愛を叫ぶ』。恋愛映画・小説といえば「セカチュー」だ。と誰しもが思ってしまうほどでしょう。

朔太郎の婚約者・律子は引っ越しの荷物の中から1本のカセットテープを見つけ、理由を告げずに姿を消してしまいます。行き先が自身の故郷であると分かり追いかける朔太郎に、ふと高校時代の病で倒れ亡くなった恋人・亜紀との甘く切ない思い出が蘇ってきました。
 

松本朔太郎を大沢たかお、学生時代を森山未来が演じ、初恋の相手広瀬亜紀を長澤まさみ、律子を柴咲コウが演じています。

主人公・朔太郎の初恋に焦点を当てた本作は、朔太郎と亜紀の切ない純愛に胸が締め付けられる作品です。悲劇を悲劇として終わらせず、その後の人物が日常をどう生きるのかまでを描くところに、行定勲作品らしい感動が生まれています。

著者
片山 恭一
出版日

【映画原作】身分によって引き離される切ない恋を描いた三島由紀夫の傑作『春の雪』(2005年)

『春の雪』は、時代は大正初期、まだ日本に身分の階級制度が残る時代を舞台とした作品。原作は、三島由紀夫の長編小説『豊饒の海』の第1部にあたる同名小説です。

侯爵家の子息・松枝清顕と伯爵家の令嬢である綾倉聡子は幼なじみの仲でした。聡子はいつしか清顕に想いを寄せるようになっていましたが、叶わない恋だと思いこみ皇族と婚約してしまいます。

映画では松枝清顕を妻夫木聡、綾倉聡子を竹内結子が演じました。

ただ相手に好きという気持ちを伝えることにさえ、戸惑いのある時代で生きる人物の美しさが印象的。きっと現在を生きてる私達よりも強く凛々しいだろうと思わせてくれる作品です。

竹内結子の奥ゆかしい美しさや妻夫木聡のラストシーンにかけての演技は圧巻。映画を観て原作を読むと、彼らを心に思い描くことができるでしょう。三島由紀夫の他の作品を知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

三島由紀夫のおすすめ作品10選!日本が誇る天才作家の本を文庫で

著者
三島 由紀夫
出版日

【映画原作】沢尻エリカ主演で人を想う切実な気持ちを描いた『クローズド・ノート』(2007年)

原作『クローズド・ノート』は携帯サイトで連載され、100万アクセス以上を記録した雫井侑介による小説です。

主人公・香恵は引っ越し先で前の住人・伊吹が忘れた1冊の日記を見つけます。日記に書かれていたのは、小学生教諭をしている彼女と生徒達との交流の日々、そして最愛の人「隆」へのあふれる想い。

そんなある日、彼女自身もアルバイト先に訪れた画家・リュウに恋をし、 日記に書かれていた伊吹の生き方や考え方に共感するようになっていきます。しかし、その日記には驚くべき秘密が隠されていました。

主人公・香恵を沢尻エリカ、伊吹を竹内結子、リュウを伊勢谷友介が演じています。

作中、「出会い」という言葉がキーワードになっています。日常茶飯事である「出会い」が、少しの運命の巡り合わせで相手を認識する「出会い」に変わることもある。やさしくて温かくて切ない気持ちになる相手に出会えること、つまり恋することは、当たり前に思えて、実は奇跡なのだと気付かされます。

例え相手と気持ちが通じ合わなくても、そんな気持ちにさせてくれた相手に出会えることはこの先何度もある訳ではありません。だからこそ「好きな人には好きと伝えるべきだ」と思わせられる作品になっています。

作者のその他の作品は、こちらの記事で紹介しています。

雫井脩介のおすすめ作品6選!読む人の心をとらえて放さない

著者
雫井 脩介
出版日
2008-06-25

【映画原作】夫婦の愛情を描いた感動の舞台を小説化『今度は愛妻家』(2010年)

『今度は愛妻家』原作は脚本家中谷まゆみの舞台脚本。主人公・北見俊介を豊川悦司、妻・さくらを薬師丸ひろ子が演じるラブファンタジー映画です。

一時は名の知れたカメラマンだった夫・俊介は現在は仕事もなく家でていたらくな生活をして過ごしていました。そんな夫に対して妻・さくらは不満を持ちつつも、結婚10年目を迎えます。そんな2人の結婚記念日にさくらは1人で旅行に出かけ、独身気分にひたる俊介でしたが、なかなか帰ってこないさくらに不安を抱いていきます……。

とにかく不器用な俊介と、そんな彼を支えるさくらを含めた周りの温かさが見所の1つ。夫婦の気持ちがすれ違いながらも、お互いの心に共通してある「愛情」を深く感じる作品です。

著者
中谷まゆみ
出版日

【映画原作】ルームシェアメンバーの秘密に驚愕『パレード』(2010年)

ルームシェアをする男女5人の日常生活を中心に近所で起こる連続女性暴行事件やそれぞれがひた隠しにしていた秘密が浮かび上がってくる物語。原作『パレード』は吉田修一による同名小説です。

会社員の直輝、イラストレーター志望の未来、フリーターの琴美、大学生の良介たちは、2LDKマンションで共同生活を送っていました。そこに、男娼のサトルが現われたことで変化が起こっていきます。

伊原直樹を藤原竜也、未来を香里奈、サトルを林遣都が演じています。

一見普通のルームシェアに見えるのにそれぞれが抱えている秘密や、最後の大どんでん返しの展開に驚き、思わず前の場面から見返してしまうことでしょう。散りばめられた伏線に気づくと2度、3度楽しめる作品になっています。

作者・吉田修一について詳しくはこちらの記事でも紹介しています。

吉田修一初心者向けおすすめランキングトップ7!『怒り』だけじゃない!

著者
吉田 修一
出版日

【映画原作】1人の女の半生に振り回された男女を行定勲が描く『つやのよる』(2013年)

死の淵に立つ妻・艶(つや)を中心とした男女のもつれを浮き彫りにした物語。原作『つやのよる』は井上荒野の小説です。

夫・春二は最愛の妻と深い仲だった男性たちに、彼女の死期が近づいていることを伝えようと思いつきます。そんな思わぬ知らせに振り回される男女のドラマを描いています。

主人公・春二を阿部寛、艶を小泉今日子が演じました。その他、風吹ジュンに真木よう子、大竹しのぶといった豪華女優陣が脇を固めていることも、艶に影響された人物が男性だけではないことを象徴しています。

最初から最後まで「艶とはどんな人間だったのか」を考えてしまう映画です。 ガリガリな体型の阿部寛が、女に翻弄された男の人生を物語っています。

著者
井上 荒野
出版日
2012-11-28

【映画原作】芦田愛菜演じる主人公の問いに、答えはあるのか『円卓』(2014年)

原作『円卓』は西加奈子の小説。主人公・こっこを、10歳になる手前の芦田愛菜が見事に演じ切りました。

大阪の団地で祖父母と両親、そして3つ子の姉たちと暮らす小学3年生のこっこは、大家族の温かな愛情に包まれていても心の中は不満だらけ。大けがをした友達が特別に見えたり、孤独に憧れてしまったりする少女でした。

ある日、祖父に教わった「イマジン(想像すること)」という言葉。その言葉を噛みしめながら、こっこが家と学校という狭い環境の中でさまざまなことにぶつかりながらも成長していく物語です。

なんの濁りもなく真っ直ぐ自分の気持ちに従って行動するこっこに、いじらしさを覚えてしまうでしょう。子供の頃の自分を思い出したり、大人になった今の自分を見つめ直してしまう作品です。

人気小説家・西加奈子の作品に手を伸ばしたことがないという方は、こちらの記事もご覧ください。

初めての西加奈子!初心者向けおすすめ作品ランキングベスト6!

著者
西 加奈子
出版日
2013-10-10

【映画原作】行定勲が日中合作のラブミステリーに仕上げた『真夜中の五分前 five minutes to tomorrow(side-A・side-B)』(2014年)

映画『真夜中の五分前』の原作は、「純愛小説」ではなく「恋愛感情を描いたエンターテインメント小説」と作者・本多孝好自身が銘打った小説。行定勲の映画版では舞台を上海に変更し、日中合作で制作されたラブミステリー作品です。 

上海で時計修理工として働くリョウは、ルオランと出会います。彼女には一卵性双生児の妹・ルーメイがおり、ルーメイは婚約中でした。リョウは知り合ったばかりのルオランに、妹への結婚プレゼントを選んでほしいと頼まれ、親しくなっていきます。

ある日、ルオランとルーメイは2人で旅行に出かけますが、海難事故で1人が命を落としてしまいます。無事に帰国したのはどちらなのでしょうか。リョウ役を三浦春馬、双子のルオラン、ルーメイ役を中国の人気女優リウ・シーシーが一人二役で演じています。

ルオランとルーメイ生き残っているのはどちらなのか、見る者が考えながら楽しめるのが本作の見所。見た目の容姿がほとんど同じ双子ならではの、比べられる葛藤も描かれています。ルオランの「今を生きたい」という言葉には胸を打たれます。舞台設定の違う原作と見比べてみるのはいかがでしょうか。

『真夜中の五分前 five minutes to tomorrow(side-A・side-B)』の作者について気になる方はこちらの記事もどうぞ。

本多孝好おすすめ文庫本ランキングトップ5!

著者
本多 孝好
出版日

【映画原作】光と闇が交錯する芸能界で生きる若者を描いた『ピンクとグレー』(2016年)

『ピンクとグレー』原作はNEWSの加藤シゲアキによる作家デビュー作としても話題になりました。

幼なじみの白木蓮吾と河田大貴は高校生になったある日雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。しかし蓮吾だけ人気俳優としてスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲に亀裂が入っていきます。

そんな中蓮吾が急死してしまい、大貴は一躍世間の注目の的に。蓮吾はなぜこの世を去ったのでしょうか。芸能界の光と闇が入り混じる青年2人の物語です。

白木蓮吾を中島裕翔、河田大貴を菅田将暉が演じました。映画開始から62分後に一転する世界とそこから始まる怒涛の展開に見入ってしまう作品です。

映像ならではのスピーディーさも魅力ですが、原作では大貴と蓮吾の互いに対する気持ちが詳しく描かれます。映画を見てから原作、原作を見てから映画。そのどちらも楽しめる作品になっています。

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著者
加藤 シゲアキ
出版日
2014-02-25

【映画原作】観ると自分自身の一生に一度の恋を思い出す『ナラタージュ』(2017年)

『ナラタージュ』の原作は「この恋愛小説がすごい!」の1位に選ばれた、島本理生による恋愛小説。

大学生の泉は高校時代好きだった教師・葉山と再会。当時教師と生徒という立場、そして葉山は妻帯者であることからお互いに気持ちを隠し続けていましが、2人は確実に惹かれ合っていました。再会したことによって秘めていた気持ちが急速に募っていく純愛ラブストーリーです。

主人公・泉を有村架純、葉山を松本潤が演じました。 誰かを本当に「好き」になる純粋な少女の気持ちが描かれます。自分自身の一生に一度の恋、忘れられない人を思い出してしまう作品になることでしょう。まだそんな相手に出会えてない方は、この作品を観て一生に一度の気持ちとはなんなのかを考えてみてはいかがでしょうか。

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著者
島本 理生
出版日

【映画原作】90年代伝説の漫画家が描く欲望と焦燥『リバーズ・エッジ』(2018年)

『リバーズ・エッジ』は90年代に少女漫画を文学にしたといわれる巨匠・岡崎京子による同名漫画です。原作は90年代初頭に描かれていますが、25年の歳月を経て映画化されたものを見ても古さを感じさせません。

自由を求めて生きている女子高生・若草ハルナ。同性愛者で売春を繰り返している同級生・山田一郎がいじめられているのを助けたことをきっかけに、彼の河原の死体を心の拠り所にしているという秘密を打ち明けられます。ハルナの後輩でモデルのこずえも、その秘密を知って……。

学生生活という平坦な日常にみえる世界を舞台に、当事者達にとっては目まぐるしくて息苦しい日々を描きました。若草ハルナ役を二階堂ふみ、山田一郎役を吉沢亮が演じています。

携帯電話のない時代の若者の青春を描きながら、違和感を感じさせない映像作りには行定勲の才能を感じます。もはやインターネットが発達した今現在の方が満たされない欲望を抱えている若者が多いのでは、考えさせる演出です。

また、ビジュアル面では当時のファッションの流行を忠実に再現。ティーンに向けた映画というだけでなく、当時青春時代だった世代の方が見ても楽しめる作品になっています。

原作のより詳しい内容は、こちらの記事で紹介しています。

岡崎京子作『リバーズ・エッジ』が響きすぎて心が痛い【ネタバレ注意】

著者
岡崎 京子
出版日
2015-06-10

【映画原作】定額制動画配信サービスで同時公開されたことでも話題!『劇場』(2020年)

『劇場』原作は又吉直樹の2作目にあたる恋愛小説。主演の山崎賢人が他の作品では見せない髭・ボサボサの長髪姿で演じたことでも注目を集めました。

売れない劇作家の永田は、街で自分と同じスニーカーを履いていた沙希に声をかけます。不器用な青年・永田と、彼を必死に支える恋人・沙希の7年間を描いた作品です。

主人公・永田を山崎賢人、沙希を松岡茉優が演じました。「芽が出なくても自分の理想を信じて進むしかない、後には引き返せない。」そんなプライドを持った永田の姿には、夢を持った人なら誰しもが感じたことのある葛藤を感じます。

またそんな彼の理想の彼女であり続けるために頑張る沙希に、共感できる女性も多いのではないでしょうか。相手のために必死になりすぎると、何かの拍子で「理想の自分」が壊れてしまう。後半につれて変化していく沙希の姿は切なく、注目していただきたいポイントです。

原作の詳細は、こちらでお読みいただけます。

又吉直樹『劇場』切ない魅力をあらすじ、結末から解説!【ネタバレ注意】

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著者
又吉 直樹
出版日
2017-05-11

【映画原作】人気漫画家による切ないボーイズラブ実写化に行定勲が挑戦『窮鼠はチーズの夢を見る』(2020年)

『窮鼠はチーズの夢を見る』原作は『失礼ショコラティエ』や『脳内ポイズンベリー』の映像化でも知られる漫画家・水城せとなによる同名漫画。異性愛者の恭一と同性愛者の後輩・今ヶ瀬のラブストーリーです。

大学時代の先輩後輩だった2人は、恭一の妻が依頼した浮気調査で再会。調査員の今ヶ瀬が恭一に、浮気の情報を隠す代わりに体の関係を迫ったところから、物語が展開します。

恭一を大倉忠義、今ヶ瀬を成田凌が演じました。 優柔不断な恭一の移り変わりする感情に振り回される今ヶ瀬がなんとも切ない表情を見せます。ボーイズラブを普段読まないという方も共感できる部分が多い作品になっていることでしょう。

原作の詳細はこちらからどうぞ。

『窮鼠はチーズの夢を見る』名言をネタバレ!映画化の名作BL漫画の内容とは

著者
水城 せとな
出版日
2009-05-08

【監督作品一覧】行定勲は名作を映像化する名手!

【監督作品一覧】行定勲は名作を映像化する名手!

恋愛ストーリーから社会派作品まで数多くの作品を映像化してきた行定勲。「映画」という限られた時間の中に集約できなかった部分を、より深く触れることができるのはやはり原作です。行定勲がどの部分を切り取って映像化したのかを考えるのもコアな楽しみ方。ぜひ、原作を手にとって見てはいかがでしょうか。