漫画『封神演義』登場キャラクター徹底解説!フジリューだからこその面白さ!

更新:2021.11.28

広大な世界観に張り巡らせた伏線、先の読めない展開など、厚みのあるストーリーに今まで数多くの読者を虜にし、1996年から2000年まで少年ジャンプで4年もの間掲載された傑作『封神演義』。 その世界観にふさわしく、数多くの登場人物が出てきますが、どのキャラクターも魅力的で人気を博しました。ここではその登場人物を徹底的に紐解き、本作の世界観も考察していきます。スマホアプリで無料で読めるので、気になった方はそちらもどうぞ。

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漫画『封神演義』の魅力を登場人物から徹底紹介!【無料】

漫画『封神演義』は、『週刊少年ジャンプ』に1996年から2000年の間に連載された、藤崎竜による作品です。安納務が訳した古代中国の歴史小説『封神演義』を原作としていながらも、個性豊かなキャラクターのギャグや、宝貝(ぱおぺえ)という武器によるアクションシーンは爽快です。

その反面、殷周革命(いんしゅうかくめい)という歴史事実をもとにしてるスケールの大きさや、何度もひっくり返される展開、世界観の崩壊をも怖れないメタ発言、そして徐々に明かされ回収されていく伏線の数々は、大人も子供も楽しめる醍醐味があります。誰も予想ができない結末へと向かう物語は、まさに傑作です。

本作は、1999年には『仙界伝 封神演義』の題で、2018年には『覇弓 封神演義』の題でテレビアニメ化され、2019年には舞台化も決定した人気作となっています。

また、2018年にはヤングジャンプにて結末のその後を描いた外伝が連載されるなど、連載終了から十数年が経った今でも多くのファンに愛される作品です。

 

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宝貝について紹介した<漫画『封神演義』スーパー宝貝一覧!【ネタバレ注意】>の記事もおすすめです。

漫画『封神演義』あらすじ

漫画『封神演義』は、崑崙山(こんろんさん)という仙人界の道士である太公望(たいこうぼう)が、最高責任者である元始天尊(げんしてんそん)から「封神計画」を託されるところから始まります。

殷(いん)の王妃であり、妖怪仙人である妲己(だっき)が人間界を無茶苦茶にしているのを止めるという目的のため、「封神計画」を進める太公望。しかしその戦いは、人間同士、果ては仙人界を二分する戦いへと発展していくのです。

そして戦いの後に明かされる、「封神計画」の本当の目的。それは、「歴史の道標」からの支配を免れようとするものでした。

登場人物1:うつけ者策士【太公望】

著者
藤崎 竜
出版日

主人公の太公望は、実際に殷を倒した歴史上の人物である周の天才軍師がモデルとなっています。
 

見た目は少年の姿ですが、不老不死の仙人なので実年齢は72歳。なので、言葉遣いもジジくさい主人公です。怠け者で、戦いもそれほど強くなさそうなのですが、崑崙山一の策士とも言われるほど切れ者でもあります。

妲己など殷や妖怪仙人の攻撃を、その知略で幾度となく凌ぐのですが、少年マンガの主人公らしからぬ卑怯な作戦も平気で実行するような性格で、そのペテンな行動には仲間からもブーイングが起きるほどです。

この他にも女性にもひどいことを平気でしちゃいます。例えば作品きっての美人三姉妹の長女雲霄への仕打ち。ちなみのその麗しさは16巻の表紙にもなっているほどですのでそちらでご確認ください。

雲霄は太公望の妻(自称)であるにも関わらず、太公望は彼女の恋心を利用して身内の仲間割れを誘導するのです。

また、「ロリロリ」が口癖で語尾に☆をつけて話す、我らがアイドル・喜媚ちゃんに対しても四不象を人質にとって宝貝を強奪。しかも結局は約束を守らないという鬼畜っぷりなのです。

しかしそのような性格の一方、仲間思いで、犠牲を誰よりも嫌う人物でもあります。そのため、周の軍師として、また崑崙山の仙人界を背負って戦う際には、優しさと賢さゆえに人一倍苦しい思いを味わうこともあるのです。

戦いで仲間が多く死んだ時にも、人前では決して弱さを見せずにひょうきんに振る舞う姿は、寂しささえ感じさせるほどでした。

そんな太公望の、仙人界や人間界の歴史を背負う誠実な性格を表す名シーンは、三大仙人のひとり、太上老君(たいじょうろうくん)との会話から見ることができます。 

人間界から妲己などの仙人を追い出して、平和な世界にしたいと願う太公望。しかし太上老君は、何度くり返しても人間は人間同士で戦い、滅んでいくのだと諦観を述べ、彼が何をしても全ては無為であると諭します。しかしそれに対して太公望は、笑ってこう言います。

「わしは、遠い未来のことにまで責任は持てぬし、未来を救えると思うほど傲慢にはなれぬよ」(『封神演義』18巻から引用)

太公望の利他的な夢と、師匠である元始天尊からは「潔癖」と言わしめるほどの真面目さと誠実さが表れたシーンです。

また、太公望は存在自体にある秘密を抱えています。その伏線として有名なのが表紙。『封神演義』は全23巻で、それぞれのキャラが表紙になるなか、上下逆を向いているのは第1巻の太公望と第13巻の王天君だけ。しかもふたりのポーズはどこか似通った部分があります。

実はふたりにはある秘密があり、その秘密が伏線としてこの表紙に表されているのです。果たしてその関係とは?

そこには、三皇である伏羲 (ふっき)と、女禍(ジョカ)いう人物が関わってきます……。物語のラストになってようやく明かされる主人公の正体は、ぜひご自身でお確かめください!

登場人物2:イケメン天才ナルシスト【楊戩(ようぜん)】

著者
藤崎 竜
出版日
1997-12-04

 

作中では太公望の右腕として活躍する、崑崙山随一の天才道士、楊戩(ようぜん)。青い長髪の美青年として描かれ、「変化の術」を得意とする天才です。少々ナルシストでプライドが高いところもありますが、うつけ者で不真面目な太公望を諌め、そして尊敬しながらサポートする様はまさしく右腕と言えるでしょう。
 

そんな彼は、崑崙山と金鰲島(きんごうとう)との戦いで、実は妖怪仙人のトップである通天教主の息子で、妖怪だったという驚愕の事実が明らかになります。

妖怪でありながら、人間の仙人である崑崙山のために戦う楊戩。彼の仲間たちへの想いは、非常に大きいものでした。

戦いで力を使い人間の姿を保てなくなってしまった彼に、金鰲島の王天君(おうてんくん)が揺さぶりをかけます。崑崙山のために戦うのは負い目を感じているからではないか、と問うたとき

「僕は誰かに好かれる為に戦っているんじゃないよ。僕がみんなを好きだから戦っているんだ」(『封神演義』13巻から引用)

と答えるシーンには、楊戩と太公望をはじめとした、崑崙山の仙人たちの絆の深さと、彼の覚悟が表れていると言えるでしょう。

そんな楊戩は、太公望たちと戦いを経てどんどん強くなっていきますが、「変化の術」でこれまで会ってきた仙人の能力をコピーできるので、終盤ではほぼ無敵な強さをもつ仙人へと成長していきます。

その強さから、数ある本作の胸熱なバトルシーンでも上位にランクインするであろう名勝負には、必ずと言っていいほど彼が登場します。

特に十天君のひとりである張天君と戦った時には、相手に真の姿を見破られていたこともあり、初めて半妖態を見せます。そこでの戦いは初めて明らかになった彼の姿への衝撃と合わせて短いながらも心に残っている人も多いはず。

そんな様々な見所を生み出してきた楊戩ですが、まさかの女装趣味を疑われてもいます。
 

序盤で妲己に変化していたこともありますが、その後も自ら彼女に化けて楽しんでいることもあり、太公望からその疑いをかけられているのです。

もしや女装趣味があるのではないか、と勝手にファンの間で噂になってしまったキャラです。確かにあの妲己の口調まで再現できる人物は変化の術が使えたとしてもなかなかいないでしょう。

このイケメンさなら、断然アリ。いつか彼がカミングアウトしてくれる日を気長に待ちましょう……。

そんな圧倒的な強さと、美しい外見、そして少し子供っぽくも見えるプライドの高さとナルシストぶりが、特に女性の読者から人気を集めているキャラクターが楊戩なのです。

 

登場人物3:反抗期な宝貝人間【哪吒(なたく)】

著者
藤崎 竜
出版日

 

たくさんのキャラがいる『封神演義』のなかでも、初期から登場する戦闘能力の高い人気者といえば、哪吒(なたく)です。彼は人間でも仙人でもなく、崑崙山の仙人、太乙真人(たいいつしんじん)によって創られ、人間の母親の母体を借りて育った宝貝人間です。
 

エネルギーのキャパが大きく、宝貝を重装備で使ったりします。彼が使用するとその形はかなり武器っぽくなり、よりその強さを演出するのです。

性格は好戦的で破壊衝動が強く、実の父親や創造主の太乙にも武器を構えるほど。その一方で、生みの母親に対する愛情は並々ないものがあります。

自分より強いものにはケンカをふっかけ、とにかく強くなりたいという欲求の強い人物です。そのためよく太乙に改造され、その結果彼を殺そうとする描写も多いのですが、本当のところは、実の父親や太乙にも愛情があります。まるで反抗期の少年のようですね。

彼の最大の魅力は、無敵とも言える強さを誇る楊戩にもひけをとらない、戦闘能力です。宝貝人間ゆえ、ウイルスなどの攻撃にも動じない哪吒は、太公望たち崑崙山側には欠かせない戦力。物語の終盤では、スーパー宝貝も使いこなすほどにまでに成長していきます。

また、母親や子供など自分より弱い者に対しては優しく接する一面を持っています。父親や兄を闘いのなかで失ってしまった黄天祥(こうてんしょう)が

「どーせ哪吒にーちゃんもたいこーぼーもみんなみんなボクを置いて死んじゃうくせに!!だったら誰もいらないよっ!!」(『封神演義』20巻から引用)

と泣いたとき

「オレは死なん!!」(『封神演義』20巻から引用)

と強く言って励ますシーンは、彼の優しさがあらわれていると言えるでしょう。

 

登場人物4:健気な太公望の霊獣【四不象(スープーシャン)】

著者
藤崎 竜
出版日

 

太公望が「封神計画」を元始天尊から託されて人間界に降りる際、相棒兼乗り物として渡されたのが、霊獣、四不象(すーぷーしゃん)です。
 

見た目はまるでカバかムーミンのように可愛らしく、四不象に少年姿の太公望が乗ると、一気に和む絵柄になるほどです。第1話から太公望のことを「御主人」と呼んで慕い、彼との絆は強いものがあります。うつけ者な太公望を叱ったりケンカをしたりしながらも、彼のために献身的に働く姿は、心揺さぶられるものがあるでしょう。

健気な可愛らしい四不象ですが、実はただの霊獣ではなく、大人になれば変身することができる最強の霊獣。変身後の四不象は、神々しい姿に変わり、ちょっと男前な話口調になるのも魅力的なところです。

そんな四不象、最後の戦いが終わって太公望が消えてしまうとき、彼が考えた人間界と神界をわけたシステムについて

「御主人が考えたシステムっス。絶対うまくいくっスよ!」(『封神演義』23巻から引用)

と笑顔で言います。四不象の太公望への信頼と愛情がにじみ出ていて、しんみりとする名シーンです。

無邪気に、そして健気に太公望を慕う四不象は、策略と悲しい物語が重なる『封神演義』のなかでも特に癒されるマスコット的存在です。

 

登場人物5:太公望以上の策士の美女【妲己】

著者
藤崎 竜
出版日
1997-01-10

悪役として物語の冒頭から登場するのが、自称ヒロインの妲己(だっき)。殷王朝の王妃である妖怪仙人で、超ド級の美人です。
 

しかしその性格は残虐非道で、彼女の趣味は人をいじめ、苦しめるというもの。スーパー宝貝で「誘惑の術」を使い、王や民、部下をも虜にするまさに悪女なのです。

また、彼女は読者にトラウマを植えつけた人物としても有名。ある日、何か不穏なものを感じて彼女に襲いかかってしまった伯邑考は妲己に処刑されます。その方法がやばいのです。

処刑されることになって覚悟を決める伯邑考。シリアスなシーンですが、そのあと場面は打って変わってギャグ調。「妲己っ喜媚のっ 昼食 ばんざいっ!!」という展開が始まるのです。丁寧にその工程が描かれます。

そしてその料理が運ばれたのは伯邑考の父・姫昌のもと。まさかとは思いますが……、そう、妲己は伯邑考の肉を使って料理をしていたのです。

意味が分かるとコミカルな料理シーンがより恐ろしく感じられます。序盤で「妲己は狂っている」と評されましたが、まさにそのとおりです。

そんな狂気を秘めながらも、太公望をもしのぐほどの策士で、その真意は物語の最後まで明らかになりません。彼女が唯一大切にしている妹たちにも語らないほどです。

そんな彼女の名ゼリフは 

「わらわは遊びにも手を抜かない。太公望ちゃんを苦しめて苦しめて苦しめてあげるわん。そういうのがわらわの趣味だからん」 (『封神演義』10巻から引用)

で間違いないでしょう。時間稼ぎのためだけに太公望へちょっかいをかける妲己の、可愛くて、でもとっても怖い性格がよくあらわれています。

彼女はこんなことを言いつつも、太公望のことを気に入っているようで、命を助けたりもするという底の知れないキャラクターです。しかし、物語の終盤で彼女の真意を知った時、きっとその奥深さに虜になってしまうでしょう。

妲己については<漫画『封神演義』妲己の魅力を徹底紹介!【ネタバレ注意】>の記事でも詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

登場人物6:激しい武将の精神をもった【黄天化】

著者
藤崎 竜
出版日

 

黄天化(こうてんか)は、殷の武成王であり太公望と共に周へと着いた黄飛虎(こうひこ)の息子です。兄弟が多い黄一族のなかでも、唯一道士として崑崙山で修業をしていました。
 

語尾に「~さ」とつける独特の口癖や、美人だった母親ゆずりの風貌から、気のいい兄ちゃんという雰囲気がありますが、剣を模した宝貝を使う剣士としての才能はピカイチで、父親の武人の血を色濃くひいた人物です。聞仲(ぶんちゅう)との戦いで命を落とした父の遺志を継いで紂王(ちゅうおう)と戦った後、名もなき兵士に殺されるなど、重い命運を背負っています。

性格も明るく、作中でも人気のキャラクターなのに、重たい末路をたどる展開も魅惑的ですが、黄天化の一番の魅力は彼のその不屈の精神でしょう。

たとえ致命傷を負っても仲間が戦っている限り、意地でも戦場へ戻ろうとする激しさは、

「俺っちは負けられねけさ。負けねぇ……。負け……ねぇっ!!」(『封神演義』8巻から引用)

と血まみれの身体をひきずりながら言う場面からも垣間見えます。師匠の道徳真人(どうとくしんじん)が

「あの子は生まれついての戦士なのかもしれない。たとえ勝ち目がなくても戦おうとする」(『封神演義』8巻から引用)

と言うほどです。

 

登場人物7:物語のカギを握る【王天君】

魅力的な敵役の多い『封神演義』ですが、そのなかでも物語のカギを握っている人物が、王天君(おうてんくん)です。
 

崑崙山と対立する妖怪仙人の島、金鷔島で最も強い十天君(じゅってんくん)のリーダー的存在で、見た目は小柄で少年のような姿をしています。化粧をしたような眼の下の濃いクマや、大きな耳に無数にあけられたピアスなどは、ビジュアル系のようです。

母親的存在である妲己に「壊された」という彼の性格は、彼女同様に残虐非道。師匠を失った楊戩に言葉攻めする様は、鬼畜そのものです。さらに何度殺しても再び現れるという恐ろしい人物でしたが、その秘密は太公望に繋がっていました。

実はかつて、王奕(おうえき)という人物の魂魄をわけて生まれたのが、王天君と太公望だったのです。元始天尊などに利用されつくした境遇や壊れたような性格など、どこか欠けた存在として描かれていますが、その存在そのものが、物語と「封神計画」の根幹にかかわる大きな伏線だったのです。

王天君が封神された際に

「崑崙も聞仲もここで消えてなくなる事だろうよ。2匹の蛇が互いの尾を喰らい最後にはどちらも消え去るように!!そして最後には笑うのはオレ達だ!!!」(『封神演義』16巻から引用)

と言った場面では、彼の少し壊れた笑いや鬼畜な部分すらも感慨深く見えてくるでしょう。

王天君の見どころを紹介した<漫画『封神演義』王天君の見所をネタバレ考察!表紙に隠された伏線とは?>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。

登場人物8:殷王朝の父にして最大の敵【聞仲】

著者
藤崎 竜
出版日
1997-10-03

本作は悪役でもどこか憎めない人物が多いですが、最大の敵役として登場する聞仲(ぶんちゅう)も根強い人気のキャラクターです。
 

人間でありながら金鷔島の仙人でもあった彼は、何代にもわたって殷王家の教育係を担ってきた、まさに殷王朝の父と言えます。性格はまさに生真面目で筋の通った堅物そのもので、その存在は妲己の誘惑にかかった紂王を一瞬で素の状態に戻せるほど。

相棒であった霊獣・黒麒麟からも絶大な信頼を寄せられており、強さも他の仙人の比ではなく崑崙山の仙人が束になっても彼ひとりに敵わないという規格外のものです。

しかし妲己と対立しながらも、殷を守るという目的のために太公望たちの前に立ちふさがる彼の過去を知ると、その一途な思いに心動かされること間違いありません。最後は友であった黄飛虎の説得を経て封神されるますが、その様子は涙なくして読むことはできないでしょう。

そんな彼の名セリフは

「理想を語るには、それに見合う力が必要だ」(『封神演義』6巻から引用)

太公望たちでは全く歯が立たないほどの強さをもつ彼だからこそ、ぞくりとするセリフです。やはり、強いキャラクターは、敵味方関係なくかっこいいものです。

登場人物9:強靭な精神を持つ天然道士【武成王】

著者
藤崎 竜
出版日
1997-06-04

 

殷の重鎮として登場し、後に太公望の味方になる武成王こと黄飛虎。黄天化の父にして、聞仲の親友と、主要キャラクター関係性の中の中心にいるような人物です。

初登場時は、妲己に妻と妹を人質に取られており、太公望とは敵対関係でした。妻と妹が自死してからは、太公望とともに周に移り、周の開国武成王になります。

かつて親友だった聞仲とは、仙界大戦にて激突します。

 

登場人物10:最強のヒマ人【申公豹】

著者
藤崎 竜
出版日
1997-04-04

 

本作を読み終わったとき、「彼は一体何をしたんだろう?」と疑問を抱かずにはいられない、不思議なキャラクターが申公豹(しんこうひょう)です。妲己や聞仲をもしのぐ最強と言われる仙人であるにもかかわらず、ほとんど傍観者に徹しています。
 

見た目もまるでピエロのようにトリッキーなもの。一見弱そうなのに最強なのが、興味をそそられる人物です。その行動原理は彼独特の美学によるもの。最後の戦いのとき、それまでほとんど戦うことのなかった彼が、太公望たちと共に戦う姿勢を見せながらも

「ただし私は誰の味方でもありません!あなた方と馴れあうつもりは毛頭ない事をお忘れなく!!」(『封神演義』20巻より引用)

と言うのも、彼なりの美学なのです。

ただ彼の霊獣曰く、申公豹は「ヒマ人」だそうで、そんなところもまた魅力のひとつなのではないでしょうか。

傍観者であり、かつ読者にとっては親切な説明役を担っています。彼が説明してくれてようやく理解できる展開も多いので、我々からすると、優しい案内人です。

 

登場人物11:仙人界いちの怠け者【太上老君】

著者
藤崎 竜
出版日
2000-02-02

 

数多くいる仙人のなかでも、トップスリーともいえる三大仙人のうちのひとり、太上老君(たいじょうろうくん)。18巻で、主人公の太公望に新たな力を授ける者として登場します。

三大仙人のなかでも、もっとも浮世離れした人物で、その容姿は他の2人とは異なり、髪の長い少年のような出で立ちをしています。

性格は非常に怠惰で、呼吸をするのも面倒くさがり、「怠惰スーツ」という人工呼吸器を備えたアイテムを作るほど。「桃源郷」という外界から離れた場所でひたすら眠りについているという、遁世者なのです。

そんな彼ですが、三大仙人に数えられるだけあってその実力は確かなもので、通常の宝貝よりもさらに強力で使用者を選ぶ「スーパー宝貝」を操ることができます。

「太極図(たいきょくず)」という彼のスーパー宝貝の能力は、アンチ宝貝。宝貝によって引き起こされるすべてを癒すものです。つまり、敵の力をも無効化することができます。

しかし本作で太上老君が太極図を使う場面は、一切見ることができません。

仙人界の教主、元始天尊が自分が持っていても使わないから、という理由で、あっさりと太公望に渡してしまうところからも、彼の性格の一端を垣間見ることができます。

 

登場人物12:太公望の師匠【元始天尊】

 

三大仙人のひとりであり、仙人が住まう崑崙山(こんろんさん)を統括する仙人が、元始天尊(げんしてんそん)です。1巻で、主人公の太公望に「封神計画」の任を与える師匠として登場します。

見た目もまさに仙人といった風貌で、突出した禿頭に立派な眉毛とヒゲが特徴的な人物です。

しかしその外見とは裏腹に、性格はいたって適当でフランクな老人。たびたび怠け者の太公望を叱りつけるシーンがありますが、彼自身もかなり怠惰で、太公望の師匠なのが頷ける人物です。

彼の宝貝は、重力を操るスーパー宝貝の「盤古旛(ばんこはん)」。戦闘力もさることながら、その能力で巨大な崑崙山を動かすことができます。

元始天尊は「封神計画」を計画したものとして登場しますが、その目的が非常に重要で、物語の鍵を握る人物でもあります。

 

登場人物13:妖怪仙人のボス【通天教主】

 

崑崙山とは異なり、妖怪仙人の住まう金鰲島(きんごんとう)を束ねる存在なのが、3人目の三大仙人である通天教主(つうてんきょうしゅ)です。ドラキュラを思わせる西洋風の服装に、口ひげが特徴的。妖怪仙人とはいっても、見た目は人間のようです。

通天教主の宝貝は、スーパー宝貝の「六魂旛(りくこんはん)」。マント状の宝貝で、包み込んだ者を魂魄すら残さず消滅させるというとんでもない能力があります。

そんな実力を持つ彼は、13巻での初登場時、太公望たちの敵として登場します。

見どころは、敵として登場した通天教主と、崑崙山の天才道士・楊戩(ようぜん)の関係性でしょう。この関係性と、「封神計画」にも携わる彼の役割は、本作の要チェックポイントです。

 

登場人物14:残念なオタク【太乙真人】

 

元始天尊の直系の弟子たちで、崑崙山の仙人たちを束ね、監督・指導をおこなっているのが崑崙十二仙。

本作中で1番の科学オタク、そして変人なのが、崑崙十二仙のひとり太乙真人(たいいつしんじん)です。哪吒を作った生みの親であり、宝貝の修理や傷ついた仙人たちの治療、はては崑崙山を動かしたりなど、オールマイティーに活躍します。
 

肩まである黒髪の美青年として描かれてはいるものの、どこか残念な雰囲気があるのも彼の特徴です。登場するたびにカメラ目線であったり、戦闘が苦手でよく哪吒から殺されかけていたりと、実力者なはずなのにギャグ担当に徹しています、

哪吒を子供のように大切に思っている一面もありますが、どうしても宝貝人間を改造したいという欲求が勝っているように見える、度が過ぎたオタク気質も魅力のひとつですね。

そんな彼が最も輝いていたシーンは、崑崙山2(こんろんさんツー)を改造して

「今度のは前のより大きさは1000分の1程度だけど……宝貝プラズマ翼エンジン搭載で高速移動が可能アーンド通天砲を修理して積んであるというマニアックさ!!!」(『封神演義』20巻から引用)

と太公望たちに説明するところ。科学オタクっぷりが炸裂している名場面です。

 

登場人物15:楊戩の師匠【玉鼎真人】

 

玉鼎真人(ぎょくていしんじん)は崑崙十二仙のひとりで、太公望の右腕的存在の楊戩の師匠でもあります。楊戩同様、まっすぐな長髪が特徴的な美男子で、性格も理知的で、生真面目かつ冷静に大局を見ることのできる人物です。
 

剣の使い手でもあり、宝貝も刀の形をした「斬仙剣(ざんせんけん)」という音速で敵を斬ることのできるものを有しています。

崑崙山と金鰲島勢力の対決が描かれた13巻で、太公望たちの協力者として登場します。崑崙十二仙として金鰲島に乗り込む彼の強さは、かなりのもの。

また、崑崙十二仙のなかでもトップクラスの実力を持つ彼と、弟子であり息子のような存在の楊戩との絆の深さは、本作の見どころのひとつになっています。2人の絆が描かれたシーンは、涙なくしては見れないものでしょう。

 

登場人物16:太公望の親友【普賢真人】

 

十二人もいる崑崙十二仙のリーダー的存在が普賢真人(ふげんしんじん)。他の十二仙同様、13巻にて初登場します。

読者の間でもっとも人気のある仙人ともいえるのではないでしょうか。髪の毛は水色で、常に柔和に微笑んでいる優しい姿は、女性ファンの目を癒しているはずです。

太公望と同期の仙人で、道士の時代にはともに元始天尊のもとで修行した仲でした。太公望を「望ちゃん」と呼ぶほど仲が良く、お互いをよく理解する友人です。

柔和な風貌と同様に性格も優しく、どんな相手に対しても対話を求めようとする平和主義者。そんな彼の宝貝は、物理が得意な特質を踏まえてか、「太極符印(たいきょくふいん)」という元素などを操ることのできるものです。その能力は核融合すらも可能で、使いようによってはかなり殺傷能力の高い武器となります。

そんな彼が聞仲と戦うシーンは『封神演義』のなかでも名場面のひとつ。彼の覚悟と崑崙十二仙の絆には、涙を禁じ得ないでしょう。

 

登場人物17:黄天化の師匠【清虚道徳真君】

 

清虚道徳真君(せいきょどうとくしんくん)は崑崙十二仙のひとり。通常の仙人以上の能力をもつ天然道士で、太公望の仲間の黄天化(こうてんか)の師匠でもあります。

スポーツ精神に溢れた熱血な体育会系で、見た目もスキーウェアのような服を着たお兄さん、といった感じ。13巻で初登場します。

彼の宝貝は、「莫邪の宝剣II(ばくやのほうけん・ツー)」という、まるでライトセーバーのような形の剣。後に黄天化へと託されることになります。

金鰲島での戦いの際は、スポーツ選手らしくパンチで対応することになるので、そこも注目ですね。

 

登場人物18:殷の皇太子殷郊の師匠【広成子】

 

太公望たちと戦う人間の国、殷の皇太子である殷郊(いんこう)の師であった広成子(こうせいし)。彼もまた、崑崙十二仙のひとりです。見た目どおり真面目で規律正しい性格かつ、ミリタリーマニア。

彼の宝貝は「番天印(ばんてんいん)」という、押印(ロックオン)した者を100%殺傷する能力を有したもの。しかしこれは弟子の殷郊に託され、広成子が使う場面は見ることができません。ちなみに殷郊はその力で父の殷王のもとに寝返り、太公望によって封神されてしまいます。

初登場した13巻では、弟子の殷郊の非を太公望に謝罪するような、徳のある人物です。

 

登場人物19:殷郊の弟殷洪の師匠【赤精子】

 

殷郊の弟である、殷洪(いんこう)の師匠、赤精子(せきせいし)。広成子とよく衝突している彼もまた、崑崙十二仙のひとりです。13巻で初登場した彼の宝貝は、複数の鏡から光を出す能力を有した「陰陽鏡(おんみょうきょう)」というもの。

彼の宝貝もまた殷洪に託されたので、戦いの際は自分の刀を使用しています。どうやら大の刀剣マニアのようです。

 

登場人物20:赤ん坊みたいだけど仙人【道行天尊】

 

赤ん坊のような風貌が特徴的な仙人、道行天尊(どうこうてんそん)。13巻で登場する彼もまた、崑崙十二仙のひとりです。赤ん坊の姿で「〜でちゅ」という言葉遣いが可愛らしい彼ですが、怒ると性格が変わる二重人格的なところもあります。

彼の宝貝は、「万能包丁(ばんのうぼうちょう)」という、振ると複数に増える包丁です。

聞仲に特攻を仕掛けた際に、仲間の鄧蝉玉(とうせんぎょく)に止められて生き残ることになりました。

 

登場人物21:色黒金髪の仙人【黄竜真人】

黄竜真人(こうりゅうしんじん)は色黒で、刈り上げた金髪が特徴的。彼もまた、13巻で登場する崑崙十二仙のひとりです。彼の宝貝は名称は明らかになっていませんが、巨大なナイフの形状をしたものです。

その宝貝どおり、接近戦の得意な仙人で、慈航道人と共闘するシーンが印象的でしょう。

登場人物22:上半身裸の仙人【慈航道人】

 

上半身裸でガラの悪そうな風貌が印象的な、仙人の慈航道人(じこうどうじん)。13巻で初登場した崑崙十二仙のひとりで、黄竜真人と一緒に戦う姿が印象的な仙人です。

彼の宝貝も、黄竜真人と同様に名称は明らかになっていません。その能力は右腕から炎が出るもので、接近戦を得意としています。

 

登場人物23:懼留孫、24:霊宝大法師、25:文殊広法天尊

 

土行孫の師匠【懼留孫】

懼留孫(くりゅうそん)は太公望の仲間である土行孫(どこうそん)の師匠であり、崑崙十二仙のひとりです。若い姿をしている仙人が多いなか、彼は長い髭を蓄えた小柄な老人の姿をしています。目深に被った帽子に隠れて、その目は見えません。

彼の宝貝は、「梱仙縄(こんせんじょう)」という複数の縄を出して攻撃するもの。他の崑崙十二仙同様、13巻にて初登場します。少し陰が薄いキャラではありますが、金鰲島の敵、聞仲(ぶんちゅう)との戦いにおける活躍は見事なものでした。

土行孫のことをバカ弟子呼ばわりしながらも、最後の戦いでは弟子に対する愛情も垣間見ることができます。

落魂鐘の使い手【霊宝大法師】

まさに仙人らしい、老人の姿をした霊宝大法師(れいほうだいほうし)。彼もまた、13巻で初登場した崑崙十二仙のひとりです。

鐘の形をした「落魂鐘(らっこんしょう)」という宝貝を駆使し、聞仲と死闘をくり広げました。

ゴキブリのような仙人?【文殊広法天尊】

文殊広法天尊(もんじゅこうほうてんそん)も13巻で初登場した崑崙十二仙のひとり。メガネをかけた無精髭の男性の風貌をしています。どことなくその服装がゴキブリを想起させることで話題となった人物です。

彼の宝貝はバズーカー状をした「瑠璃瓶(るりへい)」。物腰はやわらかいのですが、「死ね」と書かれた砲弾を放つ瑠璃瓶をもっておるため、実は厳しい性格をしているのかもしれません。

 

登場人物26:無敵のシスコン仙人【燃燈道人】

著者
藤崎 竜
出版日

 

初登場が21巻と、物語の終盤で登場した仙人の燃燈道人(ねんとうどうじん)。以前は崑崙十二仙のリーダー的存在でしたが、元始天尊との三日三晩にもわたる死闘により、死亡したものとされていました。

しかし実はその戦いは、「封神計画」のためにおこなわれた演技だったのです。 

最終決戦に備えた太公望たちの前に助っ人として登場した彼もまた、元始天尊同様、「封神計画」に深く携わっていた重要人物。その能力もかなり高いもので、崑崙山では使用されなくなった「術」も使うことができます。

熱血漢な性格ですが、異母姉であり、崑崙山随一の能力を持つ竜吉公主(りゅうきつこうしゅ)を強く慕っているシスコン。最終戦では、彼女が元始天尊より授かった盤古旛を使用していました。

ほぼ無敵な能力のある彼は、太公望らにとってかなり心強い味方です。

 

登場人物27:聞仲も認める実力者【姚天君】

 

さてここからは、妖怪仙人の住まう金鰲島の仙人、十天君のメンバーをご紹介しましょう。

姚天君(ようてんくん)は、13巻で登場する十天君のひとりです。聞仲をしてさすがと言わしめるほどの実力者で、顔に面をし、長いフードつきのマントをかぶったような姿をしています。

宝貝は魂魄を飛ばす光線を放つ「落魂の呪符」を張り巡らせた空間、「落魂陣(らっこんじん)」というもの。さらに近距離戦では「破壊の呪符」で、爆破攻撃をくり出す能力を持っています。

 

登場人物28:砂漠を操る妖怪仙人【張天君】

張天君(ちょうてんくん)も13巻で登場した十天君のひとり。人型をとらない妖怪仙人です。

彼の宝貝は、空間内の砂漠を自在に操り敵を風化させる「紅砂陣(こうさじん)」というもの。崑崙山の道士である楊戩との戦いでは、洞察力の高さをかいま見せました。

登場人物29:人形のような外見をした妖怪仙人【孫天君】

 

孫天君(そんてんくん)も13巻で初登場した十天君です。おもちゃで満たされた空間を作ることができる「化血陣(かけつじん)」という宝貝を有しています。

彼は陣のなかでおもちゃを使ったゲームをするのですが、その空間内ではイカサマもし放題で、敵を人形に変えることができるなど、かなり厄介な能力を持っています。

頭脳派の太公望でなければ、勝てなかった相手ではないでしょうか。

 

登場人物30:120m/sの風を起こす妖怪仙人【董天君】

 

大きな虫の姿をした彼は、董天君(とうてんくん)。十天君のひとりで、13巻で登場します。本人は虫であることを否定していますが、なぜか鳴き声は「ミーンミーン」という蝉のものです。

「風吼陣(ふうこうじん)」という宝貝は、風で吹き荒れる空間の底部に鋭利な網をしき、風で吹き飛ばした敵をバラバラに切り裂くという能力があります。

 

登場人物31:ロマンチストな妖怪仙人【袁天君】

毛玉のような風貌をした、一見可愛らしくも見える姿の袁天君(えんてんくん)。13巻で登場した十天君のひとりです。残忍な性格をした者が多い妖怪仙人のなかでは珍しく、ロマンチストな人物です。

彼の宝貝は「寒氷陣(かんぴょうじん)」。空間の中で、水や氷、雪を自在に操る能力を持っています。ロマンチストな性格ですが、外見が毛玉なだけあって、どこかシュールな印象を受けるでしょう。

登場人物32:石壁妖怪仙人【趙天君】

 

人の形を取らない者も多い妖怪仙人。そのなかでも、もっとも外見が妖怪じみているといえるのが、13巻で登場した趙天君(ちょうてんくん)ではないでしょうか。その外見は、ただの石壁です。

「地烈陣(ちれつじん)」という宝貝を持っていましたが、戦闘シーンすら描かれずに、あっさりと封神されてしまったため、その能力などは一切わかりません。

 

登場人物33:十天君の紅一点【金光聖母】

 

金光聖母(きんこうせいぼ)は十天君のなかで紅一点の存在。見た目も人間で可愛らしいでですが、その容姿とは裏腹に、能力は十天君のなかでも上位に位置します。

彼女の宝貝は、空間の中で光を屈折させて位置を惑わせ、攻撃をすれば本体にもダメージを与えることのできる影を作り出す「金光陣(きんこうじん)」というもの。

登場した13巻では、姚天君と組んで崑崙の仙人の前に立ちふさがりました。

 

登場人物34:炎を操る妖怪仙人【柏天君】

 

1組の男女を模した姿をしている、十天君のひとり、柏天君(はくてんくん)。「烈火陣(れっかじん)」という、炎を操る宝貝をもちます。

泰天君と組んで多重空間を作り出すも、太公望の元へと寝返った元金鰲島の住人、マドンナに食われてしまいました。

 

登場人物35:石の姿をした十天君

 

泰天君は十天君のひとり、13巻で初登場します。

隕石を降らすことができる「天絶陣(てんぜつじん)」を駆使する妖怪仙人で、柏天君と共闘しますが、ともにマドンナに食われるという最後を迎えました。

 

おまけ:ハンバーグにされた衝撃の美青年【伯邑考】

 

ギャグテイストでありながら、物語全体を通してキャラの生存率が低く、重い設定も多い本作。メインどころのキャラクターや魅力的なキャラクターがあっけなく、そして無慈悲に死んでいってしまいます。
 

本作におけるそんな恐怖を最初に読者に植え付けたのが、伯邑考(はくゆうこう)ではないでしょうか。

周が国家として殷に反旗を翻す前、西岐(せいき)を修める人望厚き姫昌(きしょう)という統治者がいて、伯邑考は彼の人格を受け継いだ跡継ぎでした。

妲己の策略にはまり、7年間も幽閉されていた姫昌を救うため、彼は妲己のもとを訪れます。彼女は美青年である伯邑考を誘惑しようとしますが、彼はそれを拒否、そのまま殺されてしまいました。

そしてとらわれている姫昌のもとへ、殺された伯邑考がハンバーグにされて夕飯として出されるのです......。

美青年で跡継ぎという重要なポジションにあった伯邑考というキャラクターが死んだことだけでなく、ハンバーグにされるというかなり恐ろしい展開となったことに、恐怖した読者は多いはずです。

 

ここでは、漫画『封神演義』の数多い登場人物のなかでも、特に人気の登場人物をご紹介いたしました。彼らは皆個性豊かで面白いですが、それに加えて「封神計画」の伏線が、キャラの設定にもはられていたりします。登場人物も、その設定も魅力的な『封神演義』。ぜひ、その魅力を味わっていただきたい名作です。

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