本作について詳しく知らない人でも、名前や、あの名言を知っている人は多いのではないでしょうか。そう、世紀末覇者・ラオウです! この記事ではそんな彼の凄まじい人生や意外な素顔、知られざる事実についてご紹介。最後に紹介する名言では、彼の涙もろい一面(!)まで説明しちゃいます。 ちなみに『北斗の拳』はスマホアプリから無料で読むこともできるので、まだ読んだことがない方は要チェックです。
本作は1983年から「週刊少年ジャンプ」で約5年連載されていた、ハードボイルドアクション漫画。最強の暗殺拳「北斗神拳」の伝承者・ケンシロウが、最愛の女性・ユリアを助けるため、不毛の大地と化した世界で戦いをくり広げるというストーリーです。
本作は名実ともに80年代を代表する大ヒット作品であり、アニメ・映画化もされました。本編のテイストを引き継いだ真面目な外伝作品から、荒唐無稽なスピンオフまで多数存在し、今現在でも日本漫画界に多大な影響をおよぼす名作なのです。
そのなかでラオウといえば、主人公に並ぶか、もしくはそれ以上に絶大な知名度と人気のある悪役。彼は「世紀末覇者拳王」を自称し、私設の拳王軍を率いて、暴力で人々を支配する暴虐の王でした。
- 著者
- ["原哲夫", "武論尊"]
- 出版日
彼は作中でも屈指の大きさを誇る巨体で、身長210cm、体重145kgほどだといわれています。その凄まじい筋肉は、ただ立っているだけで圧倒的な存在感。
それに加えて、行軍中は兜とマントまで身につけて、さらに黒王号という名のいかつい馬に乗っていました。威圧的すぎるその姿は、思わず見る者に恐怖を与えます。隣に立たれただけで卒倒しそうです。
実は彼も、ケンシロウと同じく、かつては北斗神拳の伝承者候補でした。一子相伝の定めに則り、ケンシロウとは義兄弟の関係。北斗4兄弟の長兄に当たり、次兄・トキとは実の兄弟でもありました。さらに「修羅の国編」で登場する強敵・カイオウは、実の兄なのです。
そう考えると、『北斗の拳』は複雑に入り乱れた人間関係による、壮絶な兄弟喧嘩といえるかもしれませんね。
カイオウ、トキについてはこちらの記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
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本作の事実上のラスボスといえる強敵。まさに、悪の帝王。それが修羅の国の羅将、カイオウです。今回は、そんな彼についてご紹介したいと思います。 ちなみにこの名作がスマホアプリで無料で読めるので、そちらもおすすめです!
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時はまさに世紀末!なアクション作品である本作において、もっとも聖人君子に近い存在。実はラオウも恐れるほどの、技の使い手なのです。有名なキャラではありますが、彼が一体どのような人物かあらためて掘り下げて、その実像に迫ってみたいと思います。 ちなみに、この名作をスマホアプリから無料で読むこともできるので、そちらもぜひチェックしてみてください!
彼の一人称は基本的に「おれ」ですが、「我」や「このラオウ」といった言い回しも度々ありました。他人に対して「うぬ」と呼びつけることが多く、そこには尊大な人格が反映されています。
それ以外にも特徴的な話し方でキャラ付けがされており、「ぬう(あるいは、ぬぅ)」や「ぬん」といった言葉が感嘆符のように使われています。こんな短い単語ですら、もはや語録のように扱われることもあり、そのインパクトと影響力の凄さを感じられるでしょう。
そのカリスマ性から、作品の内外を問わず憧れる読者も多く、著名人のなかにも彼を崇敬する人は少なくありません。第72代横綱・稀勢の里は、ラオウの描かれた化粧回し(刺繍の施された前垂れ付きのまわし)で夏場所に挑みました。
アニメ版の声優は時期や媒体によって異なりますが、もっとも有名なのは、最初に役を務めた内海賢二でしょう。意外なところでは、アニメ映画『真救世主伝説 北斗の拳』などで、俳優・宇梶剛士が演じたこともありました。
先述したように、彼は北斗神拳伝承者候補でした。しかし、北斗神拳が伝授されるのは師父が認めた、ただ1人のみ。ケンシロウが伝承者になった、ということは彼の実力が認められなかったということで、従って彼が弱い……などいうことはありません。むしろ逆です。
彼は、あらゆる意味で強すぎたのです。「剛の拳」と呼ばれる圧倒的な破壊力は、本能のみで生きる野生の虎すら死の恐怖に陥れてしまうほどでした。相手に死を感じさせないのが、暗殺拳の本質。その意味で、彼の強さは北斗神拳の真髄に向いていなかったのです。
あるいは北斗4兄弟の育ての親であり、厳しい先生でもあった師父・リュウケンは、やがて歪んでいくであろう彼の未来も見通していたのかもしれません。
ラオウの得意とする剛の拳は、闘気を放射して破壊する技。特に北斗剛掌波、奥義の天将奔烈は彼を代表する必殺技として有名です。剛の拳の冴えだけでいえば、彼は作中の誰よりも強いのです。
『北斗の拳』のキャラクターを強さ順にランク付けしたこちらの記事もおすすめです。
漫画『北斗の拳』最強の登場人物は誰だ!?ランキングで紹介!名言も!
登場人物のほとんどが規格外の強さを誇る、パワーインフレが起こりまくりの作品。それが「週刊少年ジャンプ」を代表するバトル漫画である本作『北斗の拳』なのです。そんな本作に登場するキャラクター達や名セリフは「読んだことはないけど知っている」という方もいるのではないでしょうか。 今回の記事では、そんな個性的なキャラクター達にスポットライトを当て、彼らの強さをランキング形式で紹介し、名言や名シーンも振り返ります。ケンシロウやラオウは、何位に入っているのでしょうか。 本作はスマホアプリからも無料で読むことができるので、ぜひご利用してみてはいかがでしょうか。
北斗神拳は一子相伝という制約の関係上、師匠に弟子入りした段階で家族の契りを結びます。そのため彼は、同じ師父に学んだケンシロウ達と、北斗4兄弟と呼ばれる義兄弟の関係にあったのです。
しかし、義兄弟であるだけの赤の他人かというと、そうではありません。
- 著者
- ["原 哲夫", "武論尊"]
- 出版日
彼とトキが実の兄弟であることは先に軽く触れましたが、彼らはともに「修羅の国」と呼ばれる大陸の出身。ケンシロウもそうです。北斗4兄弟のうちジャギを除く3人が、北斗神拳を学ぶために大陸から送り出されたのでした。
トキたちは北斗神拳を継ぐ宿命の血筋、北斗宗家の傍流の子。一方ケンシロウは、北斗宗家正統の子。
つまり、ケンシロウとは義兄弟である以前に、親戚の関係にあるのです。作品からは、決してそのような雰囲気は感じ取れませんが……。
次のセクションでは、ラオウの目的を紹介します。彼の行動はすべて、世界平和のためだった!?
ケンシロウについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
『北斗の拳』ケンシロウはクズ?負けた相手や意外な秘密まで12の事実を紹介
世界的に有名な、本作の主人公。そんな彼の名は、作品に詳しくない方にもよく知られていることでしょう。では、その人となりや来歴はどうでしょうか?今回は知っているようで知らないケンシロウに、スポットライトを当ててご紹介したいと思います。 最強と思われた彼が負けた相手や、少年漫画の主人公とは思えぬ畜生発言(?)まで、知って驚くことがたくさんあるはず……! ちなみに本作は、スマホアプリから無料で読むこともできます!ぜひご利用ください。
彼はご存知のように、世紀末覇者です。拳王軍を率いて、暴力による支配を目指していました。暴力を肯定し、悪政を敷く暴君。その目は海を越え、大陸「修羅の国」すら捉えていました。
それではなぜ、彼はこれほどまでに世界を掌中に収めようと行動していたのでしょうか?
それはなんと、平和のためだったのです。え?嘘でしょ?という感じですが、本当です。しかし、拳王としての彼の暴力と平和の間には、大きな隔たりがあるように思えます。この乖離には、劇中世界におかれた「現実」に理由がありました。
『北斗の拳』の世界は核戦争後、文明が崩壊して無秩序になった世界です。そこではまさに、力だけが正義。彼は、悪党が暴力を振るって、限られた資源を奪い合う現実に直面します。
当初は、その地獄のような状況を北斗神拳で是正しようとしました。ところが暴力で暴力を打ち倒すうちに、彼のなかで手段が正当化されて、それがやがて、力による支配へと繋がっていったのです。
目指すところが平和であるにも関わらず、彼自身が暴力の化身となり、悪となってしまったのでした。
拳王軍を率いる王であり、主人公の最大のライバル。数々の言動・描写から、とてつもない大物感が醸し出されています。
……ですが、ちょっと細かいところに目を向けると、首を捻るような行動がいくつか見られるのです。
彼はケンシロウと同じく、ユリアを愛しています。2人は恋愛においてもライバルでした。しかし、ユリアとケンシロウは相思相愛。
ケンシロウを捨てろ!!
そして今日からこのおれを愛するのだ!!
(『北斗の拳』7巻より引用)
彼は嫌がるユリアに、このように無理矢理迫るのです。せめて振り向かせる努力を……。
後述する「山のフドウ」との対決では、彼に忖度した部下の卑怯なおこないに対して怒りをぶつけます。ある意味では忠心といえる部下に、ただただ八つ当たりしたようにも感じられる場面です。
そして、彼に並ぶほどの強敵・サウザーに対して。ケンシロウとの対決を控えるサウザーから、彼は挑発を受けますが、
おごるなサウザー!!
きさまの体の謎はトキが知っておるわ!!
(『北斗の拳』11巻より引用)
と返しました。威勢よく捲し立てる割りに、言ってる内容が他人任せとは……。
以上、大望を抱く大物らしからぬ、みみっちい一面でした。
サウザーには小物感溢れる態度を取っていましたが、辛うじて面目は保っていました。そんな彼が、作中でほとんど唯一、はっきりと恐怖した相手がいます。
それが南斗五車星の1人、「山のフドウ」です。孤児を引き取って育てる心優しき巨人を、彼は恐れました。
今でこそ柔和なフドウですが、かつては「鬼のフドウ」と呼ばれた凄まじい使い手だったのです。まだラオウがリュウケンのもとで修行していたころ、彼はフドウの姿を見て震え上がりました。これがトラウマになっていたのでした。
時は流れ、第1部最終章の15巻。「南斗最後の将」に接近する彼は、フドウと直接対決をおこないます。しかし、今やフドウよりも、彼の力量が遥かに上回っていました。それでも、守るべきものを得たフドウの気迫が、彼の心にかつての恐怖心を蘇らせたのです。
恐るべきは「山のフドウ」の覚悟、といったところでしょうか。
次のセクションでは、これぞ世紀末覇者!な一面をご紹介。あまりにも鬼畜の所業すぎる!!
ある時、拳王軍は、とある村に立ち寄りました。その村では村長をはじめとした村人たちは、ラオウに対して無抵抗で物資を差し出したのです。あまつさえ、笑顔も見せて。
当然、拳王軍は疑問に思います。村長は抵抗して被害を被るより、笑顔で従って自分達の命を守ろうとしたのです。
それに対し、ラオウは激昂。笑って暴力を回避出来るなら、この暴力を笑顔ではね除けろ!とばかりに、村長を殴打して惨殺してしまいました。力に頼る彼にとって、非暴力が文字通り無力であることを印象付けたのです。
あまりにめちゃくちゃで理不尽ともいえる場面ですが、世紀末覇者のおそろしさを読者にも見せつけました。
『北斗の拳』は見方を変えると、ユリアという1人の女性を軸にした恋愛物語といえるかもしれません。それは彼女が南斗最後の将、「慈母の星」の宿星を持つがゆえ。作中の屈強な男達が、運命的に彼女へと惹かれていくのです。
ラオウも、またそうでした。乱世を鎮める野望を抱く彼が、その野望と同じくらい、たった1人の女性に固執したのです。その計り知れない想いは、彼が「無想転生」を体得したことからもわかります。
無想転生は深い哀しみによってのみ自発的に体得出来る、北斗神拳究極奥義です。彼はそんな奥義を、あえてユリアを失うことで開眼しました。つまり、それだけ深く彼女を愛していたのです。
またケンシロウとの最終決戦後、自ら手を下して殺したかに見えたユリアが実は生きており、しかもラオウのおかげで余命数ヶ月の不治の病が延命していたと発覚します。
最期には愛する人のために、心憎いこともしていたのです。冷徹な面が目立つ彼の、愛する人を一心に想う意外な一面でした。
ユリアについて考察したこちらの記事もおすすめです。あわせてご覧ください。
『北斗の拳』ユリアの10の秘密!愛されすぎる女神は魅力と名言に溢れてる!
悲劇の女性ユリア。彼女は本作を象徴するヒロインです。その慈愛に満ちた性格、異常なまでのモテっぷりは、もはや伝説級。本作に登場する屈強な男たちを、端から端までトリコにしてしまうのでした。 しかし、そんな彼女ですが実像は断片的にしか語られず、その実態は熱心なファン以外にあまり知られていません。今回はそんなユリアについて、余すところなくご紹介しましょう。これを読んだら、あなたも彼女のトリコになるはず! ちなみに、この有名作品は、スマホアプリから無料で読むこともできますよ。
彼の最期の姿は、シリーズ屈指の名シーンといえます。『北斗の拳』を読んだことがなくとも、このセリフだけ知っているという人も多いことでしょう。
愛する人も、自身すらも顧みず、ケンシロウとの決戦にすべてを賭けて敗れたラオウ。熱く激しく生き抜いて、最後には精魂使い果たし、天を突いて昇天しました。その際に言い放ったこの言葉は、今も語り継がれる名言です。
彼は、暴力のはびこる乱世を憂いて平和を目指すも、道を誤りました。決して褒められた人生ではなかったものの、その生きざまには共感出来るものがあります。彼の真意を知ってからその最期を見ると、案外いいやつだったのだと思えるものです。
彼はユリアへの愛を貫いて、生涯独身でいた男……と思われていました。
しかし、実は彼には実子が1人いるのです。その名は、リュウ。原作では「修羅の国編」が終わってから登場します。彼はケンシロウとの旅を通じて、北斗神拳や戦う男達について学んでいくのです。それにしても、ラオウの面影がまったく見えない、キュートすぎる見た目です。
彼は父親がラオウだということ以外、一切が不明。母親が誰なのか、いつどの時点で産まれたのか、本当はユリアが……?など、さまざまな憶測がなされています。
1つはっきりしているのは、ラオウの血を引く彼が、ラオウのように道を外さず正しく生きていくだろう、ということだけです。
次のセクションでは、ラオウの愛され具合がわかる、あのイベントについてご紹介!
その激しい生きざまから、読者で彼を慕う者は後を絶ちません。架空の世界の人物だという範疇を超えて、ファンは彼を本気で慕っているのです。
そのあまりの熱狂振りに、ついには2007年に映画『真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章』の公開記念として、なんとラオウの葬式が執りおこなわれました。真言宗の高野山東京別院にて「ラオウ昇魂式」と銘打たれて、実際の葬式同様に粛々と進行されたのです。
彼の命日は不明ですが、この昇魂式がおこなわれた4月18日を実質的な命日としている方もいらっしゃるよう。悪役ながら、ここまで愛されるキャラクターもそうそういないでしょう。
それでは最後に、世紀末を駆け抜けた熱き男・ラオウの印象的な名台詞をご紹介。厳選した5つの台詞1つ1つには、語り尽くせないドラマがありました。
ぬう!! お……おれは拳王!
拳王は決してひざなど地につかぬ~!!
(『北斗の拳』9巻より引用)
膝をついたケンシロウに対して、自身は堪えきった彼の言葉です。拳王を名乗る猛者の誇りが感じられます。かなり印象的な台詞なので2人の最終決戦時のイメージがあるのですが、ケンシロウとの初対決において出た名言でした。
このオレの枯れた涙を呼び戻した!
(『北斗の拳』12巻より引用)
かつては同じく頂点を目指した男・トキ。限りなく肉薄したこの実弟が、命を磨り減らしてまで戦いを挑んできたこと、さらに力を失ったことを嘆くようなシーンです。ラオウ、男泣き。トキの攻撃に「き……きかぬ。きかぬのだ!!」と吐露する姿も印象的でした。
しかし、意外にも彼は「これが最後の涙」と言いながら、その後もちゃっかり泣いちゃうなど、涙もろい一面も。可愛いじゃないか、ラオウ。
意志を放棄した人間は人間にあらず!!
ただ笑いと媚びに生きてなにが人間だ
(『北斗の拳』12巻より引用)
前述した拳王軍を笑ってやり過ごそうとする村長や村人に一喝した言葉です。彼の行為は褒められたことではありませんが、この言葉には何か気付かされるものがあります。
くどい!! だれを愛そうが、どんなに汚れようがかまわぬ。
最後にこのラオウの横におればよい!!
(『北斗の拳』8巻より引用)
ただひたすらに最愛の女・ユリアを求める熱意。客観的には略奪愛ではあるのですが、果たしてどれだけの男が――いや、男であろうと女であろうと、人がここまで真剣に誰かを愛することが出来るでしょうか。
わが生涯に一片の悔いなし!!
(『北斗の拳』16巻より引用)
彼の名言といえば、やはり!これが至上。シンプル・イズ・ベストです。良くも悪くも、全身全霊で生ききったからこそいえる、渾身の名言です。このように、死に際に悔いのない生き方をぜひともしたいもの。もちろん、他人に迷惑をかけるのは御法度ですが。
実は涙もろいラオウの名シーンを紹介したこちらの記事もおすすめです。
漫画『北斗の拳』最強キャラ・ラオウは涙もろい!?名シーンで振り返る!
『北斗の拳』の印象的なボスキャラと言えば、ラオウを置いて他にはいません。ラオウがなぜ人気なのか、その意外な一面とともにご紹介しましょう。
いかがでしたか?覇王、あるいは拳王と畏怖されるラオウへの見方が、変わったのでないでしょうか?
そんな彼が登場する『北斗の拳』は、スマホアプリから無料!ぜひ、この機会にご利用ください。