吸血鬼は、世界的にも知られた怪物のひとつ。一度亡くなった人間が不老不死となり、人の生き血を啜るというのが一般的です。吸血鬼伝説は創作の世界にも広く浸透し、多くの創作物が生み出されました。漫画作品もそのひとつ。今回は、その中でも特におすすめしたい作品をセレクションしました。それらをジャンルごとに紹介し、それぞれの魅力にも迫ります。
世界中で広く知られる怪物のひとつ「吸血鬼」。古くから民話や伝説などで語られてきました。そこから派生し、小説や映画などの創作物にも多く登場しています。
吸血鬼はヴァンパイア、ヴァンピールなどと呼ばれることもあります。人間の生き血を啜り、血を吸われた人間もまた吸血鬼になるといわれています。
今回は、そんな吸血鬼が登場する漫画に注目してみました。吸血鬼漫画といっても、さまざまなジャンルがあり、非常に人気の作品が多く存在しています。ホラーはもちろんのこと、エロティック、バトルアクション、ギャグ、ラブストーリーと多岐に渡っています。そんなところが人気のひとつなのかもしれません。
特に、昭和の伝説的吸血鬼漫画、ホラーテイストで人気の吸血鬼漫画、ラブロマンスとしての評価も高い吸血鬼漫画、アニメ化も話題の吸血鬼漫画などの人気作が世に送り出されてきました。
この記事では、そんな吸血鬼漫画をジャンル別に紹介。数ある魅力的な作品の中から、それぞれのジャンルごとに筆者おすすめの作品をセレクションしました。ぜひお気に入りのひと作品を探してみてください。
漫画『だがしかし』で知られるコトヤマ原作の『よふかしのうた』。「週刊少年サンデー」にて絶賛連載中の大人気漫画です。2022年夏アニメとして放送され、好評を博しました。
作品タイトルの『よふかしのうた』は、作者がファンを公言しているヒップホップ・ユニットCreepy Nutsの楽曲からきています。この楽曲にインスパイアされ、本作が誕生したとのこと。アニメのエンディングテーマとして同曲が使用されていました。
中学2年生で不登校児の夜守コウが、眠れない夜に外に出たことで、謎の美少女・七草ナズナと出会います。実はナズナは吸血鬼。彼女に魅了されていくコウもまた吸血鬼になることを目指す物語です。
同じ場所でも昼間とは明らかに異なる顔を持つ夜。そんな夜の不思議な魅力とコウとナズナの恋人とも違う微妙な関係性がくせになるお話です。
- 著者
- コトヤマ
- 出版日
『ミッドナイト・セクレタリ 』は、大人のための官能的なラブロマンス作品を多く掲載する「プチコミック」にて連載されていた人気漫画です。原作は大海とむ。同誌にて、多くの大人女子向け作品を手掛けている漫画家です。吸血鬼や人狼など特殊能力を持つ男性が登場する物語を得意としています。
本作『ミッドナイト・セクレタリ 』もそのひとつです。有能な常務・当麻杏平の秘書となった主人公・里塚花夜。ある時、杏平が女性の血を吸うところを目撃してしまいます。杏平の正体は吸血族。そんな杏平の秘密を知ってもなお、彼に尽くしていく花夜と杏平のラブロマンスを描いた作品です。
大海とむの描く登場人物たちが美しく、セクシーなシーンも甘美な魅力に溢れています。徐々に惹かれ合う2人の姿や吸血シーンなどが魅惑的に描かれる大人の恋の物語です。
- 著者
- 大海 とむ
- 出版日
踏み入れたら決して生きて還ることはできない彼岸島を舞台に、吸血鬼と人間の戦いを描いた漫画『彼岸島』。「週刊ヤングマガジン」にて連載され、爆発的な人気を博したホラー吸血鬼漫画です。原作は松本光司。この『彼岸島』にて一躍ヒットメーカーの仲間入りをしました。
第1部『彼岸島』は完結を迎え、第2部『彼岸島 最後の47日間』、第3部『彼岸島 48日後』と続いています。2度の映画化、テレビドラマ化、アニメ化、ゲーム化とメディアミックス作品としても広く知られている作品です。
追い詰められていく人間の恐怖や絶望などの心理描写、人間の奥底に秘めた力など巧みに描かれていきます。彼岸島に生息する吸血鬼の描き方もさまざまで魅力溢れる作品。一度読みだすとその面白さに病みつきになること間違いなしの吸血鬼漫画の傑作です。
- 著者
- 松本 光司
- 出版日
- 2003-04-04
小野不由美の同名小説を原作に藤崎竜が作画を務めコミカライズされたのが漫画『屍鬼』です。「ジャンプスクエア」にて2008年から2011年まで連載されていました。全11巻。コミックス累計発行部数110万部突破の大人気漫画です。
人口わずか1300人の外場村で相次ぐ殺人事件。同じ頃、村の古い洋館に桐敷一家が越してきました。村の医者・尾崎敏夫はこの偶然に疑問を抱くことに。そして、徐々に明らかになる屍鬼の脅威。尾崎は村を救おうと動き出しますが……。
この屍鬼とは、いわゆる吸血鬼と同等のもの。日光に当たると皮膚が焼けただれ、生命維持のために人間の血液を必要とします。そんな屍鬼の存在を知った村人たちが、今度は自分たちを守るために屍鬼狩りを決行していくのでした。
テレビアニメ化もされ人気の作品。小説、漫画、アニメと登場人物の設定や人間ドラマなど微妙に異なっており、それぞれで楽しむことができます。
- 著者
- 藤崎 竜
- 出版日
- 2016-07-15
「ヴァニタスの書」と呼ばれる吸血鬼に呪いを振りまくとされる魔導書をめぐり、吸血鬼の専門医と名乗るヴァニタスと「ヴァニタスの書」を探すためパリにやってきた吸血鬼の青年ノエの物語が漫画『ヴァニタスの手記』。前作『PandoraHearts』も人気を博した望月淳が描く吸血鬼奇談です。
テレビアニメ化もされ、すでに2クール分を放送。そのほか、舞台化もされている人気シリーズです。吸血鬼を救おうとする人間、人間とも抵抗なく付き合うことができる吸血鬼、吸血鬼と戦うシャスールが登場。それぞれの持つ葛藤を描きつつも、バトルアクションとしても楽しめる作品です。
2022年現在も絶賛連載中の本作。さまざまに張り巡らされる謎が徐々に明らかになっていく面白さも魅力的です。望月の描く荘厳な美しい絵柄をアニメでも見事に表現。続く舞台化も話題となった吸血鬼漫画です。
- 著者
- 望月 淳
- 出版日
「月刊コミックジーン」にて現在も連載中の漫画『サーヴァンプ』。主人公・城田真昼が道端で1匹の黒猫を拾ったところ、その猫は「サーヴァンプ」という吸血鬼でした。「サーヴァンプ」とは、契約した人間に血をもらい命令に従う吸血鬼のこと。本来は人の姿をしていますが、日の光の下では、動物の姿になってしまうのでした。その黒猫をクロと名付けた真昼が、吸血鬼の戦いに巻き込まれてしまう物語です。
原作は田中ストライク。途中、作者の体調不良により連載休止を余儀なくされましたが、人気の漫画作品です。テレビアニメ化、劇場アニメ化、舞台化され、メディアミックス展開も注目を集めた作品。
サーヴァンプには、怠惰、憂鬱、傲慢、嫉妬、憤怒、強欲、暴食、色欲のそれぞれの吸血鬼が存在しているなど物語の設定がかなり凝っていて、バトルシーンも多く非常に読み応えがあります。また、アニメでは、寺島拓篤、梶裕貴、松岡禎丞、種﨑敦美など主役級の人気声優陣が揃っており、そちらもおすすめです。
- 著者
- 田中 ストライク
- 出版日
- 2011-12-22
萩尾望都原作の『ポーの一族』といえば、昭和を代表する吸血鬼漫画のひとつです。最初に発表されたのは1972年。その当時は、非常に珍しく異色の作品だったとのこと。
吸血鬼の伝承は古くは西洋の吸血鬼を起源としているものが多く、小説などの文学においても同様です。そんな伝説をもとに描かれているのが『ポーの一族』。
イギリスを舞台に、永遠の命を持つ吸血鬼の少年エドガーが200年にも渡り生き続ける様を描いた物語です。この物語の吸血鬼は「バンパネラ」と呼ばれています。これは作者のオリジナルの表現で実際にそういう読み方をする事例はありません。
本作は、ラジオドラマ、テレビドラマ、舞台などと展開されており、パロディ作品も存在するほど。2016年には連載終了から40年振りに新作『春の夢』が発表され、大きな話題となりました。その後も不定期にて連載されています。
萩尾望都の描く美麗な決して大人になることのない少年。何百年という月日を生きなければならぬ運命を背負った少年の過酷な生き様は、長きに渡り多くのファンを魅了し続けています。男女問わず、一度は手にとってほしい名作です。
- 著者
- 萩尾 望都
- 出版日
- 2016-05-10
1982年当時、大人気だった集英社の少女漫画誌「りぼん」は、講談社の「なかよし」、小学館の「ちゃお」と並ぶ小中学生向けの三大少女漫画誌でした。その「りぼん」にて10年以上も連載を続けた漫画が、池野恋原作の『ときめきトゥナイト』です。
中学2年生の江藤蘭世は、父が吸血鬼、母が狼女という魔界の女の子。両親から人間に恋することを禁じられていますが、同級生の真壁俊に恋してしまいます。そんな蘭世は、吸血した相手に変身してしまうという能力を持っていました。その能力を使って、なんとか俊に近づこうと画策するのですが......。
この2人の恋の行方に、当時の少女たちは一喜一憂したもの。アニメ化も人気を博しました。そんな『ときめきトゥナイト』も、2021年から『Cookie』にて、新シリーズ『ときめきトゥナイト それから』の連載が始まることに。
たとえ、魔界の女の子であろうが、恋する気持ちは人間の女の子と変わりません。なかなか恋に発展しないながらも健気に頑張る蘭世の姿は、多くの少女たちの共感を誘いました。昔少女だった人も現在進行形の人も恋する人はみな、蘭世に励まされることでしょう。
- 著者
- 池野 恋
- 出版日
こんなにすぐに死んでしまう吸血鬼がいまだかつていたでしょうか。
史上最弱の吸血鬼ドラルクとひょんなことからコンビを組むことになってしまった吸血鬼退治人=バンパイアハンター・ロナルド。2人のでこぼこコンビが繰り広げる抱腹絶倒のギャグ漫画が「吸死」こと『吸血鬼すぐ死ぬ』です。
2015年より「週刊少年チャンピオン」にて連載中の大人気漫画です。現在既刊22巻にて累計発行部数250万超えのヒット作。2021年にはテレビアニメも放送され人気を博しました。2023年には第2期の放送も決まっています。
とにかく王道ギャグの本作。ホラー要素の欠片もないコメディ漫画です。暗くて怖い吸血鬼が苦手な方には、本作がおすすめです。
吸血鬼ドラルクは、壁に当たっても、驚いてもすぐに塵となってしまう最弱吸血鬼。しかも不死ゆえに、すぐに復活します。そのシュールさが本作の人気の秘密でしょう。本来なら、最強ハンターなはずのロナルドがドラルクに振り回されっぱなしであることも面白ポイント。何も考えずに、ひたすら笑える吸血鬼漫画です。
- 著者
- 盆ノ木 至
- 出版日
『ブラッドラッド』は、「ヤングエース」にて、2009年から2016年まで連載された吸血鬼漫画です。原作は小玉有起。アニメでキャラクター原案を務めた『ハマトラ』や『ID:INVADED イド:インヴィテイデッド』などのコミカライズでは、作画のみを担当しています。
人の血を吸う吸血鬼が古臭いと考えている現代っ子のオタク吸血鬼、スタズ。そんな彼が、東魔界に迷い込んだ人間の女子高生、柳冬実に一目惚れしてしまう物語です。冬実が魔物に食べられてしまうと、生き返られるため奮闘するスタズの姿を描いています。
一見シリアスに思わせるその絵柄とは裏腹にシュールコメディ。それぞれのバトルも描いており、さまざまな要素で楽しめる作品です。
2013年にはテレビアニメも放送され人気を博しました。そのほか、スピンオフ作品や小説版も発表され、メディアミックス展開されています。
独特の絵柄とその世界観にサブカル好きにはたまらない漫画作品。血を吸いたくない吸血鬼という設定に、吸血鬼漫画も時代によって描き方が変わってくるものだと実感した作品です。
- 著者
- 小玉 有起
- 出版日
「紅血の契約(アーティクルブラッド)」。それは、ヴァンパイアの血の契約のこと。血を与えるものと与えられるものとが、互いに決まった相手とだけ血のやりとりをすると契りです。
幼い頃、その契約を知らずに結んでしまったヴァンパイアの雪と人間の千代。互いに素直になれない2人の恋の行方とヴァンパイアの戦いを描いた恋愛バトルアクションです。
なかなか激しいアクションはあるものの、徐々に心を許していく雪と千代の吸血シーンは毎回ドキドキもの。決して離れることのない2人の固い絆に心奪われるファンも多いのではないでしょうか。雪の兄弟たちもみなヴァンパイアでイケメン揃い。さまざまなエンターテインメン要素の詰まった大人気漫画です。
- 著者
- くまがい 杏子
- 出版日
白泉社の少女漫画誌で活躍を続ける樋野まつり原作の大人気少女漫画『ヴァンパイア騎士』。2005年より8年間、「LaLa」で連載されていました。2008年にはテレビアニメ化もされ、その後もゲーム化、舞台化などのメディアミックス展開となりました。
名門の黒主学園は、一般の生徒が通う普通科(デイ・クラス)と美形エリート集団の夜間部(ナイト・クラス)に分かれていました。この夜間部(ナイト・クラス)に通う生徒たちは、実はヴァンパイア。主人公、優姫と幼馴染の零は、彼らの秘密を守る学園守護係(ガーディアン)を務めていました。優姫は幼い頃、自分を助けてくれたナイト・クラスの枢に憧れているのですが......。
登場人物たちのそれぞれの過去が、複雑に絡み合っていきます。運命に翻弄される優姫、零、枢を描いた壮大な吸血鬼物語です。2016年からは番外編として『ヴァンパイア騎士memories』の連載も開始されています。さらに目が離せない作品です。
- 著者
- 樋野まつり
- 出版日
『終わりのセラフ』は「ジャンプスクエア」にて連載されているダークファンタジーです。原作は、ライトノベル作家として知られる鏡貴也。漫画はイラストレーターとして活躍している山本ヤマト、コンテ構成を漫画家の降矢大輔が担当しています。それぞれの分野で活躍している3名が揃って作り上げた作品が本作『終わりのセラフ』。
鏡貴也は、漫画とは別に講談社で小説『終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅』を刊行しています。出版社をまたがったこうしたメディアミックスは非常に珍しく、大成功を収めることに。
ある日突然発生したウイルスにより、人口が激減してしまう人類。同じ頃、現れた吸血鬼の脅威にさらされる日本帝鬼軍は吸血鬼殲滅部隊を作り、彼らに対抗していくのでした。吸血鬼に家族を殺された優一郎は軍に入隊し、吸血鬼への復讐を誓います。一方、地下都市で一緒に過ごしたミカエラは吸血鬼になり、戦いに身を投じていくことになるのでした。
人間、吸血鬼とそれぞれの立場で描かれる物語は、大事な存在同士で殺し合う宿命や葛藤を濃厚なドラマとして描いており、非常に読み応えがあります。テレビアニメ、舞台、ゲームと当然のごとくメディアミックス展開もされた大人気シリーズです。
- 著者
- 山本 ヤマト
- 出版日
- 2013-01-04
伝説の吸血鬼ハンター、ハンス・ヴァーピット。70歳という歳とは思えぬその強さで、一度は引退していた吸血鬼ハンターとして依頼を受けることに。その事件は通称「骨抜き事件」と呼ばれていました。『銀狼ブラッドボーン』は、人間を使って繁殖を続ける吸血鬼と対峙するハンスを描いた作品です。
とにかくハンスの年齢を感じさせない強さに圧倒される読者が続出。コミックス第1巻が刊行されると、売り切れが続いたとの逸話も残した人気作です。
裏サンデーにて連載された本作は、16巻にて完結を迎えました。原作は艮田竜和、作画は雪山 しめじ。これだけ年老いた主人公はなかなか珍しく、しかもそれが吸血鬼ハンターとは。骨太なドラマと迫力の作画は読み応えありです。
とにかくハンスがかっこいいと評判の本作。最後まで吸血鬼ハンターとして戦うハンスの生き様をぜひ堪能してください。
- 著者
- 出版日
- 2015-08-12
異色の経歴を持つ鬼才・丸尾末広。代表作『少女椿』はセンセーショナルな内容ながら多くのファンを獲得しました。独特な絵柄に、エログロな作風が人気の丸尾末広が描くサイコホラーが『笑う吸血鬼』です。
14歳の美少年、毛利耿之助は謎の老女に吸血鬼にされてしまいます。血を求めて夜な夜な徘徊する日々を送ることに。耿之助に次いで同じ中学に通う宮脇留奈もまた吸血鬼になってしまいます。そんな彼らの苦悩や葛藤を描いた物語です。
1999年に「ヤングチャンピオン」にて連載されましたが、2016年にビームコミックスにて新装版として刊行されました。その後、2018年には舞台化もされ話題となりました。
人間の「闇」を独特の世界観で描く唯一無二の丸尾末広が吸血鬼の苦悩を描きます。あまり過激な作品が得意でない方はご注意ください。しかしながら、一度ハマるとくせになる面白さがある作品です。
- 著者
- 丸尾 末広
- 出版日
『MARS RED』は、劇作家の藤沢文翁原作の朗読劇。そこから、アニメ化やコミカライズ、ロックミュージカル化、ゲーム化されたメディアミックス作品です。その中でコミカライズは、「月刊コミックガーデン」にて隔月で連載されました。漫画を担当したのは、『曇天に笑う』シリーズで知られる唐々煙。全3巻にて完結しました。
舞台は、大正ロマン真っ只中の日本の帝都、東京。世の人に紛れてひっそり暮らす「ヴァンパイア」に、日本政府が目を付けます。そして、「ヴァンパイア」の強靭な能力を利用する「零機関」が発足することに。ヴァンパイアとなった軍人を集め、隊員にするというもの。しかし、その特殊機関を別の目的で利用しようする計画が密かに実行されようとしていたのでした……。
人間の中にもヴァンパイアを助けようとする者、恐れる者、嫌う者とさまざま。彼らももとは人間。そんな人々の葛藤や苦しみを描いた物語です。
新旧入り混じった混沌とした時代感とヴァンパイアの不安定な存在が相まって、独特の世界観を作り出しています。そんなところも非常に魅力的。漫画の魅力を知った次は、アニメ、ゲームへと世界を広げていきたくなる作品です。
- 著者
- 唐々煙
- 出版日
今回は吸血鬼を題材とする漫画作品を紹介しました。ここにご紹介した漫画はほんの一握り。世の中には数多くの吸血鬼漫画が存在します。古くは、西洋の伝承から始まり、文学的なモチーフとして使われ、小説、映画などと創作の題材となっていった吸血鬼。
吸血鬼はまさに世界共通のホラーアイコンとなりました。しかも純粋なホラーとしてだけでなく、そこから派生するアクション、コメディ、ラブロマンスにまで適用する最強な創作題材といえるでしょう。
自分の意志に反して吸血鬼になってしまった悲劇は、葛藤や苦悩を生み出します。逆もまたしかり。吸血鬼と対峙する人間は、彼らの怪物としての姿に怯え排除しようと躍起になるわけです。いずれにしろ、非日常的なシチュエーションは、非常にドラマが作りやすいといえます。
とはいえ、誰もが吸血鬼を題材にすれば面白い作品を作れるわけではなく、たくましい想像力と努力と才能がなければいけません。そうした上で、吸血鬼は、エンタテインメントの世界にはなくてはならない存在なのかもしれませんね。