御朱印のように、書店を訪れた証として集めることができる「御書印」をご存知ですか?その「御書印」プロジェクトに加盟している全国の書店を一気に知ることができるフェアが、銀座 蔦屋書店で開催されています。 この記事では、日本各地の書店に訪れたくなる「御書印」フェアの魅力をたっぷりと紹介!実際のPOPコメントの一部も特別にお見せします。
本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。
普段行くことのない書店を新たに訪れるきっかけになれば、との思いで始まった御書印プロジェクト。御書印とは、お寺や神社で受け取れる「御朱印」のように、その本屋を訪れた証としていただくことができるオリジナルの印のことです。全国約400店もの書店が参加しています(2023年1月時点)。
銀座 蔦屋書店では、昨年に引き続きこの御書印プロジェクトに参加する書店と協力し、「御書印」フェアを開催。今年は昨年のおよそ2倍、107店もの御書印店の参加が叶いました。
GINZA SIXのエスカレーターで6階まで上がり、銀座 蔦屋書店の入り口へ向かえば出迎えてくれるように展開されている「御書印」フェア。絵本や小説などジャンルも様々に並んだ書籍は、それぞれの参加書店によって選定された特別な1冊。書店にゆかりのある本や御書印の由来となった本など、1冊1冊に想いが込められています。
なんといっても、本当は日本各地を訪れていただかなくては手に入らない、個性豊かな「御書印」を銀座にいながら一覧できるのもこのフェアの魅力です。POPに綴られた各書店からの一言を読むと、その書店が歩んできた背景を感じることもできるでしょう。
ここからは、フェアに協力する書店の中から今年新たに参加となった書店を一気に紹介していきます。実際のPOPコメントも特別に公開。各都道府県を訪れた際に立ち寄って、お土産として御書印をいただいてみてはいかがでしょうか。
推薦書店:いわた書店(北海道)
いわた書店の代名詞「一万円選書」の本です。一万円選書のこれまでの歩みを解説しています。選書に挑戦したい方はぜひご一読を。
一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語
2021/12/8
推薦書店:未来屋書店上磯店(北海道)
~北斗市立上磯中学校吹奏楽部、伝説の幕開け~ 顧問の先生と部員たちが立ち向かう「試練」のエピソードを収録。 小・中・高校に囲まれた未来屋書店上磯店は、夢を追う学生さんたちを全力で応援します!
青春サプリ。乗り越えられない試練なんてない
2020/4/22
推薦書店:内田書店本店(岩手県)
1895年創業。遠野で唯一の書店です。原作だと読むのが難しかった遠野物語も水木しげる先生の描写力でわかりやすく描かれています。ぜひ実際に遠野にお越しの上、御書印とともに当店でお買い求めください!
水木しげるの遠野物語
2010/1/29
推薦書店:書店ミケーネ(秋田県)
舞踏の聖地「鎌鼬美術館」を持つ秋田県羽後町。暗黒舞踏家、土方巽の地を這う体表現を東北的というなら、辻本は関西人の明るさで野獣になる。カラオケやバスケよりもカッコイイ、ストリートダンスは、コンテンポラリーダンサー辻本により天地人化していく。若者に読んでほしい一冊です。
生きてりゃ踊るだろ
2022/10/25
推薦書店:うさぎや矢板店(栃木県)
一日百円で、何でもお預かりします。 様々な事情を抱えた人達がやって来る「あずかりやさん」には心地良い時が流れ、優しい物語に心が温まります。全国に広がったオリジナルカバーは当店で生まれました!
あずかりやさん
2015/6/5
推薦書店:ふやふや堂(群馬県)
ふやふや堂開店当初からの一押しの同名の本「いのちをつなぐ海のものがたり」の続編。海に生きる漁師のものがたり。この生命の循環の話を、海なし県の群馬県桐生市からお勧めします!ふやふや堂は小さい出版社さんの本を中心に身体があったまる本を置いています。ぜひ桐生に遊びにきてください。
いのちをつなぐ海のものがたり -未来に続く、いのちの循環-
2022/6/13
推薦書店:近江屋書店(群馬県)
言わずもがなの話題の一冊。言わずにいられないのが、物語の舞台である桐生市に当店があるということ。渡良瀬川はもちろん、連続殺人事件の被害者女性が亡くなる直前に、当店の前を通過している描写にドキドキです。
リバー
2022/6/26
推薦書店:熊谷堂書店(埼玉県)
日本一暑い町熊谷の書店です。店舗だけでなく本棚を背負い、歩いて移動販売もする当店ですが、数世紀も前のイタリアにも本を担いで売り歩いた人々がいました。モンテレッジオという小さな村に本屋の原点を探します。
モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語
2021/11/9
推薦書店:ペレカスブック(埼玉県)
コーヒーを一杯飲む間にだって読めてしまう。読了感を楽しめるシリーズから、益田ミリさんの珍しい脚本ドラマの一冊を。当店では草加の町のコーヒーを扱うお店やカフェとコラボしてフェアを展開しました。
脚本版 ほしいものはなんですか? (コーヒーと一冊)
2016/8/25
推薦書店:プント(千葉県)
この「雌犬」は、南米コロンビアの多雨地域に広がる鬱蒼としたジャングルの湿度や、そこに暮らす人々の息づかいを色濃く伝える作品。プントは、スペイン語の通訳者とグラフィックデザイナーによる小さな本屋です。
雌犬
2022/4/25
推薦書店:せんぱくBookbase(千葉県)
「通学路に一軒の本屋がある町」を願うシェア本屋です。「シーラという子」は少年を火あぶりにした少女が特別支援学級に送り込まれるところからはじまる物語(ノンフィクション)です。子供の本質が詰まっています。
シーラという子〔新版〕虐待されたある少女の物語
2021/1/21
推薦書店:絵本日和の本棚(千葉県)
美しい縦開きの絵本です✨ 出会ったミノムシを神様だと思った猫🐱 共に過ごす時間で知ったたくさんのこと、温かな気持ちで満たされます。当店は千葉県佐倉市の文具店の一角で開いた絵本中心の小さな本屋です。
おもいででいっぱいになったら
2022/11/12
推薦書店:くわのみ書房(千葉県)
舞台は広大なモンゴルの草原。私たちに生きる意味を問う物語の絵本です。くわのみ書房は絵本・児童書の専門店。自分の絵本を探すお手伝いをします。
スーホの白い馬
1967/10/1
推薦書店:チェッコリ(東京都)
K-BOOK(韓国の本)の発信地としてオープンして7年半。近年のブームを盛り上げています。「韓国文学の中心にあるもの」は読みたい本が次々出てきてあなたをK-BOOKの沼へと誘い出す名ガイドです。
韓国文学の中心にあるもの
2022/7/10
推薦書店:双子のライオン堂(東京都)
不思議な読み心地でいつの間にかどこかへ連れて行かれる小説集。赤坂で「100年残る」をモットーにした小さな本屋をやっています。
本の幽霊
2022/9/27
推薦書店:ふげん社(東京都)
印刷会社が運営するブックカフェ、ギャラリーです。印刷技術を活かした、アートブックの出版も行っております。最近刊行した写真評論家・飯沢耕太郎さんの第二歌集は、仕掛けが盛りだくさんの造本も必見です!
完璧な小さな恋人
2022/11/22
推薦書店:WARP HOLE BOOKS(東京都)
犬とお散歩に出かける男の子。その道中に寄り添うのは谷川俊太郎さんの詩「うそ」。心奪われる挿絵は中山信一さんの描き下ろしです。実は当店WARP HOLE BOOKSのロゴも中山さんが描いてくださいました。
うそ
2021/4/1
推薦書店:大盛堂書店(東京都)
JR渋谷駅ハチ公口のスクランブル交差点に立つと「大盛堂書店」の看板が目に飛び込んでくるはず。創業者舩坂弘の著書「英霊の絶叫」は自らの戦争体験を綴ったもので、剣道仲間の三島由紀夫氏は「勇猛果敢の眞実ともいうべきものの自己証明の文学」と絶賛しました。YouTubeチャンネル「出版区」で現社長良雄が、この父の思い出を語っています。
新装解説版 英霊の絶叫 玉砕島アンガウル戦記
2022/11/28
推薦書店:絵本の家(東京都)
30ケ国以上の海外の出版社から仕入れた4000タイトル以上の絵本を卸・販売している洋書専門店です。 Reading is fun! 読書はたのしい!日本のことを知って、世界への扉を開こう。
推薦書店:百年の二度寝(東京都)
練馬の書店です。じわっといい本を色々ご用意しております。推薦作は、精神疾患の当事者が自信の疾患について描いたコミック。大変な状況を描きつつも、クスッと笑えるギャグを忘れてなくて素敵です。
実録 解離性障害のちぐはぐな日々: 私の中のたくさんのワタシ
2018/11/30
推薦書店:冒険研究所書店(神奈川県)
当店の一筆の元となった、極地探検の歴史的名著。当店店主の北極冒険家・荻田泰永が解説文を担当しています。その荻田が小田急江ノ島線・桜ヶ丘駅前に開いたのが当店「冒険研究所書店」です。
世界最悪の旅 (世界探検全集)
2022/9/21
推薦書店:じっぷじっぷ(福井県)
きみが現在ここにいるのは、40億年前のビックバンから始まる奇跡の重なりなんだ。きみの命は数えきれない奇跡の上に誕生したんだ。お店は福井駅から3キロほどのところにあります。のんびりお越し下さい。
自分におどろく
2017/7/28
推薦書店:春光堂書店(山梨県)
甲府駅から歩いて10分ほどにある書店です。山に囲まれた山梨県は縄文の文化が栄えて、たくさんの土器が出土しています。縄文に関する本も並べております。ぜひお立ち寄りくださいませ。
縄文王国やまなし
2019/11/8
推薦書店:エホンゴホン堂(長野県)
「エホンゴホン堂」という店名のとおり絵本と大切に読みたいゴホンを並べています。子どもも大人も絵本に親しみ素敵な時間を過ごしていただくことが目標です。まずは、藤岡拓太郎さんの「たぷの里」で、みんなでたぷたぷ笑ってください。
たぷの里
2019/7/21
推薦書店:ひらく本屋 東文堂本店(岐阜県)
作家の文章は、レシピブックのように詳細は書かれていないうえに、写真もありません。本当にこの料理だったのか知るよしもないけれど、文章から模索しながら料理することは、本から始まるちょっとした旅に似ています。
作家の手料理
2021/2/27
推薦書店:本のサガミヤ デュオ店(静岡県)
「本は未知との遭遇だ」が、当店の一筆です。この言葉は御書印をデザインしていただいた、いわいとしお氏のお好きな映画「未知との遭遇」に因んでいます。人生は出会いです。未知との出会いを求めて御書印を集めましょう。
もりの100かいだてのいえ
2021/5/21
推薦書店:TOUTEN BOOKSTORE(愛知県)
名古屋駅西にある中華料理屋「平和園」は「短歌の聖地」とも呼ばれています。美味しい炒飯をつくる小坂井さんの短歌は、アウトローな視点とユーモアがたっぷりです。当店の一筆も小坂井さんに詠んでいただきました。
平和園に帰ろうよ
2019/4/11
推薦書店:本屋 旅の扉(愛知県)
愛知県豊橋市にある本屋 旅の扉です。私たちの地元には春夏秋冬叢書という出版社があります。書籍を読み始めてみて、恥ずかしながら自分の住む地域なのに表面しか知らないことに気づかされました。知ることからはじまる、そんな旅の一冊を届けられたらと思います。
形の旅
2008/1/1
推薦書店:正文館書店知立八ツ田店(愛知県)
高度成長期の愛知県に焦点を当てたこの本は、人間の持つ「元気さ」を感じられてとても好きです。地元に密着しつつも本好きの自分たちの色が出せれたら、と売り場作り(まるで畑を耕しているよう)をする毎日です。
愛知の昭和30年代を歩く
2022/1/12
西日本の店舗については、こちらの記事で紹介します。
最後に、フェアを開催している銀座 蔦屋書店のご紹介です。
本を介して「アートがある生活」を提案する書店として、アートブックを中心に専門性の高い書籍を集約した書店です。書籍ゾーンのほか、イベントスペースやギャラリーも併設されており、書籍だけでなくアーティストの作品も販売にも力を入れています。
2023年3月末まで、開業5周年を記念した企画「GINZA 5th ART SELECTION」を展開中。展覧会企画メンバーが総勢60名を超えるアーティストをご紹介しオンラインで作品を販売するイベントを開催しています。
「御書印」フェアの開催期間は2023年4月12日(水)までの予定。ご来店の際はぜひ銀座 蔦屋書店の公式サイトや、公式Twitterで詳細をご覧ください。
昨年のフェアについては、こちらの記事で紹介しています。
銀座 蔦屋書店の御書印フェア/書店のフェアに会いに行こう【第1回その1】北海道・東北編
ホンシェルジュの新たなコラム「書店のフェアに会いに行こう」では、書店員さんへのインタビューを通じ、書店の店頭で開催されるフェアの魅力をまるごと紹介します。 初回お話を伺ったのは、「御書印フェア」を開催中の銀座 蔦屋書店。全国60店舗以上の書店による選りすぐりの本が、銀座に大集結しました。北海道・東北地方の書店によるおすすめ本を、実際のPOPコメントとともにお楽しみください。
銀座 蔦屋書店の御書印フェア/書店のフェアに会いに行こう【第1回その2】関東編
ホンシェルジュの新たなコラム「書店のフェアに会いに行こう」では、書店員さんへのインタビューを通じ、書店の店頭で開催されるフェアの魅力をまるごと紹介します。 初回お話を伺ったのは、「御書印フェア」を開催中の銀座 蔦屋書店。全国60店舗以上の書店による選りすぐりの本が、銀座に大集結しました。まずは関東近郊書店のおすすめ本を、実際のPOPコメントとともにお楽しみください。
銀座 蔦屋書店の御書印フェア/書店のフェアに会いに行こう【第1回その3】中部・東海編
ホンシェルジュの新たなコラム「書店のフェアに会いに行こう」では、書店員さんへのインタビューを通じ、書店の店頭で開催されるフェアの魅力をまるごと紹介します。 初回お話を伺ったのは、「御書印フェア」を開催中の銀座 蔦屋書店。全国60店舗以上の書店による選りすぐりの本が、銀座に大集結しました。中部・東海地方の書店によるおすすめ本を、実際のPOPコメントとともにお楽しみください。
銀座 蔦屋書店の御書印フェア/書店のフェアに会いに行こう【第1回その4】西日本編
ホンシェルジュの新たなコラム「書店のフェアに会いに行こう」では、書店員さんへのインタビューを通じ、書店の店頭で開催されるフェアの魅力をまるごと紹介します。 初回お話を伺ったのは、「御書印フェア」を開催中の銀座 蔦屋書店。全国60店舗以上の書店による選りすぐりの本が、銀座に大集結しました。この記事では西日本の書店によるおすすめ本を、実際のPOPコメントとともにお楽しみください。
本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~
ホンシェルジュでは書店オリジナルのフェアを「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名。 本屋さんへの取材を通してフェアのテーマや選書を紹介、アーカイブ化する特集です。 ぜひお気に入りの本屋さんを見つけてください。