5分でわかるバビルサの生態！！バビルサは自分の牙で死ぬ？！

イノシシ科バビルサ属のイノシシによく似た動物で、インドネシアのスラウェシ島周辺の島に生息しています。

雄は、体長約100cm、大きい個体になると体重は100kgになります。雌では、雄よりもひとまわり小さいです。四肢は細長く、尾も長めとなっています。

バビルサという名前の由来は、豚と鹿を交ぜたような生き物という意味からインドネシア語やマレー語で、バビが「豚」を意味し、ルサが「鹿」を表します。

現在は、乱獲や駆除、森林伐採によって生活圏の減少からバビルサ自体の個体数も減少していると言われています。

泳ぐことも確認されていて、島から島まで上手に泳ぎ渡ることもできるほどだそう。

バビルサが牙を持つ理由とは？

バビルサの一番の特徴であるのがオスのみに生える「牙」です。

バビルサには上あごと下あごそれぞれから生えた２対の牙、計４本の牙があります。

これは下顎の牙が鼻の根元すら貫通して上に伸びるだけでなく、上顎の犬歯までもが顔の皮膚を突き抜けて、上向きに伸びています。

この4本の牙は、大きく反り返り、その牙は自分の頭の方に一生伸び続けます。

通常のイノシシにもある生え方ですが、バビルサにおいては異様な長さになります。

バビルサがこのような特殊な牙を持つ理由バビルサのオス同士の喧嘩は相手の牙を折ることで、メスを奪い合い、そして他の競争相手を減らす意図があるということが分かっています。

そして、結果的に伸び続ける牙が長い個体ほど多くのメスと交尾する機会が多いという事から、牙はオスのメスへのアピールになっていると考えられています。

バビルサは自分の牙で死ぬ？

牙は伸び続けますが、ほとんどの個体の牙はカールすることで脳天に刺さることなく伸びていきます。

以前はその牙がどんどん成長し、自分自身を貫いて死ぬと考えられていて、「自らの死を見つめる動物」などと言われていましたが、実際に牙が刺さったことが死因につながるケースはほとんどないと考えられています。

また、牙が折れる事は珍しいことではなく、オス同士の戦い以外にも、下顎の牙を木の幹や岩に擦りつけたり、マーキング行動のなかでも折れることがあるそうです。　

バビルサが食べるパンギノキとは？

バビルサは雑食性で、そのなかでも好んで食べるのが「パンギノキ」という植物です。

1日に1～2個食べるだけでその日の栄養を賄えるだけの高い栄養価があると言われているのですが、その一方でパンギノキは新芽や葉に毒を含んでいます。（食べると頭痛やめまい、嘔吐などの中毒症状を起こすと言われています）

バビルサは特別パンギノキに対しての解毒能力を持っているわけではありません。スラウェシ島は火山が多く、温泉が湧き出ているため、その温泉に含まれる特有の解毒作用が入ってる水や泥を食べて中和させています。（泥は体についた寄生虫を取り除くためにも利用されます）

パンダ（笹）やコアラ（ユーカリ）のように他の生き物との生存競争のなかで編み出した工夫といえます。

ちなみに現地の人々もパンギノキを食べることがありますが、しっかりと毒を中和してから食べるそう。

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今回はバビルサの生態についてご紹介しました。不思議な生態の多いバビルサだは、他の野生生物たちと同じく絶滅の危機に瀕していると言われています。日本で見ることはできませんが、このような生き物がいることをぜひ覚えていていただけたらうれしいです。