人気漫画『進撃の巨人』の世界では、巨人の力を継承した者は13年で寿命を迎えると言われており、エレンが継承した時期から換算すると、その寿命の期限はもう迫ってきているはずです。ここで改めて、エレンの身の回りや彼自身について考察してみましょう。
諫山創原作による漫画『進撃の巨人』は様々な伏線が回収されはじめると同時に、新たな謎も浮上しています。
巨人を継承できるのは「ユミルの民」や「悪魔の末裔」と呼ばれているエルディア人のみですが、巨人の力を継承した者の寿命も13年ほどと言われています。
主人公エレン・イェーガーも「進撃の巨人」と「始祖の巨人」を継承した一人ですが、そろそろ寿命も近いと推測されているので、今一度エレンを振り返りながら考察していきたいと思います。
- 著者
- 諫山 創
- 出版日
- 2010-03-17
調査兵団第104期生のエレン・イェーガーは、父グリシャから「進撃の巨人」と「始祖の巨人」のふたつを継承した、自由のために戦う兵士です。
トロスト区攻防戦でアルミンを庇って巨人に捕食され、その後巨人と化して壁内を震撼させました。調査兵団のリヴァイ兵士長の管理の下、兵士としてライナーやベルトルト、アニらと交戦し、壁内の平和にも貢献しました。
22巻での、ウォール・マリア奪還後に向かった初めての海では、海の向こうの敵をすべて殺せば自由になれるのかという描写以来、姿は見せていません。23巻では、マーレ国を主体に描かれていますが、ライナーの後をつける人物が、エレンではないかという考察もあがっていました。
エレンが巨人の力を継承してから数年、そろそろ寿命ではないかと、まことしやかに囁かれていますが、エレンが継承した力は2つ。1つに対して13年の寿命だとしたら、エレンは26年になるのでしょうか?
その辺りも含め、エレンとジーク、ミカサとの関係や、父グリシャについても考察していきます。
まず、巨人の力を継承した者は、ユミルの呪いによって、継承してから13年の寿命しかないとされています。エレンは、父グリシャから「進撃の巨人」と「始祖の巨人」を同時に継承したという形になっていますが、エレンが力を継承したのは845年のことです。
23巻ではすでに854年の背景が描かれているので、実に9年の時が流れているということは、少なくともあと4年しか残っていないことになります。
22巻でエレンが、クルーガーの言葉を代弁したグリシャの言葉を語っていたとき、このように言っていました。
「13年は始祖ユミルが力に目覚めてから 死ぬまでの年月に相当する時間だと」
「その時が近付けば体が衰え…器はその役割を全うする」(『進撃の巨人』22巻から引用)
17巻70話ではエレンも鼻血を出しています。その時は巨人の力を酷使し過ぎたという理由でしたが、刻一刻と寿命が近付いていることには、変わりはありません。
また、エレンだけは巨人の力を2つ継承していますが、1体が13年の寿命というわけではなさそうなので、何体継承していようとも、呪いは呪いとして13年の寿命しかないのではないでしょうか。
エレンの寿命が、現時点で4年しかないとすると、何か無謀な作戦に出るとも考えられますね。23巻のライナーの後をつける人物がエレンだとすると、事を起こすためマーレに潜伏している可能性もありますね。
次に、エレンが巨人化したときの能力について説明していきましょう。始祖の巨人の能力は、巨人を操る能力ですが、これは王家の血を引く者でないと、真の力を発揮できないと、16巻でロッド・レイスが語っています。それなのに、12巻(50話)でエレンがカルラ・イーターの手のひらに「ペチン」として、発動されていました。
このことは、離れたライナーやベルトルト、ユミルにまで電流が走ったようにビリビリきていましたね。周りにいた無知性巨人が、一斉にカルラ・イーターを捕食し出して、危機を脱したという場面ですが、なぜエレンが発動できたのかまでは明かされていません。
また、17巻67話では奇行種となったロッド・レイスに、カルラ・イーターと同じ方法を試しましたが、発動されていません。このことから、発動には一定条件があるようです。ふたつの違いを比べてみると、50話ではミカサが近くにいたことと、直接カルラ・イーターに触れていたことに対し、67話ではそのどちらも該当しません。
しかし、巨人化したアニと対峙したときは、アニは接触せずに叫んで巨人を呼び寄せていたので、ミカサが王家の血と、何らかの関係があるのかもしれませんね。またこの他にも、始祖の巨人には記憶改竄の能力がありますが、今のところエレンはその力を発動していません。
23巻時点で確認されているエレンの能力は、「硬質化」と「硬質化による攻撃」、王家の血を引く者が近くにいると、発動されるであろう「叫びの力」ということです。
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エレンとミカサが、今後どうなっていくのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。二人はお互いにどう思っているのか、これまでのシーンを復習しながら考察してみます。
まず、ミカサのエレンに対する思いは、これまでの描写で見る限り、大切な存在であることには間違いありません。果たしてそれが「友人」としてなのか、「家族」としてなのかと検証していきたいと思います。
これまでにもミカサは、エレン絡みのことで我を忘れた行動が、しばしば見受けられていますね。リヴァイ兵長に対しても、平気で「チビ」といってしまうような……。3巻のトロスト区奪還作戦では、兵団のイアン班長の「恋人を守るため…」という言葉に「家族」と答えていました。
また、7巻ではリヴァイ兵長に「お前の大切な友人だろ」と聞かれたときにも、ミカサは「ちがう私は」と独り言を言っています。ミカサにとってエレンは、「友人」でも「恋人」でもなく、自分のすべてなのかもしれません。
12巻では、エレンに対するミカサの思いの全てがわかるシーンがあります。
「私と…一緒にいてくれてありがとう 私に…生き方を教えてくれてありがとう ……私にマフラーを巻いてくれてありがとう…」(『進撃の巨人』12巻から引用)
両親を失ったミカサに、生きることを教えてくれたエレンは、友人とか恋人とかという次元のものではないことが、分かるのではないでしょうか。
では、エレンはミカサのことをどう思っているのでしょう。エレンからミカサへ恋愛感情を抱いているような描写は見られませんよね。また、エレンはずっとミカサに守られっぱなしなので、いつかは守る側になりたいと思っているのです。
母親並のミカサの過保護さには、さすがのエレンも鬱陶しく感じていたこともありました。しかしエレンは、自分の不甲斐なさをミカサに埋めてもらっていたようで、情けないと思っていたのです。だからこそ、ミカサに対して反抗していたのでしょうね。
エレンがミカサを好きかどうかは、「守る側になりたい」と思っている時点で、すでに決まっているのではないでしょうか。
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名前:グリシャ・イェーガー
出身:レベルオ収容区
職業:医者
グリシャ・イェーガーは、マーレ国で生まれ育ったユミルの民(エルディア人)。エレン・クルーガーから「進撃の巨人」の力を継承し、ある目的を達成するため、マーレから壁内に逃げ込んできました。
その後、フリーダ・レイスから「始祖の巨人」の力を奪い取り、845年には「進撃の巨人」の力と共に、息子のエレンに託しています。
マーレ国のレベリオ収容区で生まれ、診療所の医師だった父親の跡を継いだ18歳の頃。診療所に来たグライスという青年に誘われ、エルディア復権派のメンバーに加わりました。
その後、復権派の間で、始祖の巨人奪還計画が浮上すると、幼いジークにエルディアの未来を託しつつ、マーレの戦士になるよう仕向けたのです。ジークにスパイになれということだったのでしょうか。しかし、7歳になったジークの密告により、復権派は全員「楽園」送りになってしまいました。
そのなかで、ひとり生き残ったグリシャは、自分を救ってくれたクルーガーから「進撃の巨人」の力を継承し、「始祖の巨人」を奪還するため、パラディ島へ向かったのです。
22巻では、グリシャがレイス家を尋ねていった様子が、グリシャの記憶として描かれていますが、この時「始祖の巨人」の力をもって、全ての巨人を殺し、壁内人類を救ってほしいという旨を訴えていました。それに対して、フリーダにはセリフもなく無表情のままなので、ここでどういったやり取りがあったのかは不明です。
しかし、その記憶を見たエレンの、驚愕した表情からすると、フリーダから「それがエルディア人の宿命」とか「すべて無くなればいい」などという、意外な返答があったのではないでしょうか。ただ、グリシャはこの時点で、「不戦の契り」によって始祖の巨人の能力が使えない、ということを知らなかったため、奪い取ったということでしょうか。
また、シガンシナ区の自宅の地下室には、巨人や自身に関する手記3冊を残していました。手記には、グリシャの人生や、巨人のこと、海の向こうにある国について綴られていたので、それによって壁内人類の状況が大きく変わっていったのです。
次にエレンとジークの関係について紹介します。ジークはグリシャとダイナの息子で、エレンはグリシャとカルラの息子なので、異母兄弟という関係になりますね。ただふたりの間で違うものは、ジークは王家の血を引く者であるということです。
エレンとジークが初めて顔を合わせたのは、21巻のウォール・マリア奪還作戦決行時で、ベルトルトを取り返しに来たジークが、エレンに話しかけました。
「お前がエレン…イェーガーか?」
「全然親父と似てないな…」
「信じてほしい 俺はお前の理解者だ 俺達はあの父親の被害者…お前は父親に洗脳されている」(『進撃の巨人』21巻から引用)
ジークの顔にはグリシャの面影があり、エレンも思わず「父さん」と呟いてしまったほど。また、いつかエレンを救い出すといいましたが、「救い出す」という発言は、巨人化という責任からなのか、巨人との戦いからなのか、どんな意味があるのかは不明です。
ジークはマーレ側の人間ではないので、一番の目的は今のところ、エルディアの復権ではないでしょうか。そのために始祖の巨人を奪還する必要があり、自分が王家の血筋であることを隠しているのも、巨人を操るためだと考えられます。
しかし、エルディアの復権を一番の目的に掲げるのであれば、グリシャたち復権派を密告したことと矛盾が生じます。子供だったということもあると思いますが、成長していくなかで一番の解決策を見つけたとも言えますよね。
グリシャたち復権派は、エルディアの誇りを取り戻し、かつてエルディアが支配していた世界に戻すための活動をしていました。しかし、寿命がすぐそこまで来ているジークは、自分の命を犠牲にしてユミルの呪いを解き、巨人のいない世界を、作ろうと考えているのではないでしょうか。
だとすると、双方の考え方は異なりますが、兄弟であるエレンの考えはというと、自由を取り戻すために戦うということです。ジークの本当の目的は不明ですが、エレンとジークの思想も違うと考えられるので、最終的にはジークとエレンが対立するか、もしくは手を組むかのどちからに絞られるかもしれませんね。同じ兄弟でも、育ってきた環境や思想が違うので、相まっていくのは難しいのではないでしょうか。
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