黒崎一護(くろさきいちご)とは、久保帯人原作の漫画『BLEACH』の主人公です。オレンジ頭で目つきが悪い彼は、一見、不良と間違われがちですが、誰よりも人にやさしいお人好し。 ここでは10のカテゴリに分けてお人好しな彼の魅力を徹底解明していきます!
漫画「ブリーチ」の主人公、黒崎一護は不良のような見た目ですが、実は根っからのお人好しです。医者の息子というのもあって、人のために尽くすことを厭わないまさに人格者。
大人たちには見た目のことで目を付けられることがありますが、そこは学業成績を上げることでカバー。努力して他人に文句を言わせない姿勢に多くの人が「かっこいい」と憧れを抱いたのでは?
今回の記事ではそんな、見た目と中身のギャップが魅力的な彼を徹底分析してみなさんにご紹介します!
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
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「ブリーチ」の魅力といえば、やはり卍解(ばんかい)ではないでしょうか。
一護たち死神は斬魄刀(ざんぱくとう)と呼ばれるものを一人ひとりが持っています。普段はどれも刀の形状をしていますが、それは仮の姿。実は持ち主である死神の魂を元として作られており、有事の際には、斬魄刀を「始解」と呼ばれる状態にすることで、おのおのの魂にあった能力を解放出来るのです。
そしてこの「始解」が能力解放の第1段階とするなら、その先にある第2段階の状態が「卍解」です。これがめちゃくちゃかっこいい。作中、様々な死神が登場しますが、「卍解」まで使用できるのは、隊長格などのごく限られた死神だけであり、その力を得るためには相当の鍛錬や修行が必要とされています。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2005-10-04
そして主人公である一護も激戦の中で、この「卍解」を使えるようになっていきます。
彼は元々は普通の男子高校生でした。ある時、一護は死神である朽木ルキアが虚(ホロウ)退治をしている場面に巻き込まれてしまいます。死神とは、この虚(ホロウ)と呼ばれる悪霊を討伐し尸魂界(ソウル・ソサエティ)に送る任務に就く者たちのこと。
しかし虚(ホロウ)との戦闘の中、重傷を負ってしまった彼女は、その死神としての仕事を彼に請け負わせるのです。こうして、彼は「死神代行」として死神の能力を得ることとなったのでした。
一護の斬魄刀は「斬月」と呼ばれています。鞘、柄、ハバキ、鍔のない、刀としては不思議な見た目です。刀の持ち手となる部分にはさらしが巻かれているので、彼が斬月を使わないときはこのさらしを刃に巻き付けて鞘の代わりにしています。斬魄刀は「始解」「卍解」と呼ばれる能力開放の段階があると上述しましたが、彼の斬月の場合は常にこの「始解」の状態を保っている珍しいもの。
彼の斬月が「卍解」をした状態が「天鎖斬月(てんさざんげつ)」と呼ばれるもので、能力はもちろん、斬魄刀の形状も、一護の装いも変わります。また、「月牙天衝(げつがてんしょう)」という強力な技があり、刀から霊力(死神が持つエネルギー)を斬撃のように放ちます。
「卍解」にまで達し月牙天衝を編み出すなど相当強くなった一護。しかし、彼の成長は止まりません。後に彼は、斬月と一体化し、月牙天衝を右手から放てるようになりました。これは「無月」と呼ばれ、圧倒的な力を誇ります。
その後、斬魄刀である斬月は、千年血戦編で強敵、ユーグラム・ハッシュヴァルトによって折られてしまいました。そこで斬月を打ち直したことで、「真の斬月」が誕生します。真の斬月は長刀と短刀による、2つで1つの一対型。二刀流の刀です。長刀は、「始解」の段階で「月牙天衝」が放てるという強力さ!
とどまるところを知らない彼と斬月の成長からは目が離せません。
白一護、と呼ばれる存在がいたのをご存知ですか?
一護と瓜2つの風貌をしています。彼は一護の中にある内なるホロウの化身です。
一護の精神世界にいる存在なのですが、対話をするさいは粗暴な言動が見られ、彼に対しても決して優しい態度はとりません。その態度からも白一護は一護のなかのホロウの力の象徴でしかないと思われていました。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2006-12-04
しかし、危機になると一護を守っているのです。
一護が敵を前にして弱ってしまうと、白一護が当人を浸食してホロウ化し、絶大な力をもって敵を圧倒したり、破面編では彼にホロウ化の修行を積ませてその力を増大させる手伝いを行っていました。
一護に死なれてしまったら困るというような発言もしていました。これはわけがありそうです……。
実は、彼こそが斬月の正体だったのです。
では、それまで一護が斬月だと思っていた「おっさん」は?それはまた後ほど説明しましょう!
一護の父親はクロサキ医院の開業医、黒崎一心です。驚異の親バカで、一護を含めた子ども3人を溺愛する様子は「ブリーチ」のなかでも特別コミカルなシーンとして描かれています。
一護が強い霊感があることから「親譲りという言葉もあるし…」と血筋の関係だと考える方もいたのではないでしょうか?
しかし、一心は霊感など一切ないと話していました。登場シーンも少なく、重要キャラには数えられないか……と思いきや!
一心は隊長格の霊力をもつ死神だったのです!
一護の並外れた霊感や霊力は一心から受け継いだものも強いようですね。
一護の母親は黒崎真咲。彼が9歳の時にホロウによって殺されています。黒崎家の中心であったことはもちろん、彼にとっても非常に大事な人でした。
真咲が自分を抱えた状態で死んでしまったことから、一護は家族にとって大事な人を自分が奪ってしまったと考えてもいました。そんな彼女の正体はしばらく明かされていませんでした。皆さんもキーパーソンなのだろうくらいには思っていたかもしれません。
しかし、彼女の正体がまさか滅却師(クインシー)だったとは!
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2013-08-02
クインシーとは、霊力を使いホロウと戦う人間の集団のことで、200年前に死神との抗争に破れ絶滅したと言われていました。実際には生き残りがおり、一護の母もその集団の1人だったのです。
しかもそのうえ、純血統の家系の生き残りでした。これは意外な真実だったのではないでしょうか。
また、クインシーであった黒崎真咲は1護の同級生である石田雨竜の父、石田竜弦と親戚であり、婚約者でした。
そしてなんと、家系図をたどっていくと、石田雨竜と一護ははとこになるのです!驚きの連続ですね。
彼女がクインシーだということ、父親が死神だということ。この2つの事実から、一護はクインシーと死神のハーフだということがわかります。
ここで先ほど解説を先延ばしにした「斬月のおっさん」について補足しましょう。
一護の斬魄刀、「斬月」の本体は白一護でした。しかし、彼に戦い方を教えたり、対話をしていたのは白一護だけではありません。一護が「斬月のおっさん」と呼ぶわかめ頭をした黒ずくめのおじさんもその一人です。
彼は斬月の本体でもあり、千年前のユーハバッハの魂のかけらでもあったのです。ユーハバッハとはクインシーの始祖。つまり、クインシーの力の根源だったのですね。
このことから、浅打から打ち直された斬月が二刀流の刀になったことも頷けます。つまり、クインシーと死神、特性がそれぞれの刀に表れているのです。母親である真咲から受け継いだクインシーの力はこんなところにも影響していたようです。
石田雨竜について紹介した<漫画『ブリーチ』のメガネキャラ・石田雨竜の10の魅力!特技は裁縫!?>もあわせてご覧ください。
織姫は一護の同級生。彼が死神代行になったばかりのとき、彼女の兄の魂がもととなったホロウを魂葬したことがあります。彼女の兄のホロウを倒したことをきっかけに一護と織姫との距離がぐっと縮まりました。
この際、一護の霊力の影響で織姫は特殊な霊能力を持ちます。花の名を持つ妖精のような存在を呼び出し、盾を作る技です。
特殊な力を得た織姫はクラスメイトとしてだけではなく、彼とともに闘う1人の仲間としてともに過ごしていくようになりました。物語が進むにつれて、2人の距離も近づいていくのがわかります。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2007-04-04
織姫が1護の自宅に忍び込むシーンがあります。
一護の寝顔を愛おしそうに見つめる織姫。そしてなんと寝ている彼の唇に、キスまで……。
さらにまた、何回転生しても何度でも一護の事を好きになる、とも断言しています。
ヒロインとはいえ、ここまで好意が膨らむとは読者も想定外だったのではないでしょうか?それでもここまで健気に彼のことを思っている織姫を見ていると応援したい気持ちも膨らみます……!
一護は織姫のそれらの行動に気づいてはいませんが、敵のもとへと行ってしまった織姫を救うべく敵の本陣に向かいます。
織姫の魅力を紹介した<漫画「ブリーチ」のヒロイン・井上織姫の10の魅力!天然さに驚愕!?>の記事もおすすめです。
「ブリーチ」の強敵の1人、藍染惣右介は護廷十三隊五番隊隊長です。護廷十三隊とは、死神たちの実働部隊組織のことであり、その名前の通り13個の隊が編成されています。これらの隊長を務めるもの達は、死神のなかでも選りすぐりの実力者であり、彼もその中の1人です。
そんな彼が、何百年という年月をかけて市丸ギンらとともに尸魂界全体を騙す策略を立てていたのです。この計画の中にルキアの処刑も含まれていました。ルキアが一護と出会うことさえ、藍染による策略の1つだったのです。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2010-12-03
藍染は茶髪でメガネをかけた穏やかな容姿をしており、死神たちからは頭脳明晰で優しい人格者であると慕われていました。
しかし本当の彼は冷酷残忍な性格であり、計画遂行のためならどんな犠牲も厭わない非道な死神でした。
そんな彼の斬魄刀は「鏡花水月」と言います。鏡花水月の始解は見た目に大きな違いはありませんが、見た者全ての五感を支配できる能力を持っています。これはかなり強力な能力でしょう。
実際、尸魂界の死神のほとんどはこの能力の影響下にあり、太刀打ちできませんでした。
一護が藍染と戦えたのは、ほとんど唯一である、鏡花水月の始解を見ていない存在だったからです。
隊長格の死神たちが一護に希望を託し、彼の盾となって藍染と戦う場面があります。
隊長格以上の力を持つ藍染と死神の力を得たばかりの高校生一護。力の差は歴然でしたが、戦闘の最中にも成長を見せる彼の卍解「天鎖斬月」の「無月」によって大ダメージを与え、浦原喜助のあたらしい鬼道による封印をとどめに、藍染を倒すことに成功しました。
この戦いではたくさんの死神たちと一護の絆と、彼の心の強さに涙することも多かったのではないでしょうか!
藍染惣右介について気になる方は<『ブリーチ』の最強キャラ・藍染惣右介の10の魅力!ラスボスにして最強!>をご覧ください。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2012-03-02
朽木ルキアと一護は第1話で出会いです。
ルキアが一護に死神としての力を託し、死神の力を失ってしまったため、しばらく空座町(からくらちょう)に居座ることにしていました。
ルキアは死神代行になったばかりの一護に死神としての役割やあり方を指導してくれる存在です。一般人と違って死神は何千年も生きる存在ですから、経験や年齢も彼よりずっと格上と言えます。
そんな姉貴分のはずのルキアですが、少々ポップすぎるところがあり、一護が突っ込み役をせざるを得ない場面が多々でてきます。
たとえばルキアが一護の家を出ていく際に残した置手紙。周りの人間に迷惑をかけまいと気を遣って何も言わずに出ていくルキア。最後に置手紙を残していきます。
そこには一見暗号のように、一度読んだだけでは読み取れない文章が。「ヒント」と書かれたページには熊なのか犬なのか…よくわからないキャラクターのイラストが描かれています。「出てく直前にいらんトンチ憶えやがってーーー!!!」と叫ぶ一護対し、すぐさま暗号を解読してみせます。
「ええい!本文にこんだけ『た』が多いんだから多分『たぬき』だ!!
『た』を消して読むぞ!」
(『BLEACH』7巻より引用)
ツッコミもさることながら、ルキアの考えそうなことを一瞬で考え付く一護に脱帽です……!
ルキアについて紹介した<漫画『ブリーチ』の準主人公・朽木ルキアの11の魅力!かわいい趣味とは!?>もおすすめです。
何か1つのものを護り通せるように、との思いを込めて一護という名前が付けられたとあります。読みは「いちご」です。
しかし、もしかすると一護が「一護」と名付けられた理由はそれだけではないかもしれません。
漫画では何度も15という数字が出てきます。たとえば一護が15と書かれたシャツを着用していたり。一護の象徴として15という数字が使われているようです。この15という数字をほかの言語で言い換えると、驚くべき情報が浮き上がってくるのです。
「ブリーチ」ではいくつもの言語が混在しています。
虚(ホロウ)の読みはスペイン語が使われており、滅却師(クインシー)はドイツ語。
そして一護のなかには白一護がいます。彼は斬月の本体であり、ホロウの力の化身です。
ここでホロウの使うスペイン語で、一護を象徴する15の数字を読み替えてみましょう。
すると、「QUINCE」という表記になります。これがドイツ語を利用するクインシーの「QUINCY」の表記と一文字違いなのです!
ここから、ファンの間では一護という名前そのものに「ホロウでもあり、クインシーでもある」という意味が込められているのではないかと言われています。
- 著者
- 久保 帯人
- 出版日
- 2016-11-04
最後に、筆者が考える一護の名言を5つ選んでランキングにしました!
5位
「『助けてえ』んじゃねえよ!『助ける』んだ!」
(『BLEACH』11巻より引用)
ルキアの処刑に際して彼女を救おうと尸魂界に乗り込み、六番隊副隊長の阿散井恋次の猛攻撃に耐え続けるなかで生まれた名言です。
圧倒的な力でねじ伏せているはずなのに、しぶとく起き上がる一護。あきらめの悪い一護に向けた「そんなにルキアを助けてえか」という恋次の問いに対する応えでした。
どんながけっぷちにいても、護ってみせる……という覚悟と一護なりの責任感が垣間見える言葉です。
4位
「大人数相手のケンカなんてのは…
背中合わせの方が上手くやれるモンだぜ!!」
(『BLEACH』6巻より引用)
一護が石田雨竜に向けて放った言葉です。
雨竜は死神たちが世界を護るためにクインシーを滅亡させたことを理由に、死神を恨んでいました。クインシーの師匠を失ったことで、死神の目の前でクインシーである自分がホロウを倒すということを誓っていました。
しかし、一護は雨竜の師匠が望んでいたことは死神を圧倒することではなく、死神とともに戦うことだったのではないかと言い放ちます。
悲しい歴史を前にしてもそれに流されず、自分の意見をいえる姿。そして前向きに考えられる姿からは偏見を持たない純粋な心さえ見えてきます。
3位
「てめえが俺より強かったら…
俺があきらめると思ってんのか…?」
(『BLEACH』40巻より引用)
これはウルキオラ戦での名言です。
恋次との死闘同様、圧倒的な力の差を目の当たりにしながらそれでもなお立ち上がり続ける一護。ウルキオラは力の差を見せつけるも心の折れない一護に疑問を抱きます。
そんな彼に対して一護の放った言葉が上のセリフです。最初からウルキオラのほうが自分よりずっと強いことなど知っている。そう断言しながらも敵に立ち向かう姿から、本当の強さとは一体なんであるのか考えさせられますね。
2位
「兄貴ってのが…どうして一番最初に生まれてくるか知ってるか…?
後から生まれてくる弟や妹を守るためだ!!」
(『BLEACH』1巻より引用)
織姫に向かって、ホロウになってしまった織姫の兄が「殺してやる」と言い放った場面です。
一護にとって家族は守るべきもの。彼にとって一番大切にすべきと考えられるものが目の前で無碍にされたことが許せなかったのでしょう。 まさに一護の逆鱗に触れた場面でした。
1位
「あいつはずっと心のどこかで
ただの『死神』になりたいと願ってたんじゃねえのかな」
(『BLEACH』48巻より引用)
一護が藍染を倒した直後のセリフです。
部下のことも計画遂行のための駒としか考えない冷酷非道な強敵。そんな相手にも思いやりの言葉を心の底から発せられる。敵や味方といった枠組みにとらわれず、関わった相手を尊重することができる心こそ、一護の魅力だと感じる場面です。
『BLEACH』に登場するキャラクターの強さをランク付けした<【再アニメ化】漫画『BLEACH』(ブリーチ)最強ランキング!藍染は3位!>の記事もおすすめです。一護は何位にランクインしているのでしょうか。
ここまで読んでくださりありがとうございます。一護の魅力は伝わったでしょうか?
イレギュラーな生い立ちと、彼ならではのやさしさや誠実さが伝わっていれば、「ブリーチ」原作を読みたくなること間違いなし!でしょう!