寺田寛明のどる×こみ!【連載第6回】

1からの人もいきなり神髄へ!本格HIPHOP漫画×アイドル

どうも、道玄坂のライブハウスに行こうとしてるのに銀座線を使ってしまったことで渋谷駅の変な場所におろされてタイムロスが生じ、イベントの開場時間に間に合わないアイドルオタクです。

半年やらせて頂いたこの、寺田だけが大喜びしている連載も今回がラストということで、好きな漫画とアイドルを同時に紹介させて頂きたいと思います。

 

本日ご紹介する漫画は「週刊SPA!」で連載中『少年イン・ザ・フッド』です。

ヒップホップ漫画なのですが、コンセプトは「昨今のミーハーなMCバトルブームに終止符を打つ、リアルでアンダーグラウンドでハードコアな青春グラフィティ巨編」。

描いてるSITEさん自身がラッパーで、PUNPEEの「タイムマシーンにのって」などヒップホップ作品のMVを監督するなど、どっぷりHIPHOP文化に浸かってきた方なのですが、

 

もうコンセプト通りの内容で、「SPA!」とかじゃないと載せられないだろうなという感じで長めの尺使ってドラッグでキマる様子を描いたりするんですけど、「料理してる?」と思うくらい描写が丁寧です。

『少年イン・ザ・フッド』1巻

 

リアルなアンダーグラウンドの中で少年がHIPHOP文化に目覚めていく様子は、登場するアイテムが多少ダークではありますが立派な成長物語として楽しめます。

HIPHOPの歴史を交えつつ、ラップだけじゃなくミックステープやグラフィティといった全体的な文化を描いていて勉強になります。正直、僕程度の知識では拾いきれないほど小ネタが散りばめられていて好きな人ならもっと楽しめるんだろうなと思います。

小ネタがどういう感じで散りばめられているかをお笑いファンに向けて説明すると、各話のサブタイトルが「不思議な国のニポン」とか「バニー部」になっていたり、なんてことない背景の中に「クプクドゥブフ」とか「なん れ」とか書かれていたり、普通に本人役としてきたろうが出てきたりする、みたいな事のHIPHOP版が大量にあります。

『少年イン・ザ・フッド』1巻
著者
SITE(Ghetto Hollywood)
出版日

 

さて、そんなHIPHOPを源流から学べる『少年イン・ザ・フッド』と一緒にご紹介したいのが、進化を続けるHIPHOPアイドル達です。

最終回にしてまったく1組に絞れませんでした。アイドルラップが大好きなんです。

アイドルラップの始祖であり代表格が「lyrical school」通称リリスクです。

アイドルラップって昔は「べつにラップそんなにうまくないけど女の子がかっこいいビートでラップやってるのっていいよね」みたいな感じだったんですけど、最近はみんなスキルが上がりまくっててかなり本格的になってます。世代的にヒップホップが普通に耳に入るようになってきてるんだろうなあと思います。

現在のリリスクは振り付けをつけずにライブ中それぞれが自由に動き回るというスタイルで、見るたびにやることも違うしステージのいろんなところでいろんなことしてて目がいくつあっても足りんという感じなのですが、そういったアイドル的な側面だけでなく曲もスキルもどんどん新しい物を見せつけられて、アイドルラップという枠自体がどんどん広がっていると感じさせられます。

 

ラップスキルの高さでいうと「hy4_4yh」(ハイパーヨーヨ、通称ハイパヨ)も見逃せません。

ハイパヨは先日のテレビ番組『フリースタイルティーチャー』での強すぎるバトルも記憶に新しいです。

『蓮等-hustler-』は長く続けてきた人たちのリアルという感じの歌詞にグッときます。RHYMESTER主催のフェスに出れたときに披露した『人間交差点 午前10時40分』とセットで聴いてほしい曲です。

 

まだまだいます。

リリックをすべてメンバーが自分たちで書いている「O'CHAWANZ」(オチャワンズ)。

こちらはゆったりとした曲調が多く女性も聴きやすいのではと思います。

激しいライブではないぶんずっと聴いてたいと思わせるラップをするのでもっとアイドルラップ好きに騒がれてほしいです。

 

「SZWARC」(シュワルツ)。

もともと校庭カメラガールをやられていた運営の方が新たに発足したグループですが、ひじょーうにオシャレでかっこいいラップですこれは。ヤバい。

Satie Exchangeさん、Selected Yuriさんと、新メンバーのRisky Heartbreakさん(どういう名前?)が加入されて、何をするかわからない妙な雰囲気があってかなり生で見てほしいです。

 

楽曲のおしゃれさでいうと「おーるどにゅーすぺーぱー」も。

元ライムベリーの子がいます。

今っぽくておしゃれでかっこいいラップです。

 

そしてそして、ここからは告知なのですが、こんなただのオタクである僕がアイドルさんを呼んでイベントをさせていただけることになりました……!

 

7/8(木)開場17:00 / 開演17:30

LOFT9 Shibuya

「寺田寛明の職権濫用~第一科~」

 

【ゲスト】963、MIC RAW RUGA(labolatory)

【MC】寺田寛明、Yes!アキト

 

この2組はほんとうに間違いないです。見たら絶対楽しいのでアイドル少し興味あるけどなかなか足を運べないという方はこの機会にぜひご覧になってほしいです。配信もあります。ほんと、見てください……。

ちなみに963(くるみと読みます)さんだと『lumen』という曲が1番好きで、MIC RAW RUGA(labolatory)(マイクロウルーガ・ラボラトリー、通称マイクロウ)さんだと『dog kawaii』をとりあえず聴いてほしいです。

チケットの詳細は<LOFT9 Shibuyaスケジュール>からどうぞ。

 

長くなってしまいました。半年間こんな自由な連載を書かせてもらえて本当に楽しかったです。

このコラムのおかげもあって「寺田寛明の職権濫用」をやらせて貰えることになりました。

ステップアップです。まじでドキドキが止まりません。ちなみにタイトルはBEYOOOOONDSの『文化祭実行委員長の恋』という曲から取りました。今後も好きなアイドルや本があればnoteなどで勝手に紹介していきますのでよろしくお願いします。ありがとうございました!!!


編集追記(編集者より)

半年間、一度でもこの連載を読んでくださった皆さま、そしてこの企画に乗ってくださった寺田寛明さん、マネージャーさん本当にありがとうございました!

編集者自身はまったくアイドルに興味がありませんでした。毎回、「漫画紹介の分量よりもアイドルの分量の方が長いのでは……」と思っていました(笑)。しかし「なにか人を楽しませたい」と大人があれこれ真剣に考えて生み出したエンタメはいつでもかっこいい。調べているうちに、アイドルのファンの方が撮影したライブ動画の迫力や楽曲の幅広さに驚きを持っていました。

芸人、漫画、アイドル、どのジャンルのファンの方が読んでもそんな発見のあるコラムになっていたらいいなと思います!

またホンシェルジュでは芸人の方に協力いただく記事や企画を思い付きで始めるかもしれません。その時はホンシェルジュTwitterにて発信しますのでぜひよろしくお願いいたします!今読んでおいて損はない漫画の情報も時々つぶやいています。

寺田寛明さんのnote寺田寛明さんのTwitterをこれからもチェックして、今後の寺田寛明さんも応援しましょう。

過去のどる×こみ!はこちら。

寺田寛明のどる×こみ!【連載初回】

寺田寛明のどる×こみ!【連載初回】

正統派のフリップ芸、現役塾講師、大喜利の人……。「寺田寛明」と聞いて、あなたはどんな人物が浮かぶでしょうか? 若手ライブシーン再注目のピン芸人である彼ですが、この連載では【ちょっと文章がうまいアイドルオタク】!それ以外の寺田寛明は忘れていただいて結構です! あの漫画や小説の世界観を人に伝えるとしたら?現場で培った豊富なアイドル知識を活かして、登場人物を実在のメンバーで例えながらその魅力をお伝えしていきます。

寺田寛明のどる×こみ!【連載第2回】

寺田寛明のどる×こみ!【連載第2回】

祝・R-1グランプリ2021決勝進出決定!寺田寛明さんを応援してきたファンの皆さまや、ともにライブシーンで活躍中の芸人の方々にとっても嬉しいニュースが飛び込んできました。注目の決勝戦は3月7日です。 この連載では、そんな寺田さんの趣味である【アイドル】を【漫画】と掛け合わせながら語っていただきます。フリップ芸人としての活躍とはまったく違う一面をお楽しみください!

寺田寛明のどる×こみ!【連載第3回】

寺田寛明のどる×こみ!【連載第3回】

R-1グランプリ2021決勝、最下位でブレイク!大舞台でそんな奇跡の爪痕を残したピン芸人・寺田寛明が、新規ファンの方を完全に置き去りにして語り続けるこのエンタメコラムも第3回目となりました。 今回は、「日常系漫画」とかけて「ローカルアイドル」と解きます。その心とは……?

寺田寛明のどる×こみ!【連載第4回】

寺田寛明のどる×こみ!【連載第4回】

【売れてない芸人(金の卵)シリーズ】から電子書籍『青インク ~R- 1グランプリ 2021 ファイナリストのリアルタイム日記も収録~』を出版した寺田寛明さん。そちらも色々な一面を知ることができる1冊になっていますが、当連載では「アイドルオタク」としての寺田さんについでに漫画も紹介してもらっています!

寺田寛明のどる×こみ!【連載第5回】

寺田寛明のどる×こみ!【連載第5回】

自らもアイドルオタクとして【ファン心理】を誰よりも心得るマセキ芸能社所属のピン芸人・寺田寛明によるコラム、どる×こみ!全6回のこの連載もいよいよセミファイナルです。 ここ1か月を振り返り、「大喜利とアイドル現場に行く」しかしていないという寺田さん。それ以外は…?と伺ったところ、いろんな柄シャツを買ったそうです。夏がもうすぐですね。

 

 

この記事が含まれる特集

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る