黒歴史と言えるような時代が僕にもありました

おはようございます。

ねじ穴隠しのシールをどこにやったか探しているところすいません。

真空ジェシカのガクです。

一旦これ読んで、落ち着いてからシール探すのはどうでしょうか。

(朝一で組み立て式の本棚を作ってる人用の挨拶しか用意できませんでした。ごめん。)

 

こちらはガクが好きな漫画を紹介しながら昔を思い出したりするコラムです。

よろしくお願いします。

今回は『惡の華』です!

 

押見修造先生の漫画めちゃ好きなんです。

誰の心の中にもあるイヤ〜な、

クセ〜し汚ネ〜から隅っこに追いやって無かった事にしてる感情にライトを当ててるような。そんな漫画が多いです。

心の触って欲しくない部分を思いっきり握られてる気持ちになるんです。

 

『惡の華』は、大人しい中学生の春日くんが、好きな女子・佐伯さんの体操服をつい盗んでしまい、

それをクラスメイトの仲村さんに見られてしまう所から始まります。

仲村さんは、体操服の件を秘密にする代わりに言うことを聞くようにと春日くんを脅して、

恥ずかしい事をたくさんさせているうちに色々な歯車が狂っていく、というようなお話です。

著者
押見 修造
出版日
2010-03-17

 

登場人物はみんなめちゃくちゃ思春期で、痛々しくて中二病丸出し。

何かしたわけじゃないけど「自分は他のやつとは違う」と思っているような。

黒歴史的な記憶がある人には刺さるんじゃないかなと思います。

 

むず痒くて恥ずかしい気持ちにもなるんですが、

こじれた気持ちを惜しみなく放出できる事にどこか羨ましさも感じました。

僕は鬱屈した気持ちとかを表に出すことはあんまりできなかったので。

 

でも僕にも黒歴史と言えるような時代はありました。

中学時代の3年間がそうです。

学校が終わると友達と遊んだりせずにすぐに家に帰って、

インターネット上にいる顔も名前も知らない友達とチャットで夜中までお話をする日々を送っていた時期がありました。

 

現実の友達よりもインターネットの友達と話している方が楽しかったんです。

容姿も、勉強できない運動できないとかも関係ないし。

喋りながら顔色気にしなくていいし。

みんな拗らせてるから、みんな個人ホムペ作ってポエムとか書いてるし。

キリ番踏んだらBBSに報告してくれるし。

 

僕が中1のとき中3だった★レックス☆とか、小6だった*結梨*とか元気してるかなあ。

年齢も自称してただけだから実際はどうだったかわからないけど。

39歳の男が小6女子を名乗ってチャットしてた可能性も余裕である。

 

でも実際に会った人もいました。

チャットしている中で出会った一個上の女の子と仲良くなって、メルアドを交換しました。

四国に住んでる(と言っていた)女の子。

クラスメイトの女子は一人も連絡先を知らなかったので、メールするだけでも死ぬほど興奮してました。

ボタンへこむくらいセンター問い合わせを連打した。

 

けどそれだけに留まらず電話なんかもしました。

はじめての女の子との電話で、はじめての方言。

それまで異性と向き合う機会もなく、異性に向けた感情というのがちゃんと芽生えた事がなかったので、戸惑いました。

簡単に好きという感情にする事もできたんだと思うんだけど、インターネットの向こう側の人にそういう感情を向ける事の気持ち悪さは持ってて、恋愛とかには発展しませんでした。

 

そして高校に入ってチャットはやらなくなります。

僕はギリギリ高校デビューして、クラスに友達ができるようになります。

高2で初めて彼女もできます。

けど、周りに恋愛に関して相談できる人がいなくて、僕はチャットの女の子にメールで相談してました。

顔も素性もわからないから相談しやすいんです。

 

それから大学時代も、年に2.3回メールをする関係性が続いて僕は芸人になります。

ある日、チャットの子から、東京に遊びに行くからライブを見に行きたいと言われました。

四国に住むチャットの子が、人力舎の事務所ライブのバカ爆走に来ました。

そしてその後新宿のお好み焼き屋さんで待ち合わせをして飯を食うことに。

知り合って10年の初対面です。

実在してました。本当に僕と歳が近そうな、清純そうな、真面目そうな女の子でした。

 

芸人になったばっかりの僕には、ちょっと下心もありました。

ネットで出会った女の子と10年越しの初対面ってなんかいいし。

女の子は東京のホテルに泊まってるし。

過ちが起こってしまっても全然アリだなと思っていたら女の子が僕にホテルまで送ってほしいと言ってきます。

 

これはそういう夜になるかも!!と期待しながら新宿から高田馬場のホテルまで歩きました。

結構な距離ある。

その結構な距離の間で、すごくピュアな女の子と話しているうちに、僕の心の中の悪い気持ちは浄化されてったというか、やましい気持ちをもってるのが恥ずかしくなりました。

その日は結局ただホテルまで送り届けて帰ります。

純粋な恋に発展するとかもなく。

そっからそんなに連絡もとらなくなります。

 

その数年後、僕は新宿のJR南口のところにいました。

するとチャットの女の子からラインが一年ぶりくらいに届きました。

「今新宿の南口にいるでしょ」と。

ラインが来た事自体びっくりなのに、東京にいるとは思ってないし、近くにいるの!?と動揺しつつも辺りを見回します。

恐らく、恐らくその子であろう女の子を見つけました。

男と二人で歩いていました。

 

そして、僕もその日は彼女と待ち合わせをしていました。

お互い、存在の確認だけをして話しかけたりはしませんでした。

ずっと、二人の関係が交わった事は無かったんですが、そこで関係が終わったような気がしました。

 

惡の華的な話ではなくて、僕の中の秒速5センチメートルの話になってしまいました。

これは黒歴史というか、誰かに話したいけど長くて、大きな展開もオチもないからあんまり話せないはなし。

コラムを利用して書かせてもらいました。

あざます。


 

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「岳漫読」は6回限定連載、毎月第3土曜日に更新予定です。更新のお知らせはホンシェルジュTwitterをご覧ください。ご感想は「#岳漫読」でお待ちしています!

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