隙間時間に気楽に読もう 男子高生の日常を描いたマンガ

更新:2021.12.1

新しい年度も始まって何かと忙しい春。ちょっとした隙間時間に、頭を空っぽにして気軽に楽しめる、日常系マンガはいかがでしょう? 今回は数ある日常系マンガの中から、男子高生が活躍したりしなかったりする4冊を紹介します!

ブックカルテ リンク

男子高生×駄菓子

最初に紹介するのは、駄菓子と夏休みの雰囲気がどこか懐かしい『だがしかし』。駄菓子屋の1人息子・ココノツが、大手菓子会社の社長令嬢・ほたる達とくり広げる駄菓子コメディです。

毎話毎話、懐かしの駄菓子が登場するのが今作の最大の特徴。あの頃と変わらない姿で売っている駄菓子から最近の駄菓子まで、そのうんちくの幅はとっても広くて、そうだったのか! と思わされることもしばしば。個人的に懐かしすぎて悶えたのは、「プチプチうらない」というチョコレートでしょうか。小学生の頃によくプチプチしてました。今でも売ってるとは思いもよらず。物語の季節は夏休み。駄菓子というアイテムも相まって、ノスタルジックな空気が徐々に濃くなってくる雰囲気も楽しめます。懐かしい気持ちを思い出させてくれる1作です。


『だがしかし』については<『だがしかし』はただの駄菓子漫画じゃなかった!?【11巻ネタバレ注意】>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

著者
コトヤマ
出版日
2014-09-18

男子高生×放課後の河原

次に紹介するのは、放課後の河原が舞台の『セトウツミ』。男子高生2人がただしゃべっているだけなのになぜか面白い。タイトルの『セトウツミ』は、主人公の瀬戸と内海の2人の苗字からです。

この作品、全話通して、瀬戸と内海が河原でしゃべっているだけです。関西弁でひたすらしゃべっているだけ。なのに構成がとっても巧みで、毎話毎話オチではクスりと笑えます。漫才とか会話劇とか、そういう台詞だけで見せるお話をマンガでやってのけてるんですね。小説を書いている身としては、河原でババ抜きしてるだけなのにそういう方向にもってくのか! みたいな感じで面白いを通り越して目からウロコです。顔も名前も左右対称である田中真二くんとか、バルーンアーティストのピエロ・バルーンさんとか、個性の強烈な脇役が多くて飽きさせないのも嬉しいですね。

著者
此元 和津也
出版日
2013-12-06

男子高生×潔癖症

今度は、同じ放課後でも部活を中心に描いた『潔癖男子!青山くん』。サッカー部のエースが主人公です。青山くんはサッカー日本代表にも選ばれるサッカー部のエース。カッコよくてファンもとっても多いのですが、タイトルのとおり極度の潔癖症。ヘディングやタックルなど、体が汚れるプレイをとことん嫌います。手を使わなくていいからサッカーを始めた、という理由はさすがです。「敵に触れられないように距離を保つプレイ」みたいな解説が真面目にされてて笑えます。

私は運動部にいたことなどなく、サッカー部ものとかどうかなと最初は思っていたのですが、ふわっとした雰囲気なのでサクサク読めました。潔癖ゆえに人と距離を取っているようで、実は仲間思いだったりもする青山くんが微妙にかわいいのもポイントです。

著者
坂本 拓
出版日
2015-01-19

男子高生×マイペース

最後に紹介するのは、野球部のエースが主人公の『湯神くんには友達がいない』。ここ数年に読んだ中では、最も推したいマンガの1冊です。「友達がいない」なんてタイトルだと、1人ぼっちの主人公が友達を作っていく話かと思いませんか? ところが、今作の湯神くんは違います。野球部のエースであるにもかかわらず、強固な意志でもって友達を作らないのです。人間関係に疲れたときに読むと、湯神くんの鋼のメンタルに尊敬の念すら抱きます。

こんな風にどこまでも我を貫くマイペースな湯神くんに、あくまで普通な周囲の人たちが振り回されていくのが基本的なストーリーです。湯神くんにイライラさせられることでつい地が出てしまい、トラブルになってしまうキャラが多いのが印象的。イライラしたときこそ人間の本性は出やすいじゃないですが、こういうのありそう! という人間心理の妙なリアリティも面白さの1つ。私が気に入っているエピソードは、7巻の修学旅行編。なぜか京都で遭難する湯神くんのグループの顛末に注目です。

著者
出版日
2012-11-16

1話完結が多いマンガばかりなので、隙間時間でも気軽に読めます。ちょっと息抜きしたいときに、笑えるマンガはいかがでしょう?

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る