加藤清史郎の子役から現在までの出演作一覧!実写化した映画テレビドラマの原作も解説

更新:2021.11.15

加藤清史郎といえば子役時代の愛くるしい姿を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。あれから月日はたち、2020年現在は若手イケメン俳優として注目を集めています。こちらの記事では、加藤清史郎が出演したテレビドラマや映画のうち、原作付きの作品を中心に随時更新でご紹介。役柄だけでなくプロフィールや魅力にも迫っていきます。

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加藤清史郎のプロフィールを子役時代から紹介!

まずは詳しいプロフィールをご紹介していきましょう。加藤清史郎は2001年8月4日生まれ、2020年現在19歳です。神奈川県出身、身長163㎝。芸名ではなく本名で活動をしています。生後2か月の時に劇団ひまわりに所属し、1歳1か月で芸能界デビュー、CMなどに出演します。

2009年放送の大河ドラマ『天地人』に妻夫木聡演じる直江兼続の幼少期、樋口与六役で出演し注目を集めます。ブレイクのきっかけとなった本作は代表作のひとつとなりました。その後活動が活発になり、2009年4月より放送のトヨタ自動車のCM『こども店長』で話題に。同年9月には『かつおぶしだよ人生は』で歌手デビューを果たします。バラエティ番組にも数多く出演し、なかでも2009年11月、テレビ朝日のトーク番組『徹子の部屋』出演は、当時の最年少ゲストとして注目を集めました。

代表作となった『天地人』以降、子役時代の代表作でもある映画『忍たま乱太郎』シリーズやCMシリーズなど、数多くの作品や番組に出演していた加藤清史郎。ある時期から芸能活動を制限するようになります。

実は小学校6年生の時、舞台『レ・ミゼラブル』に出演したことをきっかけに、英語を学びたいと考えるようになっていました。また、成長期に伴い声や体型に変化が現れ、役者として中途半端な時期になったと感じてしまいます。今後も役者を続けていくうえで勉強をする時期にしようと考えた加藤清史郎は、高校進学を機にロンドンへと留学したのでした。

ロンドンでは日本の学校の付属である全寮制のロンドン校に通っていたとのこと。生徒は日本人ばかりでしたが、寮母をはじめとしたスタッフはイギリス人で、コミュニケーションにはずいぶん苦労をしたようです。通常の授業に加え、週末は観劇や演劇学校に通うなどして役者としてのスキルアップを図り、2020年4月からは大学生になりました。大学は芸術系のことを学ぶ予定だそうですが、学校名は公表されていません。

自分客観的に表現する言葉を持つ。加藤清史郎の魅力

こちらでは加藤清史郎の魅力についてご紹介。子どもの頃から活躍しているため、ふっくらとした子どもらしい容姿に可愛い笑顔、大人顔負けの演技力の印象が強く残っています。もちろん子役時代の加藤清史郎の魅力はたくさんありますが、こちらでは主に現在の魅力を語っていきたいと思います。

まず、目的意識が高く努力を厭わないところではないでしょうか。一生役者をやっていくと決意した時に、これからのためになる勉強をするという選択は、なかなかできるものではありません。演技だけでなく芸術に関連したこと、英語力など自身に必要になってくるものを冷静に分析するだけでなく、実際に行動に移し学ぶ姿には感心させられます。

インタビューの受け答えを見ていると、自身の考えを率直に言葉にできる素直さも持ち合わせているという印象を受けます。どんなインタビューでも飾ることなく、自分自身の言葉で語ることができるのは、よく考え自分を客観的にみる力があるということなのでしょう。子役時代に大ブレイクしたのに、驕ったところも一切ありません。

大人に囲まれて仕事をしてきた成果、成長して同年代と仕事をするようになり、一緒に作り上げていく楽しさを知ったというエピソードは、子役ならではといえるでしょう。言葉の端々から仕事が楽しくて仕方がないという雰囲気が感じられ、応援したくなってしまいます。

もちろん、子どもの頃のしっかりして可愛らしい姿も魅力的でした。成長し全体的に凛々しく、輪郭もシャープになり、これからの成長も楽しみでなりません。容姿だけでなく、役者として成長していく姿を長く見続けることができるというのも、魅力の1つではないでしょうか。

子役時代の加藤清史郎が何を考えていたのか、のぞいてみたい方はこちらもおすすめです。可愛い子役時代の姿も堪能することができますよ。

著者
加藤 清史郎
出版日

【ライターおすすめ】加藤清史郎が1番輝く『KID VICTORY』

こちらはライターが個人的に加藤清史郎が1番輝く作品をご紹介するところ。映画やドラマといった映像作品ではなく、あえて舞台をご紹介したいと思います。実は加藤清史郎、映像作品と並行して数々の有名ミュージカル作品に出演しているのをご存じでしょうか。2011年公演の『レ・ミゼラブル』をはじめ、2012年『エリザベート』など、長く愛される作品に多数出演、演技と歌唱力を高く評価されています。

2016年以降は学業を優先し活動をセーブしていたので出演していなかったのですが、2019年12月25日から29日に公演が行われたオフ・ブロードウェイ・ミュージカル『KID VICTORY』に主人公、ルーカス役で出演しました。

『KID VICTORY』は、アメリカ中西部に位置するカンザス州を舞台にした物語。ヨット好きな高校生、ルーカスは1年間行方不明になっていましたがある日突然戻ってきます。両親や友人たちは喜びますが、ルーカスは行方不明期間に起こった出来事がフラッシュバックしてしまい、日常に戻れず苦悩します。

本作はミュージカル作品ではありますが、ルーカスは一切歌いません。主に芝居が中心となるのですが、悩み苦しむルーカスという少年の質感が感じられるほど、真に迫った演技に引き込まれます。役者の演技を肌で感じることができるのが舞台の魅力の1つですが、加藤清史郎の息をのむような演技を存分に堪能できるのが本作なのです。

残念ながら映像としては残っていないようなのですが、加藤清史郎は今後ミュージカルや舞台にも出演していきたいと意欲を見せています。出演する際は、ぜひ加藤清史郎の持つ役者という仕事への熱量と演技力を肌で感じてみてください。

次からは映画やテレビドラマなど、出演した映像作品のうち、原作付きのものを中心に詳しくご紹介していきます。

【映画原作】3歳にして映画デビュー作『ちび象ランディと星になった少年』(2005年)

 

まずは原作のある出演作品のうち、映画からご紹介していきましょう。

長い鼻に大きな耳が特徴的なゾウは、動物園の人気者。アフリカやアジアに広く生息しており、陸上に住んでいる哺乳類の中では最も大きい生き物でもあります。坂本小百合『ちび象ランディと星になった少年』は、ゾウ使いを目指す著者の息子、坂本哲夢とゾウのランディを描いたノンフィクション作品。動物たちとの触れ合いや、タイへのゾウ使いの修業など、20歳の時に交通事故で亡くなるまでの半生が描かれています。

1人の少年が逞しく成長していく姿を眩しく感じますが、待ち受けている現実は辛く哀しいもの。だからこそ、家族や動物たちと築き上げてきた絆が、一層胸に響きます。映画は『星になった少年』というタイトルで公開されました。原作とは違いフィクションとなるため、原作中のエピソードが抽出されているほか、名称も一部変更されています。

加藤清史郎は、小川貴生役で出演しました。貴生は哲夢の弟で、幼少期を演じています。映画デビュー作、あどけなさが残りますが、堂々とした演技を見せました。

 

著者
坂本 小百合
出版日

【映画原作】過酷な環境での演技を見せた『座頭市物語』(2010年)

創作物の中に数多登場する剣客剣豪のなかでも、異色ともいえるのが子母澤寛『座頭市』の主人公、市です。市は盲目の按摩師で、諸国を旅しながら時折驚異的な抜刀術で悪人たちと対峙していきます。座頭とは、江戸時代における盲目の方の階級を表したもの。作者が房総地方に取材に赴いた際、古老に聞いたという侠客の話が元になっています。

原作小説があるのかと驚いた方もいらっしゃると思いますが、やはり勝新太郎が演じた映画やドラマの印象が強いからでしょう。「座頭の市」を主人公とした映像作品は複数制作されていますが、今回ご紹介するのは『座頭市 THE LAST』。市が最愛の妻を亡くしたことから刀を置き、故郷の村で平穏に暮らしています。しかし再び刀を取らざるを得ない敵が現れ、激闘がくり広げられます。

加藤清史郎は市の親友、柳司の息子である五郎を演じました。市との絡みも多く、出番は比較的多め。のびのびとしたところだけでなく、厳しい環境に置かれた時の演技が印象的です。

著者
["寛, 子母沢", "冬二, 童門", "稔, 犬塚", "一男, 縄田"]
出版日

【映画原作】加藤清史郎のちょんまげ姿も印象的『桜田門外ノ変 』(2010年)

日本史の授業で必ず習う、江戸幕府の大老である井伊直弼が暗殺された事件、通称「桜田門外の変」。吉村昭の小説『桜田門外ノ変』は、襲撃を指揮したと言われる水戸藩士、関鉄之介の視点で事件の顛末を描いています。時は幕末、水戸藩に生まれた鉄之助はあまり身分が高くありませんでしたが藩校の弘道館に通い、頭角を現していきます。鉄之助は友人の兄の影響を受け、尊王攘夷思想に染まっていくのでした。

歴史の大きな転換期である江戸末期を舞台にした作品ですが、過剰な演出を加えない淡々とした語り口が、まるでその現場を見ていたかのような印象を与えます。水戸藩士である鉄之助からどう世界が変わるのか、ただの歴史の出来事として終わらない藩士たちの人間ドラマが見所です。

長大な作品なので、映画では襲撃よりもその後に重きを置いた作りに。原作とは違った構成となっています。加藤清史郎は鉄之助の息子、関誠一郎を演じました。時代劇らしくちょんまげ姿で登場。幼くても武士らしく、凛とした姿を見ることができます。

著者
吉村 昭
出版日
1995-03-29

【映画原作】加藤清史郎が夢だった乱太郎を実写化!『落第忍者乱太郎』(2011年)

尼子総兵衛の漫画作品『落第忍者乱太郎』は、室町時代末期を舞台に平忍者の子どもである主人公、乱太郎が忍術学園に入学し仲間たちと騒動を巻き起こしていくというギャグ漫画です。原作漫画はもちろんのこと、テレビアニメ『忍たま乱太郎』を見て育ったという方は多いのではないでしょうか。素直で明るく眼鏡が特徴の乱太郎と、守銭奴の摂津のきり丸、大らかな性格で大食漢な福富しんべヱの、仲良し3人組をはじめ、教師や先輩といった、個性的なキャラクターが魅力です。

映画『忍たま乱太郎』は、原作漫画である『落第忍者乱太郎』と、アニメ『忍たま乱太郎』を元に制作されました。乱太郎たちが忍術学園に入学するというのは原作と同じ流れですが、その後の展開はオリジナル。映画では重大な事件が発生。髪結い所を経営する抜け忍と彼らの命を狙うウスタケ忍者隊との戦いに、忍術学園も巻き込まれて行くのでした。

加藤清史郎は主人公、猪名寺乱太郎を演じています。大きな丸眼鏡をした姿はまさしく乱太郎そのもの。忍者になるのが夢だったと語ったとおり、のびのびと演じています。また、続編である『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』は2013年公開。心身ともに成長した姿を見せました。

著者
尼子 騒兵衛
出版日

【映画原作】喧嘩アクションに初挑戦の加藤清史郎『愛と誠』(2012年)

身分差のある恋はとてもドラマチック。梶原一騎原作原案、作画をながやす巧が担当した漫画作品『愛と誠』も身分差のある恋が描かれています。

早乙女財閥の令嬢、早乙女愛は幼い頃、ある少年に命を救われたことがありました。少年を白馬の騎士として慕っている愛は、蓼科高原で出会った不良少年、太賀誠がその少年であることを知ります。しかし誠は、愛を助けたことで受けた傷が原因で、人生を壊されており当時の面影が一切なくなっていたのでした。

愛の献身的な愛情は、過酷な人生を歩んできた誠の心を癒すことができるのでしょうか。誠も入学することになる学園での抗争や、愛の父が事件に巻き込まれるなど、恋愛以外でもドラマチックな展開が見所です。

映画はミュージカル仕立てとなっており、1970年代の歌謡曲が好きな方には特にたまらない内容。加藤清史郎は、妻夫木聡演じる主人公の1人、太賀誠の幼少期を演じました。笑顔が印象的な加藤清史郎ですが、本作では封印。凄みのある睨みは、胸のうちの痛みや苦しみが感じられ、鬼気迫る迫力。また、初挑戦だという喧嘩のアクションにも注目です。

著者
ながやす 巧
出版日
2001-05-11

【映画原作】銀髪の凶悪な転校生役『暗殺教室』(2015年)(2016年)

担任教師を暗殺しなければ、地球滅亡という奇抜な設定と緻密な物語展開で話題となった松井優征の漫画作品『暗殺教室』。担任教師と言っても主人公の殺せんせーは人間ではなく、丸顔で何本もの触手を持った、タコのような形状をしています。ゆるキャラのような外見ながら、月の7割を破壊するなど戦闘能力は段違い。殺せんせーが担任を受け持つ椚ヶ丘中学校3年E組の生徒たちが、100億円の報酬を目指し暗殺しようと挑み続けます。

殺せんせーと生徒たちの戦いがメインですが、生徒やせんせー自身の過去や抱えている事情に触れる場面も。アクションの印象が強いですが、教師と生徒の絆を描く学園物としても読むことができます。映画は原作と大幅な設定の違いはありません。続編である『暗殺教室〜卒業編〜』は原作完結と同タイミングで公開されており、原作者の松井優征自身も制作に携わりました。

加藤清史郎は堀部糸成(イトナ)役で出演しています。イトナはE組に殺せんせー暗殺目的でやってくる転校生。基本無表情で淡々とした口調と白っぽい髪が特徴です。暗殺者ということもあり、アクションは多め。ビジュアル面でも通常作品とは大きな変化があるため、今までとは違った部分を存分に楽しむことができます。

著者
松井 優征
出版日
2012-11-02

【映画原作】廃校目前の学校にジャズを『KUHANA ! 』(2016年)

地方都市を舞台にした作品には、その土地のよいところが凝縮されており、訪れたことが無くても身近に感じられたりします。秦建日子『KUHANA!』もそんな魅力にあふれた作品です。舞台は三重県の桑名市。小さな小学校に、ジャズが大好きな先生が赴任してきます。小学校は廃校を控え、工場でリストラが行われるなど明るい話題の無い街に、先生とともに小学生たちがジャズ部を作ろうと動き始めるのでした。

子どもたちの奮闘の陰に、町を取り巻く現状が描かれるなど、現実はけして明るいだけではありません。だからこそ、一生懸命目標に向かって取り組む子供たちの姿がまぶしく、心を打ちます。映画は実際に三重県桑名市で撮影され、市内の魅力が詰まった作品となりました。

加藤清史郎は浅井海斗役で出演しています。海斗は主人公、西田真珠たちの同級生。東京からの転勤組という設定からか、どこか大人びた雰囲気。他の生徒たちとはまた違ったポジションということもあり、演技力が光ります。

著者
秦建日子
出版日

【映画原作】加藤清史郎が弟の憲史郎と初共演『笑顔をつくろう』(2017年)

世界サイレントマンガオーディションとは、漫画の演出力を審査する賞です。応募作品は指定のテーマを元に作成された、全てセリフなしの短編漫画。言語が必要ないからこそ、世界各地から作品が応募されています。今回ご紹介するのは、2014年に開催された第2回の受賞作品です。テーマは「最高の笑顔」。作者それぞれのテーマに対する解釈が違うところが興味深い点。受賞作品集には全26作品が収録されています。

2017年熊本で国際漫画祭が開催されました。サイレント漫画が複数展示されたほか、第2回の受賞作品のうち優秀賞を受賞した、ヨルダン出身のディー・ジュウサンの作品がショートムービー化され上映されています。親子連れで賑わう公園で、2人の孤独を抱えた少年が交流するという物語。

加藤清史郎と弟、憲史郎の初共演ということでも話題に。弟だからと兄弟っぽさは出していないところはさすがの一言。お兄さんらしい姿がとても新鮮に映ります。

著者
["サイレントマンガオーディション事務局", "コアミックス", "サイレントマンガオーディション事務局"]
出版日

【映画原作】海外でもロケをした壮大なアクション『太陽は動かない』(2021年)

吉田修一はジャンル幅の広い作家です。『太陽は動かない』も、今までとはまた違ったスパイアクション作品になっています。ベトナムの大手石油会社が主催するパーティーに潜入したAN通信の鷹野一彦は、実は産業スパイ。CIAの真島裕之がなぜ射殺されたのか。各国企業の思惑は何なのか。真相を探る中で、部下の田岡亮一が何者かに拉致されてしまうのでした。

AN通信のエージェントは、1日1回本社に報告をしないと心臓に仕掛けられた爆弾が爆発するというまさかの設定付き。時限式のスリルが物語によい緊張感を与えています。映画では加藤清史郎は柳勇次役で出演しています。少年期の鷹野の親友というポジションで、エージェント候補として過酷な訓練にも臨んでいる様子。公開は新型コロナの影響で2021年春に公開予定、どのような演技が見られるのか、楽しみに待ちましょう。

映画公開に先駆け、WOWOWでは吉田修一監修のオリジナルストーリーでドラマが放送されました。映画公開前に、様々な企業の思惑が絡み合う原作を予習がてら手に取ってみるのはいかがでしょうか。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

『太陽は動かない』はハリウッド並みのスピード感とスケール!原作小説をおすすめ

著者
吉田 修一
出版日
2014-08-05

【映画原案】癒しあり、涙ありの絵本「ティラノサウルス」シリーズ(2010年)

続いては劇場アニメ映画をご紹介していきます。

絵本はどんなに月日が経とうとも色あせない魅力を持っています。子どもの頃に読んだ作品を自分の子どもに読んであげるというのも、絵本ならではの楽しみでしょう。宮西達也の絵本作品「ティラノサウルス」シリーズは、ティラノサウルスをはじめとした恐竜たちを主人公に親子の絆や友情などを描いていきます。

「ティラノサウルス」シリーズ第1作となる『おまえうまそうだな』は、1人ぼっちの赤ちゃんアンキロサウルスがティラノサウルスに出会うという物語。最後は涙なしでは読むことができません。映画は第1作に加え、『きみはほんとうにステキだね』『あなたをずっとずっとあいしてる』の3作を原案として制作されました。絵本とはカラーリングが違う恐竜やオリジナルの恐竜も登場、映画ならではの連続したストーリーとなっています。

加藤清史郎はアンキロサウルスの男の子、ウマソウの声を担当しました。無邪気なウマソウに可愛らしい声がぴったり。とても癒されると同時に泣かされます。

原作シリーズは多くの読者に愛され、2018年に15周年を迎えました。子どもたちに読んであげたい恐竜たちの物語、詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

『おまえ うまそうだな』の絵本シリーズをご紹介!心優しい恐竜

著者
宮西 達也
出版日

【映画原案】子ども時代の赤鬼の声を加藤清史郎が担当『泣いた赤鬼』(2011年)

子どもの頃に馴染んだ物語は忘れることがありません。『泣いた赤鬼』もそのうちの1つでしょう。童話作家浜田廣介の児童文学作品で、教科書にも採用されています。ある山に住む赤鬼は、ずっと人間と仲良くしたいと考えていました。あの手この手で仲良くしようと試みますが、人間たちは警戒して仲良くなることができません。そんなとき、訪ねてきた友達の青鬼から、思いがけない提案をされるのでした。

青鬼の献身と赤鬼の後悔に涙する本作、年齢を重ねるごとに2人の鬼たちの友情が、とても尊いものであることを実感します。映画『friends -フレンズ- もののけ島のナキ』は原案をもとにしたオリジナルストーリー。赤鬼のナキと青鬼のグンジョーが住むもののけ島に、人間の赤ん坊コタケが迷い込んだことから、騒動が巻き起こります。加藤清史郎は、赤鬼ナキの子ども時代の声を担当しました。後の赤鬼の優しさにつながるところを、可愛い声で演じています。

浜田廣介は本作以外にも様々な童話を残しています。気になった方はこちらの記事もご覧ください。

浜田広介が描いたおすすめ作品5選!『泣いた赤鬼』で知られる童話作家

著者
浜田 広介
出版日

【映画原作】男子高校生らしい声に加藤清史郎の成長を実感『薄暮』(2019年)

薄暮とは、ゆうぐれやたそがれといった意味を持つ言葉。山本寛『薄暮』も、夕暮れの美しさが感じられる物語です。福島県いわき市に住むヴァイオリンを弾くことが好きな平凡な女子高生、小山佐智はバスを待っている時間、1人の男子高校生と出会います。雉子波祐介は帰宅困難地域からいわき市に引っ越してきました。震災をきっかけに絵を描き始めた祐介はよい風景を探しているとのこと。この出会いをきっかけに、2人の距離は縮まっていきます。

高校生の男女が出会い、悩みながらも恋をしていくという、何でもない青春の1ページが描かれています。しかし、当たり前の日常はある日突然失われてしまうもの。東日本大震災で多くの日常が失われたからこそ、2人の恋が尊いものに感じられます。本作はアニメ映画の原作として、監督の山本寛自らが執筆しました。

加藤清史郎は雉子波祐介役を演じています。佐智と話すとき、少しぶっきらぼうに感じられるところに男子高校生らしさが感じられ、おもわずニヤリ。声も低くなっており、子役時代を知っているとより一層成長を感じられます。

著者
["山本 寛", "和田浩司", "近岡直"]
出版日

【映画原作】海外のベストセラー絵本の実写化で吹き替え『かいじゅうたちのいるところ』(2010年)

アメリカの絵本作家モーリス・センダックの絵本作品『かいじゅうたちのいるところ』は、小さな男の子が経験する、ちょっとした冒険譚を描いた作品です。いたずら大好きなマックスは、おおかみのきぐるみを着てその日も大暴れをしていました。お母さんに怒られますが平気で言い返していたら、夕飯を抜きにされて寝室に閉じ込められてしまいます。すると、そこに木が生え始め、気が付けばマックスは森の中に立っているのでした。

誰もが持っていた無限の想像力を感じさせる本作、かいじゅうたちは恐ろしい存在。しかし、魔法を駆使するマックスと対峙するとどこか愛嬌が感じられるから不思議です。映画は原作のエピソードやキャラクターに肉付けがされ、より物語性が強くなっています。

加藤清史郎は、主人公マックスの日本語吹替を担当しました。若干幼い印象を受けるかなと思いましたが、物語が進むにつれ、杞憂だとわかります。自然体の演技に、自身もこの島での暮らしを楽しんでいるのではと感じられるでしょう。

著者
モーリス・センダック
出版日
1975-12-05

【テレビドラマ原作】坂本九の生涯をドラマチックに演出『星空の旅人 坂本九』『上を向いて歩こう』(2005年)

『上を向いて歩こう』や『見上げてごらん夜の星を』など、ヒット曲を数多く歌い、俳優や司会者としても活躍するなど、マルチな才能を発揮した坂本九。実兄である坂本照明著『星空の旅人 坂本九』は、一緒に育った兄弟ならではのエピソードや手話の歌である『そして想い出』の誕生秘話が記されています。妻である柏木由紀子著『上を向いて歩こう』は突然愛する人を失った悲しみは残りますが、故人との思い出に満ちた心が温まる作品です。

テレビドラマ『上を向いて歩こう〜坂本九物語〜』は、そんな坂本九に近しい人物が記した作品を元に、坂本九の生涯を描いています。あくまでもフィクション作品なので、一部実際とは違った行動がとられるなどの配慮がされました。加藤清史郎が出演していますが、具体的な役柄は記されていません。見ればわかるほどの存在感かと思いますので、テレビドラマを楽しみつつ探してみてください。

著者
坂本 照明
出版日

【テレビドラマ原作】現代を舞台にして実写化『ロミオとジュリエット』(2007年)

どんな物語なのかは知らなくても、結末や有名なバルコニーでのやりとりは見聞きしたことがあるのではないでしょうか。『ロミオとジュリエット』は、イングランドの劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる戯曲(演劇用脚本)です。初演は1595年前後と見られており、それから長い間恋愛悲劇作品として愛されてきました。敵対するキャピュレット家の娘ジュリエットと、モンタギュー家のロミオの恋の顛末を中心に、両家の抗争を描きます。

本作はリメイク版の制作や、敵対する家同士の恋という設定が使用されるなど後世の創作にも大きな影響を及ぼしています。2007年にはシェイクスピアの作品を題材にしたテレビドラマ『シェイクスピア・ドラマスペシャル』が放送されました。本作は『夢二夜シェイクスピア・ドラマスペシャル「ロミオとジュリエット」』として放送、現代を舞台にロミオとジュリエット的な悲劇が描かれます。加藤清史郎は出演しているものの、具体的な役名はありません。ぜひ、画面上で探してみてください。

有名な作品とはいえ、細かい内容を知らない方も多いのではないでしょうか。悲劇なのに喜劇要素も内包した名作、詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

ロミオとジュリエット』を簡単に解説!実はエロくてコミカル?ただし結末は…

著者
シェイクスピア
出版日

【テレビドラマ原作】等身大の弟を健気に演じた『がんばれば、幸せになれるよ―小児がんと闘った9歳の息子が遺した言葉』(2007年)

子どもたちが元気に走り回っている姿は当たり前に感じられますが、実はそうではありません。『がんばれば、幸せになれるよ―小児がんと闘った9歳の息子が遺した言葉』は、10万人に1人といわれる難病「ユーイング肉腫」を5歳で発症し、闘病の末に9歳で亡くなった山崎直也くんが生きた日々を、母親が記した作品です。両親を心配させないように元気に振る舞い、幼い弟を気遣い、弱音を吐かずに前向きに生きた日々は、生きることの尊さを教えてくれます。

テレビドラマは『君がくれた夏 〜がんばれば、幸せになれるよ〜』というタイトルで、2007年日本テレビのチャリティー番組「24時間テレビ」内で放送されました。フィクションということもあり、一部実際の名称との変更があります。加藤清史郎は木崎亮也役で出演しました。亮也は直也の弟。兄を慕い寄り添い続ける姿を健気に演じています。

著者
山崎 敏子
出版日

【テレビドラマ原作】大河ドラマに初挑戦の加藤清史郎『風林火山』(2007年)

『風林火山』は、井上靖の長編歴史小説です。主人公は参州牛窪出身の浪人、山本勘助。今川家に仕官が叶わず甲斐武田家に仕官を希望、国主晴信(のちの信玄)とともに諏訪や信濃を平定、越後の上杉謙信と対峙していきます。武田家中や信濃周辺の領主との戦いが多く、戦国時代はこれだけ多くの戦いが行われていたと驚くのではないでしょうか。タイトルの「風林火山」は、武田信玄の旗指物に書かれた有名な句を使用しています。

大河ドラマは2007年に放送、内野聖陽が山本勘助を演じています。物語の流れは原作に準拠していますが、1年をかけて1人の男の人生と国の命運を描いていく物語、各国の動向や登場人物の掘り下げなど、大河ドラマならではの肉付けがたっぷりされています。

加藤清史郎は木村了が演じる武田義信の幼少期を演じています。義信は晴信と正室、三条との間に生まれた第1子。少年時代は小林廉が演じており、登場する期間は少々短め。子どもらしい中にも、領主の子たる気位の高さが見えます。

著者
井上 靖
出版日
2005-11-16

【テレビドラマ原作】見事な演技力を見せ2役で出演!『天地人』(2009年)

火坂雅志の歴史小説『天地人』は、上杉家家老直江兼続を主人公とした物語です。直江兼続は越後の上田庄に生まれ、上杉謙信が長尾顕景(のちの景勝)を養子にした際、したがって春日山上に入り景勝の小姓、近習として仕えました。謙信の死後家督を継いだ景勝の側近となり、豊臣秀吉や徳川家康など、天下を目指す武将たちとも真向に渡り合い、国を守ろうとする姿が描かれています。

大河ドラマでは直江兼続の人生を中心に据えていますが、周辺の女性たちへスポットを当てているところも大きな特徴。直江兼続が義と愛を重んじているため、主君だけでなく師や友人たちとの絆も濃密に描かれました。

加藤清史郎は妻夫木聡演じる直江兼続の少年時代、樋口与六を演じています。寺に修行に出された時の不満顔をはじめ、演技力は見事のひとこと。景勝の少年時代を演じた溝口琢矢とのやりとりには、主従を越えた絆が結ばれる瞬間が感じられ、胸が熱くなります。あまりに人気となったため、兼続の子ども、竹松(直江景明)役で再登場しています。

著者
火坂 雅志
出版日
2010-04-09

【テレビドラマ原作】親会社の業績に命運を左右される企業スポーツ『ファイブ』(2008年)

企業のスポーツ部は、親会社の業績に存続が左右されることもある厳しい世界です。平山譲『ファイブ』は、1990年代中盤を舞台にしたノンフィクション小説。バスケットボールの日本リーグ強豪だったいすゞ自動車ギガキャッツが、いすゞ自動車の業績不振により廃部。選手だった佐古賢一は、チーム低迷の危機を脱したものの、一部リーグを勝ち残る力が不足していたアイシンホース(シーホース三河)に移籍することになります。

選手の実力だけでなく、企業の業績や規模によっても左右されるのが企業スポーツ部の難しいところ。そんな背景を一瞬忘れるほど、試合は激しく手に汗握る迫力です。テレビドラマではフィクションとなるため、登場人物など一部の名称が変更、テレビドラマらしい脚色などが加えられています。加藤清史郎は主人公、佐山健一の息子健太役で出演しました。選手として奮闘する父親を応援する姿に、家族の絆が感じられます。

著者
譲, 平山
出版日

【テレビドラマ原作】泣きの演技にも注目『斉藤さん』(2008年)

「斉藤」という名字の漢字は様々ありますが、日本でも人数の多い名字であることは間違いありません。小田ゆうあの漫画作品『斉藤さん』は、曲がったことが大嫌いで嫌なことにはNOとはっきり言ってしまうという斉藤全子(まさこ)が主人公です。真野若葉は、子ども同士のトラブルが原因で、母親たちの輪から孤立、こばと幼稚園に転入することになります。そこには正義感が強くまっすぐな性格ゆえに孤立する全子の姿がありました。

多くの人が、言いたいことがなかなか言えない状況にやきもきしていることでしょう。全子の他人を気にせず、クールで自分を持っている真っすぐな姿は眩しく映ります。テレビドラマでは舞台となっている地名が異なっているほか、年齢など細かい設定も原作から変更されています。

加藤清史郎は中村真役で出演しました。矢沢心が母親の久美を演じる中村家は、第1期に登場。第8話では物語のテーマとなる事件を発生させるなど見せ場は多めです。泣きの演技も注目ですよ。

著者
小田 ゆうあ
出版日

【テレビドラマ原作】マイナスからの花嫁修業を描いたコミックエッセイ『再婚一直線!』(2008年)

離婚には様々な理由がありますが、何らかの転機になることは間違いないでしょう。安彦麻理絵『再婚一直線!』は、結婚7年目にして離婚した安彦麻理絵が再婚を目指して花嫁修業をするというコミックエッセイ。だいぶ誇張して描かれているとは思いますが、著者がとても男らしく描かれているので、女子力マイナスからの花嫁修業を、笑いながら見守ることができます。

そんな作者の安彦麻理絵の実話をもとに、設定などを変えてドラマ仕立てにしたのが『愛の劇場 再婚一直線!』です。花嫁修業はもちろんのこと、娘や元夫との絆、元夫を巡る恋のライバル登場など、エピソードも満載で飽きさせません。加藤清史郎は学役で出演しています。目立つ役柄ではありませんが、娘と同じ幼稚園に通う園児として登場、ぜひ作中で探してみてください。

著者
安彦 麻理絵
出版日

【テレビドラマ原作】不気味な要素を感じさせる加藤清史郎が新鮮『新耳袋』(2008年)

怪談を収集するプロである木原浩勝と中山市朗が綿密な取材と裏付け調査を行い、編纂した怪談集が『新耳袋』です。基本的には実体験を元にプライバシーに配慮した形で掲載されていますが、中には関係者が全員死亡してしまうという話も。完全なノンフィクションとは言えないが、フィクションでもない。そんな曖昧な形だからこそ恐怖を引き立てられます。

本作を原作としたテレビドラマは複数制作されており、『怪談新耳袋』は2003年から放送された人気シリーズです。1話5分のショートフィルム形式が基本ですが、スペシャル版は1時間と長め。映像も作り込まれ、より恐怖心を掻き立てられます。

加藤清史郎は『怪談新耳袋スペシャル絶叫編 下「ぎぃ」』に外山剛役で出演しました。女子大生がベビーシッターのアルバイトのため、訪ねた家にいる子どもが剛です。怪談の核となる要素を担っているため、無邪気な可愛らしさは控えめ。なんだか不気味に感じられてしまいます。

著者
["木原 浩勝", "中山 市朗"]
出版日

【テレビドラマ原作】ナレーションも務めながら出演『ヤマトナデシコ七変化♥』(2010年)

地味女子を変身させて、可愛い女の子にするという物語は少女漫画の定番。しかし『ヤマトナデシコ七変化♥』の主人公、中原スナコほど一筋縄ではいかない女子はめったにお目にかかれないでしょう。ホラーが大好きで根暗、ビジュアルは基本某大ヒットホラー映画の霊のようだし、スプラッタも大好き。下宿している洋館の家賃3年間ゼロ円につられたイケメン4人組は、果たしてスナコを立派なレディにすることができるのでしょうか。

スナコが強烈な個性を持っているため、男子4人は振り回され気味。スナコとは恋愛というよりも仲間や手のかかる存在といった扱いになっており、逆ハーレム的な展開ではない男女の友情を楽しみたい方にもおススメです。テレビドラマの主人公はスナコではなく高野恭平に変更されているほか、スナコの性格や年齢など設定も大幅に変更されました。

加藤清史郎は中原タケル役で出演しています。スナコの叔母美音の息子で、スナコにとっては甥。自称下宿の管理人として度々登場するほか、物語の語り手としてナレーションも担当。活舌よく耳に心地よい語りを披露しています。

著者
はやかわ ともこ
出版日

【テレビドラマ原作】昭和感のあふれるビジュアルも必見『さよなら、アルマ』(2010年)

戦争は多くの物を奪い去る物です。日常生活だけでなく、多くの命が失われています。それは人間だけではありません。水野宗徳『さよなら、アルマ』は戦時中の犬と飼い主の絆を描いた物語です。

ある日、図書館で1枚の写真を見つけたことから、主人公太一は1頭の犬のことを思い出します。戦時中、犬が大好きで扱いも上手い太一はアルマというシェパードを預かりました。しかし、餌代すら満足に稼ぐことができない状態に、アルマを手放そうと考えます。そんな時、アルマを軍用犬にする話が持ち上がるのでした。

戦争は人間が引き起こしたこと。戦争にまつわる悲劇は人を中心に語られることが多く、動物たちがどのような運命を辿ったのか、語られることは多くありません、アルマのような犬が現実に存在したのかと思うと、胸が痛みます。

テレビドラマは原作を元に制作されました。加藤清史郎は川上健太役を演じています。健太は元々アルマを飼っていた家の子ども。演技はもちろん、坊ちゃん刈りの昭和の少年らしいビジュアルにも注目です。

著者
水野 宗徳
出版日

【テレビドラマ原作】スーツを着ておとなびた印象『本日は大安なり』(2012年)

結婚式は人生のなかでも重要なイベントの1つ。心の中に残り続ける結婚式を挙げる式場では、様々なトラブルが起こるのは当然なのかもしれません、辻村深月『本日は大安あり』は、結婚式場を舞台にした連作短編集。同じ日に結婚式を挙げる4組のカップルに起こる事件と事の顛末が描かれています。式場のスタッフやウェディングプランナーなど、結婚式に関わる仕事に携わる人々も登場、お仕事小説としても楽しむことができます。

テレビドラマでは結婚式に脅迫状が届くという、サスペンス仕立て。原作のエピソードを取り入れつつも、式場スタッフたちの動向も多めに盛り込んだ内容になっています。

加藤清史郎は白須真空役で出演しました。原作では叔母と甥の関係が、テレビドラマでは親子に変更。真空はある疑念を抱いており、再婚する母親を救うべく動き始めます。スーツを着用しているため、年齢よりも大人びた印象を受けるのではないでしょうか。母親のために一生懸命奮闘する姿がとてもいじらしいです。

著者
辻村 深月
出版日
2014-01-25

原作者の辻村深月についてはこちらの記事がおすすめです。

辻村深月の書籍をジャンル別にランキングで紹介!文学賞、映像化、初期、短編

辻村深月の書籍をジャンル別にランキングで紹介!文学賞、映像化、初期、短編

思春期の少年少女の心理を描くことで、定評のある辻村深月。作風は、透明感のある文章と、各作品で登場人物がリンクしているのが大きな特徴と言えるでしょう。直木賞や本屋大賞を受賞し、多くの作品が映画・ドラマ化されている彼女の著作をジャンル分けして紹介したいと思います。

【テレビドラマ原作】タイムカプセルを題材にしたミステリー『再会』(2012年)

タイムカプセルは、埋めた時は未来がはるか遠くに感じられますが、開ければ一瞬で子供時代に戻ることができる魔法のアイテムです。横関大『再会』は、タイムカプセルがカギとなったミステリー作品。

岩本万季子、清原圭介、佐久間直人、飛奈淳一の4人は小学校卒業の前日、ある秘密を隠したタイムカプセルを校庭に埋めます。その23年後、シングルマザーとなった万季子は息子の万引きをきっかけに脅迫を受けていました。しかし、脅迫相手は射殺体で発見され、圭介に疑いがかかります。拳銃は、タイムカプセルに埋めたはずのものでした。 

誰が拳銃を持ち出したのか。23年間抱えてきた闇が、少しずつ明るみに出てきます。テレビドラマでは再会が27年後に変更されている他、スペシャルドラマなのでエピソードが省略されコンパクトにまとめられています。

加藤清史郎は岩本正樹役を演じています。万季子の息子で事件の発端となった万引き事件を発生させるという役柄ですが、果たして真実は。斜に構えて荒んでいるようにも、自身の無実を訴えているようにも見える目の力に引き込まれます。

 

著者
横関 大
出版日
2012-08-10

【テレビドラマ原作】戦時中に母を失う少年を熱演『満州の星くずと散った子供たちの遺書 新京敷島地区難民収容所の孤児たち』『戦場のサブちゃんとゴン』『約束』(2014年)

戦争は多くの悲劇を生み出しました。特に何の力も持たない子どもたちが直面した現実は、現代に生きる我々からは想像もつかないほど過酷だったのです。増田昭一『満州の星くずと散った子供たちの遺書 新京敷島地区難民収容所の孤児たち』は、満州の難民収容所で起こった実際の出来事が記された作品。マイナス30℃にもなる極寒の地で、子どもたちが身を寄せ合い励ましあいながらも、命を落とさなければならなかった現実が淡々とつづられています。

著者の増田昭一は、医学生として満州で生活し戦争に参加、収容所での生活などを経て日本に帰国しました。小学校の教員をしながら自身の戦争体験を語っており、『戦場のサブちゃんとゴン』は特攻兵の過ごした過酷な日々を記しています。『約束』は本作の続編のような位置づけの作品です。

本作を原作としてテレビドラマ『遠い約束〜星になったこどもたち〜』が制作されました。加藤清史郎は佐竹三郎を演じています。爆弾で母を失い、ひとりぼっちになってしまった三郎。仲間たちの中では兄貴分ということもあり、過酷な現実の中で生きようとする姿に涙が誘われます。

著者
昭一, 増田
出版日

【テレビドラマ原作】中央アジアの世界観が魅力の児童文学『精霊の守り人』(2016年)

この世界には同じとき、同じ場所に並行して存在している目に見える人間の世界(サグ)と目に見えない精霊の世界(ナユグ)が存在しています。そんなファンタジックな世界を舞台に、短槍使いの女用心棒バルサと、皇子チャグムの戦いを描くのが上橋菜穂子『精霊の守り人』です。本作は長大なシリーズの第1作目。川に流されたチャグムを助けたバルサは、彼が水の精霊の卵を宿していることから、命を狙われていると知ります。

世界が作り込まれており、登場する国家は文化も言語も違うという、さながら現実のような作りをしているところが魅力。登場する料理が美味しそうなので、物語の途中でもついつい想像が膨らんでしまいます。テレビドラマは全シリーズを原作として、3年渡って放送されました。第1シーズン『精霊の守り人』は、本作のみを原作とした物語。

加藤清史郎はトーヤ役で出演しています。町で頼まれ屋という何でも屋を営み、バルサを恩人と慕っており、サヤという同じく孤児の女の子を大切にしています。まず成長に驚く視聴者が多いと思いますが、演技力は抜群。バルサを慕いサヤを大切にする優しさが表情からにじみ出ています。

本作は長大なシリーズの第1作で、物語が進むにつれ各国家の思惑や世界の成り立ちなど様々なことが判明していきます。バルサの活躍をもっと見たいという方、重厚な物語世界に浸りたいという方はこちらの記事をご覧ください。

「守り人」シリーズの魅力とは。『精霊の守り人』や新刊のあらすじもネタバレ

著者
["二木真希子", "上橋菜穂子"]
出版日

【テレビドラマ原作】伊藤淳史の少年時代に見せ場を作った『望郷』所収「海の星」(2016年)

読後とても嫌な気分になるミステリー作品を意味する言葉「イヤミス」の女王として人気の作家湊かなえ。『望郷』は瀬戸内の島々を舞台とした短編集ですが、愛憎入り混じった複雑な心理が描かれ、女王の名に恥じない作品となっています。今回はその中から、「海の星」という短編をご紹介いたします。主人公の洋平が小学6年生の頃、父親が失踪。母親はやたら聞はじめ、洋平は家計の助けになればと魚釣りに出かけます。そこで、猟師だという幸作と出会ったのでした。

20年後、高校の同級生が秘密を打ち明けたいと送ってきた手紙から、洋平の少年期が語られます。おっさんの目的は何なのか、ちょっとしたすれ違いが生む物語はイヤミスというよりも切なさがまさり、やるせない気持ちになります。

テレビドラマは『望郷』に収録されている「みかんの花」、「雲の糸」、「海の星」を原作にオムニバスドラマとして放送されました。加藤清史郎は伊藤淳史演じる洋平の少年時代を担当。少年らしい精悍な顔つきと日焼けした肌が海辺の子どもらしさを感じさせます。真野幸作役の椎名桔平とのやりとりは要注目ですよ。

著者
湊 かなえ
出版日
2016-01-04

湊かなえの作品を他にも知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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ドラマ化・映画化でも注目を集める人気作家・湊かなえの作品を、まだ読んだことのないあなたのために紹介します。

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人間の内面に潜む闇を掘り下げて描く、イヤミスの女王として注目を浴びる作家・湊かなえ。今までに、数々の作品が映像化されてきました。ここでは、『告白』だけにとどまらない、湊かなえの魅力がぎゅっと詰まった、魅力的な作品をご紹介していきます。

【出演作品一覧】加藤清史郎は映画やテレビドラマに引っ張りだこの人気俳優

一時期メディアへの露出が減ったので、どうしたのだろうと思っていた方も多かったのではないでしょうか。子ども時代にブレイクしキャリアがあるのにも関わらず、自身の目標をしっかりと定めて努力している姿に好感が持てます。こちらでは、そんなプロ意識の高い加藤清史郎が出演した作品を一覧でご紹介いたします。

【映画】

『星になった少年』(2005年) 原作『ちび象ランディと星になった少年』

『なくもんか』(2009年)

『座頭市 THE LAST』(2010年) 原作『座頭市物語』

『桜田門外ノ変 』(2010年) 原作『桜田門外ノ変』

『忍たま乱太郎 』(2011年) 原作『落第忍者乱太郎』 左記の漫画とアニメ「忍たま乱太郎」が原作

『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』(2013年)

『愛と誠』(2012年) 原作『愛と誠』

『暗殺教室』(2015年) 原作『暗殺教室』

『暗殺教室〜卒業編〜』(2016年)

『クハナ!』(2016年) 原作『KUHANA ! 』

『ショートムービー 笑顔をつくろう』(2017年) 原作『笑顔を作ろう』 第2回世界サイレントマンガオーディション テーマ「最高の笑顔」優秀賞受賞作品

『太陽は動かない』(2020年) 原作『太陽は動かない』

『ハンド全力』(2020年)

【劇場アニメ】

『おまえうまそうだな』(2010年) 原案「ティラノサウルス」シリーズ

『friends -フレンズ- もののけ島のナキ』(2011年) 原案『泣いた赤鬼』

『薄暮』(2019年) 原作『薄暮』

【日本語吹き替え】

『ハッピー フィート』(2007年)

『太王四神記』(2007年)

『サンタ・バディーズ 小さな5匹の大冒険』(2009年)

『かいじゅうたちのいるところ』(2010年) 原作『かいじゅうたちのいるところ』


 

【テレビドラマ】

『ぼくの魔法使い』 最終話(2003年)       
 

『マンハッタンラブストーリー』 第4話・第5話・第10話(2003年)

『バツ彼』 第3話・第8話(2004年)

『上を向いて歩こう〜坂本九物語〜』(2005年) 原作『星空の旅人 坂本九』『上を向いて歩こう』

『愛と友情のブギウギ』(2005年)

『ウルトラマンメビウス』 第24話(2006年)

『夢二夜シェイクスピア・ドラマスペシャル「ロミオとジュリエット」』(2007年) 原作『ロミオとジュリエット』

『君がくれた夏 〜がんばれば、幸せになれるよ〜』(2007年) 原作『がんばれば、幸せになれるよ―小児がんと闘った9歳の息子が遺した言葉』

大河ドラマ

『風林火山』(2007年) 原作『風林火山』

『天地人』(2009年) 原作『天地人』

『ファイブ』(2008年) 原作『ファイブ』

『斉藤さん』(2008年) 原作『斉藤さん』

『愛の劇場 再婚一直線!』(2008年) 原作『再婚一直線!』

『怪談新耳袋スペシャル「ぎぃ」』(2008年) 原作『新耳袋』

『大好き!五つ子 2008』 第7話(2008年)

『ありがとう、オカン』(2008年)

『オー!マイ・ガール‼』(2008年)

『ヴォイス〜命なき者の声〜』 第1話・最終話(2009年)

『歌のおにいさん』 第1・7・最終話(2009年)

『東京少女真野恵里菜 第4話「やさしい拳」』(2009年)

『任侠ヘルパー』(2009年)

『ほんとにあった怖い話「かかし」』(2009年)

『シスター』(2009年)

『ヤマトナデシコ七変化♥』(2010年) 原作『ヤマトナデシコ七変化♥』

『わが家の歴史』(2010年)

『ロス:タイム:ライフ 親子篇』(2010年)

『さよなら、アルマ』(2010年) 原作『さよなら、アルマ』

『任侠ヘルパースペシャル』(2011年)

『11人もいる!』(2011年)

『本日は大安なり』(2012年) 原作『本日は大安なり』

『再会』(2012年) 原作『再会』

『相棒 Season 11』第18話(2013年)

『ホワイト・ラボ〜警視庁特別科学捜査班〜』 第6話(2014年)

『警視庁捜査一課9係 season9』 第3話(2014年)

『遠い約束〜星になったこどもたち〜』(2014年)原作『満州の星くずと散った子供たちの遺書 新京敷島地区難民収容所の孤児たち』『戦場のサブちゃんとゴン』『約束』  

『精霊の守り人』(2016年) 原作『精霊の守り人』

『OUR HOUSE』(2016年)

『湊かなえサスペンス【望郷】「星の海」』(2016年) 原作『望郷』所収「海の星」

『相棒 Season16』 第19話(2018年)

年齢は19歳と若いですが、芸歴は18年とベテランの域なだけに出演作は想像以上に多かったと思われます。子役時代だけでなく近年の出演作品もあるので、出演作を順に辿っていくと目に見えて成長していく姿がわかるのが嬉しいところです。 

子役が成長すると芸能活動を続けず、引退してしまうことも少なくありません。幼い頃から成長した姿まで、見守ることができること自体が奇跡的なことなのでしょう。自身に必要なことを学び、力を付けた加藤清史郎がどのような演技を見せていくのか、今までの成長はもちろん、これからの成長からも目が離せません。演じてきた作品から、過去の姿を思い返してみるのも一興、ぜひ原作作品もお手に取ってみてください。

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