ジェフリー・ディーヴァーおすすめ5選!ジェットコースターミステリが得意

更新:2020.12.10 作成:2017.1.30

今回は、ミステリ作家ジェフリー・ディーヴァーをご紹介します。「ディーヴァーを読まずして、ミステリを語ることなかれ」とも言われます。“ジェットコースターミステリ”と称される作品は、ページを捲る手をとめることが出来ない程面白い作品ばかりです。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

ジェフリー・ディーヴァーとは

1950年、アメリカ・シカゴ出身、ニューヨークの大手法律事務所で弁護士をしながら執筆活動をしていたジェフリー・ディーヴァーが、本格的に作者となったのが40歳の時です。

テレビドラマ化されるなどの作品を発表していましたが、その人気がブレイクしたのは、1997年に発表された『ボーン・コレクター』です。この作品は、デンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーで映画化されました。「このミステリがすごい!」には、11回もノミネートされています。これだけでも、彼の作品がいかに面白いかを知るには十分です。

ジェフリー・ディーヴァーの作品に読者が期待してしまうのが、ジェットコースター並のスピード感と最後に起こるどんでん返しです。よく練られたプロットと、圧倒的なリーダビリティで読者を引きつけて離しません。

多くの作品の中でも、特に人気なのが「リンカーン・ライム」シリーズです。主人公は、元ニューヨーク市警・中央化学捜査部部長。捜査中の事故で四肢麻痺となり、動かせるのは首・頭部・左の薬指だけとなりました。彼は警察からの年金で犬・リハビリ師と同居しています。医者には止められているが、やめられないのがお酒。特殊な車椅子には指1本で色々できる操作パネルがついています。願望は、尊厳死。

動けない元警部が主人公というのは異例ですが、IT化の進んだ現代ならではの機器を駆使して、事件を解決に導きます。対する犯人も知能の高い人物ばかり。犯人目線からの描写もあり、どちらの考えを見ながら読み進められます。

ジェフリー・ディーヴァーは、シリーズだけでなく、単独の作品も多くあります。どれも興味深く面白い作品ばかりです。

「リンカーン・ライム」シリーズ1作目『ボーン・コレクター』

通報を受けたパトロール警官のアメリア・サックスが地域を調べていると、地面から肉の剥がれた指が出ているのが見えました。掘り起こしてみると、生き埋めにされた男性が。

どうにも捜査が進まない酷い惨殺事件。ニューヨーク市警のロンは、かつての仲間で引退しているリンカーン・ライムに助けを求めに行きます。知能犯に興味を持ったライムは、犯人の犯行予告に気づきます。ライムを嫌っていたアメリアを指導しながら、次々と起こる事件、犯人との攻防を繰り広げるのです。
 

著者
ジェフリー ディーヴァー
出版日

一歩先を行く犯人に、ジレンマを感じているライムですが、小さなほころびを見つけて、事件を解決へと導いていきます。口うるさいライムに辟易していたアメリアですが、ライムの指導のもとに自然と捜査の腕が上がり、ライムに尊敬の念を抱いていくようになります。

「現場に入る時は、現場を汚さないように、まずカバーをして……」とアメリアの捜査もどんどん慎重になり、今までなら見落としていたようなことも発見します。またライムの言わんとしてることが理解できるようになってきます。アメリアだけでなく、ライムの希望に先立ってデータを探すロン、介護しだけでなくコーヒーなども前もって用意するトム、そういった人たちの繋がりが深まっていき、捜査も上手く回っていくなど、人間関係の大切さなど、単なるミステリでは終わりません。捜査の手順を知る楽しみ、他人との接触を絶っていたライムの他人との関わり方の変化が見て取れます。
 

プロのライターも絶賛の『ウォッチメイカー』

リンカーン・ライム7作品目のジェフリー・ディーヴァーの今作は、「このミステリがすごい」で大賞を受賞しています。

物語では、「ウォッチメイカー」と名乗る殺人者が現れます。犯行現場には必ずアンティークの時計が残されています。犯人が同じ時計を10個購入したことがわかり、これ以上の犯行を阻止しなければなりません。ライムは犯行阻止に奔走しますが、アメリアはNY市警の中で不正が行われているのではないかという別の事件を抱えています。しかし、犯人は、アメリアにもその手を伸ばしてきます。頭脳戦に勝利するのはどちらでしょうか?どんでん返しに次ぐどんでん返し。あまりにも綿密な犯罪計画に驚きを感じます。

この犯人に関しては、ライムの思い入れが強いらしく、後の作品「スキン・コレクター」にも登場します。特に高い知能犯である犯人、ライムに取っては、この上ない犯人となります。ただ、この犯人の人間らしいところは、失敗してしまうところなのです。
 

著者
ジェフリー ディーヴァー
出版日
2010-11-10

連続殺人事件とアメリアの操作している不正事件、一見、何の関係もないような2つの事件が、どのように関わるのでしょう。今作ではアメリアの亡き警官だった父が事件に関わっているとされてしまいます。

また、ジェフリー・ディーヴァーの本作では新たにカリフォルニア市警のキャサリン・ダンスが登場します。キネクシスを利用して嘘を見抜く「人間嘘発見器」。ライムの仲間とも打ち解け、魅力的な人物が登場しました。

「リンカーン・ライム」シリーズ5作目『イリュージョニスト』

ニューヨークにある音楽学校で殺人事件が発生しました。それだけでなく、犯人は人質を取って学校内のホールに立てこもっています。稀代の魔術師と言われたフーディニ−に憧れた主人公。だが、ある事をきっかけにマジックから足を洗わなければならず、復讐を企てています。警官隊が周囲封鎖しているにも関わらず、中から銃声が聞こえます。

しかし、中に踏み込んでみると、犯人も人質の姿も見当たりません、消えてしまったのです、次々と繰り出されるイリュージョン。ライムとサックスは、犯人にマジックの修業経験があることを見抜きます。そこで、機器ここみ先のマジックショップで見つけたマジシャン見習いの女性に、マジックについての知識を教えてもらうことにします。さて、一歩先ゆく不思議な事件にライムは犯人にたどり着くことができるのでしょうか。
 

著者
ジェフリー ディーヴァー
出版日
2008-10-10

なかなか馴染みのないイリュージョンの世界。ラスベガスなどでは、大規模なマジックショウが行われているようですが、目にするほとんど機会はありません。この作品では大掛かりなイリュージョンで「あっ」と言わせてくれます。作品の中では、いろいろな“仕掛け”(トリック)を披露してくれます。その大きさを想像しながら読むのもまた一興。

見習い女性のアドバイスが頼りなさそうに見えますが、そんなことはありません。彼女も色々と次の手を考えていきます。密室の中での事件、犯人は、十分は下調べをしているようです。ライムとアメリアのコンビが、ロン達の助けを借りて、どのようにトリックのネタを明かしていくのか、息をもつかせぬ展開が待っています。

「このミステリがすごい」の常連でもあるジェフリー・ディーヴァーですが、こちらも海外編第2位です。

ネットワーク、ハッカーがテーマ『青い虚空』

2001年発表のジェフリー・ディーヴァーの今作は、単独作品です。ネットワークの世界、ハッカーを題材にしています。

護身術のHPを主宰するシリコン・ヴァレーの有名女性が惨殺死体で発見されました。捜査をすすめる警察は、ハッカーの犯行ではないかと行き着きます。容疑者を特定しようにも、ハッカー相手では普通に対処できません。コンピュータ犯罪課のアンダーソン刑事は服役中の天才ハッカー、ジレットに協力を頼みます。難攻不落とも思えるの対象のみをゲーム感覚で狙う殺人犯は何者なのでしょうか?ハッカー対ハッカーの技術をかけた一騎打ち。先にたどり着くのはどちらでしょうか?
 

著者
ジェフリー ディーヴァー
出版日

当時のコンピュータ技術は、今とは比べ物にならないくらい頼りなく見えますが、PCに詳しい人なら楽しめること間違いありません。プログラミング用語など、専門用語も出てきますが、気にならないでしょう。どちらのハッカーが、どう仕掛けるか、そちらのほうが楽しみになます。ハッカーの頭脳戦。今で言う、サイバー犯罪ですね。「リンカーン・ライム」シリーズの『スキン・コレクター』も、このネットワーク関係です。ジェフリー・ディーヴァーの知識の深さを思い知る作品です。

「キャサリン・ダンス」シリーズ1作目『シャドウ・ストーカー』

「リンカーン・ライム」シリーズからのスピンオフ作品で、「キャサリン・ダンス」シリーズの1作品目です。

他人をコントロールする天才、ダニエル・ペル。カルト集団を率いて8年前に一家を惨殺、終身刑を宣告されたペルが、脱獄に成功しました。巧みに警察の裏をかいて逃走をはかるペルを追うのは“ウォッチメイカー”事件でリンカーン・ライムと行動を共にした、いかなる嘘をも見抜く尋問の天才キャサリン・ダンス捜査官。危険を犯してまでペルが脱獄したのは、一体どうしてなのだろう?過去の事件に関わることだろうか?ペルは何をしようとしているのか?ダンスは、ペルの脱獄の目的を探ろうとします。惨殺事件でしたが、唯一生き残った少女がいます。その少女テレサに、過去の話を聞きに行きます。ダンスとペル、2人の天才が火花を散らして。
 

著者
ジェフリー ディーヴァー
出版日
2016-11-10

「リンカーン・ライム」シリーズからのスピンオフなので、やはりハラハラドキドキしっぱなしです。キネクシスという身振り手振り・顔の表情などで、嘘を見破るという、“メンタリスト”的な手法を用いるキャサリン・ダンス。日本では松岡圭祐の「千里眼」シリーズで知られています。

「キャサリン・ダンス」シリーズは4作刊行されていますが、「リンカーン・ライム」シリーズとは一味違っていますが、どれもジェフリー・ディーヴァーらしい作品です。ダンスならではの知識を駆使して、犯人を追い詰めていきます。お約束のどんでん返しも忘れてはいません。当然ながら、ライムも事件に感心を持っており、ライムとアメリアが電話で出て来るあたり、ライムの推理を知りたいと思ってしまうファンへのサービスもわすれていません。
 


いかがでしたか?「リンカーン・ライム」シリーズと「キャサリン・ダンス」シリーズを読んでいただきたいのはもちろんですが、筆跡鑑定人のパーカー・キンケイドが主人公となる小説もあり、どれも読み応えたっぷりです。また、短編集も出版しており、一味ちがったディーヴァーを見ることができます。是非読んでみて下さいね。