絵にも内容にもとにかく可愛さ、優しさが込められているのが特徴の目黒あむ作品。少女漫画界きっての人気雑誌「別冊マーガレット」で連載をとり続けるほどの人気漫画家、目黒あむの魅力をご紹介します!
目黒あむとは、北海道出身の少女漫画家。年齢は非公表ですが、2010年『真っ赤なりんごに口づけを』という作品でデビューして以来、数々の作品を世に送り出しています。
主に少女漫画雑誌「別冊マーガレット」で活動。今や様々なスタイルの少女漫画が出版されていますが、目黒あむの魅力と言えばストーリーの優しさ。ドロドロした人間関係や悲劇の連続……というドラマチックですがヘビーなものではなく、ふわっとしたあたたかさを残してくれる話ばかりです。
そしてその世界を作り上げているもうひとつの理由が、その可愛らしい絵。キャラクターの表情から優しさやあたたかさが伝わってくるような、やわらかい描き方が特徴です。多くの人の心を掴んできた目黒あむ作品の魅力を紹介します。
主人公は高校二年生の楠小豆。小学一年生の弟、大豆が可愛くてたまらない女の子です。そんな小豆の家の隣に住むのは橘千花という同い年の男の子。二人は小さい頃からずっと一緒の幼馴染です。
千花は今や女の子にも人気のあるイケメン高校生ですが、幼かった頃は女顔や女の子っぽい名前であることでいじめられていました。しかしそれを助け、さらに名前も好きだと言ってくれた小豆。その頃から高校生となった今も、千花は小豆を想い続けています。
- 著者
- 目黒 あむ
- 出版日
- 2016-08-25
ある日小豆たちの住む団地に引っ越してきた家族との出会いでストーリーは動き出します。男の子二人兄弟、柊美月と流星。美月は小豆たちの1つ年下、流星は大豆と同い年です。
仲のいい楠兄弟とは裏腹に、なんだかうまくいっていない様子の柊兄弟。とあるきっかけで美月と出会った小豆は、家族仲、兄弟仲で悩む美月を励まします。そんな小豆に心惹かれる美月と、長年小豆を想い続ける千花。
そんなことも露知らず、小豆は全く恋愛に関心がありません。なんといっても大豆ラブ!のブラコンお姉ちゃんです。果たして千花と美月はそんな小豆を振り向かせられるのか?かわいい弟達と姉弟(兄弟)愛は……?
三角関係というとどうしてもドロドロした展開や人間関係を想像してしまいますが、この作品では全くそんなことなく、とにかく皆純粋!それぞれの大切な人を本当に大事にしているのが伝わってきて、思わず微笑みながら読んでしまいます。
最終的に選ぶのは一途な幼馴染か、天然系年下男子か?今までにない「純粋三角関係」が必見です!小学一年生のかわいい男の子たちにも癒されながら、是非読んでみてください!
高校へ入学したばかりの小暮奈緒。入学式から2週間が経ったある日、奈緒はとある男の子に呼び出されます。赤髪でいかにも不良という風貌の、鬼瀬大我。怖がる奈緒でしたが、そこで言われたことは予想だにしない言葉でした。
「結婚を前提にお付き合いしてください」
まさかのプロポーズともとれる告白に驚く奈緒でしたが、大我の外見の怖さに思わずOKしてしまいます。
- 著者
- 目黒 あむ
- 出版日
- 2013-01-25
嘘のような現実に、学校へ行く気力もなくなってしまう奈緒。しかし、同居している叔父である宗介に、見た目ではなくその本人と向き合ってみろとアドバイスされて登校します。
実際に付き合ってみると、大我のいいところが見えてきました。お弁当を自分で作っていたり、ゴミ拾いをしていたり、いじめられている亀を助けていたり……。大我をいい人だとわかった奈緒は改めて大我に向き合うことにしたのでした。
両親を亡くしてから育ててくれた宗介のことが好きだと大我に打ち明けた奈緒の気持ちを汲み取り、じゃあまずは友達になろうと告げる大我。深まる二人の絆は友情なのか愛情なのか?奈緒を一途に好きでいる大我に、奈緒の気持ちも動いていき……。
この作品で魅力的なのは大我が持つギャップ!ザ・不良という外見なのに、実際は優しく素直で、純粋な心を持っています。髪が赤色なのも、戦隊ヒーローに憧れているからという理由なのがなんともかわいらしい!そんな純粋さを持つだけあり、とにかく奈緒が好き!という大我は本当に魅力的な男の子です。
とにかくゆっくり、ほんわかと時間が進んでいくような物語です。ライバルが登場したりの展開もありますが、幸せ感が満載のストーリー。大我も優しいですが、大我が奈緒を好きになった理由も「優しさ」。とにかく優しさが溢れる作品です。
『ハニー』については<恋愛漫画『ハニー』のギャップ男子・鬼瀬が可愛すぎ!【ネタバレ注意】>で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。
面倒見がよくしっかりもののえりかは高校一年生。しっかりしすぎて女の子らしい扱いを受けたことがなく、恋愛に対しては諦めムードです。
そんなえりかのクラスに、野木奈という男の子が転入して来ました。性格上、案内役となったえりかは、「自販機は小人が動かしている」と信じているくらいのド天然な野木奈にあっけを取られますが、そのままお世話係を続けることになりました。
- 著者
- 目黒 あむ
- 出版日
- 2012-06-25
天然な野木奈ですがちゃんとえりかを「女の子」として見てくれたり、ぽやっとしていて一見わかりにくい優しさにえりかは心惹かれていきます。
しかし距離が縮まったかと思いきや、えりかは慣れない恋に戸惑って野木奈とまともに話せなくなってしまいました。そんなえりかの態度にショックを受けてしまった野木奈は風邪を引いて学校を休んでしまいます。野木奈の家を訪れることになったえりか。ちぐはぐな二人が迎える結末とは……。
方向は違えどとにかく純粋な二人。しっかりものだけど恋愛となるとしどろもどろになってしまうえりかと、天然だけどいざというときはちゃんと言葉にする野木奈の恋はあたたかくてキュンキュンしてしまいます!
カップルは性格が似ているほうがうまくいくと思われがちですが、お互いのたりないところを補いあうえりかと野木奈の関係は素敵の一言に尽きます。えりかの可愛らしさと野木奈のあたたかさが目黒あむの絵柄によって引き立ち、見ているだけでときめけられるオススメの一作です!
「マコとアキちゃんの恋心」「モノクロドールの思うこと」「だけど、やっぱりかわいい人」「きみと初恋」「真っ赤なりんごに口づけを」の5作品が収録された盛りだくさんの一冊です。
タイトルにもなっている「マコとアキちゃんの恋心」は、プレイボーイで遊びの恋しかしないアキに恋するマコのお話。とにかく一生懸命アキを追いかけ、好きだと伝え続けるマコのがんばりが描かれます。
- 著者
- 目黒 あむ
- 出版日
- 2011-10-25
「当たって砕ける」を地でいくマコ。クッキーを焼いたり、何度も好きだと伝えたりと猛烈アタックを繰り返します。アキはさらりとマコを交わすものの、拒否をすることもなく友達として接していました。
最初はなんの手ごたえもありませんでしたが、明るく健気で、正面からぶつかってくるマコに少しずつ心を開いていくアキ。そしてとあるきっかけによってマコへの想いに気付くのでした。アキはマコを好きになってから、それまで遊んでいた女の子達との縁も切り、真面目にマコと向き合うことを決意します。
あらすじだけだとザ・王道のラブストーリーですが、その中にも目黒あむ独特の世界観があります。とある女の子がライバル役として出てきますが、「好きだから彼女になりたい」と言うマコと、「好きだから、遊びでもいいから一緒にいたい」という女の子。
同じ「好き」という気持ちなのに正反対の行動を取る二人の女の子が対照的に描かれます。どちらが正しいかなんて分かりませんが、「トクベツ」になれたマコの幸せそうな顔を見ると読んでいるだけで幸せになり、「恋っていいな」と思わせてくれます。
マコを含め、他に収録されているいくつかの作品も主人公がとにかく可愛い!コロコロと変わる表情と、恋心をダイレクトに表現するパワフルさにキュンキュンします。恋に全力をつくすことの楽しさがめいっぱい詰め込まれた一作です!
純粋で優しいストーリばかりの目黒あむ作品。ドキドキハラハラというより、読んだ後はとにかくあたたかい気持ちになれます。純粋な恋に癒されたい方にオススメです!